千早茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
筆者は、食に対して思うところがある。一方、私は食に対して特に思うところはない。好きな食べ物はあるが、別にそれを手に入れるために特別な行動や感情を抱いたりしないし、基本的に空腹を埋められれば良いと思っている。
そんな私でも、この「わるたべ」シリーズは好きで、刊行されるとすぐ読んでしまう癖がついている。
すごく好きと好きの中間くらいに位置する「桃」に対する著者の複雑な気持ちが読んでいて共感できる。桃そのものは別に好きではないが、好きなものが人気(旬)になると、自分だけが楽しんでいたものだったのに…とちょっと残念な気持ちになるとき、あるなぁ。でもやっぱり好きだから、嫌いにはなれないし…。皆に人気だ -
Posted by ブクログ
千早茜さんの本は「ひきなみ」に続いて2冊目。
異性の友だちってバランスが難しいけれど、きっと神名とハセオのように少しぐらつきながら迷いながらもお互い大切に想える友情ってあるんだろうなと思う。
神名の本質を良く理解していて、でも友達としての境界は越えずに一番近くで優しく見守ってくれるハセオ。いつも強く見られて恋人にも愛人にも甘えない神名も、ハセオの前ではふと弱くなる。恋人とも愛人とも女友達とも違う特別な関係。もし一線を越えてしまったら、きっと2度と男友達としては戻れなくて今の関係は崩れてしまう、そんな脆さの中でお互いを思いやる気持ちの天秤が同じだから「友達」としての均衡が保たれているのだと思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ千早茜さんの文章すごく好きだな〜!なんでこんなに読みやすいのに、いつもかゆいところに手が届くような、言語化しにくい繊細な気持ちにさせてくれるんだろう。
千早先生の食事の描写が好きで、今回は、想像すると美味しそう…ではあるんだけどどこか白々しかったり、毒々しい食べ物の描写が印象に残った(桃とか、アフタヌーンティーとか…おいしいはずなのに…)。幸福な離婚の食事だけはおいしそうだった!桃のプライドの「季節感のあるものを楽しめるのは余裕のある人間だけだ。」にすごく共感して、だからこそ季節感のあるものを楽しむようにしたいなと思った。
1話目の4人と同じくらいの年齢の女だからひりひり…ひりひり…しながら読 -