村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレ下巻からの「リセット」以降の世界線は特に難しく、下巻の序盤で一度読むのをやめて《世界99 暗喩》でググってみたりした。検索結果の斜め読みでは結局わからなかった。ただ、作家本人が執筆中に「これは奇書だから大丈夫」という言葉を励みに書き続けてきたというWeb記事を見つけた。それを読んだときに私も「なるほど、これは奇書か」と思うことで、本書を読み進められた。
読んでいくうちに、私自身もこの世界にも慣れてきた。間を空けて読むと拒否感や嫌悪感なくこの世界99の在り方を受け入れている。これも呼応の一種だったと思う。奇書という言葉で一度グッと離したはずの世界が、ぬるっと自分の手元に戻ってくるのが、我に返 -
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誰が決めた訳でもない普通という価値観を、あたかも当たり前かのように求められ、そうでなければ排除される世界がある
全てがマニュアル化されており、イレギュラー対応が必要ない
There is a world where people are expected to conform to a standard of “normal” that no one ever decided on, as if it were an unquestionable truth. Those who don’t fit that standard are excluded.
Everything is st -
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コンビニ人間である主人公は、店員としてのプロ意識がめちゃくちゃ高い。と感じた。元気の良い発声・売れ行きの予想・清掃に至るまで思考が研ぎ澄まされている。
主人公の周りの登場人物は目に見えない「普通」から外れないように生きている。生きようとして苦しむ人もいる。これは人間としてのプロ意識(プライド)とも捉えられる。
主人公のプロ意識は、勤務中にゴシップを話す店長・同僚に「店員では無くて1人のオス・メスに見える」と表現して落胆するほどである。
自分も主人公と同じように、仕事中に誰が好きだとか嫌いだとかを持ち込まれる事に嫌気が刺すことがある。自分と相手のプロ意識に差分があるのかもしれない。
昨 -
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ネタバレわたしはどちらかと言うと多分、古倉側だ。でも、白羽も混じってる。画家という安定しない将来を夢見て24にもなってアルバイトであり、恋人もろくに出来ない。むしろ、必要かすら分からなくなってきている。
古倉ほどサイコパス思考ではないが、共感できることも多々あり、その度に怖くなった。私もコンビニ人間になるのではないかと。
でも、今が1番自分にとって合っている生き方で、画家を目指すのを辞めてしまったら自分が自分で無くなってしまうと思っている。
古倉がコンビニから離れ、普通になろうとするとむしろ普通に出来なくなることに気付き、コンビニ人間になったラストを読んでわたしは少し安心してしまった。
これでいいのだ -
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上巻に引きつづきエグい。が、もはやここまできたらなんか清々しい。怒涛の展開にくらいついてたらこんな所まで来てしまった!という、ものすごい読書体験でした。
上巻ラストの衝撃ニュースでリセットされ、さらに変化していく世界。
空子のドライな視線を通したさまざまな人々のアレコレと、世間の価値観の変化の速さ、そしてピョコルンの止まらない進化?にため息。
本能的で、ある意味人間らしいとも言える部分をどんどん手放していくところ。
「昔は当たり前だった事も今ではドン引き」という事は実際にもよくあって、最近はそれがSNS等で加速して広がる印象もあり、ものすごいリアルさ。
個性だ多様性だとは言いつつも、「自分」を -
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村田作品三作目。この世界観は『殺人出産』のさらにその先だと思う。相変わらず倫理・道徳観がぶっ飛んでて好きだわ。いろいろ気味が悪く、本当に気持ち悪い…(褒め言葉w)。途中まで、一番は「III」の○○シーンだと思ったけど…。そんなことはなく結末を含め「III」すべてが異様としていて、言葉にならない恐怖(適当な言葉が浮かばない…)なのかな…。下手なホラーよりよっぽど怖い……。
"消滅"世界とは、わたしたち(読者側)、雨音たち(小説側)どちらかではなく——その両方の世界が消滅し、新たに第三世界(これに付いた名が「消滅世界」なのだと)が誕生したことなのかもしれない…。今まで読んだ村田作品の中で一番だ。 -
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今、私は一体何を読んだんだ…となっています。ディストピアっぽい世界で、「自分」を持たない主人公のブッ飛んだ立ち回り。
これが全く共感できないのかというとそうでもない。見方を変えるたびにすべてがひっくり返って、何が正解とか善悪とかわからなくなってきます。
いくつもの世界を渡り歩く空子の打算的生き方は理解し難い部分もあるけど、謎の爽快感やあっぱれ感もあってページをめくる手が止まりませんでした。
様々なパターンの女性たち、そして胸がムカムカしてくる男性たち、あとはどんどん加速するピョコルンの衝撃!トラウマになりそうです。
しかもコレまだあと一冊続く!どうなっちゃうのか全く予想できない。急いで下巻へ! -
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初めての村田沙耶香さんでした。
こういうのすごい好きです。
特異的な主人公かつ、語り手がその主人公である作品が大好きなのだなぁと気付かされました。(朝井リョウの生殖記がすごい好きなのです。)
村田さんの文章も何の違和感もなく私に入ってきたので、他の作品も読んでみます。
もっと読んでいたかったなぁ…!というのが読後感でした。
いまの時代は、いわゆる『多様性』の扱いに個人も社会も手を焼いているんですよね?
生きるのって大変!でもみんなそうなのよ!大変で当たり前だし、その大変さは十人十色!理解の範疇を超えるのよ!の時代なのですね。
昔からそうなのですか?豊かすぎて暇すぎてこんな時代になっちゃったの -
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下巻は、主人公の如月空子さん(きさらぎ・そらこ)、49歳からのスタートです。その年齢のせいなんでしょうか、物語の勢いが弱まっています。
もしかして、作者の村田沙耶香さん、お疲れなのでしょうか?! なにしろ、集英社の月間文芸誌『すばる』での、3年におよぶ連載だったそうです。
そうなら、気持ち悪がってる場合じゃないです!
「村田沙耶香先生、がんばれ~!」の気持ちで読みました。(村田先生だと村田英雄さん思いだすもんで)
コンビニのクリームパンを差し入れしたいです。(笑)
読みすすめて、わかりました。パワーダウンじゃなかったです! 変わらなぬおもしろさです!
下巻は、上巻終わり近く -
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どこが良かったのか?と言われるとうまく説明できないのだけど、すごく好きな種類の小説だった。
・先が気になる物語だったし、律と瀬里奈の関係性がとても良い
律に共感できる部分もあったし、律と瀬里奈の成長を見ているのも面白かったし、あとはくるみ割り人形のマリーが気になりすぎるので読みたい!
・ただクラスの男の子たちが意地悪?というか暴力的?すぎて、リアルに小学校ってこんな感じのことある???とちょっと現実味湧かなかった 現実にはあってほしくない
・村田さんにしてはポジティブな作品だという意見もいくつか見かけたのでぜひ他の作品も読みたいという気持ち
なんだか律は気づいていなさそうだったけど、瀬 -
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ネタバレ本を読んでいると、「私の人生のなかで、その部分の言語化は避けていたなぁ」と自覚するときがある。避けるという動詞が適切なのかはわからない。サボっていた、という後ろめたさも含めた動詞のほうが適切かも知れないし、うすうす気づいてるけど言語化しないように気をつけていた、とも言えるかもしれない。
村田さんは言語化する。ちゃんと文字に起こす。最大限に書き込むし、描き込む。
だから書かれてしまった。「これが痴漢かも知れないけどそうじゃないかも知れない」という迷いの一部始終も、周りに対して「あのことをもう忘れたんだなぁ」と思っていたことも、身を守る術として「おっさん」をトレースしていたときのこととかも。 -
Posted by ブクログ
【ざっと内容】
主人公の空子は会話する相手やコミュニティ毎に見事なまでにアジャストする。アジャストとは、その相手やコミュニティから求められてるであろう空子のキャラクターを察し、再現すること。それが大した学歴を持たない彼女が生きる術であったから。
そんな彼女の個人の生き方に外界の変化の影響が迫る。ラロロリンDNAを持つ人、ラロロリン人が差別される世界で、ラロロリン人の旦那を持つ空子はアジャストすること各世界でうまくやり続けることはできるのか、本当の空子とは?上巻ではそれらの変化の幕開けまでが記される。
【感想】
すごい小説だった。少し遠いような、でもそういった世界があることは十分理解できる近い