千早茜のレビュー一覧

  • 人形たちの白昼夢

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    ネタバレ

    「透明な夜の香り」がこの短篇集の中の「スヴニール」から生まれているという千早茜さんのポストを拝見して興味を持ち、手に取りました!
    一つ一つは短いお話だけどそれぞれ世界観が異なっていて読み応えがあった。自分にしてはかなり時間をかけて読んだ気がする。この中だとやっぱり「スヴニール」が大好き。香り(特に食事にともなう香り)と人生の記憶が結びつく描写がたまらない。自分も食事が好きだからかな?千早茜さんの文章からは食への深い愛を感じて、幸せな気持ちになります!切ない余韻があるところも含めて大好き。

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    2025年02月12日
  • さんかく

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    30代後半独身女性フリーデザイナーの高村、後輩の伊藤と彼女の華。
    伊藤は華とすれ違いを感じながら高村さんと同居を始める。
    居心地の良さと好きってなんだろう。イコールじゃないのかな?と答えのない疑問を投げかける一冊。ゆるゆるとした空気感の物語ですが不思議と考えさせられた。

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    2025年02月10日
  • ガーデン

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    出てくる女性のちょっとした一面が私が持っている一面でもあって、こういう風に見えるんだなって客観的に思ったりもした
    うまく説明できないけどとても好きな作品でした

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    2025年02月09日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    服って自分に合うか自分が着れるものかでしか考えたことなかったけど
    自分が着たいものを自由に着るって素敵なことなのかもしれない
    いつの時代も性から逸脱すると忌み嫌われる
    それは根強く残る負の連鎖なのかもしれない
    それらを解放させるものの一つの手段として服があるとしたら
    服には無限の可能性があるんだなと思った

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    2025年02月08日
  • さんかく

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    美味しいご飯のお話だと思っていたら、恋愛?人間関係?が複雑に絡み合っていてびっくりしました。

    最後の着地がどうなるか続きが気になるストーリーで、さくさく読み進めることが出来ました。

    共感できるところもありましたが、なんともいえない読後感です。。

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    2025年02月06日
  • 女ともだち

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    女ともだちって、すごく独特な世界だと思う。
    男ともだちほど単純じゃなくて、複雑だ。

    嫌気がさしたり疲れちゃう事も多いけど、それでも何だかんだと素敵だなと思わせられた一冊だった。

    全然違う物語なんだけど、どれも身近な感じがするから面白い。

    読み終われば『それなりに色々あるけど、やっぱり女ともだちって最高じゃん?』って気持ちになれるかも?
    しばらく寝かせてから、また読み直したいなぁ。

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    2025年02月05日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    十七世紀から現代までの、一万点以上もの大量の服たちが眠っている服飾美術館で、洋服補修士として働く纏子は、一般の人たちが見ることはできない閉じられた場所で、繊細な衣服と日々向かい合っている。
    纏子は幼い頃の事件によって、男性恐怖症を抱えている。
    デパートでの展示をきっかけに店員の芳と知り合うのだが、男性だけど女性服が好きな芳も幼い頃他人に傷つけられた過去がある。

    館長の青柳さんにもらった名刺がきっかけで、真四角の白い建物『青柳服飾美術館』を訪れた芳はそこでボランティアとして働き始め、纏子や学芸員の晶たちと関わりを持つうちに、纏子と芳が繋がっていたであろう遠い昔の記憶がだんだんと明らかになってい

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    2025年02月03日
  • 人形たちの白昼夢

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    短編集だけど一つ一つの物語が丁度いい長さで読み応えもあった。
    色々なテイスト(?)の物語が入っているからどんな人でも必ずお気に入りが見つかるはず。
    自分はどれもすごく面白かったしお気に入りも沢山あるけど1番のお気に入りは「ワンフォーミー・ワンフォーユー」。
    思わずメモに記録してしまったくらい最後の文章が心に響いた。
    ほっとしたい時や現実から離れたいと思った時に手に取りたくなる本。

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    2025年02月02日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    恋愛はみててイライラするものだとお2人が対談で話しててよかったぁと思った。実際読んでてすごくイライラしたけど面白かった

    「ありがたいけれど、ちょっと違う、迷惑といってしまうには申し訳ない好意」

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    2025年02月01日
  • ガーデン

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    淡々と進んでいき、主人公の感情がかなり緩やかだからか寝る前に読むと丁度区切りのいいところで眠くなる。
    ハッピーエンドでもバッドエンドでもない終わり方はすごく好きだった。

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    2025年01月26日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    きっとこんな日常あるなって、
    こういう生活してる人いるなって、
    なんでもない日常が続いてる世界が2つの視点から覗けて斬新な本でした!
    それぞれ分かり合えてない箇所が、それぞれの目線で見えるから、セットで一つのお話しなのが面白かった!
    あそこまで強く蹴散らせない私からしたら、思ってることをただ言葉で殴るのがすごいなあってずっと思ってたし、2人とも癖強いなあって思ってた笑
    得にならない本は嫌いじゃないし、好き!
    2人の他の小説がもっと読みたくなる本でした。

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    2025年01月20日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    しんどい恋愛。本当にタイトルの通り、犬も食わない男女の喧嘩、すれ違いが描かれている。めんどくさい女、癖の強い女が出てくる小説が大好物な私にとって最高の一冊。

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    2025年01月14日
  • ひきなみ

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    主な登場人物は2人だが、2人の周りの人々のことも詳しく説明がなくても情景が伝わってくるお話だった。最後の葉の姿に私も勇気をもらえました。

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    2025年01月09日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    初めて読んだ千早茜さんの作品です。
    西洋のおとぎ話を元にした短篇集で、バッドエンドもハッピーエンドもあります。
    バッドエンドは影のようなねっとりとしたような暗い感覚が付き纏いますが、むしろ引き込まれていきます。
    元になったおとぎ話の内容を知らなくても楽しめました。

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    2025年01月08日
  • あとかた

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    恋愛とは、他人には説明のつかないもの。
    だけど誰かに伝えなくても、確実に自分の中に鮮やかな炎として残る。

    この物語は連作短編という形式でなければ、八方塞がりで息苦しくなってしまいそうです。
    孤独の渦に巻きこまれ、登場人物それぞれが寂しさだけをを漂わせているように見えるけれど、実はとても美しい物語なのだと思います。

    終盤、少しの光が射してきてほっとします。
    誰かを好きになることは、こんなにも尊いことなのだと気づかせてくれるような、今までに読んだことのない恋愛の世界に浸れるような、連作短編集でした。

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    2025年01月07日
  • ひきなみ

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    女性ジェンダーの苦しみが、寄せ続ける波や潮のように、じっとり重くのしかかる話。この方の書くジェンダー問題は、本当に苦しい。主人公は、瀬戸内の小さな島の一つに住む祖父母のもとに引き取られた小学高高学年の女の子。そして唯一の友になるのが、橋がつなぐ隣の島に住む、やはり祖父に引き取られている同い年の女の子。 

    古い価値観のままの、狭い島。寄り合いでは男が上座に座り、女は下座で立ち働く。男は大声で威嚇し、女は男の世話をする。大人の振る舞いを鏡に映したような子供の世界と嫌がらせ。ああ苦しい。私だったら…きっと立ち向かいたくなる。いや、どうかな、いざとなったら立ち向かえないのかな。

    第1部「海」は島で

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    2025年01月06日
  • こりずに わるい食べもの

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    千早さんの食エッセイシリーズ3作目。相変わらず食に関連するエピソードが濃くて面白い。
    本作は千早さんが離婚して東京に引っ越した2021年ごろのエピソードが収録されている。ステイホームで自炊に関連する話、たまに外食する話などが多い。
    印象に残っている話の1つは、「鰻といえば『ごんぎつね』」という「狐色のどんぶり」。『ごんぎつね』の切なさ悲しさとうなぎの異色の組み合わせのインパクトが大。
    他にも山形に引っ越したという担当編集者のT嬢との山形旅行に関するお話や、浅草で「どぜう」を食べたお話もインパクトが大きかった。大食漢の千早さんと一緒に、いつもたくさんのグルメを堪能しているT嬢の胃袋もすごいなとい

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    2025年01月05日
  • 正しい女たち

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    短編集だと思って読んでたら繋がってた、連続短編集。
    「温室の友情」の遼子、恵奈、麻美、環の4人が関係してくる。学生時代は似たもの同士仲良しグループ。大学に入ってからそれぞれの恋愛、仕事でばらけはじめる。偏見、セックス、結婚、プライド、老いなどの、正しさをモチーフとしてあるが、正しさはないと思う。世間体の正しさはあれど、人それぞれ価値観も考え方も違う、難しい、、、桃食べたくなった。

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    2025年01月03日
  • 魚神

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    装丁が気になって、手に取った本でした。
    場面だけでなく、感情の描写も濃厚な一冊でした。
    例えば、ぬるく濁った川面で大型の古代魚が無感情に目の前を横切るような体感した事のない畏怖がありありと想像できる感覚がありました。
    感情や情事もぶつかり合いますが、どこか儚げで俯瞰的に主人公の白亜が捉えているのが印象的で、新鮮、痛々しい場面描写でも不思議な感覚で読み進められます。小説体験とでも言いましょうか。
    千早先生の他の作品も気になります。

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    2024年12月27日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    なかなか良かった。
    千早さん目当てで購入したけど、なんか幻想的で求めていたものではなかったのが残念。
    とはいえ、1番印象に残ってるのはやはり千早さんの作品だった。
    好きだったのは初作家さんの松永さん。
    深縁さんも良かったな。
    織守さんのはさすが。晴れやかな雰囲気から一気にそんな展開に!という感じです読み応えあった。

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    2024年12月24日