千早茜のレビュー一覧

  • ひきなみ

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    ネタバレ

    女性だから、という理由で下座で、食べ物や飲み物を運んだりしなくちゃいけないような、そういう「島」的価値観、読んでてうんざりする。
    そしてそれは島を出ても、現代にもあって絶望してしまう。
    職場の飲み会なんかで女性陣が甲斐甲斐しく大皿からおかずを取り分けたり、総合職に女性が一人だったり、セクハラ・マタハラを逆手に取った女性へのハラスメントがあったり、、、と。
    それが、本書には痛々しいほどに書いてあって辛い。

    私は女で、女であることが理由で何かを脅かされたことは今のとこない。
    あるいは、女だからやらないといけない、やるのが当たり前、とされてきたことであっても、それに自身が納得できないことはしなかっ

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    2025年01月12日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    「料理をつくる」をテーマに、この豪華作家人が書きおろした短編集。西條奈加さんの神楽坂人情もの、千早あかねさんならではのちょっと幻想的な怖さ等々、それぞれの作風を存分に楽しめる!

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    2025年01月01日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    どんな料理の話があるんだろう?と思っていたけど、家庭料理がほとんどだった。
    料理がテーマのアンソロジーのはずなのに、料理の話があんまりないものも。
    面白かったのは千早茜さんの「白い食卓」。
    終始不穏で、料理を作っているだけなのに、はくりさんがとても怖い。
    食事=命と思うと、家族に食事を作る事が責任重大だと感じて荷が重かったことがあるけど、はくりさんのような思考になるパターンもあるんだなと思った。

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    2024年12月27日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    主人公2人に共感はできなかったが、男女での同じ物事に対しての視点の違いをいろいろなエピソードでみることができたのはよかった。
    共作でこんな描き方ができるのか……

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    2024年12月27日
  • さんかく

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    日々のご飯や何気ない日常を美しく書いていて素敵だなぁと思う反面、大きなイベントがなく、読んでいる間は文章が脳を滑っていくような感覚がした。
    登場するメニューは美味しそうだけど、味の表現が「しゃきしゃきしてる」とか「みずみずしい」とか簡潔な一言でまとめられていることが多く、グルメ小説は読者も食べた気分になってこそと思う私にとっては物足りなかった。

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    2024年12月20日
  • 人形たちの白昼夢

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    私は千早茜先生の書く物語が好きだと再確認。恋愛ものや青春ものは実はどこか苦手なのですが、千早茜先生の書く物語は愛はあるもののどこか心の奥深く眠る誰もが持っているであろう黒くて冷たい何かを前面に出されているように感じ他の作者にはない何かがある。
    作品とは話がずれましたが、この本は実は微妙に話と話が繋がっているのかな?繋がっているようにも感じるが別の何かにも感じる不思議な一冊。読めば読むほど、暖かく凍てついた世界を感じられる。

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    2024年12月18日
  • 眠れない夜のために

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    「眠れない夜は、」から始まる10夜。
    今晩、同じような夜を過ごしている人が他にもいるのだと、安心を抱いて寝落ちする。夜はどんなものも大きく見えて、不安や恐怖、得体の知れない焦燥感に苛まれる日もあるけれど、いま世界に独りきりではないということが、不甲斐ない自分をほんの少しだけ強くしてくれるような気がする。
    書き出しと章から、漱石へのリスペクトを感じられたのも良かった。最初の2編「空洞」「森をさまよう」が好き。

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    2025年07月30日
  • 人形たちの白昼夢

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    この作者さんは「赤い月の香り」が文庫になるまで既刊をボチボチと読んでいく、の4冊目。この前のランキングで見つけたこの本にしてみた。

    寓話、風刺、童話、夢想、詩…、色々なテイストの12編が集まった、ちょっとダークで幻想的な短編集。
    興を惹かれた話もあれば、正直よく分からなかった話もあり。

    巻頭で描かれた、嘘をつけない男と嘘ばかりつく女の不思議な出会い(コットンパール)がなかなかお洒落。
    娼婦に拾われて育てられた少女(プッタネスカ)、雪の積もる山に一人住み神聖視される少女と獣(ビースト)、復讐心に囚われて人間そっくりの殺人機械を作り出してしまう時計職人(ロゼット)、それぞれ残酷な運命の破滅的な

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    2024年12月03日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    皮膚をめくられるようなぞわぞわした感覚、千早茜さんのお話には、どこか毒みたいなものが含まれている。

    西洋童話のどこか恐ろしくて、でも何だかリアルなところが、まさしく新釈という感じ。

    今回すごく疲れている時期に読んだけど、また元気な時には違う解釈になりそうだなと思いました。

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    2024年11月29日
  • 正しい女たち

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    温室の友情、偽物のセックスがズシンと心にきた。それぞれの正義を女たちはぶつけてきているがそれが正しいと感じるか正しくないと感じるか。深い思惑を誘う一冊。

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    2024年11月18日
  • さんかく

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    ラムとパクチーの水餃子が食べたい。そして行きつけの居酒屋のつまみの美味しそうなこと。通いたい!
    さんかく、というタイトルだけど、見栄っ張りとぼんやりのカップルの関係に人生の踊り場にいる年上の女性が巻き込まれて、3人とも自分を見失いそうになる(けどもいちど見つめ直す)話だった。
    生活と恋愛というテーマに、今の自分の状況と共鳴するところがあった。

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    2024年11月10日
  • 人形たちの白昼夢

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    冷たくつるりとした陶器のようで、触れてみると血潮が通い暖かさのあるような短編集

    「モノ」であるはずなのに命があるように思え、時には人の心の支えになり、また時には畏怖の対象にもなり得る人形。
    人形というテーマで、広い振れ幅の温度の物語たちが楽しめた。

    全体的に海外を思わせるような世界観で、身近なような、遠いような、浮遊感を味わえる作品。

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    2024年11月09日
  • あとかた

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    きっとハマる人にはハマるんだろうなぁ。微かなリンクが気になって一気読みしたが、最後の『ねいろ』と大学生の2人だけにちょっと救われた感じ。スッキリしない。特に不倫専業主婦が大嫌い。身勝手すぎて、傷ついた気になるなとムカつく。それにしても、全員美人すぎ。

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    2024年11月09日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    【2024年197冊目】
    ヘンゼルとグレーテル、みにくいアヒルの子、白雪姫、シンデレラ、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫と誰もが知る童話を元に描かれた現代の寓話。時に美しく、時に恐ろしい7つの物語。

    あとがきによれば、どの西洋童話を元にするかは編集さんが選んでいて、筆者にとって「大嫌いな話ばかり」をベースにしているという本作。相変わらず文章と表現の美しさに惚れ惚れしながらも、ぞっとしたり、心を打たれたりと楽しめる短編集でした。

    人間の底にあるおぞましさを描いた「凍りついた眼」と女の執念が毒々しい「白梅虫」に、幸せを掴んだ「金の指輪」と「アマリリス」、物語と物語の対比がすごい

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    2024年10月30日
  • こりずに わるい食べもの

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    食に関するエッセイ3作目。コロナ禍でお店が閉店や時短営業になり外出も自粛したりで外で食事をしたりする機会が減っている中でもとても前向きに楽しくこだわりながら食に真っ直ぐ突き進む姿が健在で嬉しい。そして多忙の中、京都から東京へのお引っ越しも大変だっただろうな。年齢が同じくらいなので食べ物によって重たく感じたり身体が受け付けなくなるのに共感。パフェの話はいつも楽しく読んでるけど相変わらずパフェを食していないので今度食べてみようか。食べ物への愛を読むのも楽しいけど、その前後の話なども本当に楽しませてくれる。

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    2024年10月29日
  • 魚神

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    読んでみて、と特別な人にもらった本。

    読んでるうちに匂いや、なにかに触ったときの感触が浮かんでくるそんな気がした。あまりにも大切に思うあまり、すれ違ってしまう姉と弟が切なくて愛しかった。最後に掴んだものは、ふたりにとっての幸せなのかな。蓼原がすごく好きだったので最後までしぶとく生き抜いてくれてほっとした。

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    2024年10月31日
  • わるい食べもの

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    ネタバレ

    千早茜さんの食エッセイ。
    エッセイって著者によっては、自分に合う合わないが結構はっきり分かれますよね。千早さんは合いました。
    文がきれいで読みやすかったです。

    以下印象深かったところ。
    P38エーデルワイス。戦争になったらのところ。
    P161 猫と泣き飯。幼体の未熟さが怖いというところは自分もそうなので共感。
    あと病院のO部長の話はどちらも面白かった。いいキャラしてます。

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    2024年10月22日
  • 正しい女たち

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    ネタバレ

    温室の友情が1番好き。隙間時間にサラッと読み進めるのに最適な読みやすさだったけど、サラッと読みすぎて桐生さんの解説を読むまで連作短編とは気付かなかった。環の話だけ繋がっている事が明らかだったけど、他の話はさりげなすぎて解説を読んでなるほど!と一気に読後の満足度があがった。近いうち話の繋がりを意識しながら再読しよう。

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    2024年10月21日
  • 透明な夜の香り

    匿名

    購入済み

    臭いについてあまり深く考えた事がなかったので、新しい発見をした気分です。柔軟剤をいい匂いだと思い沢山使っていたのを見直さなきゃと思ったりしました。

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    2024年10月18日
  • からまる

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    【2024年185冊目】
    かたつむり――を恐れる男、
    くらげ――のように揺蕩う女、
    いそめ――みたいに絡まる男、
    むかで――の如き女、
    金魚――に囚われた少年、
    ヒドラ――と同じく底にいる女、
    光――の中で溺れた女。
    七人の男女の心の機微を捉えながら、日常を描いた連作短編集。

    読み進めると「こことここが繋がっているのか」というのがわかる登場人物たちですが、現実と同じように考えていることや価値観は十人十色で、キャラクターひとりひとりに対する解像度が高すぎる、と慄く一冊です。

    キャラクター設定とかどうしているのだろう、しっかり作り込んでおいて、そこからどう動くのかキャラクターに任せるみたいな感

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    2024年10月08日