千早茜のレビュー一覧

  • 雷と走る

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    主題は愛と本能。

    早朝のランニング、ひとりただひたすら走るまどかの心は、
    過去の愛と現在の愛を行ったり来たりする。

    過去の愛は、海外で過ごした子どもの頃に飼っていた、虎という名の番犬。
    言葉でも理屈でもなく、愛し愛された存在。
    確実で強固な愛の存在を感じていたのに、
    野生の本能が目覚める瞬間、愛は本能には太刀打ちできなくなる。

    現在の愛は、恋人の博人。結婚を見据える博人の
    気持ちと自分の気持ちに違和感がありつつも言葉として明確にならない。
    愛情はあるのに、愛には理屈が必要。本能ではないものが蠢く。

    過去でも現在でも、愛と本能に揺れ動く、
    繊細なまどかの心理描写がとてもよかった。

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    2025年07月27日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    下町の商店街に店を構える、西洋菓子店「プティ・フール」を訪れる人々が抱える様々な思いと、その変化が描かれた連作短編集。

    菓子職人である祖父が作り出すふわふわと柔らかい皮にとろりとしたクリームがたっぷりと詰まったシュークリームがとても美味しそうで、脳内で何度かぶりついたことか。

    そんな祖父のもとで働く孫の亜樹が菓子づくりを通して人としての甘さに気づいていく過程を描いた「クレーム」は、パティシエとして、1人の人間として、自分自身と向き合っていく姿が読み応えありました。

    甘いスイーツがメインの作品かと思いきや、欲望渦巻く人間模様が著者によって貪欲に描かれている作品でした。


    ***

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    2025年07月24日
  • グリフィスの傷

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    ネタバレ

    皆、身体や心のどこかに大小問わず深浅問わず傷を負い生きているかと思います。それが目に見えるのか見えないのか、見えないようにしているのか 本当に様々だろうとも思います。
     様々なキズの短編小説。
    中でも、『慈雨』が好きでした。
    愛するがゆえ 想うがゆえ。

     私も知らず知らずに、誰かに見えないキズを 消えないキズを負わせてないか?と振り返りました。
     誰かの存在が 言葉が 笑顔が 態度が 私のキズを浅くも 小さくもしてくれたとも思い返しました。

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    2025年07月21日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    短編ごとに、童話にも通ずるような独特の空気感がありました。きれいな言葉で語られるからこその凄みであったり怖さは、千早茜さんらしいもので素敵でした。

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    2025年07月19日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    「言い過ぎやろっっっ!!」と何回も一人で突っ込んでいました(笑)
    だけどこの男と女の違い、もう生物そのものが違う感じ、おもしろく最後まで飽きずに読めました。
    経験上、こういうだらしない男にハマる女の人は
    どう頑張ってもだらしない人に惹かれてしまうイメージ(笑)

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    2025年07月18日
  • 雷と走る

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    短めのお話だったが、千早茜なのにかなり残念 残念なことにかなりうっすい内容のストーリーだった。犬好きならもうちょっと突っ込んだ内容の立て付けが欲しかったし、現在の主人公の立ち位置もキャラクターが薄くて入り込む感じじゃ無かったし。千早茜作の中で群を抜いて残念な作品では。

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    2026年03月14日
  • 雷と走る

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    異国で犬たちと暮らしていた少女の過去と現在の話。
    主人公はあまり感情移入がしやすいタイプではなかったが、異国の空気と犬の描写が素晴らしく惹き込まれる作品だった。
    犬と生きる異国でのどこか幻想的な空気と、日本で暮らす現在のリアルな質感とのギャップの表現が上手く、その狭間に立つ主人公が丁寧に描かれていた。
    一点だけ気になったのが、作中メインで登場する犬種と表紙の犬が明らかに別物であること。表紙はとても美しく話の雰囲気にも合っていたので、この犬の方が良かったということか…?と少し複雑な気持ちになった。

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    2025年07月16日
  • わるい食べもの

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    食べ物が出てくる本やドラマが好きだということに気づいて、最近気になる千早茜さんの食がテーマのエッセイを借りた。「胃袋も味覚もその人だけのものだ。偏食しようが、食べてなにを思おうが、その人の勝手だ。」に1番共感。この本突きつけて、夫に偏食する私をバカにするなと言いたい。私の勝手だ。

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    2025年07月12日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    とても豪華な作家さんたちのアンソロジー。
    そして話の内容は『略奪愛』
    こういうお話、大好きです…!!!

    アンソロジーの中でも
    彩瀬まるさんの「かわいいごっこ」は
    特に好みでした!
    出てくる文鳥がとても可愛い…。

    とてもドキドキしながら読めました!

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    2025年07月09日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    千早茜さんの書き言葉の美しさがより染み出していて、怖いしグロテスクかもしれないけど、とても美しかった。

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    2025年07月03日
  • ひきなみ

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    こんなにも男尊女卑な世界がまだあるのだろうか。
    男女平等を謳っていてもそもそも体の作りや体力も違ったり全く平等にはできないからいつまで経っても正解はない問題。
    ずっと働きたいとは思うけど、結婚して子供が産まれてってなったら、きっと男性にフルタイムで働いてもらって、自分は出世は考えすぎずに時短で働く方が合理的だしうまく生きれるだろうなぁと感じてしまった。

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    2025年07月03日
  • 正しい女たち

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    ネタバレ

    千早茜さんの文章すごく好きだな〜!なんでこんなに読みやすいのに、いつもかゆいところに手が届くような、言語化しにくい繊細な気持ちにさせてくれるんだろう。
    千早先生の食事の描写が好きで、今回は、想像すると美味しそう…ではあるんだけどどこか白々しかったり、毒々しい食べ物の描写が印象に残った(桃とか、アフタヌーンティーとか…おいしいはずなのに…)。幸福な離婚の食事だけはおいしそうだった!桃のプライドの「季節感のあるものを楽しめるのは余裕のある人間だけだ。」にすごく共感して、だからこそ季節感のあるものを楽しむようにしたいなと思った。
    1話目の4人と同じくらいの年齢の女だからひりひり…ひりひり…しながら読

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    2025年07月02日
  • あとかた

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    千早茜さんの文章が好きでちょこちょこ読んでいるのですが、2冊に1冊くらいの割合で現れる、貞操観念ゆるゆるで浮気相手に呼ばれたらすぐ会いに行っちゃう、だけど本命はキープしてます的な女性がすごく苦手です。今回も2人現れました…
    1話目でうわぁ…と思いましたが、登場人物が少しずつ繋がっている連作短篇が割と好きなのでなんとか最後まで読めました。

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    2025年06月27日
  • ひきなみ

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    閉鎖社会の息苦しさと性差別が克明。

    自分が自分であること、好きに生きる事の難しさと素晴らしさに寄り添っている。

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    2025年06月22日
  • グリフィスの傷

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    傷をテーマにした短編集。
    重たい話が多いかなと思っていたが、そんなことはなく終わり方がスッと綺麗で尾を引かない作品が多かった。

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    2025年06月05日
  • 雷と走る

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    はあ〜…力強い本だった…!
    虎の本能の力強さに呑まれながら読んで、読後は脱力感がすごい

    この本は千早茜がアフリカで過ごしていた小学生の頃の事が基になってるのかな?

    私は犬を飼った事がないから犬を愛すると言う気持ちがあまり分からないところではあるけど、虎の荒々しいとも言える力強さに気押されて、いくら愛していても日本で飼うのは無理だろうな…と思った
    私だったらとてと手に負えない
    不自由を強いる事で一緒に過ごすか、一緒会えない選択をするか…酷だなあ

    主人公の恋人が独りよがりで見ていて反吐が出そうだった

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    2025年06月05日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    名付けて「花束みたいな恋をしなかった」
    一度もトキメキや楽しさがなくてダメな男とうるさい女でどっちもイライラしてるような文字列でページが埋められてる。でも男女ってこういうもんなのかな。スーパーとか蛇口とかロッカーとか虚構の小説なのにリアルなさりげない日常を装うせいで逆に鼻につく感じがなんか気になって流し読み。

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    2025年06月02日
  • からまる

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    面白かったです。各章の登場人物が繋がってる例の形。没頭して読めたけど忙しくて途中あいちゃったから印象がボヤけてしまった。時間のある時に再読したい。

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    2025年05月30日
  • 雷と走る

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    表紙を見たとき、何となく細田守さんの「おおかみ子供の雨と雪」が頭をよぎったのだけど、全然違った。
    そもそもこちらは犬だった。

    千早茜さん、初読みです。
    文章から受けたイメージは、ひと言でいうのなら、クールビューティ。何だかこれがしっくりきました。

    主人公が幼少期に過ごした海外の家で、番犬として迎え入れた犬(名は虎)との話。
    飼い犬として心を通わす時と、番犬としての本能が働く時、虎はたちまち手がつけられなくなる。その葛藤。それは良かった。
    でも、全体的に惜しい気がする。
    現在の主人公も、あまり魅力的に感じられなかった。

    幼少期、現在、虎目線あたりで連作短編集とかなら、もう少し入り込めたので

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    2025年05月28日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    ねっとりどろどろ重たいものが多かった
    特に白梅虫。
    言葉は美しく綺麗だけど、だからそこより怖く感じた。

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    2025年05月28日