千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026/9/14
主人公の神名には一緒に暮らす恋人がいる。
そして、医者の愛人も。
そんな神名に、学生時代の友人ハセオから一本の電話が入る。
「男ともだち」であるハセオとの久しぶりの再会から、物語が動き始める。
関係が終わってしまうのが怖くて始められない、という気持ちはすごくよくわかった。
昔の気持ちを思い出してなぜか苦しくなった。
男女の友情は成立すると思う。
でも、ハセオは友達ではなくて「男ともだち」だと思う。男性として見守ってもらって、優しくしてもらえる存在。
すごくズルいと思うけど、でもそのぐらい大切な存在なんだろうなと思った。 -
Posted by ブクログ
「香り」シリーズ最新作、来ました!でも完結編なんだって!えー。残念。
てっきり第二弾の続きだと思ってたら、調香師である朔の過去の話だったので、これまた驚き。
京都のお香の老舗、瑞雲堂の娘で天才調香師の丹穂が突然亡くなり、姉の真奈は妹が隠してきた調香の謎を解き明かそうとする。そこには愛情だけでなく、嫉妬や執着といった底深い感情が。
ふわっとした幸せが漂う前二作と比べて、今作はかなり「陰」な印象。そして、植物から香水を作るやわらかな朔の調香と比べて、加熱するお香の世界はとても硬い印象で専門用語が難しかった。
エンディングは「おぉーっ」てなるよ!私は前作を読んだばかりで記憶が新しいこともあり、なおさらだった。 -
Posted by ブクログ
いろんな人の性への考え方があって、理解できるものもあれば出来ないものもあった。
自分の性に対する考えをもっと整理したいと思った。
藤野可織さんの話は首がもげるほど共感できた。
特に共感した部分。
「私は自分が子どもを望んでいるのかどうかわからなかった。いくら考えてもわからなかった。私は体力がなくて、だいたい無気力で、まともな生活もできず、一般の人よりも劣っていると言う感覚があった。子供なんて産んでしまったら責任のある決定をたくさんしなければいけなくて大変だし面倒だし疲れるだろうと思った。」
「私は、自分をコントロールできるということに振り回されていた。当たり前でありながら得難い素晴らしい権利に気持ちをぐちゃぐちゃにされ、一瞬ごとに子供がいてもいいと思ったりいたら終わりだと思ったりしていた。自分が情けなかった。」 -
Posted by ブクログ
天才調香師・小川朔に家政婦?として雇われた朝倉満を語り部とする長編小説。
各章ごとに新しい登場人物があらわれ、朔に調香を依頼する。
求める香りも全く異なるものなので、連作短編集のような趣があるのだが、それぞれで提示された調香のテーマは朝倉満の過去と繋がっている。
巻末の作者へのインタビューでかなり語りつくされている気がするのですが、「加害者意識」や「正しい執着」などがテーマ。
人とかかわるとき、どうしても自分の加害性が出てくるという作者の繊細な感覚が朔とリンクしていて面白かった。
朔の超然としたたたずまいも本作の魅力の一つだと思うのですが、他の方のレビューを読むと、これでも前作より人間味がでてきたとのこと。
前作「透明な夜の香り」も読んでみようと思います。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
美術館で眠る服たちがたくさんの人に見られてほしいと願う芳の気持ちが、纏子を思う気持ちとリンクしていたように思う。守るために触れないこと、苦手なことを取り除いてあげること、それだって優しさだけど、そこから一歩踏み込める芳が素敵だった。踏み込むということは、興味本位や悪意と捉えられ、相手が傷つく可能性もあって、そこで生じるかもしれないあれこれを背負う覚悟を持ってこそできることだと常々思う。芳は異質として扱われ傷ついた経験があるからこそ、腫れ物のように扱われる纏子をできるだけフラットに捉えようとしたのかもしれない。纏子が人生に勝ちたい、憐れまれたくないって言ったこと、すごく嬉しかったな。
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Posted by ブクログ
73/100
好きな作家,千早茜さんの作品。
恋愛の短編集になっていて1日ですぐに読めた。
短編集とは言え、前作にサブとして出てた人物が次は主人公になり、視点が違った物語が楽しめる。
一番好きだったのは、さきさんと松本の話。抱えているものが深い事を分かった上で、さきさんの顔面ではなく、自分の感情から逃げずに向き合おうとするラストシーンが好きだった。
ただ全体として、どの作品も「熱情的な性」について取り上げており、千早茜さんの淡々と静かな言葉の中にちょっとした言葉の重みを感じる今まで読んでた作品とは少し違ったかもしれない。
小池真理子さんの解説か素晴らしかった。
どの作品にも形の見える見えない関係なく、あとかたを残しており、他の人との思いを共有しにくくなっている現代に刺さるようなメッセージ性がある。