千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
千早茜さんの織りなす、現代版の西洋童話。
ご本人のあとがきでは「話の筋は大体そのままで、既存のモチーフを鏤めて、その中で血や肉を持った西洋童話の登場人物がどう感じたかを描きたかった」と語られていた。
いやぁ、とても斬新でダークな世界観だった笑
やはり香りに纏わる描写が秀悦な作家さんだ。
以下、全7章の簡単なレビュー
私は特に「白梅虫」ハーメルンの笛吹き男と、「アマリリス」いばら姫、この2作品の西洋童話からの転換が独創的で印象に残った。
「迷子のきまり」ヘンゼルとグレーテル
背筋がゾクっとした。お兄ちゃんが用心深くて知恵があって良かったが、母を殺めた罪は消えない。兄妹だけで生きる道を探す -
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愛されたら、受け入れるしかない。共犯者にしたかったの、あなたを-。
『あやかし草子』に続いての千早茜san。
「つめたい土の中にいる。」から始まる、2つの物語。過去を背負った哀しき女と、彼女に囚われていく男たち。
1話目「アカイツタ」は、女子校の臨時職員となった萩原、暗い目でこちらを見つめる少女の絵、絵を描いた生徒の謎の死、真壁教授、娘の小波(さなみ)。
2話目「イヌガン」は、家電メーカーに勤める耀(よう)、同棲する年上の彼女の澪(みお)、少しずつの不安。
主人公が変わったので完全に違う話かと思っていたら、海が近い、澪の名字・・・?などと気になりつつ、紅い蔦が生い茂る「建物」の前で、 -
Posted by ブクログ
色の描写がすごい。"色んな色の絵の具がのってるパレット"が、この物語を読み出してすぐ頭に浮かんだイメージ。前に読んだ『透明な夜の香り』も色がいっぱい出てきたけど、香り、嗅覚の話だったからこっちは視覚の話?なんて思った。
女子校と若い男性教師が出てくるから爽やかな恋愛かもと思う反面、それはないだろうと思ったら、やっぱりドロドロとイヤミスな感じ。私はどっちかというとドロドロ、イヤミスは苦手なんだけど、この作品はすんなりと読めたし、面白かった。終始謎めいてて真相はどうなの?と考えながら読んだ。最後に全部繋がった時、ただ切ない、可哀想としか思えなかった。幸せになってほしいけど、そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ西洋童話をモチーフにした短編集。
現代の日本が舞台になっているのに不思議と幻想的で禍々しく、まさにダークファンタジーの世界観。毒々しくて耽美で、ゾクゾクした。
ヘンゼルとグレーテルがモチーフの『迷子のきまり』とシンデレラがモチーフの『金の指輪』がお気に入り。
『金の指輪』の、なんだよちくしょう!お幸せに!!と言いたくなるような素敵な終わり方、とっても好きだ。
マッチ売りの少女がモチーフの『凍りついた眼』も男達の歪んだ一方的な欲と、後味の悪い結末のせいで印象に強く残っている。
思い出しただけでなんだか鼻奥に血の臭いが漂う。気持ち悪いし不愉快なのだけど、怖いもの見たさで惹きつけられるような、そ