村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ千久世島では、ポピ原人と人間が仲良く暮らしていることをポーポー様に知らせるために、秘祭モドリが行われる。それを信じきっていた陸だが、その秘祭は数年前に島の若者たちがエロ目的で考え出したものだと知る。
後に陸が結婚した夫は詐欺師。里帰りした千久世島は今度は別の神話をかたって変な観光地にプロデュースされている。この世のものは何かにプロデュースされて、意味づけられているに過ぎない。最後に秘祭ニンゲンの終幕が宣言されると、戸惑う人もいつつも人々は皆ニンゲンをやめてポーポーになっていく…
『信仰』とテーマが重なる。ニンゲンとして振る舞うのは皆仮面。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ12編のアンソロジー。
どの作品も変愛の名に相応しかった。この一冊に密度濃く詰め込まれたそれぞれの変愛。愛と一口に言っても当たり前ながら1つも同じものはない。
その中でも特に好みだった2つについて書きたい。
『藁の夫』
2人の間に嫌な空気が流れる、その始まりはいつも些細なことなのだと思い出させる自然な流れだった。あんなに幸福そうだったのに、藁に火をつけることを想像させる経緯、鮮やかな紅葉にその火を連想させるところがたまらなく良かった。
『逆毛のトメ』
シニカルでリズムのいい言葉選びが癖になる。小説ってこんなに自由でいいんだと解放して楽しませてくれた。躊躇なく脳天にぶっ刺す様が爽快だし、愚か -
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Posted by ブクログ
村田沙耶香様
脳世界、のぞかせていただきました。
あなたにとってコンビニエンスストア
というのは恋人だったのですね。
何度も何度も別れを告げ、
再会してきた特別な存在なのですね。
あなたにとってコンビニエンスストアがいるように、私にも特別な存在はいます。
私は木が恋人です。
私も木のことを書こうとすると、
原稿用紙が百枚あっても足りません。
そして、私の周りにも、
ゲームセンターが恋人
ぬいぐるみが恋人、がいるように
人は人間ではないものを
好きになるのだと思います。
人間として生きるのは、
とても難しいですよね。
緑のハイソックスの女
こそそめスープという話が面白かった。
やはり -
購入済み
普通って何?
個性が強すぎると敬遠され普通じゃないと言われ淘汰されていく。主人公は妹に助言を求め普通の人間に近づこうと外見や話し方を変えていく。そうしないと生きていけない。ただただコンビニの仕事に24時間精神も縛られてないと崩れてしまう。
毎回縄文時代を語る白羽さんとの出合いは彼女にとって普通になれる事だったのか?社会不適合者だったかも知れない彼女がコンビニ店員に身を置くことで社会の歯車に成れたと感じられればこれからも頑張れるのだろう。普通とは?と考えさせる一冊でした。 -
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購入済み
まさか、こんな内容とは
芥川賞を受賞した作品として知ってはいましたが、題名からライトな内容だと思い込んでいました。
誰かの普通は誰かの普通じゃない、そんなの当たり前だと思っていたけど、それこそ普通じゃないのだと思い知らされた感じです。
2人以上人が群れると、時として怖くなる。
普通圧力か…
深呼吸ができる場所で暮らしたいし、一緒にいる人には深呼吸させてあげられる人になりたいです。