感情タグBEST3
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今目の前にある肉体は有限だった。
きれいと言っても良かった。
この先老いて、潤いをなくしていくだろう男の肌や髪を想像しては、残念なような、ほっとしたような感傷的な気分になった。
あたしにとってのきれいは、最後の景色なのだと思った。
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"いい男は過去の女の努力の賜物"
こうやって言葉にされると心に刺さる。
ふたりの作家さんの共同で作られた作品を読むのが初めてで、不思議な感覚だったし、主人公たちが付き合ったシーンが描かれてなかったり、各々の捉え方とか感じ方とかあって、言葉にするって本当に大切なんだなと思った。
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いやー、THE日常なんだけど、楽しい読書時間だった
初めて共著というものを読んだけど、
確かにMCバトルみは合ったし、最後の対談のやり取りは考えが存分に詰まってて、一生対談し続けてほしいと思ってしまった
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尾崎世界観さんと千早茜さんの恋愛小説の文庫版。時間が掛かってしまったのは、なかなか読む時間が取れなかっただけで、内容はすごく読みやすく面白かった。
最後の対談にもあったが、あるよね。恋愛ってこういうこと。きれいな事ばかりじゃなくて安心する。などの感想があったというが、その通り。
そして、最後の対談読んで先攻後攻が入れ替わりつつ物語ができていく。ということに気が付いて、最後まであまり意識して読まなかったことに後悔。2人で男側と女側の恋愛を描いているだけかと思って読んでしまった。
ちょっと読み返して、そうやってみると本当に面白い。
千早茜さんの共作はこれで2つめ。面白かった。
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同棲ケンカップルの日常が、彼女と彼氏それぞれの視点から綴られています。
作家さんお二人の共作ということで、お話によって文体が全く違うのが、なおさら福(彼女)と大輔(彼氏)が別人格であるという実感がありました。
特徴が無い絵柄のジグソーパズルを何となく惰性で嵌め込むような、微妙に食い違う二人の生活は、主義も習慣も噛み合わなくて、それがどんどんストレスになり、最後にドカンと爆発(彼女のほうが)してしまいます。
読者は喧嘩する二人の間に挟まれて、それぞれの話を聞かされているような感覚に近いといいますか。
喧嘩に至った理屈が交互に語られるのですが、ほとんどの場合は大輔のズボラさが福をキレさせているので、概ね福に同情の余地ありかもしれません。
でも、どうしてか、大輔の面倒臭がりでダメな性格が どこか憎めず、最後のエピソードで彼女に宛てて書いた手紙が予想外に切なくて、目で追いながらつい泣きそうになりました。
福が大輔に絆されてしまう理由が少しだけ、分かった気がします。
全体的に、人間同士のぶつかり合いが泥臭く身近に描かれているようなお話なので、恋愛小説らしからぬ、ぜんぜんキラキラしてないところが、逆に私には好ましいと感じました。
そんなわけで、恋愛のキラキラした心の機微ではなく、圧倒的に不平不満やイライラが描かれていますので、それが面白いと感じるかどうかは個人の好みかなと思われます。私は最後まで楽しく読むことができました。
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シモキタでなんか読みたいと思って買った本。図らずしも、ぽい本でよかった。MCバトルを小説でやりたい、とか先攻後攻みたいなのも面白かったなぁ。
クローゼットに隠れる大輔のシーン何が何だかわかんなかったけど面白かった。。
巻末の対談でもあったけど読書で毎回何かを得られるわけじゃないし(そんな本ばかりは疲れるし)、たまにはこういうなにも起こらない本を読んでいきたいと思う。そしてそういう時は斜め読みする癖をやめてどっしりセリフ以外の文章も楽しんでいきたい。
書き手のインタビューってあまり今まで触れてなくてとても新鮮だった。千早茜さんのTwitter見にいったらごはんばっかりでこりゃ尾崎世界観の食への関心のなさに驚くわと納得。
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決して綺麗ではない、私たちの日常に近い恋愛。
好きだけど、何か違う、何かが不満
長い間付き合っているとお互いの事を知っているように思えるがそこにはたくさんの思い違いがある。
付き合う事に意味があるのか?考えさせられました。
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クリープハイプが好きなので読みました。
尾崎世界観らしい。なんとなく『オレンジ』のPVを観てるような作品でした。
同じ場面が別の視点で描かれる作品は基本的に好き。
読んでなんとなく虚しくなりました。けど悪くはない。
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共作小説というものを初めて読んだかもしれない、が、違和感なく入り込め、とても面白い。この汚さ、不毛な喧嘩こそがお互いを絡め取ってずるずる続いていく感じ、これが恋愛だよね、と。変人で嫌悪すら抱きかねない男の絶妙な描き方をする尾崎世界観もすごいし、それに対峙しつつ己の中の女としての葛藤や苦悶を妙にシュールに描く千早茜もすごい。
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男目線と女目線のストーリーが交互に語られている。2人は恋人同士で、どちらも、愛し合っているというのは伝わるが、相手にそれが上手く伝わらない。思っているだけじゃ分からないけど、言葉にするのも気恥しいというか、難しいというか。
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恋愛が全てこうではないが、リアルな部分を皮肉っぽく描いているのは面白かった。
綺麗事では済まない関係、男女それぞれが持つズルさ、抱える余裕のなさ、一見いろいろな負の要素が絡み合っているが、
それでも成立してしまっている関係。。
損得勘定だけでは片付けられないんだよな〜と。
展開がある物語が好きだが、展開に焦点をあてない本作品もgoodだった。
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尾崎さんと千早さんの合作ということで手に取った。
ダメな男とめんどくさい女の痴話を交互の主観で描いた作品なのだが、男女の合作なので男性にしかわからない事柄と女性にしかわからない事柄が解像度高めに描かれている所がこの作品の面白いところだった。自分はこの手の話が結構好きなので読んでいる間は楽しい時間だった。
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恋愛小説では逆に珍しい?
出会ったきっかけは覚えていても惹かれ合った理由は覚えていない。
いや、正確にはちゃんと惹かれあって確認して始まったわけでもないので思い出せる部分が無いのかもしれない。
始まりが燃え上がって始まった訳ではない不細工な恋愛は散り際が一番、色濃くなったりもする。
二人のだらしがない恋愛のような感情には、類似する経験をした事があり、どこにでもあるリアルな恋愛ってこうかもな。
と時折り共感しながら読み進めることが出来た。
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カップルの変哲もない日常を男性目線(大輔)と女性目線(福)で書かれる尾崎世界観と千早茜の共作の作品。
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尾崎世界観さんが書く「ダメな男」大輔と
千早茜さんが書く「めんどくさい女」福の恋愛の話。
久しぶりの恋愛小説。共作だけど同じ作者が書いたように違和感なく読めた。
私にも福みたいなところがあるかも…と共感しながら読んだ。
大輔は福目線で見ると本当にダメ男なんだけど、大輔目線で見るとどこか憎めない。
言葉で伝えること、会話をすることって大事だなぁと改めて思った。
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でも、恋愛自体が不完全燃焼なのかもしれない。燃やしつくしたら終わるし、燃えなかったらそもそもはじまらない。ぶすぶすとした埋火を互いに持ち寄って、なるべく長く暖がとれるように、いじましい努力を続ける。
自分がいなきゃとか思ってんだったら間違いだからね。そんな献身は愛じゃなくて自己満足だから
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熱狂的なファンでもないけれど日常的にクリープハイプを聴いているが故なのか、大輔が勝手に尾崎世界観で脳内再現されました。安易。
どちらの視点もキレるまでの思考回路は共感とまではいかずとも理解できるような部分があって変に感情移入したあとに???となる行動で突き放される感覚がおもしろかった。
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派遣で秘書として働く福と土木系で働いている大輔。それぞれの視点から描いた連作短編形式。大輔の視点を尾崎世界観が福の視点を千早茜が。
恋愛のモヤモヤというか、なんかうまくいかなさみたいなものを描いているのだと思うが、違う人がひとつの物語を描くものだから結局何が言いたいのかわからないし、なんだかエモを安売りしてんのか?ていう感じが。読みやすかったし、読み切ったので、全然読めない作品ではないのだが。なんだかパンチのなくなった「自転しながら公転する」みを感じたので。
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【2023年162冊目】
推し作家千早茜さんと、クリープハイプの尾崎世界観さんの共作。恋愛小説というか、人間小説だなと思いました。恋愛感情を抜いたら、全然無理じゃない?二人の付き合った経緯は作品中では語られないんですが、いやだって想像できないもん、あの出会いからどうしてそうなった?
千早茜さんの文章力についていけるのかしらと思ってたら、尾崎世界観さん素晴らしかった。途中で「世界観」を連呼する描写があったの、ふふ、ってなりましたが。
いやー、恋愛感情で乗り越えられてても結婚したらまた別の感情が発生して無理ってなる例は多いと思うんですけど、恋愛感情がある時に既に乗り越えられてないのはもうダメなんじゃないでしょうか。
最後に二人の対談があって、千早茜さんが「神様の暇つぶし」を恋愛小説として書いていたことがわかって、もう、あの、頭を抱えました。好きすぎ…
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なんの変哲もない、2人の物語。
なんの変哲もない物語が生き生きと綴られる作品。
終始もどかしさを感じたが、人生ってこんなもんだろうなぁとも感じた。なんというか。物語だからこういうイベントを作らないと、というのが全くなく、ゆったりとありきたりな毎日が進んでいく、そんな作品だった。
そんな変哲もないところから、幸せだったり、怒りだったり、優しさだったりを見出していくというか、感じていく、それが人生なのかなぁと。
逆に、自分がそう思った事を考えると、自分は自分の人生に刺激が欲しいんだろうなと思った。そんなふうに自分から行動を起こして、自分の人生を装飾していっているんだろうなと思った。
自分は自分の人生に退屈はしたくない。
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女サイドと男サイドの視点から描かれる物語。「喰う寝るふたり 住むふたり」の小説版のような作り方。出会のきっかけはときめきのかけらもないようなもので、同棲に至った経緯はありがちななし崩しのぐずぐずさで、ちっさなことで喧嘩したり、イラついたり、期待したり、諦めたり。その年までその性格でその生活をしてきたものを、矯正するのは無理だし、強制もできないのに、懲りずに期待して、裏切られてを繰り返す。対談で語られていた「何の意味のない内容」その通りで、だけど、それがいい。
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久しぶりに昔の恋愛のイライラを思い出したな。
20代のこの頃みんなしんどそうな恋愛してたな。
将来と今のギャップがまたしんどい時期だったから余計かな。
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同棲のめんどくささといじらしさが詰まった作品。
言葉にしないと伝わらないのは百の承知。でも「どこまで」を「どのように」伝えるかの塩梅がとても難しい。
他人同士が一緒に生きていく難しさに共感し、思わずはぁ~~とため息をつきながら読んでしまったが、ラストで何故か涙が出た。安堵なのか、切なさなのか、やるせなさなのかはわからない。でもふたりの生活はこの先も続いていくのだろう、と感じたことだけは確かだった。
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ぬるっとしていて、でもリアルな感じだなと思った
2人の作家が交互に話を書くのが新鮮だった
尾崎世界観の文章は少し分かりにくかった
他に同じことを思っている人がいて安心した
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派遣秘書の福は、最悪の出会い方をした廃棄物処理業者の大輔と、なぜか付き合っている。福の家に転がり込んできた大輔は、家事もしないし、行動も意味不明だし、それに対して福はイライラしてるし…。福が「あたし、別れることにした」と言ったときには、よしっと思ったのに…。
よく分からない2人だが、お互いに宛てて書いた手紙は、素直な気持ちが書かれていて良かった。相手が読むことはあるのだろうか?読んでほしいけれど。
恋愛って、スッキリ、ハッキリ、ウキウキより、モヤモヤ、イライラの方が多いな~。
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「他人の恋愛をみていいなって思うものなんて嘘っぽい」
そんなことが書いてある帯の通り、
この小説の恋愛を見てるのってすごくイライラする。
嘘っぽさは微塵もなく、綺麗じゃない本当のカップルのような気がした。
ちゃんと人間の卑屈さが描けているのが、嘘っぽくない理由かな。