村田沙耶香のレビュー一覧

  • 世界99 上

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    ディストピアSFという鍋に格差や陰謀論
    弱者に対する加害の無自覚など、現代社会の問題を
    多重構造で表現した物語。
    登場するマスコットキャラクターが辛い事を押し付けてゆくメタファー的に描かれているが、恐ろしい気がしました。
    やはり筆者はクレイジーでした……(褒め言葉)
    下巻がどの様な展開になるか、怖さもありつつ楽しみです。

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    2025年12月21日
  • マウス

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    普段読まないタイプの本やけどとても良かった
    自分の小学生時代に思いを馳せた。
    主人公の考え方とは、共感できる部分はそんなに無いけれど、読書中に感じた気持ち一つ一つを大切にしたい

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    2025年12月20日
  • 信仰

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    ネタバレ

    村田沙耶香さんの小説を初めて読んだので、ファンタジーな文に不思議な気持ちになりました。

    1番好きなお話は『気持ちよさという罪』でした!

    ↓↓ネタバレです↓↓
    「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。

    ここの文が大好きです。自分の受け入れやすいもの、自分を傷つけないもの、自分が嫌がるもの全て含めて多様性という便利な言葉に酔ってしまう怖さ。

    正直多様性という言葉を使って、個人個人を見てこなかった私はドキリとしました。
    村田さんが思っていることとは受け取り方が

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    2025年12月18日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    白羽が繰り返す「縄文時代から変わらないムラ社会」という言葉は、人間という種が持つ排他的な本能を象徴している。役立たずを排除し、異分子を矯正しようとする人間の集団は、恵子のような「コンビニ人間」を許容しない。しかし、恵子が最終的に選んだのは、そのムラに戻ることではなく、24時間365日、一定の光と温度に保たれた「コンビニ」という人工の聖域に帰還することだった。これは古い生命原理と、現代のシステムが生み出した新しい生命原理の対立である。人間が「血」や「性」で繋がるのに対し、コンビニ人間は「機能」と「マニュアル」で繋がる。恵子の決断は、人間としての幸福を捨てた悲劇ではなく、新しい環境に適応した個体の

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    2025年12月18日
  • 世界99 下

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    ネタバレ

    読み進めていると、空子に呼応してしまう自分がいた。徐々にピョコルンに使われていく人間を憐れむか、羨ましがるか、考え方は分かれると思う。
    最後に匠と母があの姿かたちになるとは意外でした。

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    2025年12月18日
  • 世界99 下

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    主人公が生きるいくつもの世界。
    性と生に関わる行為を人間の代わりにこなしてくれるある生物の存在が怖くもありがたいような。登場人物やワードなど全てが村田ワールドどっぷり。考えさせられる部分もたっぷり。凄い作品でした。

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    2025年12月17日
  • 世界99 上

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    主人公が生きるいくつもの世界。性と生に関わる行為を人間の代わりにこなしてくれるある生物の存在が怖くもありがたいような。登場人物やワードなど全てが村田ワールドどっぷり。考えさせられる部分もたっぷり。凄い作品でした。

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    2025年12月17日
  • コンビニ人間

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    今更ながら読んだが、これはかなり良かった。安部公房を読むときのような、周囲と比べて何かが欠落した人間は果たして都市で生きていけるのだろうか、生きていけないとしたら間違っているのは当人なのか都市なのか、という不可思議な切迫感とスリルがある。

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    2025年12月17日
  • コンビニ人間

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    仕事というルーティンに生かされている。みな少なからずそうなのでは?と極端で繊細な実例をもって問いかけてくる作品。自分は仕事によって人間らしさの維持を支えられている節が大いにある。歯車と化すことのラクさを実感しているからこそ、身につまされる。

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    2025年12月20日
  • コンビニ人間

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    ちょっと前に読んで朧げな記憶で書きます。
    得意不得意、人間それぞれある中で咲ける場所で咲くことができたら人生良いよなって考えの中、この小説を読んで凄く主人公のことが好きになりました。

    変に流されることなく、自分の決まりを他人に押し付けることはしない。読んでいて最後まで気持ちよかったです。

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    2025年12月16日
  • 世界99 下

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    極々個人的な話として、2025年体調不良の集大成に相応しい体験だった。
    SFな部分はものすごくSFだったけど、生々しい被害と加害の体験がどれも自分の身を持って知っているような気がしてくる。気がしてくるだけじゃ無い。自分の中にどちらもある。
    どっちにしても人には言えないような想いが、血だるまになりながら叫んでるこの物語に呼応して喜んでいるようだった。

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    2025年12月15日
  • 世界99 上

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    グロい。本に対して今まで抱いたことがない感想だが、グロすぎる。
    でも引き込まれてページを捲る手が止まらない。

    世界観が完全なフィクションではなく、ああこういうの残念ながら実在するな、を感じるからこそ、余計に現実と小説の世界の境目がぐちゃぐちゃになりました。

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    2025年12月14日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    ===ネタバレ注意===

    コンビニ=神(宗教)
    古倉=信者
    なのでは?と感じた。盲信している間は、周囲の声は届かずにいた。しかしその信仰が少し揺らいだとき(白羽の登場=信仰への疑問・不満?)、周囲はここぞとばかりにこちらの世界に戻そうと説得し始め、声が届き始めた。
    でもその声は自分の根底にある不安や悩みなんかを癒してくれはせず、最後には自分には信仰しかない、と戻っていったのではないか。

    そんなことを想像してみたりもできました。

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    2025年12月14日
  • コンビニ人間

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    なんか久しぶりに純度の高い純文学を吸収できた

    合理性を詰問し搾り取ったような視点のコンビニ人間と、作中で言うならば「こっち側」である我々読者も持っているはずの合理性のズレを対照させられ読み手を試しているかさえ感じた。鳥瞰すれば我々も共通して社会の歯車である。ただその延長線上にコンビニ人間が存在するだけ。なにより狂気じみてんのに納得させられるロジックに畏怖

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    2025年12月13日
  • 殺人出産

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    死と性(生)の倫理観を揺るがされる、大変ショッキングなSF短編集。確かに倫理観は文化や時代によって大きく変わる。「10人産んだら1人殺していい」という設定は、私達の普通の倫理観ではドン引きしてしまうのだけど「それが合理的なんだ!」と言われたら「うーん、そうかも?」と思ってしまいそう。そして、完全管理されて合理的で文明的な世界のはずなのに、人間の残酷さや野蛮さがかえって露わにされているところがグロテスクで怖くて目が離せなくなった。自分がこの世界に生きてたらどうするだろう?とつい考えてしまうところもまた恐怖。

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    2025年12月13日
  • 世界99 上

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    性や差別など社会のタブーに、心を抉るように切り込んでくる長編小説だと感じました。
    自分とは何か、、、人の負の側面を目の当たりにしつつ、ずっと考えさせられます。
    心を強く持って読むこと推奨します!!

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    2025年12月13日
  • 世界99 下

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    上巻からゆっくり読ませていただきました。"性"や"死"など社会のタブーに切り込み、考えることができる村田さんらしい長編小説だっと思います。

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    2025年12月13日
  • 世界99 下

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    とんでもない作品を読んでしまったな…と感じる小説は年に数回出会うのですが、本作はまさにそれでした。
    間違いなく今年ベストです。
    村田沙耶香作品が大好きなのでいろいろ読み進めているのですが、これまでの作品の中で最も考えさせられました。
    「消費される側」と「消費する側」の立場と思想について、繰り返し読者に投げかけられます。
    SFのようでいて現実とリンクしている絶妙な世界観です。
    主人公は元々感情のない人物でしたが、成長するにつれて様々な人と出会い共鳴し、感情のような性格のような何かしらの人格形成を果たしていきます。
    感情がないとはいえ「嫌なこと」は元からハッキリしています。
    そしてそれは女性ならば

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    2025年12月12日
  • 世界99 下

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    「今」自分が置かれている世界が怖くなった。

    便利な道具「ピョコルン」。
    持てたらいいなぁと思う自分がいる。

    でも、「面倒」「雑務」を押し付けてまで 私にやりたいことはあるのだろうか⁈

    妬み嫉み…「汚い」と呼ばれる感情を捨てて良いのだろうか⁈

    個性とは⁈

    汚さも弱さも清らかさも強さも、同居してこそ「私」なのかもしれない。

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    2025年12月12日
  • 世界99 上

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    読んでしまったら最後、気持ち悪い感情を炙り出されること確定。不快感で満たされたのに、読後は快感を得るみたいな不思議な感覚。村田さんの作品は大好きで、いつも着眼点に驚かされる。一見ありえない世界設定のようで、私たちもそうなっていたかもしれない記憶を読んでいるかのような錯覚さえある。

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    2025年12月12日