村田沙耶香のレビュー一覧
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『丸の内魔法少女ミラクリーナ』以来の村田沙耶香san。
無性別を求める里帆、女であることに固執する椿、物体として生きることを選んだ知佳子。三人が乗った見えない「ハコブネ」とはー。
自分のセクシャリティーに疑問を持つ里帆から始まる物語。正直、よくある展開かな と思っていたら、第2章では知佳子からの視点に変わり、世の中の皆が壮大な「おままごと」をしているみたい という捉え方がとても新鮮でした。私も少し解るから。
また、随所に私の好きなフレーズが散りばめられていました。
・声の温度が低くなったような気がして
・痛みを慈しむように、服の上から心臓を撫でた などなど。
誰かがいつか「やーめた」と言ったら、本当にいまの世界が消えてなくなり、皆、ただの星の欠片に戻っていくのかもしれません。それぞれのハコブネに乗って。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」の2作品とも、主人公視点での淡々とした語り口が特徴的で、何が正常で何が異常・狂気なのかと不思議な気持ちになった。
「ギンイロノウタ」後半は物語がどんどん救いようのない方向に進んでいくが、つらいと思いながらも引き込まれて一気に読んでしまった。
巻末の藤田香織さんの解説に
"怖い。でも知りたい。怖い。だけど見たい。抗いきれないのは作者の中に住む「狂気」が、ともすれば自分のなかにあるかもしれない、と思わされるからです。"
とあるが、私の覚えた感想もまさにその通りだった。
「ギンイロノウタ」について言えば、「家族や教師との不和などの問題が主人公の感性を歪ませた」というだけの話ではなく、子供向けアニメ、第二次性徴といった一般的に無害なものや誰にでもある経験が全て衝撃的な展開に繋がっていくところに引き込まれたのであった。
正直なところ「ギンイロノウタ」のインパクトが強すぎて、先に読んだ「ひかりのあしおと」が平和な話だったかのように記憶が書き換えられているため、落ち着いたら単独で再読したい。 -
ネタバレ
まず読み始めて、主人公は発達障害の傾向が強いなと思いました。
私自身ASDの診断を受けており、主人公には共感する部分が多い、というよりも、私が書いた日記を読んでいるかのような感覚でした。
作中で、主人公が妹に「いつになったら治るのか」「どうすれば普通になるのか」というように責められる場面があります。それに対する「指示をくれれば私はどうだっていい。ちゃんと的確に教えてよ」という主人公の言葉は、まさに私の主張そのものでした。主人公や私のような人間は、周りの要望に応えるためにわざわざ行動しようとしているというのに、一体どうして具体的な改善案を出してくれないのでしょうか。こちらが歩み寄ろうとしているのに、一方的に糾弾してくるなんて、どう考えても非があるのはあちらではないのでしょうか。
自分自身のモヤモヤが物語になった、というような作品で、共感は得られましたが、感動や新たな発見はありませんでした。 -
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友人・知人に「この本どう?」って聞かれたら…
「トラウマになりそう・・でもきっとあなたも一気に読み切ってしまうと思う」
って、言います。
「変半身(かわりみ)」と「満潮」の2編が収録されています。「満潮」も痛そうな描写があったりしますが、「変半身」の奇祭が、それも後半の卵のあたりがうわぁぁとなりました。忘れたくても忘れられなさそうです・・。
「コンビニ人間」がおもしろかったので続けて読みましたが、なかなか衝撃でした。でも考えてみたら残酷さとかはコンビニ人間にも共通するような。村田沙耶香さんの本おもしろいよ!と誰にでもおすすめするのはちょっと躊躇するなぁという感じでした。これだけ強いインパクトを残す小説を書かれることについては純粋に尊敬します! -
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村田沙耶香の作品を読んだのはこれで3作目
前作は性を知らない女性たちが性を知ると言った感じの
「授乳」という短編集だった
今作は性に関しては理解があると言えるのだけれど
その性に対して複数の考え方があると言った感じの2話構成
官能小説と勘違いされそうだけど
女性が性に対して上手くいっていない
というよりは性的嗜好といったところが強く
絡んでくる話で
性に迷走している女性を描いている
読んでいてリアルな表現とかが
寛容じゃない人にとっては不快なところが
あると思うし
人によっては官能小説というかエロ小説を
読んでなんていやらしい!!
なんてことを言われかねない作品ではありました
ですがよく理解しようとすれば
女性の性に対する葛藤があるのだと
分かってきて
最終的には純文学を読んでいたのだ
と思い出させる終わり方になっていました