あらすじ
母親から育児放棄されかけている幼い兄と妹は、花火大会の夜にデパートでわざと迷子になる。公園で出会った女に連れて行かれたマンションで待っていたのは、甘いケーキと、そして……(迷子のきまり ヘンゼルとグレーテル)。「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」など誰もが知る西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡いだ、美しくも恐ろしい7編を収録した短編集。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一気に読みました。
おとぎ話の新しい解釈だけれども、話の筋は崩していない。
キラキラした物語もあれば、
人間て怖いな、
ホラー小説の方が怖くないのでは?
と思う作品もあり、中に引き込まれる感じがした。
本当はこんなこと無いよね?と思うけれども実際にはどっかであるのでは?
とも思わせてくれる部分もあり、一気に読んだことを少し後悔しました
Posted by ブクログ
西洋童話をベースにして、しっかりとジャパニーズホラー(?)な感じに仕上げられてる…!
もう、全体的にくらーーーーい感じではあるし、しんどいけど、後引く感じではないかな…と。
濃紺な世界が広がってます
Posted by ブクログ
なんともどろりとした終末を迎えるお話たちでした。
あとがきにて、子どもの頃に民話や昔話、童話に対してどのように思われていたか、凄く独特な感性でどこか共感できる内容が綴られており、千早さんの頭の中を覗いてみたくなりました。
童話を現代に置き換えたとして、全く予想しなかった舞台や観点で感動しました…なんて引き出しの多さ…。
ディズニー仕様ではない、リアルな童話と向き合うと、ここまでどろどろしたものを飲み込まされるんだ…という気持ちです。
本当に幸せになれたのは…?
そもそも不幸な人はいるのか…?
甲乙つけ難いのですが、白雪姫がお気に入りです!
Posted by ブクログ
西洋童話を現代風にした短編集。
モチーフは、ヘンゼルとグレーテル、みにくいアヒルの子、白雪姫、シンデレラ、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫。
この目次をパッと目にした時、可愛いお話ばかり!と思うかもしれないが、千早先生にかかるととてもダークでゾッとするお話に変わってしまう。
でもちゃんと元の童話は生きていて、答え合わせしながら「これはあの部分か!」と謎解きしていける楽しさがあった。
Posted by ブクログ
一癖も二癖もある作品だった。お伽話のようにキラキラした世界ではなく、どちらかというと仄暗い性質をもつ作品たちだが、魅了されたのか一気に読み進めた。
Posted by ブクログ
みんなが良く知る童話をアレンジした作品。ハッピーエンドもあればバッドエンドもあり、絶妙なバランスの短編集。
千早さんらしさが滲み出ていて、どのお話も良かった。
「禍々しさやいびつさだって、極めれば充分に人を惹きつけるんだ」
千早さんの文章は、相変わらず静かで綺麗だなぁ。
『金の指輪』が素敵!
Posted by ブクログ
初めて読んだ千早茜さんの作品です。
西洋のおとぎ話を元にした短篇集で、バッドエンドもハッピーエンドもあります。
バッドエンドは影のようなねっとりとしたような暗い感覚が付き纏いますが、むしろ引き込まれていきます。
元になったおとぎ話の内容を知らなくても楽しめました。
Posted by ブクログ
6編からなる短編集
どれも少し闇があるお話で、なんともゾワゾワする読後感。
『迷子のきまり』
死ねないから生きるしかありませんから。
『カドミウム.レッド』
あるがままでいいじゃないですか。
そんなに頑張らないでニコニコしていたらいいのですよ。
ちょっと恐ろしいお話の中にも、心に泊まる言葉があってよかった。
私は『カドミウム.レッド』が好きだった。
Posted by ブクログ
七編の短編集。サクッと読める短さだけど、心の中は全然スッキリしない。それが最高!
ネグレクト、苛め、嫉妬など、どれもずっしり重たい内容。
私のお気に入りはふたつ。
「鵺の森 みにくいあひるの子」
苛めは、いつでも誰でも標的になり得る。自分は標的にされたくないと思う気持ち、焦り。プールの場面とか、すごいリアルに想像できた。
「金の指輪 シンデレラ」
千早茜さんの、「透明な夜の香り」を思い出した。洋館や草花が連想させるのかなァ。風景を思い描きながら読んだ、気持ち良いお話。
風景とか、においとか、なんでこんなに伝わりやすく書けるんだろう。
Posted by ブクログ
モチーフとなった童話のエッセンスを匂わせ、うまく描き出している。全体的に、最後は読者をうまく着地させてくれる。毒々しいが、あとに引きずることがない印象。
ただ、ぐっと引き込まれた作品が、ひとつ。読後に何かが、残るなぁ。良い感触だ。
Posted by ブクログ
土台にモチーフとなった童話の要素が敷き詰められている。教訓めいた内容や、残酷性が、現代版にブラッシュアップされているため、とても読みやすかったです。シンデレラの物語がとくにお気に入りです。
Posted by ブクログ
本来残酷だと言われている西洋童話を現代に置き換えることで、より残酷かつ風刺的に感じた。文章が美しかった。
7編のうち「シンデレラ」だけがわかりやすいハッピーエンドで、1番好きだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」……誰もが知っている西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡ぎだした、耽美で鮮烈な現代のおとぎ話7編を収録した短編集。
Posted by ブクログ
・ヘンゼルとグレーテル
・みにくいアヒルの子
・シンデレラ
・マッチ売りの少女
・ハーメルンの笛吹き男
・いばら姫
上記のおとぎ話を現代版の生々しい毒のある感じにリメイクされた短編集。
どの話もハッピーエンドともバッドエンドとも言えないなんなく不穏な雰囲気でしたが、面白いというより惹き込まれる感じでどんど読んでしまう!
Posted by ブクログ
西洋童話をモチーフにし、黒々とした欲望を恐ろしく美しく描いた短編集。黒い沼に足を踏み入れたらもう後戻りはできない。悪夢のような現実のような話にぞわっとした。
Posted by ブクログ
短編ごとに、童話にも通ずるような独特の空気感がありました。きれいな言葉で語られるからこその凄みであったり怖さは、千早茜さんらしいもので素敵でした。
Posted by ブクログ
皮膚をめくられるようなぞわぞわした感覚、千早茜さんのお話には、どこか毒みたいなものが含まれている。
西洋童話のどこか恐ろしくて、でも何だかリアルなところが、まさしく新釈という感じ。
今回すごく疲れている時期に読んだけど、また元気な時には違う解釈になりそうだなと思いました。
Posted by ブクログ
【2024年197冊目】
ヘンゼルとグレーテル、みにくいアヒルの子、白雪姫、シンデレラ、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫と誰もが知る童話を元に描かれた現代の寓話。時に美しく、時に恐ろしい7つの物語。
あとがきによれば、どの西洋童話を元にするかは編集さんが選んでいて、筆者にとって「大嫌いな話ばかり」をベースにしているという本作。相変わらず文章と表現の美しさに惚れ惚れしながらも、ぞっとしたり、心を打たれたりと楽しめる短編集でした。
人間の底にあるおぞましさを描いた「凍りついた眼」と女の執念が毒々しい「白梅虫」に、幸せを掴んだ「金の指輪」と「アマリリス」、物語と物語の対比がすごい。一見ジェットコースターのような短編集ですが、じわじわと忍び寄るような余韻がどのお話にも共通してあるのはさすがと言ったところです。
お話同士のギャップで風邪をひかないようお気をつけを。
Posted by ブクログ
誰もが知るおとぎ話をモチーフにした7つの現代物語。
「迷子のきまり」はヘンゼルとグレーテルを下敷きにする。
おとぎ話は残酷なものも多かった。
だいぶ前に、本当は残酷だったおとぎ話、のような書籍が流行ったことがあった。
それを思い出させる、なんだか嫌な感じのする物語だった。
私はとっくの昔に大人になって、世界は綺麗事だけでは成り立ってはいないことも、
汚くて卑しくて目を背けたいことが多いことも知っている。
だから、そのうちの一つ、児童買春があることもわかっている。
だけど、小さな命を産んで育てる身としては到底許し難いし、理解もしたくない。
もし我が子が被害者になったら、私は自身の自由も立場も、全てを捨てたって構わないから加害者に報いを受けさせようとするだろう。
一方で、子供を邪魔にする物語の中の母親の気持ちもわかる。
男性に依存はしなくとも、この子達がいなかったら、とありもしない成功した人生を思い浮かべたことも一度のみならず、あるのだ。
そんな自分の心の二面性をまざまざと突きつけられる物語は読んでいて苦しい。
だから最後の物語の、「アマリリス」には救われるような思いだった。
何かを信じて待つのも、自ら動き出すのも、どちらも選択肢としてはありで、それが一概に幸不幸を決めるものではないことも。
Posted by ブクログ
千早さんの西洋童話の現代的な新解釈により、童話の内容を身近な出来事として自身の想像の範疇に置き換えることができ、童話の「裏の意味」を考えさせられた。あとがきで、千早さんは「西洋童話にはうまく馴染めなかった」と記されているが、私も小さい頃、童話の世界観に対して心躍らせられながらも若干の恐ろしさを感じていたような記憶があり、なんとなく共感できる部分があった。今振り返ってみると、それは、キラキラしたベールを纏う「教訓性」や「勧善懲悪」への気づきや違和感のような感情だったのかもしれないと思った。本作は、その辺りをうまく掬い取っており、人間のドロドロとした恐ろしさ、醜さ、それらの背景となる社会問題がより顕著に感じられる内容になっていると思う。一部の童話をはじめ、民話や伝承の「裏の意味」を紐解くと当時の社会の構造や問題が浮き彫りになるのかと面白く感じられ、民俗学系の本を読んでみたいなと思った。
Posted by ブクログ
千早茜さんの織りなす、現代版の西洋童話。
ご本人のあとがきでは「話の筋は大体そのままで、既存のモチーフを鏤めて、その中で血や肉を持った西洋童話の登場人物がどう感じたかを描きたかった」と語られていた。
いやぁ、とても斬新でダークな世界観だった笑
やはり香りに纏わる描写が秀悦な作家さんだ。
以下、全7章の簡単なレビュー
私は特に「白梅虫」ハーメルンの笛吹き男と、「アマリリス」いばら姫、この2作品の西洋童話からの転換が独創的で印象に残った。
「迷子のきまり」ヘンゼルとグレーテル
背筋がゾクっとした。お兄ちゃんが用心深くて知恵があって良かったが、母を殺めた罪は消えない。兄妹だけで生きる道を探すのは余りに危険だ。その姿が痛々しくて悲しかった。
「鵺の森」みにくいアヒルの子
苛める側は苛められた側のことを覚えていない。だが逆は違う。蓋をしたい過去の記憶。本当に罪深いのはその記憶を正当化することだと思った。
「カドミウム・レッド」白雪姫
女同士の目に見えない嫉妬や情念は、時に理性を掻き乱す。2人の女性の心の在り方は、どちらも白雪姫とは言えないと思った。7人の小人に代わる7人の男がもう少し活躍して欲しかった。
「金の指輪」シンデレラ
ガラスの靴の代わりが指輪という設定に無理がある。指だって成長と共に大きくなる。この違和感のせいで全体的にぼやけてしまい残念だった。しかも最後のオチが平凡過ぎるのでは・・・
「凍りついた眼」マッチ売りの少女
小児性愛者のお話。生理的に受け付けなかった。行為をする側から観察する側になることで性的興奮を覚える主人公。それが招いた悲劇。この作品が1番ダークだった。
「白梅虫」ハーメルンの笛吹き男
梅についた虫が逃げていく鈴。確かに鈴のおかげで虫は居なくなった。でも鈴には力が宿っていた。身勝手な男には天罰が降る。女って恐ろしい。衝撃のラストは、もはやホラーの域だった。
「アマリリス」いばら姫
既婚男性との不倫。そこに何を望み何を信じているのか。自分でも答えが出せないことは、待ち続けても永遠に叶うことはない。
主人公が自分で決めて導き出した答えが、明るい光を感じるもので良かった。
Posted by ブクログ
グリム童話やアンデルセン童話をモチーフにした作品には、原作とはまた違った良さがある。
子供向けじゃない現代版おとぎ話が七篇。
妖しい物語や苦味を伴う物語が楽しめる。
個人的にシンデレラをモチーフにした『金の指輪』が好き。
童話以上にドラマティックな仕上がりになっていて、とても良かった。
Posted by ブクログ
西洋童話をモチーフにした短編集。
現代の日本が舞台になっているのに不思議と幻想的で禍々しく、まさにダークファンタジーの世界観。毒々しくて耽美で、ゾクゾクした。
ヘンゼルとグレーテルがモチーフの『迷子のきまり』とシンデレラがモチーフの『金の指輪』がお気に入り。
『金の指輪』の、なんだよちくしょう!お幸せに!!と言いたくなるような素敵な終わり方、とっても好きだ。
マッチ売りの少女がモチーフの『凍りついた眼』も男達の歪んだ一方的な欲と、後味の悪い結末のせいで印象に強く残っている。
思い出しただけでなんだか鼻奥に血の臭いが漂う。気持ち悪いし不愉快なのだけど、怖いもの見たさで惹きつけられるような、そんな気分。
大好きな千早茜さんの世界観をたっぷり堪能した読書時間だった。