千早茜のレビュー一覧

  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    グリム童話やアンデルセン童話などのモチーフが、千早茜さんの手に掛かると、こんなにも美しくも恐ろしい物語りになるのですね。
    幽霊もゾンビも熊もサメも怖いけれど、一番怖いのはやはり生きた人間だー、と改めて思う。

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    2026年05月29日
  • 眠れない夜のために

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    千早茜さんの短編集。「眠れない夜は——」という書き出しで始まる10の物語。

    一話一話はとても短くて、西淑さんの挿絵が添えられている。小説というより、大人の絵本に近い。

    不思議な空気が漂っていて、しーんとした真っ暗な空間に独りでいるような感覚になる。あ、こういう夜あるな。そう思う話が、必ずひとつある。

    ほっとしたり、切なくなったり、懐かしくなったり。夜という時間が、こんなにも人それぞれなんだと思う。

    焦らなくていいと、思わせてくれる。眠れない夜に、開きたい本。

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    2026年05月24日
  • ガーデン

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    植物の息づかいを、読者がリアルに感じとることができる文章表現は、さすが千早茜さんというところ。
    登場人物のセリフや思考も、いちいち読者を立ち止まらせ、考えさせる。
    千早さんの頭のなかはどうなっているのだろう。

    人はそれぞれ自分自身の庭を持っていて、常に鍵が掛けられていたり、常にオープンだったり、隙間があったり、きまぐれに誰かを招き入れたり、訪問したりと、全ての庭の形態は異なっている。
    そして、外部の刺激により簡単に崩壊してしまう脆さもある。

    登場人物のなかでタナハシという、主人公・羽野の同期の女性が印象的だった。
    彼女には、本来自分らしい庭があったはず。死にかけていた苔玉がまた息吹を取り戻すように、彼女もまた自分らしい庭を作っていくのだと思いたい。

    そして、主人公の羽野。
    幼少期の発展途上国での生活が多いに影響した人生を送っている。
    閉ざされた緑豊かな空間だけが彼の安全地帯。
    その安全地帯である庭にいれば自分が傷つくこともないし、求めるものを与えることで自己満足と恍惚感に浸ることができる。
    そんななかで、理沙子との出会いは、まさに彼のターニングポイントになったのかも知れない。
    ラスト3ページの描写で、羽野が庭にいる自分を客観的に捉えようともがき進む場面が印象的だった。

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    2026年05月21日
  • 人形たちの白昼夢

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    青いリボンに導かれる短編集
    世界観は様々で、そのどれもがどこか幻想的で耽美
    「マンダリン」や「モンデンキント」か多少現実と地続きに感じるけれど、描かれる感情は舞台問わず生々しいのがさすがだった

    全体的に楽しめたけれど、なんとなく既視感がある題材のように感じたのも本当のところ イノセンス、もののけ姫、耳をすませば…
    とはいえ、そんな読み手の感性の陳腐さなんぞ描写力で蹴散らしてしまえる一冊でもあった

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    2026年05月19日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    時代ものは初めてで、想像するのが難しい内容だった。
    厳しい時代に、男性たちを支え続けるウメがかっこいい。

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    2026年05月17日
  • 雷と走る

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    淡々と、現在と過去が流れていく物語。
    犬との強烈な絆、恋人との穏やかな関係。終始主人公の感情が紡がれていく。

    大きな出来事は起こらない日常譚は苦手だが、感情の対比から目が離せず、気付いたら読み終わっていた。

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    2026年05月15日
  • 正しい女たち

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    人って面白いなって思う話でした
    短編集でも繋がりがあり、
    それぞれがそれぞれの人生を生き、
    いろんな考えがあって思慮深く、
    読み終わったあとに私自身の物事の捉え方についてついつい考えを巡らせてしまいました

    なかでも"幸福な離婚"がとても好みで
    共感できる部分が多く、結婚をしても
    程よい距離感が大切なんだなと思いました
    面白かったです!

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    2026年05月13日
  • しつこく わるい食べもの

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    積読だったけれどまた借りる機会があったので、最初から読み直す。

    1作目に続き面白かったけれど、コロナ禍に突入した時期でもありやや暗めな話が多かった印象。今では緊急事態宣言が出されることも、外食が憚れることもなくなったけれど、また同じようなことが起こるかもしれない。コロナ禍で食に支えられたとあったけれど、思い返すと食べ物は明日はあれを食べたい、いつかあれを食べたいと私を生かしてくれる理由になってくれているものであると実感した。

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    2026年05月12日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    服をめぐる、綺麗な話だった。お城みたいなデパートとか、わたしだけのお姫さまみたいなドレスだとか。いつか夢見たお伽話への憧れが蘇ってくる。
    洋服の綻びを治すたびに、心がすこしずつ優しくなっていく。
    素敵だけど、「やっぱりな」って感じが強い。亀の男のところはこんなふうに薄くなってしまうぐらいなら、いらなかった。

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    2026年05月12日
  • ガーデン

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    以前、千早作品に出会った時に読み漁っていたが、今回、久しぶりに読みたくなり再読。
    まーったく覚えてなかったが、植物の生命力、というか、こちらが圧倒されるような「息づかい」の描写は頭のどこかに残っていた。
    わたしの体験だと、北大の植物園?かなぁ。

    主人公みたいなタイプ。モテるんだろうな、とちょっと思った。

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    2026年05月12日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    肺を病み、死んでゆく銀堀達と残される女達。
    凄く厳しい世界だった。
    龍の「足掻きましょう。無為に思えても。どこにも逃げられはしないんです」という言葉が、凄く心に残った。
    石見銀山に行ってみたくなりました。

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    2026年05月07日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    今まで読んできた恋愛小説のなかで一番嫌いで、一番自分に寄り添うものだった。
    男が男だったし、女が女だった。
    始終キレてたのは私はよくわかんなかった。

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    2026年05月06日
  • なみまの わるい食べもの

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    直木賞を取った辺りの事情、姪御さんとのディズニーランド、ドーナツへの思いなど食べることを軸にいろいろ楽しいエッセイ。

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    2026年04月28日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    世界中でありとあらゆるものが命を削り採掘され我々は生きていけるがそれによる争いが絶えず永遠に平和は訪れない。

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    2026年04月28日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    服については詳しくないけれど、読み始めたらスラスラと読むことができた。

    服に纏わる話を取り入れながら登場人物の過去や関係性の変化も描かれるため、若干のご都合展開がありはしたけれど、人から与えられた傷もまた、人によって癒されるという希望を感じられて爽やかな読後を迎えられた。

    千早さんの作品に出てくる人物は皆どこか弱くて、善にも悪にもなりきれないところが良い。




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    2026年04月27日
  • ガーデン

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    植物と女性を重ね、男性視点で捉えているのが文学的且つ新鮮に感じた。
    湿度や温度が鮮明に伝わってくる。

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    2026年04月26日
  • 正しい女たち

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    小寺さんがおすすめしてたので、読んでみた。さくっと読み終わったがそんなにはまらず。幸福な離婚は唯一心に残った。夫を大事にしようと思えた。

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    2026年04月23日
  • グリフィスの傷

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    自傷行為、などと言うのもおこがましいのだけど、
    親指の爪の横のところ、剥いてしまうのがやめられない。もう半世紀近くやってると思う。
    この癖はきっともう治らない。
    一種のなだめ行動的な感じかなって思ってる。
    精神を安定させる為にちょうどいいんだろうな。

    上手く剥けたらそのまま引っ張って取っちゃう。
    長めに剥けるとミカンとか沁みる。
    結構分厚く剥けちゃったら、自力では無理なので、
    爪切り持ち出して強制終了。
    血が出ることもあるのにやめられない。
    傷を作る事で落ち着くって変な話だけど。

    重松清の小説に似たような癖のある少年が出てきて、
    自分だけじゃなかったってちょっと安心した。
    千早茜さんの、この短編集も、
    血を流す事でちょっと世界が変わる感じが、
    なんかよかった。

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    2026年04月20日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    出てくるスイーツたちが美味しそうで、無性に食べたくなる。
    スイーツは嗜好品だけど、食べることで救われる心がある。
    おじいさんの言葉が心に刺さる。さすが人生の大先輩。

    あぁ!シュークリーム食べたい!

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    2026年04月20日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    (4よりの3.6くらい!)

    透明な夜の香りがだいすきで、クローゼットも読んでみた。(そっちの感想はまた今度…)
    わたしはファッションのことも、服の造形のことも何もわかってないけど、幼少期のあのトラウマだったり、人と接する上でのべたっとした感覚だったりが、同じ湿度で蘇ってくるところが怖くて、とっても良かった。
    人間の醜さもあたたかさも、まるっと包んで昇華してくれるような文章が上手な方だなとおもう。もう何作か読んでみたいな〜〜、すぐ読み終わっちゃうところが、寂しい!

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    2026年04月17日