村田沙耶香のレビュー一覧
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結佳は新興住宅街で暮らし、周囲とのつながりと友達関係を差しさわりないように取り繕いながら過ごしている…小学4年の時に同級生の伊吹と会話を交わすようになり、2人の関係が変化していく。中学2年生になったとき、また小学生の時とは違う環境に身を置くことになる…結佳は変わらず自身を取り繕いながら過ごしていたが、伊吹への想いが抑えきれなくなっていた…。
激しく共感できることもあれば、反感を覚えてしまうようなこともあったりと読んでいてほっとできる時間を持てなかった印象で残念かなって感じました。村田沙耶香さんの他の作品は何冊か読んでいて、この作品を絶賛する読書家さんも多いので手に取りましたが…私にはあわなかっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」の2作品とも、主人公視点での淡々とした語り口が特徴的で、何が正常で何が異常・狂気なのかと不思議な気持ちになった。
「ギンイロノウタ」後半は物語がどんどん救いようのない方向に進んでいくが、つらいと思いながらも引き込まれて一気に読んでしまった。
巻末の藤田香織さんの解説に
"怖い。でも知りたい。怖い。だけど見たい。抗いきれないのは作者の中に住む「狂気」が、ともすれば自分のなかにあるかもしれない、と思わされるからです。"
とあるが、私の覚えた感想もまさにその通りだった。
「ギンイロノウタ」について言えば、「家族や教師との不和などの問題が主人公 -
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ネタバレ
まず読み始めて、主人公は発達障害の傾向が強いなと思いました。
私自身ASDの診断を受けており、主人公には共感する部分が多い、というよりも、私が書いた日記を読んでいるかのような感覚でした。
作中で、主人公が妹に「いつになったら治るのか」「どうすれば普通になるのか」というように責められる場面があります。それに対する「指示をくれれば私はどうだっていい。ちゃんと的確に教えてよ」という主人公の言葉は、まさに私の主張そのものでした。主人公や私のような人間は、周りの要望に応えるためにわざわざ行動しようとしているというのに、一体どうして具体的な改善案を出してくれないのでしょうか。こちらが歩み寄ろうとし -
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友人・知人に「この本どう?」って聞かれたら…
「トラウマになりそう・・でもきっとあなたも一気に読み切ってしまうと思う」
って、言います。
「変半身(かわりみ)」と「満潮」の2編が収録されています。「満潮」も痛そうな描写があったりしますが、「変半身」の奇祭が、それも後半の卵のあたりがうわぁぁとなりました。忘れたくても忘れられなさそうです・・。
「コンビニ人間」がおもしろかったので続けて読みましたが、なかなか衝撃でした。でも考えてみたら残酷さとかはコンビニ人間にも共通するような。村田沙耶香さんの本おもしろいよ!と誰にでもおすすめするのはちょっと躊躇するなぁという感じでした。これだけ強いインパク