村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレ表題作「変半身」は、俗にいう因習村的なホラーチックな展開かと思いきや祭りの後から急ハンドルをきり、世界が足元から作り変えられるような感覚に陥った。
筑摩書房の特設サイトにあるように、「自由」って感じで、1つ1つのモチーフで作品にできそうなところを殻を破って破って外側にはみ出していく感じが面白かった。ポーポーポーポーで埋まったカオスなページから、自分たちが考えている「人間」の枠組みって案外脆いよなあと考えさせられる。たぶん江戸時代や平安時代にタイムスリップしたら、今の人間観ではいられないもんな~、と思ったりした。
個人的にはもうひとつの「満潮」の方が好みだった。
体液を出すように世界に追い立てられているというのは本当にその通りだと思う。世間が演出している恋愛や性の喜びにうまくフィットできない人間なので、すごく共感できた。とはいえ薄っすら感じていた違和感(自分の身体なのに他人に正常な反応を決められる・期待される)をここまで物語にされると圧倒される。
ラストの展開にはなんだか感動してしまった、泣き笑いみたいな感情。汚されていない、自由な友愛があった。 -
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如月空子は、相対する人間に合わせて(トレースして)人格を変え、言動を模倣する。
自分というものがない。
目的は「安全に生きる」ため。
それぞれの世界にそれぞれの空子が存在する。
(多重人格?)
しかしそれは程度の差はあるけれど
大人になると誰もが身につける世渡りの術であると思う。
しかしここまで徹底してやると
こんなにもグロテスクな不愉快な存在になるのだな。
上巻では空子の10歳から35歳までが描かれる。
昭和のような男尊女卑がまかり通り
男性はロリコンで
処女であることにこだわり
母親を家族の「道具」として見ているのも
不愉快極まりない。
クリーンタウンも
最初のペットのピョコルンの最期も
差別されるラロロリン人も
世界1も2も3も
違和感だらけ。
それでもなぜか読むのを止められない。
上巻の最後も衝撃的で
これは一体どんな展開になっていくのか。。
気持ち悪さで胸が一杯なのに
なんだか先が気になる。
完全に村田沙耶香ワールドにやられてる。
下巻に進みます。
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ネタバレ村田沙耶香はコンビニ人間に続いて2冊目。
多分この人の作風めちゃくちゃ刺さるんだろうなと思ってたけど、案の定ドタイプ。好きだ~天才過ぎないですか。
この本は変半身・満潮の短編2部作。
変半身:すごく好きだった。
島に昔から伝わる伝統的な秘祭がモチーフ。
伝統ってなんなんだろう?って考えさせられて大変面白かった。
陰謀論に通ずる考え方でなかなか皮肉が効いていてよかったです。狂っていた。。。
満潮:正直変な話すぎて良く分からなかった…
どちらもコンビニ人間よりもかなりファンタジー要素が強め。
すっごい誇張してて狂っている話だったけれど、どれも現実にある問題で、皮肉を効かせつつ考えさせられる話でよくできてるなあと思った。好きです。天才! -
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由佳のおすすめ(変だから読んでという謎のおすすめ笑)
カオスで全然意味がわからないと聞いていたので、全く理解できない話かと思ったら、そんなことはなかった。でも変ではあった。
1つ目は、秘祭の秘祭の秘祭の秘祭の...という無限ループができそうな、何がホントで何がウソがわからないちょっと気持ち悪い話。本筋ではないけど、怪しいマルチの成功した男を演じる旦那の生活がなかなか面白くて良かった。ポーポーポー
2つ目は、潮の話。可哀想にね、消費されてる感とか、ムリに頑張らなきゃいけない感とか、気持ち悪いよね。せめて主人公に旦那という相棒がいてくれてよかったよ。
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まさか可愛いって思うことになるとは想像していなかった。「コンビニ人間」「消滅世界」に続いて三冊目。
変態小説…
変態観察をしている感覚… 変態を安全な場所から"覗き見"しているといった感じに近いかな。変態が変態として成長していく課程を垣間見るだけじゃなく、変態の脳の中まで覗くことができてしまい、観察をやめれなくなる中毒性… 何かしらの"毒"を含んでいるんですよね。
「勃起していた私の手のひらは、いつの間にか萎えていた。私は顔をしかめて母の乾いた皮膚を見つめた。裏に汗をびっしょりかいた、生臭い皮膚。宿っていた欲望はすっかりなくなり、母の表皮を蔑む気持ちに変わっていた。」
これが変態の生の表現だ!
#ギンイロノウタ
#村田沙耶香
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一つの島を舞台に陰謀論を嘲笑う、村田沙耶香流フィクション。いつも予期せぬ方向から槍が飛んでくるような奇抜な小説を書く彼女ですが、今回はオマージュにしたあれこれが見える。彼女の作品にしては読みやすい。置いていかれないというか、ああ そういう文脈の話ね、となる。
「新しい真実を知るとき、人間の頭はクラッシュする。その瞬間だけが、本当に「無」になれるときなのよ」。
「知る」から「信仰する」に至るまでに流れる「無」。この一瞬って超心地よい。目の前のすべてが煌めいて見える。自由が雪崩のように流れ込んでくる。そう、真実は存在しないのだから、信じたいものを信じればいい。信じていたものが消えたのなら、新しく信仰を始めればいい。前提に立ち返り、それまでの常識を自ら破壊して、再構築する。それがきっと、希望を見失わずに生きるということ。
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村田ワールド全開。
これは特に難しい、助けてくれ。笑
アースとセックス…?
朝井リョウの正欲じゃないけど、色んな性的志向やセクシャリティを持つ人がいるんだなということを改めて考えさせられる話
こんな進んだ(?)ジェンダーの考えを2011年時点で書いていることがまずすごい
超メタ思考というか神様的な視点を持ってる知佳子、現実にいたらめちゃめちゃ不思議ちゃんだと思うけど、こういう人は里帆みたいにだる絡みしたり追いかけちゃいそう
私は完全に性自認女、生物学上女だと思うけど、自分の性自認が分からないとアイデンティティが定まらず、里帆みたいに苦しむんだろうな。。
あと、普段私も女性らしく振る舞えないから、周りの環境とか扱われ方によって自分が女だと認識させられる瞬間に若干の抵抗あるのはめちゃくちゃ分かる〜!
トランスジェンダーの方の気持ちが分からないから、知佳子とは違う角度ではあるけど同意見で、わざわざ性別定める必要ある?って思っちゃった
昔大学の講義でセクシャリティは無限にあるということを習ったことがあるので、世の中にはまだまだ自分の知らない世界があるんだろうなと思う
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ネタバレ・人の脳の数だけ世界があることを考えると、なんて豊かで、奇妙で、素敵なんだろう、と胸が高鳴ります。誰もが、自分だけの奇妙で愛おしい脳を通して、世界を見ているということが、とても素晴らしいことに感じられるのです。
・私は歩く時、音楽を聴くのではなく、どちらかというと観ている。音楽から浮かんでくる映像を観るのが好きなのだ。
・毎日の生活の中で必死に大人を演じ、真面目に、まともに、常識的に、ルールを守って生きなくては、と肩に力が入って、いつの間にか心がガチガチになってしまっているとき。歌いながら、踊りながら、キスしながら、「それじゃもったいないよ。人生を、生きていることを、楽しもうよ」とおどけながら囁いてくれる。私にとって、そういう存在の映画なのだ。
・「好きなもの」はその人の世界で、そこへ連れていかれるのは楽しい。 -
Posted by ブクログ
村田沙耶香さんのエッセイ。
めちゃくちゃ等身大の村田沙耶香さんの素が満載、
自分もあえて人には言えないけど、あーこういう事思ったりすることあるなぁ…みたいな些細な事が赤裸々に繊細に書かれていて親しみを感じました。
ぶっ飛んだ内容の本を沢山書かれてるけど、
本当に繊細で人に気を使いすぎる性格の良い人なんだろうなぁと思っていたがその通りのお人柄だった。
ご自身のことを自意識過剰と自負しており、
すごく人に気を使う人だからこそ、あんなにいろんな多方面からの人の狂気じみた感情を面白く書けるんだなぁと思った。
「活の怖さ。女をさぼるな、さもないと不幸になるぞと脅されている気持ちになる」
笑。世の中に溢れた◯◯活を面白く表現してて、
面白かった。