千早茜のレビュー一覧
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精神的に弱っている時のよすがにしたいような、傷痕を撫でてもらいたいような、そんな短編集。
(厨二病に罹患した時に得た)オタクの知識でタイトルの意味は知っていた。古傷を撫でて回顧する話もあれば、癒えない傷痕を守るために必死な話もあり、テイストの違う傷にまつわる話を読んだ後は頭が熱に浮かされるようなくらくらする読み終わりだった。
一番好きな「竜舌蘭」は現代人には共感できる話だと思う。相手が平気そうだから傷ついてないと思った、実際に血を流していないと傷ついていないことに気が付かない、というどこかで見たことのある光景・体験したことのある痛みがじくじくと心に疼いてくるようだった。
千早さんの文章は読 -
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第一部、幼少期を過ごした田舎の島。第二部、大企業の販売促進部。
男尊女卑の社会の描写が息が詰まりそうなほど苦しくて、葉の胃痛がキリキリと伝わってくる。
”闘えなんて、誰かに言うのも暴力だよ。闘わなくていい。女性の代表になんてならなくていい。どうにかしようと思わなくていい。自分を変えようとしなくていいよ、間違っているのは相手なんだから。”p276
幼い頃友人だったふたりが、ちゃんと再会できて、ちゃんと手を取り合えてよかった。
ラストのパンを食べるシーンが雄々しくて素敵。
偏見とも悪意とも、闘わなくていい。ただ、生きる。
あと木村先生の言葉が沁みた。
聞きづらいと思うことは、相手が話してく -
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ネタバレああ〜千早茜良いわ〜〜最高ですよ…
落ち着いていて上質な恋愛小説だったな…
ありきたりな感想だと思いますが、料理の描写もすごくおいしそうで良かった!
丁寧な暮らしを目と心で摂取した気分
栄養があって美味しい、手作りの和食をこさえられるようになりたいものです
でも最後のらへんはそうはならんやろと思ってしまったのですが、他の人はどう思うだろう?
高村さんが伊藤くんに少しでも好意を見せたら彼は華と別れてころっと高村とくっついたと思うなあ
華も華で、私に理系の似たような研究室に通っていた友達がいるのもあって、あれだけ研究に一心不乱な人は踏んだり蹴ったりになった恋愛をやり直そうと思わないと思うのね
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まなもんが千早茜作品に出逢ったきっかけの本らしく、帯もまなもんが書いていたので読んでみた。
桜をテーマにした7つの短編集。
千早茜さんのとんでもなく美しく繊細な文章と、少し不思議で幻想的な物語設定に魅了されました。
好みは分かれると思うけど、愛萌さんはこういうのが好きなのね…!ということがよくわかった。
私は人の感情をストレートに表現されたものが好みなので、こういう作品は美術品を観るようで難しかったし読みとけていない部分も多くあると思うが、今回だと
「春の狐憑き」と「花荒れ」が特に好きでした。
温かい紅茶とかを片手に、静かな喫茶店でじっくり味わいながら読みたい一冊でした。
今からの -
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おそらくお二人は、食を通して「ひとつ」になっていくのが嫌なんだろうな、と。
それぞれ独立した食材が、口の中で咀嚼されて、ぐずぐずの「ひとつ」になってしまう感じ。だけどお二人は、一緒に食事しても独立した「ひとりとひとり」でいられるから、それが心地良いのだろうな、などと考えてしまった(赤の他人がそのように分析し決めつけるのは、ひどく失礼だし無粋だとは思うが)。
食に対する妥協のないスタンスが、もはや運命的と言えるほど合っているのだろうな。
食に対するスタンスってもしかしたら一番重要で、そこが合わないと他の性格や価値観的なアレコレも合わないだろうし、だからお二人がとても羨ましく思えた。
自分 -
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かたつむりからはじまり、くらげ、などの海の生物にからめて、だんだん、この人とここのこの人が繋がってたのかとなる絡み合う人間模様が描かれていた。千早茜さんの登場人物たちは、どこかにはいそうな低体温な人間たち、ついつい分かる分かると親近感が湧いてしまう、世間的には「普通では無い」と言われる人達だと思うけれど憎めない人間たち。
「ゆらゆらと」の田村の男性依存で芯のないに親近感が湧きまくった。華奈子がかっこよくて美しいなと思ったけど華奈子については「うみのはな」で語られ、より清々しくて美しいなと感じた。
1番印象深いのは「むかで」について。
「母性本能が強いんだってさ。卵を産んだら毎日舐めてカビやダニ