あらすじ
地方公務員の武生がアパートの前で偶然知り合った不思議な女。休日になるとふらりとやって来て、身体を重ね帰っていく。連絡先も職業も知らない。しかしある日、武生は意外な場所で彼女を目撃する……(第一話「まいまい」)。妻に浮気をされた中年男、自堕落な生活に悩む女子大生、クラスで孤立する少年……。いまを懸命に生きる7人の男女たち。注目の泉鏡花賞作家が、複雑にからみ合う人間模様を美しく艶やかに描いた連作集。
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感覚的な作品
とても読後感の良い作品でした。絵画をみてるようなそんな気分になれる、読んでいるといろんな風景が想像できます。で読み終わったら好きな人に会いに行きたくなる(笑)そんな気持ちにさせてくれる本です。オススメ!
Posted by ブクログ
色々な男女(7人)の人生が複雑に絡み合う話。
一見関係がなさそうに思えても、そことそこの人間関つむがってたんだー、ってなって面白い。
あと、ひとつの出来事に対して凄く深く追求するというか、感受性がとても豊かな作家さんだな、と思った。
「一人でいることに慣れすぎかと、自分以外のことが全て値切になってくる。他人に合わせなくてはいけないことに守立ちさえ覚えるようになる。そこに自己嫌悪があるかないかだろう。」
「わかるはずがないんだ」。私にちには。自分がどういるかも、自分が何であるかも。」
「優しくでさるのは何も関心がないから。」
「人生って計画通りじゃないのよ。思がけないことで決わってしまうの。だから自分がこうあるべきってあんまり決めつけない方がいいわ。」
Posted by ブクログ
やっぱり、千早茜さんの作品、大好き。
千早さんの見てる世界って色とか光とかの情景がくっきりハッキリしていて、読んでいて清々しいし、自分が今見てる現実も千早さんの様な感受性で見てみたいと思う。
そして、今回もキャラクターの一人ひとりが魅力的だった。
短編集だけど全ての人物がどこかで繋がっていて、それぞれの視点から、同じ時間軸を過ごしているのが分かるから面白い。
華奈子が特に魅力的で素敵な女性だった。水の中に咲いている花っていう表現がぴったりな人なんて素敵すぎる。
他人と距離があるって言う表現も兼ねてるみたいだけど、第三者から見て近づき難い高嶺の花のような魅力があるんだろうなと思う。田村との関わりが良すぎて尊い…。
高嶺の花も、田村や兄のような心と心でぶつかり合える人が必要なんだなって思った。
武生の話も良かった。
田村視点から見るとちょっとイライラしたけど、他人と深く関わることを恐れてた武生が唯一もっと関わりたいと思った時のあのもどかしさ、応援したくなった。葛月さんの方も、最初はただの充電相手(場所)と思ってただけだったのに武生との未来を望んだせいで嫉妬して自分の本当の気持ちを知ってしまったっていう心情の変化がすごく良かった。
あと、恵さん(あししげくの蒼真のお母さんの話)のところでもあったように魅力的な年上男性の表現が上手すぎる!!(神様の暇つぶしでもそうだった)その後のネタばらし?もギャップがあって良い!
予期せぬ妊娠ではあったけど行きずりでと言うよりか、「あんたとあの人が傍にいるから」って文があるように、篠田さんのことも愛しているんだって分かるのが良かった。
Posted by ブクログ
絡まり合っている人間関係も、それぞれが悩みや葛藤を抱えつつも良い感じにするっと解けておさまるところに落ち着くので最後に、良かったねと言いたくなるお話でした。千早さんの本は毎回引き込まれます。
Posted by ブクログ
人間の心の底にある諦め、脆さ、
言い出せない想い、
わたしもこんな風に感じる‥
こんな風に想うのは自分だけじゃ無い、私だって分かり合えるかも
だからこそ、君は1人じゃ無い!
気づいて!
そう、気づいてくれる人はいる
からまった糸のように、人々の関係がありました
☆まいまい
一人暮らしの男の家に猫のようにふらっと現れて、横にいる女性 カタツムリ
この男性の姉の子供は金魚を殺してしまう
☆ゆらゆらと クラゲ
この男性武夫と一夜を共にした田村
田村の友人の華奈子は女性が好き
孤独はあたしの背骨を掴んでがくがくと揺らす。お前は独りだよ。誰にも必要とされず、何も残せず、たった一人で朽ちていくんだよ、
たまらなく寂しくなった。世界であたし1人しかいないみたいだった。誰にもあたしの声は届かない。誰もあたしなんか知らない。いても、いなくても同じ.
嫉妬 どろどろしたものが燃え上がったり、腐ったりして‥
武夫 女医を連れて係長と魚釣り
終電間近の車両、女の子は華奈子?
☆からまる イソメ
「ちゃんと肝心な人に感情を向けなきゃ駄目だ。怒りで誤魔化すのじゃなくて、ちゃんと寂しいってことを伝えなきゃ駄目だ」
「肝心なものをみないふりをしていた。本当は傷つけあってもいいから、絡まり合わなきゃいけなかったのに、1人きりでこんがらがっていたのかもしれない
係長 奥様が不倫
筒井武夫くん、係長と釣り
☆あししげく
篠田蒼と お母さんの19歳の過去
衝撃的なお話
☆ほしつぶ
あおとくんの惨めな気持ち、けむりみたいに消えてしまいたい、苦しさが伝わってくる
傷ついたということはわずがでも期待したということだ。先を望んでいたということだ、それが恥ずかしかった
最後まで良かったな
匿名
深い余韻を残す
登場人物が少しずつオーバーラップしつつも語り手が変わっていくタイプの連作短編集。そういう本はいくつか読んだことがあるけれど、その中でも作者はこの形式をうまく扱っていると思った。各主人公が置かれているシチュエーションの幅広さも手伝ってか、読み進めていくごとに作品全体の奥行きが深まっていくようだった。
序盤はいまいちハマれなかったが、途中から好きな雰囲気の作品が出てきて印象が変わった。登場人物にもその関係性にも好感を持った。
美しい動植物が暗喩に使われている小説は世の中にたくさんあるけれど、この短編集は若干グロい生き物がその役割を果たしているのが斬新で、なおかつ雰囲気に合っていてよかった。
Posted by ブクログ
ゆるく、時に濃厚にからまった連作短編集。
光や水、生き物の表現がとても好き。
登場人物も静かな人たちが多くて、なんか好き。
静かで少し投げやりだけど、
たまに熱くなったり、人とつながったり。
『ほしつぶ』と『ひかりを』が特に心に残っていて、
その両方に出てくるとある登場人物が良かった。
Posted by ブクログ
真骨頂 千早茜さんは最近好きになった作家で、どの作品もすごく好きなのだけどこの連作短編集も「ああ…」という、感嘆の声しか出てこないほどに好き。
ひとつ一つの物語に感じる儚さとか切なさとか、それでいて切実ななにか。決して「心温まる」わけではない物語でも、どこか心に引っかかって忘れられない。
感情をちょうどよく波立たせてくれるような感じがあって、私はとても、好きです。
Posted by ブクログ
実にすばらしい。
表紙の絵はまいまいの子だろうか。
音を立てずにそっとやってきて、そっと去っていく、危うい関係からスタートする。
男女の関係には体の関係は重要な意味を持つ。
その時、何を感じてきたか。
天窓から見える空、雨音。
そう、空から感じるものがあるし、何より空はつながっている。どこまでも。
失ってしまったのかもしれない、もう取り返しがつかないかもしれない、そういう危うさ。
その危うさの方向が、「普段は自分の交友関係からはずれている、行きずりの誰か」(あとがきより)によって変えられていく。それが「からまる」なのだけれども。
ひとは一人では生きていけない。
行きずりの誰かであっても、その社会の中で生きている、そんなことを感じて読み終えた。
+++
えーっ、大麻だったんだ。。。(※本書とは関係ありません)
Posted by ブクログ
短編集は入り込めないことが多いのですが、脇役だった登場人物が次の短編では主役になるこの形式は読みやすいです。千早茜さんの表現力の高さで文章に深みもあります。
1話を経ての7話の話が一番好きでした。みんなが違った不器用さをかかえ、誰かに支えてもらいながらなんとか生きている、そんな風に感じられ自分もなんとかやっていこうと思えます。
Posted by ブクログ
7つのショートストーリー
7話目を読み終わって1話目を軽く読み返しました!
最初は性や男女の話しとか?思ってたんですけど
おじいちゃんが出てきてから切なくなってしまってこのジャンルは涙脆くてダメ笑
Posted by ブクログ
生きる目的を見出せない公務員の男、自堕落な生活に悩む女子大生、そして、クラスで孤立する少年……。注目の島清恋愛文学賞作家が“いま"を生きる7人の男女を描いた、7つの連作集。それぞれのお話の主人公たちが「からまって」次の話へとつながっていく…。千早さんの書く文章はなんだかキラキラしてる。いつ読んでも元気がもらえるので大好きです。
Posted by ブクログ
かたつむりからはじまり、くらげ、などの海の生物にからめて、だんだん、この人とここのこの人が繋がってたのかとなる絡み合う人間模様が描かれていた。千早茜さんの登場人物たちは、どこかにはいそうな低体温な人間たち、ついつい分かる分かると親近感が湧いてしまう、世間的には「普通では無い」と言われる人達だと思うけれど憎めない人間たち。
「ゆらゆらと」の田村の男性依存で芯のないに親近感が湧きまくった。華奈子がかっこよくて美しいなと思ったけど華奈子については「うみのはな」で語られ、より清々しくて美しいなと感じた。
1番印象深いのは「むかで」について。
「母性本能が強いんだってさ。卵を産んだら毎日舐めてカビやダニや乾燥から守るんだって」
「子どもが生まれても、ある程度大きくなるまで面倒を見るんだと。二ヶ月間、飲まず食わずで皺だらけになってやせ衰えるまで。虫がだぞ」
むかでってそうなんだ知らなかった。ってのと、結局子どもができると人生のターニングポイントになるよなと。
Posted by ブクログ
それぞれの人物の考えや感情がだんだんとわかっていくのがミステリーを読んでいるようで面白かった。千早茜さんの不安定な感情や男女関係の書き方がとてもリアルで好きです。
匿名
すごく繊細な話し。
子供の頃数年ですが、人が触った物に触るのが気持ち悪いと、思う事がありました。
それを思い出しました。自然と治ったと感じてたけれど、人との出会いで自分が変われたのかもと、この本を読んで思いました。
Posted by ブクログ
タイトルの通り。誰かと誰かが、社会的にも経済的にも、精神的にも、肉体的にも絡まらないと生きていけない。それをサラサラと粘着質にならずに書いている。最後に綺麗にからまりを解いて去った大原さんと新しいからまりの始まりを予感させて繋がっていく終わり方だったなと感じた。
Posted by ブクログ
全7話の連作短編集
そのどれもがからみあっていて、タイトル通りにまさに『からまる』だった
どの話も日常の中の絶望・堕落から希望が差し込む流れ。闇→光のような構成で読んでいてグッと締め付けられる苦しみから解放されていく感覚がとても良かった。
日常生活の中で、張り巡らされる人間関係
時に近く、時には遠く関係なさそうな人とも、もしかしたら生きるヒントや希望を与えてくれる存在がそこにあるのかもしれないですね
絡み合う網の目のような人間関係も、悪くないのかもしれない
Posted by ブクログ
それぞれの目線?からの物語が描かれていて
最終的になるほど〜と繋がる感じが面白いなと感じました。
それぞれの章が簡潔で読んでいて飽きずに読み終えれました!
Posted by ブクログ
人は誰かとつながってしか生きられない。もがき迷いながら”いま”を生きる7人の男女たちが一筋の光を求めて歩き出す-。
『魚神』に続いての千早茜san。
第一話「まいまい」から、第7話「ひかりを」まで。相関図を見ずに読みました。次の話に進み、誰が軸で、どこで”からまる”のか、ドキドキしながら読み進めました。
一話:武生の”女”への想い(蝸牛)、二話:田村と華奈子の関係(クラゲの血)、三話:係長の家庭(イソメ)、四話:恵の過去(子ムカデ)、五話:蒼真の悩み(星の砂)、六話:華奈子の生い立ち(ヒドラ)、七話:葛月の生きる意味(ナマコ)など。
美しくて、妖艶な連作集。登場人物それぞれが抱える苦悩や喜びや悲しみが詰まっていました。お気に入りは、葛月先生。章見出しの名前や、かわいいイラストにも癒されました☆
Posted by ブクログ
からまりは、つながりでもある。
「相手を想って避けたはずのことが、単に面倒事を避けるための沈黙や我慢になっている」
「肝心な人に感情を向けなくては駄目だ。怒りで誤魔化すのじゃなくて、ちゃんと寂しいってことを伝えなきゃ駄目だ」
うっかり1人で勝手にからまって身動きを取れなくなることもあるけど、どうせなら大切な人とからまりたい。
「傷ついたということは、わずかでも期待していたということだ。先を望んでたということ。それが、恥ずかしかった」
ここ、自分の経験を思い出して気持ちを拾ってもらえた気がした。
Posted by ブクログ
「自分はこうあるべきって決めつけない方がいいわ。長い目で見ないと分からないこともあるから。」
大好きな千早茜さんの作品、7つの短編でサクサクと読めた。それぞれのストーリーが繋がっていて面白いです。
Posted by ブクログ
あとがきどおり、湿度のある作品だった。短編集の中で登場人物が少しずつ重なりながら物語が進んでいく。私は水族館の水槽を、角度を変えながら覗いてる気分だなと思った。
Posted by ブクログ
読み手の読解レベルが試される作品だと思います。
全編を通して各登場人物が繋がりのあることは理解できたのですが、この作品のテーマというものが薄ぼんやりしているかなと感じました。
たぶん「愛」がテーマだとは思うのですが、その愛が意味するものを理解するには少し難しかったです。
一度読むだけでは読み解けないと思ったので時間を置いてもう一度読みたいと思いました。
Posted by ブクログ
ちょっとずつ絡まる人間達の短編物語。
ビー玉の中をのぞいたような、少しリアリティのない人々の世界だけど、それぞれの物語の中に出てくる虫やいきもの達の描写がリアルでそのギャップがなんだかグロテスク。
金魚を殺した少年の動機がなんだか切実ですき。
千早茜さんは「さんかく」が好きだけど、この本が2011年、「さんかく」が2019年。この間にすごく洗練されたんだなあと思った。ふんわりと幻のような世界だけど輪郭が少し尖ってしまってる印象。
でも「さんかく」と同じようにお料理の描写は秀逸。
Posted by ブクログ
人のことはその人にしかわからないし、自分のことも自分にしかわからない。
だから、みんなそれぞれにストーリーがある。
短編小説はそれがギュッと詰まっているから読んだときの昂揚感みたいなものがある
Posted by ブクログ
私はこういう連作短編集と呼ばれるものが好きみたい。人の人生が絡みあっていく感じ。人生ってやっぱり一方面から見るだけじゃなんもわからない。人には人の事情があって、わかったようなふりしたくないなと思う。
Posted by ブクログ
面白かったです。各章の登場人物が繋がってる例の形。没頭して読めたけど忙しくて途中あいちゃったから印象がボヤけてしまった。時間のある時に再読したい。
Posted by ブクログ
各話ごとに視点とテーマの生物が変わる連作短編集。登場人物達がどこかで繋がりをもっていて、同じ人物でも他人からの視点でみると別人のように見え面白い。話が変わるごとに、前の話に出てきた人物の心情が答え合わせされていく。
Posted by ブクログ
【2024年185冊目】
かたつむり――を恐れる男、
くらげ――のように揺蕩う女、
いそめ――みたいに絡まる男、
むかで――の如き女、
金魚――に囚われた少年、
ヒドラ――と同じく底にいる女、
光――の中で溺れた女。
七人の男女の心の機微を捉えながら、日常を描いた連作短編集。
読み進めると「こことここが繋がっているのか」というのがわかる登場人物たちですが、現実と同じように考えていることや価値観は十人十色で、キャラクターひとりひとりに対する解像度が高すぎる、と慄く一冊です。
キャラクター設定とかどうしているのだろう、しっかり作り込んでおいて、そこからどう動くのかキャラクターに任せるみたいな感じなんでしょうか。千早茜さんは一人の人であるのに、複数のキャラクターの在り方がリアル過ぎてビックリしてしまいます。
感情と日常を描いた作品なので、物語の中で大きな出来事はほとんどないと言っていいに等しいのですが、生々しくぶつけられる感情から目が離せなくなる物語たちでした。
Posted by ブクログ
まいまい
野良猫みたいな女
葛月。暗闇で光る蝸牛を飼っている。女医。
筒井武生
役所勤めの地方公務員。介護保険料の収納、還付係に配属。
田村
二十代前半。
武生の姉
短大の時に妊娠して学生結婚をした。親と同居して赤ん坊を母親に預けて、産んですぐにばりばり働き出した。
蒼馬
武生の姉の息子。小学五年生。
ゆらゆらと
田村
自分の部屋が嫌い。是が非でもあとしたい男と会う前、華奈子を思い出す。フリーター。
華奈子
芸能人のようなものすごい美人というわけじゃないけど、周りに漂う甘い空気は完璧。
からまる
地方公務員。福祉介護課。係長。筒井の上司。
妻
同じ会社の違う部署の人と浮気をしていた。
高遠
堤防で会った女子高生。
あししげく
武生の姉
十九歳で妊娠。短大の時に週三回ほどスナックでバイト。客と寝ている。
蒼馬
武生の姉の息子。
村上
四十代半ば。
ママ
武生の姉がバイトしているスナックのママ。
篠田
スナックの客。
ほしつぶ
華奈子
蒼真の家庭教師のお姉さん。
蒼真
金魚を殺してしまった。
武生
斎藤マキ
蒼真のクラスメイト。幼なじみ。飼育係。
内田
蒼真の担任。
大野
飼育係。
おじいさん
蒼真が海で出会う。酸素吸入ボンベをしている。星の砂をくれた。
うみのはな
華奈子
フラメンコを習っている。
田村
根っからの男好き。
フラメンコの先生
恵
蒼真の母。
ひかりを
大原誠一郎
酸素吸入ボンベを携帯している痩身の老人。
葛月
循環器内科医。
西城
葛月と同期の呼吸器内科医。
Posted by ブクログ
7人の男女の群像劇。
少しずつ登場人物達の事情が絡まり合って、日常が進んでいく。
主人公が変わるたびに登場人物たちの印象も塗り替えられて、一人の人間を色んな角度から見るような小説だった。