千早茜のレビュー一覧
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同じ人物が主役になったり助演になったりする連作短編。群像劇というには登場人物が固まってて読書体験が少ない人でもわかりやすい。
お菓子という見た目がかわいくて、みんなが大好きな物を共通点としながら、それを囲む自分と相手(他人)は違う人なんだよ、ということが共通したテーマになっていた気がする。
そしてそれは、誰かと共に生きている人なら共感する人が多いのではないかと思う。
いろんな人物が出てくるが、スイーツ巡りを一緒にしているパティシエ志望の男友達のことが好きなネイリストのミナの話が一番好きでした。
ミナには仕事も恋も頑張って欲しいと思うし、女性ばかりの職場で、聞かれてもわからない絶妙なあだ名をつけるシーンがリアルすぎて、この小説で唯一の笑うポイントにもなっていました。
初めて彼氏・彼女ができたり、同棲したり、という状況にいる人やスイーツが大好きな人におすすめです。
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ネタバレ桑田葉→松戸葉
小学六年から母の育った香口島で祖父母と暮らす。両親が離婚し、松戸姓になる。働きはじめてから演劇やダンスの公演の感想を書くSNSをはじめた。
洋子
葉の母。
祖母
桐生真以
高速船で出会った。隣の亀島に祖父と暮らしている。脱獄犯と一緒に島から逃げた。
『Wake』というアクセサリーブランドの製作・販売をしている。
葉の祖父
みかんやレモンを育てている。
携帯電話を取った男の子。
桐生平蔵
亀島の別荘の管理人をしている。
ヒロミ
葉と同じ学年の女の子。
木村
葉の担任。二年前に島に来た。
葉の父
えらい先生になりそこねたらしい。大学で居場所がなくなった。
葵れもん
真以の母の芸名。踊り子。真以の事件後、しばらく活動を止めていた。数年後、芸名を変えて踊り子に復帰し、広島以外の地方劇場を中心にまわっていた。私生活を一切見せず、華やかな女神のまま、いつしかストリップの世界から消えた。
河野
バレー部。千葉から引っ越してきた。
児玉健治
脱獄犯。ホストをしていたことがある。美容師の資格を持つ。
梶原
部長。葉の上司。嫌味を言う時、半分だけ口が歪む。
長野
二十代。
牧
新人の頃、同じ部署でいろいろ親切に教えてくれた先輩。育休明けに総務に異動になった。
葉の父
母と葉を捨てて、自分よりずっと若い女性のもとへ行った。
西村
営業部。
今井
みきお
バーテンダー。
田代
いつも無精髭だらけで滅多に発言しない。
中山
契約社員のアシスタント。
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この作者さんの既刊をボチボチと読んでいく、の7冊目。
なんとなく話題にしにく、でも誰かと話したいことをテーマに描かれた6つの短編集。
前の話に出ていた人物が登場したりするが、さり気なさ過ぎて気が付かなかったり…。
ここで言う「正しさ」は「常識」「ノーマル」「まとも」「建前」「正統」で、「正しくない」はその反対語という感じかな。
誰にも言わないが心の中で思っている本音や欲望に対して、何が正しくて何が正しくないのか突きつけてくるお話は何気に複雑。
生々しくて妖めかしくてアブノーマルでちょっぴりホラーな「偽物のセックス」が面白い。
これだけでなく、『若い女は可愛げがある』とか『女はみんなこの「ババア」という言葉に怯え、傷つく。娯しい』と嘯く日常から突き落とされる清水(「描かれた若さ」)や、食事に誘ったメールを、『自分に逃げ道を与えている』とぶった斬られる西村(「桃のプライド」)など、“正しい女たち”よりも断罪される男たちのほうが、私には印象に残った。 -
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リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色々な考え方や捉え方があるんだなぁと感じる一方、敢えて?競い合って?マイノリティ側に寄って描いている様に感じるものもあり、私にはあまり馴染まなかった。
性の話が公にはタブーとされていた時代を生きてきたからか、この歳になってそういう話ができる方が見つかると一気に距離が縮まる。
人によっては幾つになってもタブーなので、手探りと嗅覚?笑で探し当てる感覚に近い。
このテーマで男性バージョンもあったら読んでみたい。
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千早茜さん。
気になっていたけれど、今回はじめましてかな?と思っていたら、かなり前に『西洋菓子店プティ・フール』を読んだことがあった。
なるほど、そういう感じの作風なのね。
と腑に落ちた。
女性の生きづらさを重めのエピソードで描いた作品。
第一部は少女時代。
心の病気で不安定な父親がいるから(?)島に預けられる。
完全なる男尊女卑の前時代的な閉鎖空間で、主人公の思いも及ばない理由で追い詰められていた少女と出会う。
強い彼女に憧れるけど、彼女はイマイチ自分に心を開いていないように感じて不安になる矢先、脱獄犯と一緒にいなくなってしまう。
第二部は大人になってから。
女性であることが理由で受ける、理不尽なパワハラ。しかも、本気でそう思っているのか?若干自分が被害者であるかのように、酷い扱いを当然のことのように向けてくる。
会社の人事部が機能してくれないならネットリンチしかない?
確かに安直な手段だし、効果的ではあるだろうなと思う。
でも、そこから生じる自分への不利益を考えたらやるべきではない。
主人公が乗らなくて良かった。
けれど大人なんだから、もう少しやりようはあるけどね。
自分だったら会話を録音して(もしくは映像をもらって)労働局に相談してどのように対処すべきか教えを請い、それをもとに人事部へ相談(という名の…)するとかね。
同じようなことは見たことも受けたこともあるし、世の中にもたくさんいるだろうけど、闘わないことも1つの手段だけど、やりようはあるよと言いたい。
ラスト、もう少し展開があるかと思った所で終わってビックリした。
これも好みだけど、自分的にはもう少し何か欲しかったかな。 -
Posted by ブクログ
主人公の女性は、10歳の頃には家族でアフリカに住んで居た。一家の広い庭には、一度も首輪をつけられる事もなく庭に放し飼いにされ、野性味に溢れ、ただ家族にだけ従順なガーディアンドックが居た。その中の一匹「虎」が彼女のお気に入りだった。
恋人と暮らす32歳の今も、帰国時に置いて行く決断をした「虎」の事を思い出しては・・・。
犬にまつわる千早さんらしい至極まっとうな話。
決して出来が悪い訳じゃ無いと思うのだけれど、何故か突き刺さってこない。不思議です。どうも、読み手の私の方に問題がありそう。
千早さん、子供のころアフリカ・ザンビアで過ごされたようで、その経験がもとになっているのでしょうね。