千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
植物の息づかいを、読者がリアルに感じとることができる文章表現は、さすが千早茜さんというところ。
登場人物のセリフや思考も、いちいち読者を立ち止まらせ、考えさせる。
千早さんの頭のなかはどうなっているのだろう。
人はそれぞれ自分自身の庭を持っていて、常に鍵が掛けられていたり、常にオープンだったり、隙間があったり、きまぐれに誰かを招き入れたり、訪問したりと、全ての庭の形態は異なっている。
そして、外部の刺激により簡単に崩壊してしまう脆さもある。
登場人物のなかでタナハシという、主人公・羽野の同期の女性が印象的だった。
彼女には、本来自分らしい庭があったはず。死にかけていた苔玉がまた息吹を取り戻すように、彼女もまた自分らしい庭を作っていくのだと思いたい。
そして、主人公の羽野。
幼少期の発展途上国での生活が多いに影響した人生を送っている。
閉ざされた緑豊かな空間だけが彼の安全地帯。
その安全地帯である庭にいれば自分が傷つくこともないし、求めるものを与えることで自己満足と恍惚感に浸ることができる。
そんななかで、理沙子との出会いは、まさに彼のターニングポイントになったのかも知れない。
ラスト3ページの描写で、羽野が庭にいる自分を客観的に捉えようともがき進む場面が印象的だった。 -
Posted by ブクログ
自傷行為、などと言うのもおこがましいのだけど、
親指の爪の横のところ、剥いてしまうのがやめられない。もう半世紀近くやってると思う。
この癖はきっともう治らない。
一種のなだめ行動的な感じかなって思ってる。
精神を安定させる為にちょうどいいんだろうな。
上手く剥けたらそのまま引っ張って取っちゃう。
長めに剥けるとミカンとか沁みる。
結構分厚く剥けちゃったら、自力では無理なので、
爪切り持ち出して強制終了。
血が出ることもあるのにやめられない。
傷を作る事で落ち着くって変な話だけど。
重松清の小説に似たような癖のある少年が出てきて、
自分だけじゃなかったってちょっと安心した。
千早茜さんの、この短編集も、
血を流す事でちょっと世界が変わる感じが、
なんかよかった。