千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この物語の流れる時間はとてもゆっくり.急いではいけない,そう語りかけてくる.そして丁寧に読み進める行為はとても心地いい.いつまでも読んでいたい.日常のふとした出会い,幻想的であり現実的,そして希望であったり哀愁であったり,いろんな色を醸し出す作品でした.
以下あらすじ(巻末より)
烈しくも切ない、桜と人生をめぐる7つの物語
あたたかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜……
桜の季節に、人と人の心が繋がる一瞬を鮮やかに切り取った、感動の短編集。ステージママを嫌う子役の女の子(「初花」)、謎多き愛人をめぐる二人の男(「花荒れ」)、 見知らぬ女性から「青い桜の刺青の標本を探して」と頼まれる大学資料 -
Posted by ブクログ
紺色の声。読み進めていくほどに、どんな声なのか解像度が高くなっていくような気がした。
香りも、情景も、色も、そのへんの自分の日常にもあるような感覚で思い浮かべることができた。おしゃれな表現や聞き慣れない言い回しもあるけれど、でもスッと頭の中に広がるイメージ。もし本に香りがついていたら、きっともっと楽しい小説だろうなあ。でもそれができない良さも、できないからこそ伝わるものも言葉の力なのかもしれない。
「どんな匂いなのか、どうしても上手く言葉では説明できない。いつの間にか、言葉が届かない場所に、連れて行かれている。」
だから、香りは永遠に残るんだなあと。小川洋子さん、素敵な解説でした。