千早茜のレビュー一覧
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ネタバレ千早さん作品では珍しく、大切な人とつぎの約束があった。2度と会えなかったりしなかった。正直、私は桜があんまり好きじゃない。毎年「美しさ」を人間にしゃぶり尽くされて、アスファルトで黒ずむ花びらを見ると目を背けたくなる。私の喜びは、誰かの苦しさを踏みつけた上にあるんだろうなと自覚してしまう。どこまでを世の摂理として受けいれるべきなのか、最近よくわからない。
・画びょうで壁にぎゅっと貼りつけるような言い方
・人間なんて単純なものです。自分にとって価値があるものにね、金や時間を注ぎ込むんですよ。
・人が完全にわかり合うことはできないと私は思う。でも、繋がることはできる。美しいもの、優しいもの、鮮烈なもの、そういった心動かすものに触れた時、人の心は一瞬溶ける。そんな時に共感する誰かに出会えたなら、とても幸福なことだ。その瞬間はきっとその人の支えになるだろう。
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Posted by ブクログ
千早茜さんがインタビューで言っていた。
エッセイでは本当の自分を全て書けない
小説の方が(もちろん、全て本当の自分ばかりではないけど)本音の部分を描き入れる事ができる、と言うようなお話しでした。
千早茜さんの作り出す、透明感のある世界は
幻想的であり 清々しい。
深い心の奥底の方に溜まっているものの中からひとつずつ取り出して、一編にしてみたような短編集でした。
一冊200ページ超くらい本に、12編の短編
たとえば「スヴニール」と言う20ページ位の一編
出だしの2行で、季節感、時間帯、天気、温度感、
すべてを美しく表現してしまう。
すごいなぁ! -
Posted by ブクログ
桜がモチーフの短編集。
「あたしは…クラスの子たちより言葉を知っていると思う。言葉の数とかじゃなくて、その意味や味を知っている。例えば、失望とか、羞恥とか、後悔とか、孤独とか。だって、あたしはそれらの言葉を口に入れて、噛みしめて、涙がにじむくらいその苦しみを舌に浸み込ませて、やっと飲み込んできたから。そして、飲んだ後もその言葉たちによって内臓をぐちゃぐちゃにされたから。【初花】」
その言葉の、経験に基づいた本当の意味を知っている人と、そうでない人とで、同じ言葉を発していても、その重みが異なると感じることは度々あるけれど、その感覚が「言葉の味」という表現で、上手に描写されている文章。
「人々の流れの中で、私は古い建物や展示物の建物や展示品の一部になる。そして、乾いた時間に静かに埋もれる【春の狐憑き】」「お酒に酔えないわたしが溺れるのは恋愛なのよ、きっと。…わたしは他人を操りたい。操りながら束の間の関係に溺れたい。…過去も未来も日常の煩わしい想いもなく、ただ、肉体として存在するだけのわたしになりたい【エリクシール】」
美術館で働く女性も、夫への復讐を続ける女性も、“我を忘れ、自分が自分でなくなるような感覚”を渇望している。表立っては言いづらいけれどたしかに存在する、正気を狂わすような欲望が、どの作品にも登場し、読み手に揺さぶりをかけてくる。
「私がはじめて見た桜は紫色をしていた。【あとがき】」人と人は完全に分かり合えることはないとしつつも、「泣きたくなるくらい幸福」な景色を誰かと共有することを支えとし、そこに幸福を見出す作者にとって、桜は美しさや心動かすものの象徴なのかなと思った。
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本好きにはたまらない、本好きのための本!
本の中で本を読んでる人たちの話。
最後の新刊小説が撲滅されるやつとか、、、読んでて、
いやだ!いやだ!いやだ!そんなのは嫌だ!
昔の小説も全て読破したいと、野望があるけど、それでも、、、新刊小説が出ないなんて!!!!
なんか、悔しくて涙がでそうでした、、、、
ホント、、、、
わたしはこれだけ本が好きなんだから、もっともっともっと応援していかなくちゃならないよな!!!!と、思った。。。
さすがに月30冊は買えないので、せめて数冊でも新刊買ってく!!!!!!!!!!
全力で本屋さん支えて行きたい。。そんなふうに思う一冊でした。
千早茜さんの短編は切なくて、、他の本も読みたくなりました!!! -
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【2023年87冊目】
私が初めて千早茜さんの作品に触れたのは「男ともだち」だった。衝撃を受けた。あまりにも好みの作品だと思った。今でも全ての作品を読めているわけでたいはないが、無条件で、両手をあげて、白旗を振って、私は千早茜さんが書いた作品が好きであることを認めざるを得ない。
本作は「桜」をモチーフにした短編集だ。「管狐を飼っている」という一風変わった"尾崎さん"に救われる話から、"お酒"をテーマにした話、"刺青"をテーマにした話まで、バラエティに富んでいる。富みすぎているといっても過言ではない。
7つの短編集はいずれも味わい深くて、次はどんなお話が飛び出すのだろうとドキドキしなからページをめくり続けたのだが、特に好きなのは先に上げた3つのお話である。
加えて、巻末に千早茜さん自身の「あとがき」が収録されているのが僥倖だ。作者の物語以外の時の言葉を聞けるのは読者にとっての何よりのボーナスタイムだと思う。
やはり大好きな作家さんだと改めて思った作品だった。これからも自信をもって推していきたい。 -
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人は誰かとつながってしか生きられない。もがき迷いながら”いま”を生きる7人の男女たちが一筋の光を求めて歩き出す-。
『魚神』に続いての千早茜san。
第一話「まいまい」から、第7話「ひかりを」まで。相関図を見ずに読みました。次の話に進み、誰が軸で、どこで”からまる”のか、ドキドキしながら読み進めました。
一話:武生の”女”への想い(蝸牛)、二話:田村と華奈子の関係(クラゲの血)、三話:係長の家庭(イソメ)、四話:恵の過去(子ムカデ)、五話:蒼真の悩み(星の砂)、六話:華奈子の生い立ち(ヒドラ)、七話:葛月の生きる意味(ナマコ)など。
美しくて、妖艶な連作集。登場人物それぞれが抱える苦悩や喜びや悲しみが詰まっていました。お気に入りは、葛月先生。章見出しの名前や、かわいいイラストにも癒されました☆ -
Posted by ブクログ
ネタバレ女性作家8人による、「女ともだち」がテーマのアンソロジー。
うむむむ、女の友情はもろいというけれど、こんなにすごぉ〜く気持ち悪くて、べとっとするものばかりだろうか…
相手と『同じ』を競うような構図が、いくつもの作品に…あー、たしかに、『おそろい』スキだよなぁ…トイレ一緒に行ったりしてるよなぁ…
いやはや。下手なホラーより怖い。
どれも面白かった。
その中で、「ブータンの歌」は、くすっと笑えて、阿川佐和子さんらしい軽やかさだった。
「ラインのふたり」嶋津輝さんは初読。ちょっと山本文緒さんのような奇妙な迫力。
他の作品も読んでみたい。
「獣の夜」森絵都さん、爽やかな作品しか読んだことがなかったので、ジビエを貪り喰らいながらテンションが上がっていく女二人のパワーに圧倒された。痛快。