千早茜のレビュー一覧

  • 森の家

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    不健康ないびつな物語だけど、千早さんの文章が綺麗なせいかどこか現実味がなく、幻のような感覚で読める。
    近くに見えるのに遠いみたいな。

    いびつな形で暮らしてきた家族の再生物語と言えば軽いけど、それぞれの抱えてる物は重く暗く、冷静に考えると結構なものだ。
    だけど、各々が自分と向き合い相手を見て求め気持ちにケリをつけていく様はどこかカッコいい。

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    2015年12月20日
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に

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    作家陣も表紙も、10代向け直球。中堅作家が並んで、平均点以上は約束されている。知らない作家を発見する喜びはなかったけれど、どの作品もお話を読む楽しさを提示してくれ、安定感があった。

    奇しくも「いじめ」がからんでくるものが8本中3〜4本あり、いじめにあってる子が本を読んで本の世界に救いを見いだすという図式が、かなり一般的なようである(本といじめって親和性高いんだなあ…)。

    神永学で軽やかに入り、一番よかったのが千早茜、そして藤谷治の問題提起で終わる。小ぶりながらよくまとまったアンソロジーだった。

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    2015年12月14日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    千早茜さんのチンドン屋が一番好きでした。下町のベランメイ調は素敵と思いながら、現実に聞いたことはありません。(聞いたら、なんと返したらよいかわからなくてモジモジしそう…。)

    偏屈で頑固者だけど、情にあつい親方の独り語りのテンポの良さや相手の若くて真面目な泥棒さん?もじんわり心あたためてくれました。

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    2015年06月06日
  • あやかし草子

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     人と妖の、不気味ながらも切ない交流を描く短編六作。言葉が平易なので読みやすく、さらさらと入りこんで堪能出来る一冊です。作品それぞれ、人も妖もきちんと個性が描き分けられているのが良いですね。個人的には「ムジナ和尚」と「天つ姫」がお気に入り。後者はイケメンならぬイケ天狗が男前で素敵でした(笑)

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    2015年03月03日
  • 桜の首飾り

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    この物語の流れる時間はとてもゆっくり.急いではいけない,そう語りかけてくる.そして丁寧に読み進める行為はとても心地いい.いつまでも読んでいたい.日常のふとした出会い,幻想的であり現実的,そして希望であったり哀愁であったり,いろんな色を醸し出す作品でした.
    以下あらすじ(巻末より)
    烈しくも切ない、桜と人生をめぐる7つの物語
    あたたかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜……
    桜の季節に、人と人の心が繋がる一瞬を鮮やかに切り取った、感動の短編集。ステージママを嫌う子役の女の子(「初花」)、謎多き愛人をめぐる二人の男(「花荒れ」)、 見知らぬ女性から「青い桜の刺青の標本を探して」と頼まれる大学資料

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    2015年02月04日
  • あやかし草子

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    妖しい世界を堪能できた。派手さはないが、それゆえに現実離れした世界が身近に感じられた気がする。文章もまさに妖艶。

    あやかしの舞台で人を描き、人と人がよく描かれていた。
    個人的にはむじな和尚が好き。

    たまにはこういう本もいいな。

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    2015年01月23日
  • あやかし草子

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    切なくも美しい短編集。題材は古典から取っているものの、心理描写が瑞々しく、秀逸。特に前半の3話が気に入った。

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    2015年01月09日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

    購入済み

    童話の良さ

    童話を見事に現代のお話にアレンジされてました。童話をもう一度読みたくなりました

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    2014年07月23日
  • 男ともだち

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    面白かったです。一気に読みました。女性らしい細かく繊細な感情を描写している。男はここまで繊細じゃない。
    主人公の気持ちや感情は全然理解できませんね。まさに女性作家が描く女性って感じ。でも、それこそが読みたかった。男性作家さんが描く女性はある程度理解できちゃう。この作品を読んだ女性の感想を知りたいですね。

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    2025年12月07日
  • マリエ

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    落ち着いた文体
    落ち着いた女性、憧れます!

    離婚することがマイナスに働かないようにするのは自分次第なのかなぁと感じました。

    マリエが幸せになりますように。

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    2025年12月06日
  • 男ともだち

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    千早さんが綴る女性は大人な一面があると思えば子供っぽいところもあって目が離せない。
    男女の友情、愛情とは。

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    2025年11月30日
  • 神様の暇つぶし

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    恋愛は年齢、性別に関係なく好きになってしまったらズブズブに溺れる。もうその人に出会う前の自分には戻れない。勝手に傷ついて、盛り上がって、一喜一憂する感覚が鮮明に伝わった。
    好きだから離れる。離れられた方からしたら悲しいけど好きだからこそ離れた側はもっと苦しかったりするのかも。

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    2025年11月27日
  • しつこく わるい食べもの

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    後半のコロナ禍になった後のエッセイが特に面白かったです
    当時私は千早茜を知らなかったけど、あの頃もちゃんと存在していてこんなふうに生活されてたんだなあと。

    それと、きちんとパフェを食べてみたいという欲が…笑

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    2025年11月27日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    男性と女性の価値観の違いやすれ違いを感じることが出来る一冊でした。私が行動する時、少し考えてから動く癖をつけたい。

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    2025年11月25日
  • 透明な夜の香り

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    ネタバレ

    独特な雰囲気を持つ心理描写だった。主人公の気持ちがとても近くにあるようで、さも我が身に起こったことであるかのように、朔さんの一挙一動に心を動かしていた。
    想った人に想われる、しかも常識的ではないかもしれない形で…という物語の締め括り方が「神様の暇つぶし」と似ている、と思った。
    「神様の暇つぶし」を読んだ時にも思ったが、主人公は構築した自分の世界に深く沈み込んでいて、簡単に言えば乙女チックな部分がある気がした。その点において、彼女に心底から共感することは難しかった。

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    2025年11月23日
  • 私の身体を生きる

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    「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
    売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。

    「トイレとハムレット」宇佐見りん
    面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。

    「私の三分の一なる軛」児玉雨子
    生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深

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    2025年11月22日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    連作短編
    祖父の店の西洋菓子店で働く亜樹とその周りの人々のお話。
    自分に余裕がなければ相手の気持ちに気づけない。すれ違いをなおすのは、自分の気持ちを整えてから。
    お菓子は甘いのにちょっとビターな人間関係が似合いお話。

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    2025年11月22日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    パティシエールの亜樹は菓子職人の祖父のもとで働く。彼女自身や後輩、恋人、それぞれの視点から描かれる短編集。お菓子に対する情熱、こだわりが感じられる作品。読んでいるだけでお腹が空いてくる。

    亜樹の原点とも言える中学生時代の思い出が鮮烈な情景として浮かぶ。その赤さえも。彼女の珠香に対する感情に近しいものを私も持ったことがある。根底を成す部分が崩れていくのは辛いもの。
    印象的だったのがミナ(美波)ちゃん。ネイリストである彼女は女の子はお菓子-着飾り、コーティングし、大切にされるべきもの、という信念がある。満足に仕事ができない環境に辟易していたが、入った喫茶店での景色に心が変わる。薔薇色に染めるのは

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    2025年11月21日
  • 透明な夜の香り

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    調香師が主人公の香りをテーマにした物語。

    とっても暖かみの感じる本でした。登場人物全員がいい人。文章で読んでるだけなのに、あの館はきっといい香りがするんだろうなって感じられる。ゆったりと時間が流れる優しい本を読みたい方におすすめ。

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    2025年11月18日
  • 透明な夜の香り

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    目に見えない香りは記憶から消えやすいと確かに感じる場面は多いですね。
    大切な人の香りがいつかは周りから消え、記憶からも消えてしまうことは形が消えるよりもっと存在が消えてしまうような気がします。

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    2025年11月17日