千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
服の修復に絡めた心の修復 千早茜さんには脱帽です。本当に素晴らしい作家さんだ!
幼少時にとあることがきっかけで心に傷を負い、閉じたままの纏子。
そして、彼女が心に傷を負った事件に関与していたけれどもそれを知らず纏子と知り合う芳。
二人の関係性と、纏子が少しずつ開いていく様子の描写、そしてアンティークな服の補修士としての仕事振りが見事に関連し合います。
新品のように直すわけではない。
服にはその人が記録されている。
その服が今、ベストであるように、どこにも無理がないように直せるところにだけ手を入れて行く…最新の注意を払いながら。
人の心の修復もそれでいい。
無理にポジティブに、とか、乗り越えて、なんかなくていい。
寄り添い、待つことの大切さと、弱さの中にある強さが、しかしさりげなく描かれているので心の奥にずしん、と心地良く響きました。 -
Posted by ブクログ
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夜に啼く鳥は
シラ
はばたき
梟
ひとだま
かみさま
躑躅
全六編
愛しい人を失った不老不死の身体をもつシラは
死ぬこともできず、生きる意味もわからないまま、
愛しい人を探し求め時を超えて彷徨い続ける。
長く長く時は流れ、地図にも載らない秘された里に
不死の一族はひっそりと社会から隠れて生きていた。
驚くほど強い力に選ばれた御先(みさき)は、
一族でもずば抜けた治癒の能力を持っていた。
愛する人は人間だから先に死んでしまう、
永遠に一人で生き続ける不老不死の身体をもつ
美しい化け物の切なくて哀しい物語。
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人間は命に限りがあるから不死を望み願う。
でも、反対に不老不死の体をもってしまったら
どう感じるのだろう。
老いない体、繰り返し勝手に癒える傷や怪我、
大切な人はみんな自然の流れと共に老いて、
死んでいく中で自分だけが取り残される。
そんな孤独は哀しみ以外にないのかもしれない。
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Posted by ブクログ
スカイツリーが見える、東京の下町。
古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。
既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。
大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。
こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きものんびり読みたい。
また違う作家さん、違うお店が登場するのか、それともまた同じお店も登場するのかな?
『カフェ スルス』がどんなお店になっていくのか、続きが読みたい。 -
Posted by ブクログ
COPY 村山由佳
ト・モ・ダ・チ 坂井希久子
卵の殻 千早茜
水底の星 大崎梢
こっちを向いて。 額賀澪
ブータンの歌 阿川佐和子
ラインのふたり 島津輝
獣の夜 森絵都
8人の女性作家による、女性ばかり出てくる8つの短編集。豪華な顔ぶれの短い話が詰まっているから読み終わるのがあっという間でなんとももったいない。けど、読んだことのない作者の作品を読んで興味を持つきっかけとしていい機会になったかも。
男性目線でよく描かれるような、勘違いとか思い込みによるおかしな描かれ方を全くしてないから、不快感がなくて安心して読める。その代わり女同士のイヤな感じの世界観はごまかしがなく描かれてしまうから、思い当たるフシがある分、胸が痛い。
COPY
あーいるいる。こういう子。と思わせておいて、えっ、そうなの?というどんでん返し。佐智子が大学辞める理由とか、玲がなぜそんな回りくどい方法を取るのかよくわからなかった所があった。
ト・モ・ダ・チ
人との距離感をすごくうまくやっていけてる、と思わせる早苗。途中、普通なら1時間で終わらせる入力作業を指1本で午前中いっぱいかかっているあたりからあれ?と思わせて、やっぱり、問題のある女子はキミだったのね。怖い怖い。
卵の殻
いいよいいんだよ。遼子さんは何も間違ってない。私だってそうしたいと思うもの。普通はそこまで出来ないけど。
水底の星
子ども時代のスイミングスクールでの話。女ともだちというよりもスポーツを習うということに主体がある。けどやっぱり女子同士の嫉妬や怒りで起きてる話だから、やっぱり女友達の話なのかな。自分の生きてきた中でも思い当たることがたくさんありすぎて、ずっしりきた。裕のその後が気になる。
こっちを向いて。
あまりピンと来なかった。仕事上の付き合いの人とは所詮仕事が切れたら赤の他人なのか?というような話?いい大人の女性が二人でいつまでもメニューを決められないでいるところとか、私情でクライアントの無理な値引き交渉にダメと言えない所とか。読んでいてイライラ。仕事の出来ない女だってそこまでバカじゃないだろう。
ブータンの歌
学生時代の思い出せないくらい地味なクラスメート。たまたま再会して、いつの間にか自分に元気をくれる、すっごく大事な存在となっていたようだ。もう会えないけれど。なんだかいい話。ほっこり。
ラインのふたり
工場のラインで仲良くなった二人。何でもない日常なんだけどおもしろい。毎日こんな感じでいいじゃないか。と思わせてくれる。
獣の夜
これはね。いいよいいよー!自由!
肉を食べて、ボトルを空けて、思うがままに自由に生きるのさ。乾杯!イェイ!って感じ。読後感爽快!