千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
深い夜にそっと開きたくなる短編集。
千早茜らしい、静かでやわらかな言葉が夜の闇に溶け込み、眠れない時間を少しだけ特別なものにしてくれる。物語ごとに添えられた美しい挿絵も印象的で、文章の余韻をさらに深めていた。
とりわけ心に残ったのは第三夜「水のいきもの」と第四夜「あめ」の話。どちらも日常と幻想の境界をたゆたいながら、人の孤独や願いをすくい上げるような優しさがあった。水や雨というモチーフが持つ透明な寂しさと潤いが、夜に読むからこそより鮮やかに胸に染みる。
眠れない夜のための物語らしく、読後には心が静まり、少しだけ安らかな気持ちになれる一冊。 -
Posted by ブクログ
性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわけですが、それはどういう心境なのだろうか、とも思ったり。
他にもこの手の本はあるのかな?と探したくなったほど。
男性作家版も出して欲しい所存です。
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Posted by ブクログ
久しぶりの千早さん
ちょっと暗めの本をぽけーと読みたい時、
仄暗さと、人の欲と、寂しさと、
少しずつ出てくる人が繋がっていく短編集
でもいつの間にその世界にのめり込みながら読み終わった。
「うろこ」の松本と松本の友達啓介がよかったな。
少しずつ欲を抑える人
どこかでそれを晴らす人
抑えて悲しみを抱える人
自分に正直に欲求を満たして生きることなど現実にはなかなかできないから時々千早さんの本を読んで、脳をシャッフルさせたくなるのだろうか。
人が求めるものとはなんなのだろう
肉体的なつながりなのか、気持ちなのか、カタチある何かなのか、
残るとは何か
あとかた 「あったというしるし」
わたしが傷ついたというしるし
わたしが悲しんだというしるし
わたしがいたというしるし
そういうものを誰かに受け止めてほしい
あったということを誰かに知ってほしい
そこにつながりを求めるのかな いろいろなカタチで
なんとも言えぬ不思議な余韻の残る本 -
Posted by ブクログ
二十代半ばの小川朔と、「瑞雲堂」という老舗(京都では江戸創業は老舗ではないらしいが)のお香屋さんの話。なんとシリーズ最終作とのこと。連作短編ではなく長編で、ミステリ要素があり面白かった。
香道では薫りは「聞く」と表現するようだが、本作においては薫りを「読む」ことができた。描写が巧みだと薫りって読めるんだ。
人が特定の、誰かの、薫りを求めるときの気持ちに潜んでいるのは、なぜかやはり愛情ではなく執着なのだと思う。
ところでこれを書いている本日情報解禁された7月期開始ドラマの主演が寺西拓人で、タイトルが『ラストノート』でした。
——タイトルの「ラストノート」とは、時間ごとに変化していく香水の、最後の香りを表す言葉のこと。つけた瞬間の第一印象となるトップノート。香水のメインの香りとなるミドルノート、香水の最後に香り、肌と溶け合うことでその人だけの香りを残すラストノート。本作は、そんな香水の最後に残る特別な余韻“ラストノート”のように、今までしまっていたはずの想いが香る、大人の純愛を描いていく。
カーーーッッあまりにも楽しみすぎて寿命伸びた。
大人が板についてきて我も香りの好みが変わってきたのを実感しているので、愛用の香水をそろそろアップデートしたい。 -
Posted by ブクログ
千早さんの文章は濃厚な匂いが立ち込める。
感覚を言葉にするのは凄い技術だなと改めて思う。
島で隔離された空間も、
いつの時代なのかわからない(温暖化?!)設定も合わさって、神話のようでもあり、夜のスノードームのようなグロさもあった。妖しく甘い温度。
最後のシーン
死を感じて生を形どるように、
深海へ行きスケキヨを待たないといけない夜があるという事だと解釈し、心を重くした。
余韻が残る。
ところで私は蓮沼推し!
悲しき役所だけど、熱っぽさが見える人だからこそ無機質さが際立ち怖い。頭撫でるのがメロいです。ハナちゃんのことはわかるし、らしいけど許さないからな