千早茜のレビュー一覧

  • あやかし草子

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    面白かったです。
    千早さんの、今度は日本の妖をモチーフにした短編集でした。
    こちらも妖しく暗くて良かったです。
    情景や色彩を鮮やかに感じました。夜の闇、竹林の緑、夕日のままの国の赤。映像的です。
    お話は、天狗と姫の間にあった気持ちが切ない「天つ姫」と、アルビノの座敷わらしが子どもを夕日の国に閉じ込める「機尋」が好きでした。
    妖…畏怖する存在ですが、どこか物悲しくて惹かれます。

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    2019年04月17日
  • あやかし草子

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    このひとの幻想作品には中毒性がある、猛烈な筆力でぐいぐいひきこまれるおもしろさ…胸をえぐる切なさ、おどろおどろしさと妙なる美しさ…。あやかしたちと、それに近い種類の人間が、いわゆる普通の人間たちの業やみにくさをかなしさを外側からあぶり出して見せてくれる。世界の不思議さと美しさを見極め、そのうえで己が選択する運命、この世のすべてを受け入れコミットして生きていこうとする力を描く。…じいんとゆさぶられてしまうのだ、ついつい。

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    2019年04月08日
  • 森の家

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    登場人物3人、それぞれ種類の違う寂しさを抱えており、寂しさに対して向き合ったり、気づかなかったり、スルーしたりしている姿が印象的。何物にも執着しない生き方は羨ましいけど、その代償として寂しさが付きまとってしまうのかな。寂しいって感情は厄介

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    2018年12月29日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    アンソロジーはあんまり読まないけど、こういうのもいいもんだ。
    それぞれ文体に個性があってそれも楽しめた。
    今まで読んだことない作家さんも、これをきっかけに手に取ってみようと思う。

    カフェスルス、すてきだなあ。
    こうやって仲間とわいわい夢を形にしていくのが楽しそうで羨ましい。

    商店街の店どうしの繋がりも描かれていて面白かった。

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    2018年11月10日
  • 女ともだち

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    ネタバレ

    *村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都―当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作!「彼女」は敵か味方か…微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが描きだす逸品ぞろいの短編小説集。コワくてせつなくて愛しい物語の世界をぜひご堪能ください*

    前半は女同士の執着や束縛が続くありがちな展開でしたが、後半は力量のある作家さんの本領発揮で、一味違う物語を堪能しました。
    特に気に入ったのは、森絵都さんの「獣の夜」。最初はハラハラしたものの、パプリカで大笑い出来る、いつでもあの頃に戻っていける、これこそが女の友情の真骨頂ですね。でも、これはひと歳

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    2018年09月18日
  • あやかし草子

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    ネタバレ

    あやかしと人とのふれあいを描いた6篇の短編集。
    どのお話も寂しさや悲しさが残る。
    「ムジナ和尚」「天つ姫」が好きでした。
    千早さんのファンタジーを読むのは2作目になるのですが、彼女が紡ぎだす、どこか悲しいお話が、どうやら私は好きなようです。

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    2018年08月09日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    こういうオムニバス形式のものには手を出していなかったけど、先日、3時のおやつを読んで、なかなかいいかもな…と思って読んだ。結果、とても面白かった。ハズレもなく、小さな繋がりを見つける楽しさもあった。軽いものばかりがあっさり詰まっているのでは?と思ってたけど、どれもしっかりした話だった。よい意味で作者が競い合うのかなぁ。

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    2018年07月21日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    これも大阪で買ってきた一冊。
    以前から読みたいと思っていた本です。

    スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
    ひっそりと息づく商店街がありました。
    それがー『明日町こんぺいとう商店街』。

    明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
    七人の作家さんのアンソロジー。

    大島真寿美 『カフェスルス』
    大山敦子  『あずかりやさん』
    彩瀬まる  『伊藤米店』
    千早茜   『チンドン屋』
    松村栄子  『三波呉服店ー2005-』
    吉川トリコ 『キッチン田中』
    中島京子  『砂糖屋綿貫』

    読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。

    どの物語も心がほんわかします。

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    2018年06月06日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
    大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。

    個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
    家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
    後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。

    一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美

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    2018年01月08日
  • あやかし草子

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    タイトルと表紙から、ちょっと恐い話かも…(゜゜;)と思って読み始めたけれど、あやかしが人と関わり、人の感情を持っていくさまに切なさや、哀しさを感じた(T-T)特に最後の「機尋」が良かった(*´-`)人とは違う時を過ごす あやかし にとって感情を持つ事は幸せなのかな?(--;)

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    2017年09月13日
  • あやかし草子

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    どれも懐かしいような、どこかで聞いたことのあるような
    それでいて新鮮に心がさざめきました。
    優しくて、緊迫して、風情があって・・・
    余韻の残る短編集でした。
    「天つ姫(あまつひめ)」がお気に入りです。
    最後が泣けましたよぉ~

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    2017年08月13日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    好きな作家さん勢ぞろいで、おまけに好きなテーマだったので、全部の短編を面白く読めました。窪さんの『朧月夜のスーヴェニア』 と花房さんの『それからのこと』が特に印象的。だけど、彩瀬さんの『かわいいごっこ』の主人公と文鳥の関係性もいいし、千早さんの『夏のうらはら』のツンデレっぷりも、宮木さん『蛇瓜とルチル』もアイドル好きの宮木さんっぽくて、結局やっぱり全部良かった。

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    2017年06月23日
  • あとかた

    購入済み

    気持ちが救われた気がする

    色んなものを抱え込んでいるせいか、読み易く、共感しながら一気に読んでしまいました。
    主人公の言葉で、自分の気持ちを整理していくような、肯定したり、考えたり。
    男ともだちを読んで、気になって読んでみたら、こっちも私にはよかったです。

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    2017年04月16日
  • 桜の首飾り

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    桜に纏わる短編集。一言で『桜』といっても、一話一話趣向が凝らされていて、狐憑きや、幽霊が出てくる話もあれば、本物の桜ではなく刺青の桜の話もある。『エリクシール』『背中』『樺の秘色』あたりが色っぽさもあって好き。千早さんが描く桜は青空に映える薄ピンクなものではなく、花曇りの中で見る桜のよう。ただ、どの話も最後には雲間から薄く光が射しこんでくるように感じられて良かった。物語でいいお花見をさせて貰った気分です。

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    2017年04月07日
  • あやかし草子

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    御伽噺などを元に創作された話であるが、その時代の世界に話が溶け込んでおり、元の話を知らなくとも読みやすいし面白い。どこか現代の雰囲気も漂っていると感じた。作者の妖美さの表現に浸ってしまう。序盤よりも中盤後半になると味が出てくる。

    ムジナ和尚、天つ姫が好き。

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    2016年12月02日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7名の作家さんの、商店街をめぐる連作
    たぶんモデルはあそこの商店街だと思うんだけど、閉まるの早いから違うかな
    こういう商店街は通り抜けるだけでも楽しいと思う

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    2016年11月17日
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に

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    今回は私好みのSFっぽい話が多くて面白かった!(^^)でも読み終えてみたら、青春甘酸っぱ系だった千早茜さんの「あかがね色」が一番好き(*^^*)

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    2016年08月09日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7人の作家が、「こんぺいとう商店街」を舞台に、主人公を変えながら送るリレー式の短編集。じつは、もっとファンタジー色の強いものかと思っていたのだけれど、まったくそんなことはなく。まるで同じ人が書いたかのように、すんなり読めました。

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    2016年03月25日
  • 森の家

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    血は繋がらないが同居する三人。自由だけを求める美里、他人に興味がないまりも、自分勝手な観念を持つ聡平。崩壊寸前の疑似家族の行き先を描く新家族小説。
    千早茜さん初読み。静かな海のような文体ながら、その底は暗くて深い。家族とは何かを問う物語だが、登場する三人各々の考えていることは、私たちの心の奥底に隠している感情に近いものがある。それを剥き出しの刃にせず、羽毛のような感触で痛いところを突いてくる巧さ。これからも追っかけていきたい作家さんです。

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    2016年03月14日
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に

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    8人の作家による「小説」をテーマにしたアンソロジー。色んな切り口で切り刻まれた「小説」や「物語」を小説で読むことで、物語の深みに勝手に囚われたり、メタ的なゾワゾワ感に包まれたりする。小説って面白い、と実感。

    秀作が揃っているが、ワシは、物語の禁じられた世界で物語を知覚し出会う男女を描く「赤と青の物語」(加藤千恵、著)と、物語を創り出すAIの成長とブレイクスルー後の世界を描いたSF要素もある「ワールドエンド×ブックエンド」(海老沢めろん、著)が、特にお気に入り。

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    2015年12月24日