千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ西洋童話をモチーフにした短編集。
現代の日本が舞台になっているのに不思議と幻想的で禍々しく、まさにダークファンタジーの世界観。毒々しくて耽美で、ゾクゾクした。
ヘンゼルとグレーテルがモチーフの『迷子のきまり』とシンデレラがモチーフの『金の指輪』がお気に入り。
『金の指輪』の、なんだよちくしょう!お幸せに!!と言いたくなるような素敵な終わり方、とっても好きだ。
マッチ売りの少女がモチーフの『凍りついた眼』も男達の歪んだ一方的な欲と、後味の悪い結末のせいで印象に強く残っている。
思い出しただけでなんだか鼻奥に血の臭いが漂う。気持ち悪いし不愉快なのだけど、怖いもの見たさで惹きつけられるような、そ -
Posted by ブクログ
千早茜さん。よく名前を聞くものの、はじめて読む作家さんでした。
編集者に選んでもらったテーマ(西洋童話)を、著者の解釈で書いた短編集。
ヘンゼルとグレーテル
みにくいアヒルの子
白雪姫
シンデレラ
マッチ売りの少女
ハーメルンの笛吹き男
いばら姫
読みながら、江戸川乱歩の物語みたいだなって思った。
乱歩みたいな不気味さ、グロテスクさ。そして少し耽美な。
マッチ売りの少女なんてさ、もともとかわいそうな話なんだけど、それを現代的にされると、目を背けたくなるような話。
シンデレラのお話だけは、王子の立場からの解釈で、希望がもてるラストだった。
子どもの時、童話が好きではなかったという著者。本当 -
Posted by ブクログ
1,3巻を読んで面白かった筆者の食エッセイ、通称「わる食べ」の2巻目。途中からコロナ禍での話が記されていたんだけど筆者が迷いながら書いていた感じが伝わってきた。在宅ワークのイメージが強くて一見影響がなさそうな小説家にもコロナって影響与えていたんだなと思う一方で、もうこんなに時間が経ったんだとしみじみしてしまった。ヒーローは健康に気遣った食事をしてそうだけど悪役は自分の好きな物を気にせず食べてそうっていう悪役飯の話、人が一心不乱に食べる姿ってエロい…っていうパフェの話が特に印象的だった。不思議と共感しちゃうところが多いし筆者の食のこだわりが強すぎて面白い。後書きに出てきた雑貨屋がおそらく私も行っ