千早茜のレビュー一覧
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ネタバレ
こういう人いそう
主人公は女性からモテるが、面倒だから相手にしていない。
しかし、そのうちに女性にも相手にされなくなっていることに気づく。
主人公はどのように変わっていくのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ガラス玉に閉じ込められたような物語たち。
それぞれの主人公たちがガラス細工のように透明で真っすぐ過ぎるがゆえ、結果、ゆがみを招く。
だから人間は柔軟に生きる術を本能レベルで知っているんだろうか。
相変わらず千早さんの綴る文章や言葉選びは、影を落としつつも美しくゴシック的。印象的な色が鮮やかに記憶に残る作品。
ビースト、モンデンキントが物語としてはわかりやすく印象的。モンデンキントの月の光のくだりが好き。
収録タイトル
コットンパール / プッタネスカ / スヴニール / リューズ / ビースト / モノクローム / アイズ / ワンフォーミー・ワンフォーユー / マンダリン / ロゼット -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに一気読みというものをした。
不死/不老という、ともすればあこがれや羨望の対象になるものと、それが伴う『生めない』という側面を切り取っているように感じられる。切り口は血のぬるりとしたにおいと、海に削られた陶器か何かのような滑らかな硬質さを併せ持つ。
個人的には連作の――物語の起点となる『かのじょ』が不死となった(だろう)きっかけのシーンに強く惹かれる。が、きっと登場者たちは各々の与える/受け取る物語によって残酷な現実を生きなおす機会を手に入れ、また私たち読者はその授受にカタルシスや救いを得るのかもしれない。
さながら、清らかに白い骨で作られたメスに病巣を切り取られたような快さが -
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Posted by ブクログ
ネタバレ桜で繋がる短編集。
千早さんらしく、ちょっと変わっていて厄介な問題を抱えている人達の7つの物語。
特に『花荒れ』が印象深い。
桜はずるい。
あっという間に消えてしまうくせに、人を惹き付けて止まない。
毎年春になれば咲くと誰もが知っているのに、いつだって桜を見る度に目も心も奪われ切ない想いが込み上げる。
春先のちょっと肌寒い季節、桜に誘われて出逢う人達。
ぼんやり淡く漂う空気感がそんな迷える人達を一瞬で惑わす。
けれどどの短編もラストはほんのり明るい。
「桜」の不思議なパワーが人と人を繋ぎ合わせる。
「あとがき」にあった、アフリカのザンビアで千早さんが見たという紫色の桜が見てみたくなった。 -
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