あらすじ
容姿や年齢、結婚、セックス、お金とプライド…
本音の見えづらい関心事を正しい姿という共通のモチーフで鮮やかに切り取る短編集。
不倫に悩む親友にわたしがしたこと(「温室の友情」)、
同じマンションに住む女に惹きつけられる男(「偽物のセックス」)、
残り少ない日を過ごす夫婦の姿(「幸福な離婚」)――。
偏見や差別、セックス、結婚、プライド、老いなど、
口にせずとも誰もが気になる最大の関心事を、正しさをモチーフに鮮やかに描く短編集。
解説・桐野夏生
※この電子書籍は2018年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
久しぶりにスラスラ読んでしまった!!
めっちゃ面白かった
短編集なんだけど、
登場人物がみんなどっかしら繋がってて、
こういう構成になってる本好きなんです!!
名前は一緒だけど、あの人から見た姿とこの人から見た姿が全然違う…本当に同じ人??みたいな混乱しながら読むの好きです!
そして1行目から文章が面白い。
「最初、わたしたちは四人だった。
わたしと環と麻美と恵奈の四人。わたしたちは太っても痩せてもなく、目立って愚図でも飛びぬけて優秀でもない普通の女の子で、大学までエスカレーター式の私立の中等部で出会った。(中略)わたしたちはなんでも話した。それぞれの彼氏のセックスの癖からペニスの形状まで知っていた。(中略)大学に入ると、少し様子が変わった。一番大人しかった麻美が彼氏と同棲をはじめて、バイトに明け暮れるようになった。環は芸能事務所に入って本格的にタレント活動をしはじめたりわたしと恵奈が一年の語学留学から帰ってくるとひとつ学年が上になってしまった二人の雰囲気が違っていた。いっそうスタイルが良くなった環は派手な服装になっていて、麻美は古着屋の店員みたいな格好をしていた。わたしは恵奈と二人でいることが多くなった。」
なんかもー最高でしょー
アラサーの女子なら刺さる感じがする!
女の友情って、自分だけじゃなくてみんなこんな感じなんだ〜びっくりと思いながら見てました。
面白かった!!
Posted by ブクログ
この方の作品によくある、短編だけど人物がどこかで繋がってるってシステムで、桐生夏生さんの解説が最後良い仕事をしてくれていた。(イツキ先生はどこで繋がってた?とおもってた)最後の話がやっぱり良くて不気味で、よくこの話をまとめられてるなーと思った。
怖くて面白い
以前読んだことがあったのですがそれでも面白かったです。あまりにも度の過ぎた酷い内容が増えている昨今の小説の中でこちらはゾッとしたりヒヤリとしたりを読後楽しめる作品ばかりでした。購入して良かったです。
Posted by ブクログ
千早さんの作品は、心を撫でるようで好きだと改めて感じた。短編集でありながら、繋がりを持つ作品たち。面白さが増す作品でした。繋がりに気づいていない点があり、解説を読んで初めて、ハッとした部分もありました。
人との距離感は難しい。『幸福な離婚』は、「思い直して続けたらいいのに」と思う気持ちと「決めたからいい関係なんだよな」と思う気持ちが交互に現れ、複雑な感情になりましたが、千早さん特有の温かい文が包みこんでくれていたように感じました。
Posted by ブクログ
連作短編。一晩で読めた。千早茜さんの文章、無性に読みたくなるときがある。暗いというのとは違うけど沈み込むような、低反発な感じ?
わかる〜なところもあるし、人間っていろんな顔があるし見る人によってその人の印象変わるもんねー。面とペルソナ、とか思った。世間的な正しさ=本人にとってのそれではないしね。まああんまり難しく考えるのはやめよう。
Posted by ブクログ
歪な恋愛物語なのにサラサラと読みやすいのは
さすが千早茜の筆致だ、、
『海辺の先生』が特に好み。
最後の一文の
「万年筆は、インクを入れたきり、ひきだしの奥で眠っている。」
の締め方が個人的に良すぎて、素晴らしすぎた。(語彙力無)
「小さな笑いがもれた。どうして、なんて私が訊きたい。どうして両親は別れたのか。
どうして母はスナックなんてはじめたのか。どうして私はこんな町にいなくてはいけないのか。どうして大人は夜になると酒を飲んで騒ぐのか。テストの問題だけじゃない。
わからないことはたくさんあった。けれど、私は尋ねることはしなかった。ただ、ぽっかりとした空欄を呑み込んできただけだ。」
Posted by ブクログ
正しい、って何が正しいんだろう?私の正しいと、あなたの正しいは同じかしら。
短編集だと思って読んでいたら、最後の解説を読んで「連作短編集」だと気付いた。びっくり。最初に出てくる4人の女友達の話と、環の話がつながっているのは気付いたけれど、他の話もほんのりとつながりがあった。このほんのり感、すごいな。
6作品の中では、海辺の先生と幸福な離婚が好みかな。
千早作品特有の、男女の歪んだ愛、歪な愛がよく描かれていていいね。
Posted by ブクログ
基盤となる【温室の友情】から細い糸で
繋がれた短編集だった。
それぞれの作品がとても違う読み応えで
面白いが、繋がりが見えた後には
また少し様子が違って読めそう。
一度再読したら違う視点が発見出来そう。
個人的には【幸福な離婚】が好きだった。
死を目の前にした人には大抵の人は
優しく仏のように接する。
ここで描かれる離婚は生の消滅と
近しい感覚なのだろう。
離婚という決定的な終わりを目の前に
したから過ごせた時間なのだろう。
Posted by ブクログ
帯にある『心をざわつかせ、ヒリヒリさせる』というキャッチコピーに惹かれて、手に取った6編の連作短編集で、4作目の千早 茜作品。
タイトルから、もっとドロドロとした暗い人間関係を描いた作品かと思っていましたが、いい意味で裏切られた作品でした❗️一編一編はページ数が少ないわりに、最初に登場する四人の女性達と何らかの関わりがあったりしてとても奥深く、それこそとてもヒリヒリする内容です。
好きな話しは、『海辺の先生』と『幸福な離婚』の2編で、『偽物のセックス』は少しホラーぽっくてちょっとドキドキしてしまいました❗️
個人的には、定期的に読み返したい作品です。
Posted by ブクログ
短編集と言いつつも、物語の繋がりがいくつかあった。関係性を図にして表してみたいくらいの小さな繋がりもきっとあると思う。私個人としては読み進めていく度に段々と面白くなり、最後の話を読み終えると胸がすくような感覚になった。短編集なのですぐ読めておすすめ。
Posted by ブクログ
共感できることもできないこともあるけど、出てくる登場人物みんなそれぞれ違う不完全さを持っていて、人も周りも幸せにできる人間ってどんな人だろうって考えさせられた。悩みのない人間なんかいないのかな。
Posted by ブクログ
「偽物のセックス」「幸福な離婚」がよかった。
「偽物のセックス」は登場人物の誰かが好きということはなく、かと言って全く理解できないこともない、そう考える人もいるよねという程度。ただ女の「正しいセックスが好き」というのが良かった。わかる。正しくないセックスにはそれなりの良さはあるのだけど、正しいセックスの心地よさと開放感がいちばん。不倫モノの背徳感を描く作品は多くあるけど、それに対して正しいセックスの方が良いのだとしっかり説く作品は初めて読んだ。他にあるなら読みたい。
「幸福な離婚」は期限付きの幸福感が鮮明に伝わってきて、苦しくてしんどくてどうしようかと思った。かけがえのない幸福な生活。一緒に生活する中で食のサイクルや好みが似通ってくるところ、そもそも食の好みや食に対してどれくらいのコミットするのかが一致する相手はそう多くない。たくさんの人間がいる中でいわゆる「相性」というものが相当合う2人なのはよく伝わるのに、うまくいかなくなっていった様子があまりにもリアルだった。
Posted by ブクログ
自分の正しさを信じてどこまでも突き進む女性たちは、したたかだけれどどこかせつない部分もあって、恐怖さえ感じさせる。
私立の中等部で出会った女子四人組が登場する「温室の友情」から始まるこの短編集は、実は微妙なつながりのある連作短編だったことに驚きます。
もうあとには引けない、やめられない、元に戻れない、そんな強い女性たちの生きざまが胸に迫ってきて、映像を見ているような迫力があって、とても面白かったです。
Posted by ブクログ
女のめんどくさい仲間意識とかプライドとかが詰まってた。私だけがこんな汚い思考回路してるわけじゃないんだという安心感も得られた。「温室の友情」にて、ニコイチの相手を自分の支配下におきたい、同じレベルに置いておきたいっていうエゴが書かれていて、思わず共感してしまった。
Posted by ブクログ
短編集を読んで、それぞれの女性が自分なりの「正しさ」を持って行動しているところがよかった。自分の信じる道を選べるのは、とても勇気のいること。
印象に残ったのは「もうすぐ死ぬとわかっていれば優しくできる」という言葉。終わりが見えたとき、人はようやく相手に優しくなれるのか。結婚の終わりを「死」と捉え、それを静かに見送ろうとするミヤとイツキが潔くて好き。
ーーー
もうすぐ死ぬとわかっていれば優しくできる。死は別れだ。そうだとしたら、イツキはこの結婚の死を看取ろうとしているのかもしれない。
Posted by ブクログ
文章がとても読みやすい
ファーストラブの人みたい(筆者ど忘れ)
仕事の休憩がてら読み進められる軽さで助かる。
BGMはずとまよの正しくなれない
短編集それぞれに思うところがあってまとめ難い
嫌なところをくっきり書くなあとは終始思ってた
Posted by ブクログ
【不倫も、おそらく夫婦も、きっとすべては演技だったのだ】
6つの物語で構成された連作短編集。千早茜さんが紡ぐ言葉は、いつも私の心に響く。どこか身に覚えがあって、一度は頭の片隅に置いてきたはずのかつての自分自身の記憶が蘇るような感覚に陥るのだ。本作もその1冊。全ての短編の内容が濃密で、読み応え◎だが、特に『幸福な離婚』が好き。その文中で離婚を決め離婚届を提出するまでの期間を「結婚の死を看取る」と表現する作者の感性にも魅了される。「正しさ」の価値観は人それぞれで、時として凶器にもなりうる取扱注意なものだと思う。
Posted by ブクログ
どの短編も面白かった。
登場人物一人一人の感情に入りやすい言葉選びが千早さんの魅力の一つなのかな。
芸能界で生きるのはやっぱりずば抜けた才能がないと落ちるだけなの?闇なの?と思ってしまった。
Posted by ブクログ
人って面白いなって思う話でした
短編集でも繋がりがあり、
それぞれがそれぞれの人生を生き、
いろんな考えがあって思慮深く、
読み終わったあとに私自身の物事の捉え方についてついつい考えを巡らせてしまいました
なかでも"幸福な離婚"がとても好みで
共感できる部分が多く、結婚をしても
程よい距離感が大切なんだなと思いました
面白かったです!
Posted by ブクログ
2026/3/24
女を男女両視点から描いていた。
場面転換がサラサラしてて、千早さんの作風なんだなって思った。解説を読むとぐっと解像度が増して楽しい。浜辺のやつと、幸福な離婚が好き。期待をしなくなると穏やかさを取り戻して、お互いが凪の間が一番幸福という、あるある皮肉がしょーもなくて好き。
Posted by ブクログ
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将来、結婚、友だち。そして若さーー。
失うのが怖くて
このままじゃ窒息しちゃう
女を恐怖から解放する6つの物語
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息苦しさや焦りや不安。
すべてが溶けていくわけではないけど。
ふとした仕草や言動が、
無意識の出来事が、
あとで大きく影響することがあったり。
個人的には「桃のプライド」が好きです。
どこかで読んだことあるような話なんですが、
それを千早さんが書くと違ったものになるというか。
ブラックユーモアが含まれてる作品もあったり、
バラエティ豊かだけど世界は繋がっていて、
あっちで誰かが笑ってる時に、
あそこで誰かが泣いてるんだなって。
恋愛ものはあんまり読まないんですが、
千早さんは別腹です!笑
Posted by ブクログ
この本を読んで色んな女、男、人間がいると感じた。それとともに、私はこの本のどの人間にも属さないと感じた。それが自分の幸せだし、周囲に関心を持たない人間の特権だと思った。改めて人と比べて生きていくことは容易で苦しい。そう感じた一冊だった。
Posted by ブクログ
読みやすい文章でサラッと読めたものの、内容は心がざらつくものが多かった。女性について細かく描写してるのは流石だったものの、良くも悪くもそこまでで終わってしまってるので、もう一歩踏み込んだ話があれば心動かされたかも。
Posted by ブクログ
この作者さんの既刊をボチボチと読んでいく、の7冊目。
なんとなく話題にしにく、でも誰かと話したいことをテーマに描かれた6つの短編集。
前の話に出ていた人物が登場したりするが、さり気なさ過ぎて気が付かなかったり…。
ここで言う「正しさ」は「常識」「ノーマル」「まとも」「建前」「正統」で、「正しくない」はその反対語という感じかな。
誰にも言わないが心の中で思っている本音や欲望に対して、何が正しくて何が正しくないのか突きつけてくるお話は何気に複雑。
生々しくて妖めかしくてアブノーマルでちょっぴりホラーな「偽物のセックス」が面白い。
これだけでなく、『若い女は可愛げがある』とか『女はみんなこの「ババア」という言葉に怯え、傷つく。娯しい』と嘯く日常から突き落とされる清水(「描かれた若さ」)や、食事に誘ったメールを、『自分に逃げ道を与えている』とぶった斬られる西村(「桃のプライド」)など、“正しい女たち”よりも断罪される男たちのほうが、私には印象に残った。
Posted by ブクログ
どこかにはあるかもしれない歪な日常って感じだった。
「幸福な離婚」は結構好きだった。他人になると分かっているからこその距離感が冷たくてあたたかくて切なかった。
Posted by ブクログ
読みやすかったし面白かった
短編集で、1話あたり30ページくらいなのでちょうど良い。
老いとか見栄とかプライドとか、恋よりも生活に近い、リアルなお話。欲望とか。
不気味。全体的に、湿度がたかーい
女性を枯れていく花のようだと思う人が、かわいそう、男女ともに。女は花じゃないし、女だけが枯れると思ったら大間違い。
Posted by ブクログ
千早茜さんの文章すごく好きだな〜!なんでこんなに読みやすいのに、いつもかゆいところに手が届くような、言語化しにくい繊細な気持ちにさせてくれるんだろう。
千早先生の食事の描写が好きで、今回は、想像すると美味しそう…ではあるんだけどどこか白々しかったり、毒々しい食べ物の描写が印象に残った(桃とか、アフタヌーンティーとか…おいしいはずなのに…)。幸福な離婚の食事だけはおいしそうだった!桃のプライドの「季節感のあるものを楽しめるのは余裕のある人間だけだ。」にすごく共感して、だからこそ季節感のあるものを楽しむようにしたいなと思った。
1話目の4人と同じくらいの年齢の女だからひりひり…ひりひり…しながら読んだ。女を食い物にする男、男を食い物にする女、女友達に覚える違和感…他にもたくさん、全部わかる感情だし現実にある話だからうわあ〜〜って読んでて辛かったんだけど、だからこそ海辺の先生とか桃のプライドの結び方にジンときた。海辺の先生すごく好きで、めっちゃいい話やないか!!と純粋に思ってたから、桐野先生の解説で示唆された海辺の先生と偽物のセックスの繋がりの可能性にひっくり返りました。そうだったらとんでもないな!!(好き)