千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の、人に心を開いていないどころか、
自分にさえも心を開いていない感じ。
一人称語りなのに、本当の心情、動揺、歓喜、熱量みたいなものが全く感じられず、そのまま話が進んでいく。
そつない動きや、大人の余裕を感じさせる言動は、一見すると綺麗なのかもしれないけど、人間らしく無いというか、温かみがない。
一つ一つの動作だけで、登場人物の感情さえも表現できる千早さんの作品なのに、こんなにも主人公が理解できないものなのか。
読み進めても読み進めても一向に距離が縮まらない。
そんなことを思っていた時に、ひなちゃんが主人公に向かって「誰かが庭を壊してくれたらいいのにね」
と発言。はっとした。ここで言う“庭”とは、主人公が大切にしている、植物で溢れかえる美しい部屋だけではなく、主人公の内部に宿るものも皮肉を交えて指していると思う。
物語内で他の登場人物らに腹の底を見せない主人公は沢山いると思うがこの主人公は自分の“庭”から出られなくなっている。本人もそれに気がついてない。
植物に対しても愛情というより管理、完璧。
枯れてほしく無いな、元気でいてねといような植物を育てている人なら持つであろう当然の想いと言うより、あくまで自分のお気に入りで周りを埋めていたい、枯れたらそのままそこには執着しない、と言った具合で、愛でる行為がない。
愛情の一部は対象への執着心も多少はあると思う。
その塩梅というか、肝心の部分が感じられないのだ。
それについても終盤、ひなに「あなたの部屋は不自然」と指摘されている。
ここまで伝えてくれたひなの言葉にも特に気づきや焦り?なども無く、そのままひなも主人公の前から姿を消す。
一体この主人公は何人の女性に呆れられているのか。世間一般的な「ダメな人、ひどい人」というような呆れではない。
可哀想に、、というような哀れみ。
物語冒頭からやたら主人公1人に対してさまざまな女性が絡んでくると思っていたが、それもあってか、この主人公の呆れられ具合は一層引き立つ。 -
Posted by ブクログ
身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。 -
Posted by ブクログ
どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうしたら、女であることの不安や恐怖から解放される。ピンク色でかわいいし。丸くてかわいいし。そういった願望があるけれど、身体からは解放されない。生殖器があるからだろうか。生殖器が私の身体にばっちり組み込まれてるからかな。テトリスだったらセックスしたときに消えそうだけど、そうもいかない。私の身体は消えない。だから、愛するしかないのだ」。
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Posted by ブクログ
高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく好いている、と書かれていたことがとても印象的だった。
いろんな思い、様々な経験をした上での発言だと思うが、ぜひともこのリレーエッセイに、大谷さんも寄稿してもらいたい、と思った。