【感想・ネタバレ】ガーデンのレビュー

あらすじ

放っておいて欲しい。それが僕が他人に求める唯一のこと――

ファッション誌編集者の羽野は、花と緑を偏愛する独身男性。帰国子女だが、そのことをことさらに言われるのを嫌い、隠している。女性にはもてはやされるが、深い関係を築くことはない。

羽野と、彼をとりまく女性たちとの関係性を描きながら、著者がテーマとしてきた「異質」であることに正面から取り組んだ意欲作。

匂い立つ植物の描写、そして、それぞれに異なる顔を見せる女性たち。美しく強き生物に囲まれた主人公は、どのような人生を選び取るのか――。

※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

千早さんの本はいつも読むと安心をくれる。
満月の夜に爽やかな風に吹かれているような気分になる。

登場人物の羽野に自分を重ねた。人との距離感が冷たく、羽野は植物を愛する。私は、人との関係が煩わしく本を愛する。本はいつも静かにしているが、開けばいつでも同じように口をひらいてくれる。
植物と本。ものは違えど、静かにいつもそこにいてくれる彼らを愛することにそこまで差はないのではないかと思う。

羽野が語った昔の使用人と2人だけの夜が居心地が良かったという話に心から共感した。お互い干渉しすぎず、頼りすぎず、でも空間は共有する。そんな居心地の良い関係を望むのは贅沢なのか?

私は交際をしても、冷たいとかもっと頼って欲しかったと言われて相手が去っていってしまう。
羽野がもしこの世のどこかに居るのであれば、良い関係が築けるのだろうか…
やはり、お互いの庭を見せることができず別れが訪れてしまうだろうか…

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2026年03月18日

Posted by ブクログ

素っ気ない主人公の周りに何故女性が多いのか
彼がどうして好かれるのか、読んでいけばなんとなく追いたくなる人だと感じました。
執着の先がないことで余裕のある人のように見える。
リアルでもこういった方は異性から好かれる傾向にあるのでは?と感じさせてくれるような作品でした。
人の感情が複雑に入り交じるのが面白いです。
植物への偏愛が美しく儚いものに感じられました。

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

植物の様子が頭に浮かぶ描写。やっぱり千早さんの作品は引き込まれる。

羽野は周囲から一線を引いて、気付かされる。

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2025年08月04日

Posted by ブクログ

植物大好き男のため、共感とともに危機感を覚える話だった。

有難いことに今は同棲している彼女がいるが、ふとした時に自分の庭に籠りたい衝動に駆られることがある。。。

元来一人好きというのもあるが、今の人を手放すともう一人でいいやとなるのは目に見えているため、できる限り今の彼女を大切にしようと思う。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

千早茜さん、良いなぁ。
甘美な冷たさとでも言うような、生々しいのにどこかひんやりとした質感。プラトニックなのに官能的。この相反するような表現がとても好きです。
人間としてというより、生き物としての本能をチリチリと炙り出されるような読み味でした。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

初めて千早茜さんの作品を読んだ。
好きな雰囲気でした。
気になって、読み返した言葉
「・・人が一人なのも、さびしいのも当たり前のことだ。それを不幸と思わなければいいだけのことだと思う。幸福でも不幸でもない、ただの事実なのだから。」

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

尾崎世界観さんの後書きの

千早さんの小説の登場人物は、いつでも個包装された清潔を持っている。どの繫がりもしっかりと精神的ソーシャルディスタンスを保っていて、読むと落ち着く。

という言葉に千早茜ワールドの魅力が詰まってる。

千早先生の作品の主人公は、社会一般の価値観や倫理観に迎合せず、それが凛としてもあり、傲慢でもある。割と社会に迎合してしまうタイプの私には魅力的にうつるのかもしれない。

私はきっと植物にすべてを注ぐことも、他人に理解してもらえないことをありのまま受け入れることもできない人間だけど、だからこそ自分にない要素を提供してくれる千早茜ワールドを定期的に摂取したくなるのかもしれない。

「めずらしいんですよ、とても。僕が腹をたてるのは」のシーンは個人的にすごく好き。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

植物の香りや湿度が生々しく、土の中の目に見えない部分や増殖など、強さの中に怖さすら感じる作品でした。
千早茜さんの別作品もいくつか既読ですが、五感を刺激される「生の物語」という感じが好きな作者さんです。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

放っておいてほしいけど全く繋がりがないのも嫌。
すごくわかるなあ、
植物の生々しさがリアルに伝わってきた

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

植物、庭園、夜といった大好きなモチーフにうっとりしながら、他人との距離感や、交じり合い方について考えさせられた

孤独を守ることは決して悪いことではいけれど、他人と深く関わり合いたいなら、生臭く血の匂いのする池の底へ飛び込んでいかなければいけない時もある
個人的に、様々な角度から共感できた一冊だった

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

出てくる女性のちょっとした一面が私が持っている一面でもあって、こういう風に見えるんだなって客観的に思ったりもした
うまく説明できないけどとても好きな作品でした

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

淡々と進んでいき、主人公の感情がかなり緩やかだからか寝る前に読むと丁度区切りのいいところで眠くなる。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない終わり方はすごく好きだった。

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

植物に魅せられた青年 植物を愛する青年の話。愛してる、というか、植物に逃げて、人間と関わらない、深くコミュニケーションを取らないようにしている主人公。クセが強い。でも、他人に深入りしないで、別の何かに心を開いている人は現代は多い気がするな。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

自分の好きなものに囲まれて生きている、というのは良くも悪くも執着の塊なのだと思った。
人と自分の間に境界線を引いて、「自分の庭」に閉じこもっている主人公が可哀想に思えたし、とても切なく感じました。

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

いつでも自分が判断ばかりして、選択できると思ったら大間違い。

自己評価なんてただの自己満足だし、評価は他人がすることだと思う。

自分を変えたい時は、何か願い事をしよう。

願いごとをすることは、自分を見つめなおす場をつくることなのだから。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

人と深く関わらない淡白な男性の一人称と、濃密な植物の描写が印象的。主人公の人との距離感に共感するのと同時に、離れていく女性達の気持ちも理解できてしまいます。読んでいて空気感や匂いを感じる作品でした

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2026年02月26日

Posted by ブクログ

主人公はとてもジェントルマンなのだろう、と思う。清潔感があり穏やかな雰囲気で下品さがなく、アイロン掛けもうまい。周りの女性からも好感を持たれやすい感じも、たしかによく分かる。ただ、しっかりと一線を引いて深くは交わらないというか、交わってはくれないというのか。
ラスト…は余韻を残した終わり方で、果たしてどうなるのかしら?といった感じ。

表紙のお花は、南アフリカ原産のプロテアのよう。となると、あの庭の世界は南アフリカなのかも。花言葉は「自由自在」「華やかな期待」「王者の風格」「甘い恋」。赤い花が理沙子を表しているのかどうか。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

ひなちゃんが終盤に発した
羽野への一言、不自然という言葉にハッとした

羽野の仕事、家でのルーティン、人との関わりあらゆる面を丁寧な情景描写で描かれているのに何かしっくりこないのは
羽野自身の不自然さだと思った

その不自然さは、大事にしている庭から来ていて
だからこそ壊れちゃえばいいのに、とひなちゃん入ったのだろう

ひなちゃんもりさこちゃんもタカハシも、羽野から最終的にいなくなったのは羽野の不自然さ、が原因なのか??そこはイマイチ理解しきれなかった

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

主人公の、人に心を開いていないどころか、
自分にさえも心を開いていない感じ。
一人称語りなのに、本当の心情、動揺、歓喜、熱量みたいなものが全く感じられず、そのまま話が進んでいく。
そつない動きや、大人の余裕を感じさせる言動は、一見すると綺麗なのかもしれないけど、人間らしく無いというか、温かみがない。

一つ一つの動作だけで、登場人物の感情さえも表現できる千早さんの作品なのに、こんなにも主人公が理解できないものなのか。
読み進めても読み進めても一向に距離が縮まらない。

そんなことを思っていた時に、ひなちゃんが主人公に向かって「誰かが庭を壊してくれたらいいのにね」
と発言。はっとした。ここで言う“庭”とは、主人公が大切にしている、植物で溢れかえる美しい部屋だけではなく、主人公の内部に宿るものも皮肉を交えて指していると思う。

物語内で他の登場人物らに腹の底を見せない主人公は沢山いると思うがこの主人公は自分の“庭”から出られなくなっている。本人もそれに気がついてない。

植物に対しても愛情というより管理、完璧。
枯れてほしく無いな、元気でいてねといような植物を育てている人なら持つであろう当然の想いと言うより、あくまで自分のお気に入りで周りを埋めていたい、枯れたらそのままそこには執着しない、と言った具合で、愛でる行為がない。

愛情の一部は対象への執着心も多少はあると思う。
その塩梅というか、肝心の部分が感じられないのだ。

それについても終盤、ひなに「あなたの部屋は不自然」と指摘されている。

ここまで伝えてくれたひなの言葉にも特に気づきや焦り?なども無く、そのままひなも主人公の前から姿を消す。

一体この主人公は何人の女性に呆れられているのか。世間一般的な「ダメな人、ひどい人」というような呆れではない。
可哀想に、、というような哀れみ。

物語冒頭からやたら主人公1人に対してさまざまな女性が絡んでくると思っていたが、それもあってか、この主人公の呆れられ具合は一層引き立つ。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

千早さんの描く登場人物たちはみんな人間らしくて好きだ。羽野って人間に興味なさそうなのに、本心では人が気になって仕方ないから距離を置いてるんだろうなと思った。近づけば近づくほど乱されると分かっているから。
文章なのに読めば読むほど植物たちの青臭さで体が満たされた。梅雨の日、むせ返る緑の中でもう一度読み返してみたい。

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2025年11月01日

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この作者さんの作品は植物がたくさん、酵母パン?もよく出てきた。すき。私も感化されて部屋に新しい植物を迎えてみました。他の作品も読むぞ〜!

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

こういう男の人ってたまに居るよなぁ
"帰国子女"等、人間は何かのレッテルを貼りたがる生き物なのかもしれない
それにしても、やっぱ極限まで頑張っちゃうと崩れ落ちてしまうものなんだなぁ

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

千早さんの子供の頃の海外生活経験を交えつつ書かれた、元帰国子女でいまは植物を愛し、他人とは一定の距離を置き深く関わらないようにしている男性の物語。そのせいで、次々と周りの女性は離れていき…せめて、誰か一人の女性ときちんと向き合っていれば…でも気づくのが遅かった。

「透明な夜の香り」は、実際には香水の香りを嗅ぐことができないのに、読んでいると不思議と香ってくるような物語でしたが、こちらは読んでいると植物の青々とした香りや湿度を感じるような物語でした。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

最後までやばい男であってほしかったって思ってしまった!
でもこのどうしようもない感じがどうしようもないですよね笑
植物に興味もった!

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2025年08月04日

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千早茜作品では珍しい?男性主人公作品。人との距離感って悩ましい。SNSを例にした表現に唸る。『伝えたいけれど、そこまでダイレクトでなくてもいい。ちょっと目にとまって、興味と時間があったらコメントを返してくれれば嬉しい程度。それくらいの淡い繋がりが欲しい時がある。根や触手をじわじわとゆるく伸ばしていくような関わり方。相手の反応にゆだねた一方的なコミュニケーションは楽だ。自分のことをさりげなく知ってもらえるし、相手のことも自分のペースで知ることができる。〜〜〜繋がりたいけれど、繋がれたくはない。』

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2025年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

植物の香りや呼吸に満ちた作品。植物の描写が丁寧で、独特の青臭さが香るようだった。
主人公の変化や選択に期待したが、変わるのは周囲の人間が多く主人公自身の変化はそこまで無かったように感じる。彼自身が変化を拒んだとも捉えられた。
きっと彼は今後も幼少期のターニングポイントに固執したまま、変化できず、植物に囲まれ生きていくのだろう。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

"放っておいて欲しい。それが僕が他人に求める唯一のこと"、この文章に惹かれて読んでみた。『透明な夜の香り』の読後で期待値も高かったが、途中まではあまりピンとくるものもなく読み進めタナハシさんの非常事態の場面からは引き込まれた。植物にとっての病気、人の精神、水面下で綻び始めて表立って見えないもの。そこに気づけるかどうか。見えている部分や知っている部分だけが全てじゃないということをつくづく。

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

人間に疲れた時に、味方が欲しくなってこの本を読み始めた。
「放っておいてほしい」の一言が、今の私の気持ちの全てを代弁してくれていたから。
本編は植物の匂いと色彩で満たされていた。
眠る時に肺いっぱいに香りを入れると、私も安心するから、その共感が主人公と自分をより強く結びつけた。
千早茜先生は人の孤独に触れるのが上手だと思う。
皆んなそれぞれ孤独な部分を持っている、そのひとすくいがとても優しくて、肯定的で安心する。

欲を言えば、主人公が新しい幸せや人間との距離を見つけられるところまで、見守りたかったなとおもった。

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

たくさんの観葉植物たちと過ごしている主人公の家、部屋がすごく気になった
自分も植物を買いに探しにいきたくなったのを覚えている
帰国子女とのやりとりはすごく興味深かった。自分もストーリーをちかくでみている、参加しているような気分。静かに一人の男性の日常がながれていく

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

羽野のことをとても淋しい人間だと思う
けど、それはわたしが違うタイプだからで、同じ人生を送っていないから 幼少期の体験は良くも悪くも影響を与えすぎる
彼のように人との関わりを避けて傷つけ傷つけられることから避けていたらきっと楽なのだと思う 過不足のない状態 でもそれは本当に充実していると言えるのだろうか 心は、その底では?ずっとジュースを差し出す誰かを求めているように思えた

「でも、あの子は結婚に向いていると思うわ。自分を殺すことを愛や喜びと思えるタイプだから」
うすうすそうだと分かっていながらも認めたくなかったところを刺された気がする

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2024年09月30日

ネタバレ

こういう人いそう

主人公は女性からモテるが、面倒だから相手にしていない。
しかし、そのうちに女性にも相手にされなくなっていることに気づく。

主人公はどのように変わっていくのだろうか。

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2020年09月27日

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