あらすじ
偏屈食貴族、不惑からの「初体験」の日々。
直木賞の舞台裏、再婚、猫との暮らし・・・・・・人生の大波小波を、食を通して描く。凛としてお茶目な食エッセイ。
●松井玲奈さん推薦!●
「脂身を前に黒ひげ危機一発をする気持ちがよくわかる。好きも嫌いも人それぞれだからいい」
【内容】
――「わるい食べもの」の目指すところは、偏見や雑音に負けず、身体に悪いとされるものでも、世の中から悪いと糾弾されても、自分が好きなものを好きに食べる「わるいやつ」でいることだ。だとすると、個人の食の自由が完全に認められる世の中になったら、私の食べ方は「わるい」ものではなくなる。それが「わるい食べもの」が終了、もしくは成仏するときだ。(本文より)
●直木賞選考の日、竹皮で包んだおにぎり・・・「待ち会、ふたたび」●恋人の家族と初対面でするBBQの味・・・「初体験の夏休み」●脂身が苦手で挽肉は鬼門だったが・・・「肉のお花畑」●世界の神秘が膝にある・・・「愉快などら猫」●最愛の姪のため、ディズニーランドの猛勉強・・・「姫と騎士修行」●絢爛豪華なウィーンで魅惑のカイザーシュマーレン、シュトルム、ターフェルシュピッツ・・・「安息の地」ほか
鋭い視点と繊細な描写で、世の食いしん坊たちから熱い支持を集める人気Web連載に、描き下ろし2篇を追加して書籍化。北澤平祐氏の挿絵も満載! シリーズ第4弾ながら、この巻から読んでも楽しめます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「わるたべ」シリーズ四作目。
このシリーズは大好きで刊行されたら直ぐ読んでいたのだが、珍しく三作目をまだ読めておらず(涙)
だったが、四作目を先に読んでも楽しめた。
今シリーズでは、作者が直木賞を受賞した際や後の心理状況や、離婚から再婚、新しい家族(猫)との生活、可愛い姪っ子のためにディズニーランドについての猛勉強、旅行話など、内容は盛り沢山。
環境の変化が大きく、目まぐるしい日々だったそうだが、食に関しては相変わらず偏屈で、食へのこだわりと執着の凄さは変わっておらず。
ただ忙しさのあまり冷蔵庫に入れている卵の数を忘れていたりしたことは読者の私にも衝撃的だった。(笑)
〝美味のためのひと手間はどんなに参っている夏でも苦ではないのだ″
と言い放つ彼女に驚きと感動を覚えた今作でした。(笑)
Posted by ブクログ
千早茜さんの作品は五つくらい読んでいる。
彼女の書く繊細で美しい文章が大好きだ。きっと、すごく薄くて美しいガラスみたいな、非現実的な妖精みたいな、そんな女性なのだろうと思っていた。
あら、ちゃんと人間^_^フェアリーじゃなかった笑
それもすごく面白い人間(言い方!)!
食にすごくこだわりのある人だと分かった。
食を大事に大事にしている人。
私は胃腸がとにかく弱く、腹痛に苦しむ人生を送っているせいか、味よりも私の胃腸が機嫌を損ねないかどうかが一番の問題である。量も食べられない。
そのせいなのか反面なのかわからないけど、食にこだわりのある人や食べるのが大好きな人を見るのは結構好きだ。
美味しそうに食べる人は老若男女魅力的。
千早茜さんは真摯に食と向き合っている。すごく魅力的だ。
読んでいると明日の夕飯、何にしようかな〜とか、セリって美味しいんだ!?知らないぞーとか、なんだか私も食欲湧いてくる。
体弱いところは親近感がわく。食いしん坊な割に千早さんもお腹よわよわ仲間っぽいし笑
このエッセイはわるい食べものシリーズの第四弾とのことなので、他のシリーズも読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
わるたべ最新巻。
直木賞受賞、再婚、小さな家族との同居と変化の多い巻。そしてコロナが徐々に開けて旅行の話も増えてくる。人によって拘りや好き嫌いがあるのは当然。この巻も楽しく読みました。
お桃さま、冷蔵庫の卵、姫と騎士修行(あのカタカナを理解できるの、すごい笑)、初めての、が特に好き。
Posted by ブクログ
千早さんの食エッセイ最新刊!今回もめちゃくちゃ面白かった〜
2023年から2024年にかけて、直木賞を受賞したり再婚したりと千早さんが大波に揺られていた時期のエッセイ。だからタイトルが『なみまの』なんだそう。
大事な日には必ず体調が悪いこと、絶対に欠かすことがない卵を切らしてしまったこと、渋谷と代々木公園の間に構えた一人暮らしの部屋(羨ましい立地!)、せりの街になる銀座、迎えた小さな家族(猫)、姪っ子をディズニーに連れて行く話、岩手の空飛ぶお団子などなど、どれもクスッとしてしまうエピソードばかり。
湿気がないオーストリアで体調がすこぶる良かったという話、私も同じような経験があって「やっぱ湿気って体調に影響するよな?」と思った。朝起きるのが苦手な私は、海外ではものすごくスッキリと毎朝目覚めることができる。旅行による気分の高まりかと思っていたが、数年前にイギリスに1年間留学した時、1年を通して寝起きが良かったので短期的なものではないことがわかった。日本に帰国してからはやはり朝起きるのが苦手に戻ってしまったので、大きな違いは湿気かな、と思っていたところだった。
あと千早さんの小さな家族が排泄の時に雄叫びをあげるとのこと、うちの猫も大をするときに(毎回ではないものの)雄叫びをあげることがあるので「どこの猫ちゃんも同じだな〜」とニヤニヤしてしまった。
またこのシリーズが出ることを祈るばかり!
Posted by ブクログ
「わるい食べもの」シリーズの前作までに、千早さんはたくさん食べる方だなぁと思っていましたが、今作品で少し変化が!?
私も食べることが大好きなので、読んでいてとても面白いエッセイです。
Posted by ブクログ
面白かった!!!
大好きな千早さんのエッセイ続編。
直木賞を受賞されて更に有名になった気がする。
忙しすぎて苦しいと書かれていたけど、変わらず好きな食を追求する姿勢にほっとした。
このエッセイ、いろんな国のいろんな料理が出てくる。
食レポや見た目も細かくて、どんな食べ物か分からないけどすっごい美味しそう。
自分で凝った料理もされるみたいで、それもまた魅力的な描写で食べてみたくなる。
食への執着とも取れる「食の好き」。
自分でしっかり見極めて求めている姿が、かっこよくてお茶目で楽しい!
Posted by ブクログ
わるたべシリーズを読むのはなんとこれが初めて。色んなタイミングもあって最新から読んでしまったけれど楽しめた。
スイカの咀嚼音が『しょむしょむ』なの好き。
丁寧にかつ貪欲にたべものを追い求める姿がカッコいい。なんだか少し高級な美味しいものが食べたくなる
Posted by ブクログ
千早茜さんのわるい食べものシリーズが好きで読んでますけど…残念なことにちょこちょこ内容を忘れてしまっているなぁ…と感じました。
それでも今回のなみまのわるい食べもの、わたしはとても好きです。
新しい旦那さんはうちの旦那と同じニオイがします笑
そして走り過ぎて疲労骨折とは…!千早さんの料理でそうなることがなくなったことに感激しました。わたしも旦那に出すご飯、特に長距離走った後は考えなくては、と思います。
わたしは走った後よりも走る前の食事に気を遣うので、千早さんの料理も参考にしたいです(,,ᴗ ͜ ᴗ,,)
千早さんの旦那さん、フルマラソンはどのくらいのタイムで走るのかが気になります…。
韓国のスプーンもなんだか良かったです。わたしも欲しくなりました。確かにあのスプーンは混ぜるのにとても良さそう。
最後のウィーンでの話もとても良かった…。
食べもののこともいいですが、千早さんの色んなことを知れたのでわたし的にこのエッセイは☆4です。
Posted by ブクログ
ひとの食事のこだわりを読むのはなんでこんなに楽しいのだろう。
牛乳、コーヒー大好きだし、高級グルメに縁がないので共感できる部分はそんなにないけど(ご飯が大好きなくらい。)エピソードごとに、そうなんだ!おいしそう!そういう人もいるのか!と気持ちが変化する。
岩手の空飛ぶだんごで楽しくなったというエピソードで、ようやく知っているグルメにであえて、楽しい気持ちを思い出してよかった。
次のわるたべも楽しみ。
Posted by ブクログ
人生の大きな波間の時期を、時には溺れそうに、時には波に乗って千早茜さんらしく食べることに向き合ったエッセイ
直木賞とご結婚それから小さな家族を迎えられたこと、おめでとうございます!
Posted by ブクログ
相変わらず食へのこだわりがすごい!
こだわりというか、もはや執念?執着?
千早さん、本の中であまり恋人とか夫の話しないなと思っていたけど、第4弾にして恋愛の話が出てきて意外だった
仕事で成功して、好きな人がいて猫がいて、美味しいものを食べる、これが現代人の理想の生活なのでは?
Posted by ブクログ
人生の中で訪れる、記憶も定かでないほど多忙な時
「なみま」で溺れそうになりながらの必死な日々を綴ったエッセイ
作者にとっては、直木賞を受賞し、結婚もしたばかりの頃
その時の体調やら思いやらによって変化して行く心の動きに忠実に生きたい
でもなかなか、そうも行かず、あれっと立ち止まる
直木賞受賞、結婚、人生の中ではかなりのウェイトを占める出来事が、一気に押し寄せすごく嬉しい事ではあるけれど、並大抵ではなかったらしい
時々読み返したくなるだろう一冊
楽しませてもらった
Posted by ブクログ
千早さんの食への愛が満載だった。
どれだけ自分と食が色濃く関わり合ってるか、
当たり前ができない忙しい時にこそ実感してるのがリアル。
世界に忙殺されるとなにが当たり前だったかもわからなくなっちゃいそうで、ちょっと怖くなった。
好きなものを食べて幸せだなぁって思える瞬間がかけがえないなあって改めて思った。
千早さんがしろがねの葉の聖地めぐりをしてる時の
潮風に誘われて海に駆け出しちゃう感じとか、
そこに在るを感じる瞬間とか、食以外にもふわっと五感を引き寄せられる感じ、とても好きだったな。
Posted by ブクログ
わるたべシリーズ第四弾。気のせいか、前三作にくらべてボリュームが減ったような気がしてあっという間に読んでしまった。直木賞受賞と再婚など筆者の人生の大きな転機とそれにともなう変化を如実に感じられた。相変わらず、千早茜の書くたべものはどれもおいしそうで参った。デパ地下とは縁遠い田舎に住んでいるからこそ、たびたび出てくるデパ地下の高級だが高品質な野菜や果物の描写に心惹かれるのであった。
Posted by ブクログ
千早茜さんのエッセイ、4作目だった。
1作目から読んだ方が良かったやつ。
直木賞受賞、再婚…と、人生の転機になるような出来事があった時期のエッセイなので面白かったけど、その前から続きで読みたかった。
私の思っていた千早茜のイメージは繊細な方だったんだけど、食べものに関してはそんなことなかったみたい。
好きなものを好きに食べる「偏屈食貴族」って、自分に正直な感じがしていいなと思った。
Posted by ブクログ
直木賞作家の千早茜さんの食べ物にまつわるエッセイ。美味しそうな食べ物が出てきたり、著者のこだわりや暮らしぶりが読めて面白い。
読んだ今現在、夏でめちゃくちゃ暑い日が続いているから、ウリ科の食べ物の話が響いた。メロンとかスイカとか胡瓜が食べたい…!
あと日本の湿気の多さには首がもげそうなほど同意。海外から帰国したとき、不思議と身体が重く感じるのは湿気だと改めて感じた。いいなぁ、私もオーストリア行ってみたい。
Posted by ブクログ
あー食べたいなーと夏バテの体で読んだ
最近手に取る本が北澤さんめいているのもときめく。
あー渋谷の東急の前を毎日通ってたなー料理雑貨屋さんでなんか探させられたな
ぶわっと記憶の蘇る食のお話だった
Posted by ブクログ
千早茜さん11作目(小説8冊・エッセイ3冊目)
実は「わるたべ」は順番通りに読んでいなくて、まだ2しか読んでいない(^^;
こちらの本は、目白のカフェクーポラさんにて購入。その際に、千早茜さん監修の「波に揺れるすいかパフェ」をいただいた。ひとつひとつの食材がとても美味しく、世の中にはこんなに美味しい食材と美しくも美味しいパフェがあるんだ!と感動し、千早さんの食の世界を少し追体験することが出来た。こんなに美味しい食べ物を知っていると人生がとても豊かになりそう。私ももっと知って生きていたい、とホワイトウンナンシルバーを飲みながら思った。
本の感想じゃなくなってしまった。笑
わるたべは食を通じて、千早さんの体験や考えを知ることができて楽しい。少し共感できるとこほもある(夏のヨーロッパすごく過ごしやすいよね。涼しいし、湿度ないし)
今年の冬はせり鍋したいー!
Posted by ブクログ
「肉のお花畑」すきだったし、笑った。
トンカツを黒ひげ危機一髪に例えてる千早さんがかわいいし、
「私とあなたが違う人間であるのと同様に、私のおいしさとあなたのおいしさは違う」と言い切る千早さんの清々しさがすきだ。
姪っ子ちゃんに振り回されてる千早さんを想像したらニヤニヤしてしまった!
Posted by ブクログ
『わるたべ』四作目。
著者の質というか傾向に慣れてきたからか、初めの頃に感じた食に対するただならぬ欲求&行動に度肝を抜かれるようなエピソードはあまりなく。
直木賞受賞前後の体調不良や、全般にそこはかとなく散りばめられた不調と老いを感じる今作。
それでも、新たな家族を得て以前とは少し違った彼女なりの食に向き合う愛の形が記されています。
印象的だったのは、
「あとかた姫」こと姪っ子ちゃんに傅きまくってる伯母ちゃんの奔走っぷり。
あとは『しろがねの葉』を読んでおかねば、気になるじゃないか、とも。
Posted by ブクログ
大好きなシリーズ。
相変わらず千早さんのこだわり目白押し。
どんなに周りの環境が変わっても食べることは毎日の中にあって、だからこそ大事にしたい。
Posted by ブクログ
直木賞作家の食エッセイ。自分の食欲にあくまで正直なところが羨ましい。
オーストリア、トランジットで夜中に到着して、朝には出国してしまったけど、いつか再訪したいと思っていたことを思い出した。
Posted by ブクログ
食へのこだわりがすごい。当方、食に関しては「美味い」か「好みでない」しか語彙を持ち合わせていない。妻によくネタにされている。
こういったエッセイは時折読むといい。心がふわりと軽くなる、というか。
「まずいものにも味がある」、前書きである「「わるい」懊悩」に書かれた一文だが、これが目からウロコ。そうか、自分が苦手だとする食べ物も個性としての「味」があって、誰かの好みなのか。苦手なみょうがや、箸の伸びない梅干しをもう少し食べてみる事にしよう、と思った。
Posted by ブクログ
食にまつわるエッセイ。
私がお金持ちだったらこれ食べたい。みたいなのがあって今の食に満足してると思ってたけど、違うのかも知れないと思ったり、自分の嗜好を認識させられた。
エッセイを読むと作家さんの感性の鋭さなのか文字稼ぎなのかはわからないけど、着眼点が面白いと思ったり、そうかも知れないと思ったり面白い。
桃とモッツァレラチーズ。ってか、フルーツとチーズの組み合わせ毎日食べたい。
Posted by ブクログ
相変わらず食への熱量がものすごくて惚れ惚れする。語気の強さがおもしろい。
直木賞受賞後のこと、引っ越す際のこと、小さな家族を迎えてからのこと、さまざまな局面での食との関係が綴られている。どんなことも食と結びついているのだなと感慨深く思って、同様に自分の記憶も掘り起こされた。
長ネギ生やしながら銀座を闊歩することはままあるけど、時季がきたらセリにも挑戦してみよう。
ここでしか聞かないような擬音語を見つけるのも千早さんの食エッセイを読む際の楽しみ。それを食べるときのことを想像しては「なるほど、まさに"バキッボリンッ"だわ」「たしかに"しょむしょむ"だわ」なんて一々確認して納得する作業が愉快だった。
Posted by ブクログ
筆者は、食に対して思うところがある。一方、私は食に対して特に思うところはない。好きな食べ物はあるが、別にそれを手に入れるために特別な行動や感情を抱いたりしないし、基本的に空腹を埋められれば良いと思っている。
そんな私でも、この「わるたべ」シリーズは好きで、刊行されるとすぐ読んでしまう癖がついている。
すごく好きと好きの中間くらいに位置する「桃」に対する著者の複雑な気持ちが読んでいて共感できる。桃そのものは別に好きではないが、好きなものが人気(旬)になると、自分だけが楽しんでいたものだったのに…とちょっと残念な気持ちになるとき、あるなぁ。でもやっぱり好きだから、嫌いにはなれないし…。皆に人気だというのは、良いことではあるんだけれども。
ある食べ物を好きなのが世界で自分一人だけだったら、嬉しいけれど、ちょっと寂しいだろうし…等と、桃一つで色々思った。
食べ物の話ばかりではない。
ものを食べるためには、健康な歯と歯茎が必要だとのことで、著者は定期的に歯の検診に行っているとのことだった。これには全面的に賛成である。著者は歯科を訪ねるたびに、「お茶をやめられませんか」と言われるらしいが、「やめられません」とはっきり答える姿が勇ましい。それほどお茶が好きなんだろうな。
著者は好きな食べ物がたくさんあって、食への熱量も大きいように思うが、どこか食の細いイメージ(私が勝手に抱いているだけだが。)があり、そんなところも良い。がつがつしていないところと言うか…。
しかし、「ワッサー」気になるなぁ。桃なんて買ったことないが、買おうかどうしようか迷う。