あらすじ
思春期なんてとっくに卒業……と思いきや!? 追いかけてくる自意識の罠。
あぁ、こんな大人になるはずだったのだろうか? そんな悶々とした気持ちの吐露に共感必至。自分だけじゃなかったという安心感、ななめ過ぎる視点に大笑い、でも減り続ける友だちを思う気持ちにほろりとしたりと、七色の感動が込められた珠玉のエッセイ集。
気になるテーマは、・初めての結婚願望 ・大人のパンチラ考 ・おひとりさまの年末年始 ・謙遜をサボる女 ・大人の恥ずかしいゴミ ・紫外線と女の本気 ・ちゃんとおばさんする ・鞄がもげる夏 ・「着ない服」愛好会 ・おろおろインターネット 他。
読んだら誰かに話したくなる!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最初から最後までとても面白く読むことができるエッセイ。
一つ一つが短いので、隙間時間に一章ずつ読む、なんてこともできそう。
小説で表現されている村田沙耶香ワールドの残り香を楽しみつつ、普段はこんなことを考えていたのか、ということも垣間見える。
背伸びしない、素の村田沙耶香を知りたい方はぜひ。
Posted by ブクログ
『もっと世界が不便だった子供のころ、電車を乗り継いで憧れのお店へ行って、手にとって自分の目で見て、悩みに悩んで買うということのほうがずっと豊かで素敵だったと、大人になって思い知らされる』―『通販の誘惑』
作家の言葉の生まれる根源にあるのは「小さな違和感」に違いないが、そのことを大袈裟に飾り立てたり騒ぎ立てたりせずに(結果として極端な選択により大袈裟な仕掛けに見えてしまうこともあるが)等身大の問題として正面から向き合うというのがこの作家の特徴だと、このエッセイを読むとよく判る。
人は誰しも常に変化のただなかにいる。経時変化しないものなど厳密に言えば存在しないけれど、無機質な物質と比べて生物の変わっていく速度は速い。なのに人は何故か自分は変わっていないという。あるいは変化を拒もうとする。アンチエイジングで5年前の自分よりも若く見えることを誇り、見た目が変わったとしても内面は若い時から変わっていないなどと言う。あるいは、世の流れに掉さすように突っ張り、俺は世間の流れには押し流されないぜ、などとうそぶく。そんな風に色々なものに突っかかるようにしていても、全ての人は、やっぱり変化している。そしてある日つぶやく、あの頃は若かったな、と。その間の変化の責任はすべて放り出して。
村田沙耶香はとても変わっている。作品もそうだけれど、コンビニでのバイト生活を続けていることや(その理由や)、インタビューやメディアでの発言を見ていても、その異色ぶりは鮮やか過ぎる。しかし、ひょっとするとこの作家は多くの人が投げ出してしまいがちな全ての変化に対する責任感が異常に強いというだけなのかも知れない、とエッセイを読みながら思う。クローゼットの中の黒歴史を単に断捨離するだけでは問題の本質は解決しない。少なくとも、そのことを直観的に理解しているように思う。
断捨離はプロセスを重視しない。結果だけにこだわる。その正しい結果とは、言ってみれば、リセットに他ならず、再び断捨離のプロセスが必要とされる次の過程を生み出す余地を生むだけのことになりかねない。難しいのは「断」だ。何故なら人は思った以上に慣性に従って生きているから。最も、寝る前の昨晩の自分と起きた今朝の自分を「同一」と結論付ける為に、その原理はどうしても必要であるのかも知れない。しかし自分が知らぬ間に従っている慣性にじっくり目を凝らして、身悶えすること。そして少しずつ変化してきた己の軌道を理解しようとすること。村田沙耶香は、それが出来る人であるのかと思う。但しそれは同じような慣性の動きの中にいる人々との「ずれ」を生み出すことだろう。思考すべきことが多過ぎて、時間の流れが遅くなる。まるで高速で移動する宇宙船の中で時間の流れがゆっくりと進むように。
『「村田さんはどういう人がタイプなの?」と聞かれ、「壁を殴らなくて、束縛が異常ではなくて、部屋の中で全裸を強制したりしてこない人かな?」ざっくり説明したところ、場の空気が凍った』―『後ろ向き恋バナ』
そういうセリフを、他人を面白がらせる為ではなく率直な思いとして吐いているのだとしたら、村田沙耶香の重力場は想像以上に強い。レジ打ちをしているだけで多くの怪しい人を引き付けてしまうのも無理からぬことのように思えてならない。時間の流れがゆったりとするのも相対性理論の指し示すことわりの如し。
Posted by ブクログ
思春期は、身体の変化に心の変化、女としての「人生の進路」に悩む年代だったが、30歳を過ぎた頃から新しい『身体の変化に心の変化、女としての「人生の進路」に悩む』ことが多くなった。それで淑女の思春期病としている。カンタンに言うと30代になって経験するあるあるネタで、そんなエッセイ、マンガはずいぶんとあるが、その中でも頭一つ抜けてるのではないかと思う。平易な言葉の裏に潜む真実と苛立ちと諦観とユーモアが面白い。
Posted by ブクログ
著者初めてのエッセイ本。
2015年なので、約10年前、35歳の作品。
テレビ番組で拝見して、とてもおしゃれでおきれいな方だと思った。
やはり、学生の頃から美的センスがあり、ダイエットも色々試したようだ。
色々な「活」の中で、
女性特有の「妊活」にはタイムリミットがある、
という話は、ホントに頷いた。
自分自身を謳歌したい20代のいい時期を、
女性は子育てにすべてを奪われていいのか?
どんなに時代が変わっても、多様性がどうとか言っても、
女性にしかできないことも、もちろんわかるけど。
真っ白な髪のお団子頭の似合う、笑ったしわがかわいいおばあちゃん、きっとそうなれるでしょう。
一人の時間も、友人との時間も、上手に楽しんでる様子が、心地よいエッセイだった。
Posted by ブクログ
なにこの人!おもしろい!
自虐的な文章とこの方の周りで起こる様々な出来事に爆笑してしまった。
歳を重ねることが楽しい、私ってこれはこれでいいのか!と、思えたエッセイです。
Posted by ブクログ
面白いし共感できることが多かった。
言葉の選び方もうまくてつい声を出して笑ってしまうところもたくさん。10年前の本だけど今でも全然あるあるってエピソードが多くて楽しく読めました。30代女性の本音がうまく書かれている本です。
Posted by ブクログ
村田さんの周辺では面白いことがたくさん起こるように思うし、彼女の捉え方は謙虚で独特で時に飛躍する。
ananの連載との事でサクッと読めてフフッと笑えて、脳がリラックスしました。
あとがきにあった
「これからも、私は自分の心も、身体も、大切に観察し続けたいと思う。老いていく身体を内側から見ることは、一生に一度しかない大切な観察記録のような気がするのだ。」
との言葉にグッときた。私も自分自身を大切に観察して行きたいと思う。
Posted by ブクログ
とりあえず、最初に書かれたエッセイがあったので読んでみた。村田沙耶香、この時点で35歳。
今から不惑に進もうとゆう年代だから女性としての機能もタイムリミットが近づいてるような緊迫感を感じる内容。
普通に考えれば子供を産むなら今後10年がラストチャンス。その後は更年期障害が待ってるぞっw
老後までの人生設計をいろいろ思い描く最終コーナーにかかってる背景。飲み友達と世間話にも黒歴史がちらほら出てきて、ため息もっw
自意識過剰な彼女、サービス精神旺盛なとこもあるけど友達にしたらちと面倒臭そう。
お婆ちゃんになった時、どんな皺ができてるのか。縛られることなく自分の価値観で人生楽しめたら無茶美しい皺だらけになってる気がする。ハダカデバネズミのシワクチャな肌のように。
鎌倉山に登るのに登山用具一式揃えちゃったとか。後に高尾山は登ったとかっw
私も70代でアルプスの稜線を颯爽と駆け回る女性ソロに会ったことあるんですが、稜線よりも、ほうれい線が気になって笑顔が無茶活き活きしてて素敵だなって思ったことありました。
「大人のパンチラ考」とか「美容院の浮気」とか笑えました。「アダルトショップの憂鬱」もっリアルなイメトレに腰抜かしそうでしたw
ささくれて擦れたようでも乙女な部分も残っていて可愛らしくも切なくってキュンとしちゃいましたw
自意識過剰でSNSとかてんで駄目な割に、エッセイ描くのは平気なんだって意外に図太いとこあるような、知らないおじさんの膝枕で爆睡してる沙耶香さんとかっw
このエッセイ書いたの2015年だから今は40超えてるのか
カットやパーマは何処でしてんだろう。
浮気相手の美容室には通ってるのか別れたのか、ちと気になりましたw
Posted by ブクログ
ニヤニヤしながら楽しく読んだ。村田さんの小説はなかなか突っ走ってるけど、エッセイはまた別の突っ走り方、でも共感!
自意識が邪魔してSNSうまく書けないって、、、わかる、、、
そしてそういえばアルバイトしていたんでしたね。アルバイトエピソードも楽しいです。「感じよくおばさん」って難しいなー。
Posted by ブクログ
30代あるある、ということだったが、私にとってはあるあるではなかったが、面白い考えや行動と捉えるものも多かった。
合わない考えを苦手や嫌いという感性で弾くのではない作者の考え方に好感が持てた。
それぞれ短いため読みやすく、さくさく読めてしまった。
Posted by ブクログ
村田さんの本を何冊か読んでいてとても読みやすい筆致といわゆる曲がり角の年頃女子のあるある、わかるーな話で女子会をしている感覚で読めました。
30歳、40歳、50歳…いくつになっても気になる乙女心を代弁してくれた感じです。
Posted by ブクログ
あんなおどろおどろしい本を書く人が、めっちゃ普通のアラサー女子だった、ということが驚き。
共感できることが多いエッセイでした。
共感できない方が、女として幸せなのかもしれないけど。安心しない方がいいのかもしれないけど。
一気読み。ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ
村田さんの世界観がすき!つい声を出して笑ってしまう。アラサー特有の悩みも、感じ方も共感できて心強くなる。
年を重ねて、白くなった髪の毛に赤いかんざし…私も憧れます!
Posted by ブクログ
今年前半(2018年)日経新聞に連載していたエッセイを読んでいてあまりにも面白かったので、以前出版されていたこちらの本も読んでみました。
新聞の連載と重なるような関連ネタもあり、クスッと笑えるエピソードが多かったです。
普通の人が感じている事をかなりデフォルメして感じる方なのかなぁと思いました。
だからこそ、なにか共感出来て、面白く読めるのだと気付きました。
面白いです。
Posted by ブクログ
アラサーのあるあるがおもしろかった。
結婚したいと思ったそばから、やっぱり結婚したくないと思ったり、結婚するしかないと急に焦ったり、結婚なんてできないと落ち込んだり。
ほかにも出産、キャリア、恋愛、おひとりさま、老化、健康、おばさん化、セクハラ問題、似合う色問題、「パリに行ってきました」って言ったらウザいんじゃないか問題……自意識に苛まれたアラサー女子の悩みはまるで思春期のように次から次に生まれくるくると変わっていく。
村田さんのちょっと自虐的な発言や、一風変わった思考、性格もふくめて面白い。
可愛らしくて何度もクスッと笑っちゃいました。アラサーもなかなか楽しそう。
Posted by ブクログ
著者の作品は「コンビニ人間」「しろいろの〜」を読んだことがあるので、エッセイはどんな内容なんだろう…と気になって手に取った。
分かる分かるとうなづくところもあれば、気にしすぎすぎて面白いところもあり。人見知り?なのにいろんな経験をしてて単純にすごい。
英会話の先生に自分の作品を説明する話が面白くて好き。
Posted by ブクログ
後書き読んでて気づいた。
これ前にも読んだ!
雑誌の連載を集めて一冊にしたもの。
著者が友達から始めは「あるある」話だったのに「ないない」ばかりだよ、最近。
って言われるっていうのが面白かった。
またエッセイ書いてくれないかな。
Posted by ブクログ
ananに連載していたものをまとめたエッセイ。
ちょうど自分と同じ年頃だった著者が書いているので、読んでいて旧友達と会って駄弁っているような気分になれた。
「大人のパンチラ考」はじめ、そんなこと考えたことも無かった!と笑えるものや、「「年齢に合ったいいもの」の謎」などではあるある!と共感したり、色々な話題が短く詰まっているので楽しかった。
今は分からないけど、コンビニでバイトしていることには驚いた。
Posted by ブクログ
村田沙耶香さんのエッセイ。
めちゃくちゃ等身大の村田沙耶香さんの素が満載、
自分もあえて人には言えないけど、あーこういう事思ったりすることあるなぁ…みたいな些細な事が赤裸々に繊細に書かれていて親しみを感じました。
ぶっ飛んだ内容の本を沢山書かれてるけど、
本当に繊細で人に気を使いすぎる性格の良い人なんだろうなぁと思っていたがその通りのお人柄だった。
ご自身のことを自意識過剰と自負しており、
すごく人に気を使う人だからこそ、あんなにいろんな多方面からの人の狂気じみた感情を面白く書けるんだなぁと思った。
「活の怖さ。女をさぼるな、さもないと不幸になるぞと脅されている気持ちになる」
笑。世の中に溢れた◯◯活を面白く表現してて、
面白かった。
Posted by ブクログ
村田さんは、美を気にする女性の典型の一人でありながら、そのなかでも自分とちゃんと向き合って、考えを言語化し、整理してきた方なのだろうなと思う。
ただ、綺麗になりたい、女らしく、女ならではの幸せを...なんて言う人は、多くいると思うけど、自分が女性であることと真剣に向き合い対話してきた人はそう多くはないのではないかと思う。
また、個人的には、村田さんは庶民派っぽいところがあり、かつ、陰の気持ちも分かられてる方で、親しみやすさを感じた。小説家でありながらも、コンビニでアルバイトされてるところも好きだなと思いました。
p.117 ・高性能恋愛ブレーキ
p.123・人見知りの合コン作法
p.131・仕事の中で思うこと
p.169・電車と膝枕
Posted by ブクログ
あぁ〜めっちゃ分かるわぁ。と、
それは無いわ〜笑。と、
それ、また年重ねると変わるで〜の繰り返し。
ひたすら女友達と尽きない話をしているようなリラックスして読めるエッセイだった。
それもそのはず!
村田沙耶香さん、ほぼ同い年だった笑笑
いやぁ〜是非お近づきになりたい。
そして美味しいお酒をのみながら、色々なお話をしたいなぁと思った。
本作は、作者が35歳の頃のエッセイ
ふふふっ淑女の思春期病とは上手い事言うなぁ。
この微妙なお年頃?の女心?乙女心?違うか笑
がギュッと詰まった一冊。
特に「大人の習いごと」「電車と膝枕」は爆笑!
この2作が続けて来たので危なかったぁ〜
人前で読んでなくてよかった。
ところで、また本作でも牛久保雅美さんの装画に会えた♪
先日、垣谷美雨さんの『四十歳、未婚出産』でお目にかかったが、アンニュイでどこか憂いを含んだ女性を描くのがなんとも上手い。頼りない線と迷いのない線のバランスが絶妙なので、興味を持たれた方は是非注目して欲しいと思った。
Posted by ブクログ
時間かけて長々と入力した完成間近の感想が消えてしまったよ、全て・・・
ああ、スマホの全消し、もう要らない・・
せめて、設定で取り除けられればいいのにな。
というわけで、簡単に書きます(^^;)
本書は、しじみさんのレビューを読むまで知らなかった、村田さん初のエッセイ集で、以前読んだ、「となりの脳世界」は、デビューから15年、各紙誌に書いてきたエッセイを一冊に纏めた、バラエティに富んだものであったが、こちらは、雑誌「anan」(2013~15年)で連載されたものを纏めたもので、最初こそ、アラサー女子へ向けた統一性がある内容に思われたが、次第に、自らの嗜好(いつもの村田さん)へと、ごく自然に変わってゆき、正直ホッといたしました(友達からは「こんなことねえよ」と突っ込まれたそうだが、それが村田さんなので)。
村田沙耶香さんといえば、小説で連想させるマイノリティさと、小説家のイメージとはちょっと違うような、一般人特有の素の可笑しみや駄目なところも併せ持った、稀に見る、面白くも可愛い方であり、それは、「村田さんのタイプの人は?」と聞かれて、『壁を殴らなくて、束縛が異常ではなくて、部屋の中で全裸を強制したりしてこない人かな?』と答えたり、見てる分にはときめくので捨てられない、赤ずきんのスカートと白雪姫のスカートに(更に、森の中に熊がいるスカート)、「なんか興奮した」という理由で購入した、地引網に大量のヒトデがかかっているデザインのストールからも感じられて、もしかしたら、「えっ?」と思われるかもしれないが、私は、これらのエピソードにとても愛しさを感じられる。
そして、私が特に心を打たれた、村田さんの人柄に、友達への真摯な思いがあり、それは、友達が「ごめんね、愚痴だけど……」と前置きをして、話してくれる感情に美しさを感じることにも表れており(傷つきながら生きているから、傷から膿が出るのだ。その膿を、私はどうしても汚いとは思えない)、また、『綺麗なことしか起こらない人生なんてない。人生について本音で話せば話すほど、汚い感情だって出てくる』には、村田さん自身の眼差しで見た人生観も窺えるようで、心揺さぶられるものがあった。
それから、村田さんといえば、コンビニでバイトをしていた事が頭に浮かぶが、それをしていた理由の一つに、『働いている同僚の姿を尊敬しているから』という思いがあり、その代わりがいくらでもいる仕事ながら、それぞれに真似する事の出来ない、唯一無二の存在感だった彼らへの思いに、自意識過剰で人見知りの村田さんではあるが、人間がとても好きなんだという、友達とはまた異なる真摯さを感じさせられて、そんな一面に、村田さんも彼女の作品も、より魅力が増してくるのだろうと思わせるものは、確かにあるし、もしかしたら、このエッセイがきっかけで、「コンビニ人間」が誕生したとか? なんて想像するのも楽しい。
副題の『淑女の思春期病』は、村田さんが30歳を過ぎたころから、また様々な「身体の変化」を体験し、同世代の女友達とも、そんな話ばかりで、「大人である自分が、もっと大人に」なっていく不思議な体験に、「あ、なんだか今、私たち、思春期みたい」と思われたことに基づいており、大人の2年間なんてあっという間だというのに、その間にも、自分の心はどんどん変化し、身体はますます変化しており、それは、「老い」というものに対する新鮮な驚きで、一生に一度しかない大切な観察記録のような気がしたそうです。
また、本書の連載のおかげで、「痛み」だと思っていたものを、笑ったり、見せ合ったりできるようになったことや、『皺は美しいと思う。でも、皺を作らないような努力をしてしまう。どちらも本当の私の気持ちなのだという気がする。二つの価値観の間を揺らいでいる』こと、それぞれには、友達と同じくらい、村田さん御自身の心と身体も大切にされているように思われて、そんな真摯さも、きっと彼女の魅力の一つなのだろうと感じられました。
しじみさん、改めて、ありがとうございます。
おかげさまで、村田さんの新たな一面を知ることが出来ました。
Posted by ブクログ
村田さんが35歳くらいのときのエッセイ集。
こう言っては何だけど,普通の人なんだな。書いている小説から筆者はきっと凡人では考えつかないようなことを常日頃考えているのだろうと思っていたが、そんなことはなかった。
結婚や出産等で友達が減っていくと感じたり,オバサンになりきれなかったり,誰でも通る道について書かれている。
私が勝手に抱いていた村田さんのイメージとかけ離れていたのが,「必要以上に商品を褒めてしまうところ」である。
村田さんは美容部員に化粧品を進められたとき,大した効果がなくても化粧品を褒めちぎってしまうらしい。他人に気を遣い過ぎる人なのだろうな。
左半分裂けたパジャマをずっと着ているというのは本当なのだろうか。ある意味セクシー(笑)
何故か一人で初見のBARに入ってしまい,居心地の悪さを味わったり,パリのお土産を何て言って渡せば嫌味っぽくないのか悩んだり,日常のあれこれを細かく綴ってくれるこのエッセイ。
特に真新しいことはなかったが,このエッセイ執筆時の村田さんと年齢も近いため,同世代あるあるなところもあって楽しめた。
Posted by ブクログ
30歳を越えると、いろいろと体と心の変化が激しく
それを絶妙にとらえたエッセイだと思ったよー。
でも、村田沙耶香節も感じて笑えたー。
個人的には、「大人のパンチラ考」が笑えたー!!
見てしまった人が、おばさんのパンツを見てしまった…。
パンツを見せながら、軽やかに歩きたい…。
いやいや、そんなこと考えたことなかったーー笑
これから、そんな風に考えちゃうよー笑
Posted by ブクログ
引用
女は楽しい。女はしんどい。どちらも本当で、だから私は私のために「女」になる。
「ちゃんと女を頑張っているか?」と詰め寄ってくる化け物は、自分の中にいる。わかっているのにいつまでも苦しみ続ける自分にうんざりしながら、けれどそうやって足掻いている自分もまた「女」で、苦しみも大切な人生の一部なのだと、自分を励まし続けている。
Posted by ブクログ
前半は“クレイジー沙耶香”っぷりがちょっと抑えめなのが肩すかし。
『an・an』という媒体のせいなのか、アラサー女子の共感を呼びそうなエッセイが続く。(いろいろ過剰なところがあるが)
後半は自分が出せるようになったのか(偉そうな物言い)『ご本、だしときますね』で読ませていただいたようなキレっぷりが出てくる。
『となりの脳世界』の方が村田節全開っぽいのでそちらも読んでみたい。
あと「オタク女子は洋服を自分に似合うかどうかよりもそのアイテムに萌えるかどうかで選んでしまう、とネットに書いてあった」と書かれていたけど本当にそうだよなーと苦笑い。