千早茜のレビュー一覧

  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    モチーフとなった童話のエッセンスを匂わせ、うまく描き出している。全体的に、最後は読者をうまく着地させてくれる。毒々しいが、あとに引きずることがない印象。

    ただ、ぐっと引き込まれた作品が、ひとつ。読後に何かが、残るなぁ。良い感触だ。

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    2023年11月11日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    土台にモチーフとなった童話の要素が敷き詰められている。教訓めいた内容や、残酷性が、現代版にブラッシュアップされているため、とても読みやすかったです。シンデレラの物語がとくにお気に入りです。

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    2023年11月09日
  • 人形たちの白昼夢

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    美しい短編集。得も言われぬ世界観の短い話たち。
    記憶の奥底に大切にしていた美しい情景が、それぞれの世界を形作っている。
    安部公房や村田沙耶香、小山田浩子、多和田葉子など、ディストピア小説は、特に海外で高い評価を得ることが多いが、この作家も今後注目されるんじゃないか。

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    2023年11月05日
  • からまる

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    全7話の連作短編集
    そのどれもがからみあっていて、タイトル通りにまさに『からまる』だった

    どの話も日常の中の絶望・堕落から希望が差し込む流れ。闇→光のような構成で読んでいてグッと締め付けられる苦しみから解放されていく感覚がとても良かった。

    日常生活の中で、張り巡らされる人間関係
    時に近く、時には遠く関係なさそうな人とも、もしかしたら生きるヒントや希望を与えてくれる存在がそこにあるのかもしれないですね
    絡み合う網の目のような人間関係も、悪くないのかもしれない

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    2023年11月01日
  • 魚神

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    献身愛とは違うがどうしようもなく必要で必要とされるような相手がいて最後は幸せになれてよかった。
    身体より心の繋がりでそれを超える繋がりなんて
    ある人の方が少ない。二人は不幸せに生きながら別の意味で幸せなのかも。

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    2023年10月26日
  • 桜の首飾り

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     桜がモチーフの短編集。

     「あたしは…クラスの子たちより言葉を知っていると思う。言葉の数とかじゃなくて、その意味や味を知っている。例えば、失望とか、羞恥とか、後悔とか、孤独とか。だって、あたしはそれらの言葉を口に入れて、噛みしめて、涙がにじむくらいその苦しみを舌に浸み込ませて、やっと飲み込んできたから。そして、飲んだ後もその言葉たちによって内臓をぐちゃぐちゃにされたから。【初花】」
     その言葉の、経験に基づいた本当の意味を知っている人と、そうでない人とで、同じ言葉を発していても、その重みが異なると感じることは度々あるけれど、その感覚が「言葉の味」という表現で、上手に描写されている文章。

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    2023年10月22日
  • 眠りの庭

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    ネタバレ

    千早茜さんの著作を読むのは2作目だけれども、文章から漂う湿度と香りがとても濃厚だなと思います
    ファムファタール的なヒロイン 小波をめぐる男たちの話
    読む人によって受け取る印象は変わりそうな気もしますが、
    破滅に向かう怖さもある前半を受けたからこそ、
    より静かに丁寧に男女の、人間の関係について描かれた後半が心に沁み入るように感じられました

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    2023年10月22日
  • 魚神

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    遊郭を舞台にしたお話。
    他の方も書かれてますが、酷い運命を辿っている割には悲壮感なく美しくまとまってます。主人公の白亜の浮世離れした不思議な雰囲気がそうさせているのかもです。他の方のレビューを見て、まもっと悲惨なラストになるかと思っていたので最後まで読んで少しホッとしました。
    スケキヨというとどうしても犬神家を思い出してしまうのはわたしだけでしょうか。。

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    2023年10月18日
  • 魚神

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    不思議でおとぎ話のような世界。
    細かい描写で想像しやすい。じっとり暗く明るい未来はなくて…でも先が気になる。
    残酷で美しいお話しでした。

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    2023年10月08日
  • しつこく わるい食べもの

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    「歯がでる」がめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら読んだ。わたしも歯で開けるから……。千早さんのエッセイは日常に溶け込んで心をふるっとさせてくれる。いつ読んでもだいすき

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    2023年10月03日
  • こりずに わるい食べもの

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    一緒にいる人と食べるペースを合わせるという気を使うことも忘れて一気に食べてしまうほど美味しい感覚素敵。著者がこだわりをもってお家時間を楽しむ様子だけでなく人と違う食の感覚もたのしむ余裕がいい。

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    2023年09月17日
  • からまる

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    ネタバレ

    それぞれの目線?からの物語が描かれていて
    最終的になるほど〜と繋がる感じが面白いなと感じました。
    それぞれの章が簡潔で読んでいて飽きずに読み終えれました!

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    2023年09月04日
  • 魚神

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    全体的に物静かで綺麗なお話でした。千早茜さんの作品はセンスがいいというか、言葉選びとか雰囲気が垢抜けていてかつ色っぽくて好きです。
    一気に読ませるような勢いはないのですが、徐々に不思議な世界観に引き込まれていきました。

    映像作品になったらぜひ見てみたいです。
    蜷川実花さんが監督されたさくらんがイメージに近いかと思ったのですが、そこまで極彩色ではなくて、もっと透明感のあるキラキラしたイメージを受けました。
    遊郭が出てきたり、人間のドロドロした部分も描かれているのに現実味がないというか、不思議な世界観の作品です。
    主人公の白亜の感情が希薄だからかもしれませんね。

    白亜とスケキヨは雷魚と伝説の遊

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    2023年08月24日
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に

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    本好きにはたまらない、本好きのための本!

    本の中で本を読んでる人たちの話。

    最後の新刊小説が撲滅されるやつとか、、、読んでて、
    いやだ!いやだ!いやだ!そんなのは嫌だ!

    昔の小説も全て読破したいと、野望があるけど、それでも、、、新刊小説が出ないなんて!!!!
    なんか、悔しくて涙がでそうでした、、、、

    ホント、、、、

    わたしはこれだけ本が好きなんだから、もっともっともっと応援していかなくちゃならないよな!!!!と、思った。。。

    さすがに月30冊は買えないので、せめて数冊でも新刊買ってく!!!!!!!!!!

    全力で本屋さん支えて行きたい。。そんなふうに思う一冊でした。

    千早茜さんの

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    2023年08月23日
  • こりずに わるい食べもの

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    このシリーズやっぱり良いな。今回も楽しかった。食に纏わる千早さんの考えが特に好ましい。
    (たまに頑固すぎやしまいか…と思うこともあるが笑)

    甘いもの好きだったら生クリームも好きでしょ?等の決めつけは、食の世界だけでなく、いろんな世界で横行している。デニムを持っていない人だっているし、コーヒーが嫌いな人もいる。人に何かを進めるときは気をつけよう。自分が良いと思っていても、人にとっては微妙もしくは苦手なことは結構あるのだから。

    そして、意外に千早さんが好き嫌いが多いことに安心した。食べることが好きなら、幅広く色んな食材を食べ、味を知っていなければならないと自分で勝手に決めつけてしまっていた。

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    2023年08月20日
  • しつこく わるい食べもの

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    前作同様気軽に楽しく読める ここは同感だなとかここはさっぱり理解できない感覚だなとか 

    ご飯の保温が嫌いはわかる ずっと保温状態でというのが信じられない 食べものほど許せるラインが個人で違う上に厳しいものはないな

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    2023年08月17日
  • わるい食べもの

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    エッセイ。
    著者はとにかくよく食べる。しかも1日の大半、食べて過ごしている。羨ましき生活だ。ただ、暴食をする日がたまにあるとのことで、その日は気持ちが悪くなるまでパンを食べたりしており、健康にはよろしくないと思う。
    しゃらくせえ!という著者の声が聞こえる気がする。誰に何と言われようとも好きなものを食べるのが彼女の愉しみなのだから。
    スナック菓子を食べ続けていると口が切れるなんて初耳で驚いた。

    今は健康志向が強まり、スローフードやらファスティングやらよく分からない横文字のものが賛美されるようになった。
    私は夕飯だけ食べる生活(仕事に行く日のみ)を2年以上続けているが、食に興味がない訳ではないし

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    2023年08月15日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    【2023年95冊目】
    男と女の欲望をぶつけあった5つの短編集。求め、求められていることが、なんとなく感じられるのが人間の不思議なところで、「あっ」と思った瞬間に恋に落ちていたりする。それがいつも正解ではないのが難しいところではありますが。

    それぞれの作家さんが匂い立つような、けれどどろどろとはし過ぎない愛と欲望の話を書いているので、贅沢と言えば贅沢な一冊。どの作家さんも表現や心理描写が上手く(プロだから当然と言いたいところですが、そうでもない場合もある)違ったテイストのお話を楽しめました。

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    2023年08月09日
  • 桜の首飾り

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    桜のように切なくて淡いお話だと思いました。また桜の咲く季節になったら読み返したいな。より桜が好きになれます。

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    2023年08月06日
  • 桜の首飾り

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    【2023年87冊目】
    私が初めて千早茜さんの作品に触れたのは「男ともだち」だった。衝撃を受けた。あまりにも好みの作品だと思った。今でも全ての作品を読めているわけでたいはないが、無条件で、両手をあげて、白旗を振って、私は千早茜さんが書いた作品が好きであることを認めざるを得ない。

    本作は「桜」をモチーフにした短編集だ。「管狐を飼っている」という一風変わった"尾崎さん"に救われる話から、"お酒"をテーマにした話、"刺青"をテーマにした話まで、バラエティに富んでいる。富みすぎているといっても過言ではない。

    7つの短編集はいずれも味わい深

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    2023年08月03日