千早茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
西條奈加「向日葵の少女」(〈お蔦さんの神楽坂日記〉シリーズ)
千早茜「白い食卓」
深緑野分「メインディッシュを悪魔に」
秋永真琴「冷蔵庫で待ってる」
織守きょうや「対岸の恋」
越谷オサム「夏のキッチン」
料理のつくり手をテーマにした短編集。
「向日葵の少女」絵につけられた傷にこめられた思い。いい話風にまとまったが、離婚した父親に対してこれで納得でいいのかと思う。
「白い食卓」昭和脳の傲岸不遜な男の態度がいちいち不愉快なので、ラストは痛快。つくり手の女性がいい。
「メインディッシュを…」サタンに料理をつくるはめになった女性料理人。そのきっかけを作ったサタンの眷属が天使に -
Posted by ブクログ
18世紀のコルセットや美しいレース、1955年のバレンシアガのコートから1958年のディオールにいた頃のイヴ・サンローランのワンピースまで、1万点以上が眠る服飾美術館
この美術館で洋服補修士として働く纏子(まきこ)は辛い過去の経験から男性恐怖症を抱えている。
デパートでフリーターとして働く芳(かおる)は長身でイケメン、幼い頃から洋服が好きできれいな女性の服も着こなす
そんな洋服を愛する二人は、デパートの展示会で出会い、傷んだ洋服を丁寧に少しずつ補修していくように心を埋めあっていく…
この美術館のモデルとなった服飾の研究財団を著者がかなり取材されたらしく、とにかく洋服の世界を存分に堪能できる作 -
Posted by ブクログ
題名通り洋服の話でした。洋服という言葉だけでは表せないくらいたくさんの服達が出てきて、知らないものが多かったので調べて、「こんな服なのか」、「見たことあるけど、こんな名前がついていたのか」と思いながら読みました。当たり前かもしれませんが、レースや刺繍などの装飾にも一つ一つちゃんと名前と歴史があるのだなと知ることができ、その世界に浸れて面白かったです。登場人物の心の内側にもきちんと触れて関係性を成り立たせているので、登場人物達のストーリーと、読み手の服への興味を上手く掻き立てることがバランスよく両立させられていると感じました。Googleで調べただけでは登場してきた服の魅力が僅かしか感じられなか