千早茜のレビュー一覧

  • からまる

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    実にすばらしい。

    表紙の絵はまいまいの子だろうか。
    音を立てずにそっとやってきて、そっと去っていく、危うい関係からスタートする。
    男女の関係には体の関係は重要な意味を持つ。
    その時、何を感じてきたか。
    天窓から見える空、雨音。

    そう、空から感じるものがあるし、何より空はつながっている。どこまでも。

    失ってしまったのかもしれない、もう取り返しがつかないかもしれない、そういう危うさ。
    その危うさの方向が、「普段は自分の交友関係からはずれている、行きずりの誰か」(あとがきより)によって変えられていく。それが「からまる」なのだけれども。

    ひとは一人では生きていけない。
    行きずりの誰かであっても

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    2021年08月24日
  • 人形たちの白昼夢

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    ネタバレ

    幻想的で冷たく美しい12のお話と、岡上淑子さんのコラージュ…うっとりする本でした。
    自動機械人形のお話は連作のようでした。悲しい。
    「スヴニール」の料理や「ワンフォーミー・ワンフォーユー」のお茶の描写はさすがでした。とても美味しそう。
    淡々と、静かな色彩でした。いくつもの青と、赤とマンダリンと。

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    2021年04月25日
  • 桜の首飾り

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    桜にまつわる7つの短編物語。ここで千早茜さんの書く物語は多くの人が求める涙と感動という類なものではなくて、むしろ世の中で生きにくさを感じているような人々に焦点をあててその心の中のありのままを、桜のモチーフに重ね合わせて書き上げているような印象がしました。
    昼間の桜と夜の桜、青い空の下で穏やかに咲く桜と雨にうたれて冷たく花弁を散らしながら咲く桜は皆印象が違いますが、そんな違いをより繊細に感じ分けて書いているような気がしました。桜の季節に読めて(終わりに近かったですが)とても良かったです。どこか妙で現実離れしているようだけどじわじわと心に染みてくるこういうお話を、私はもっと読みたいのだな、と改めて

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    2021年04月07日
  • 夜に啼く鳥は

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    100年単位で長生きなんてしたくねえ!

    美夜子が何を思って死を選んだのか、幼い御先と美夜子の生活はどんなものだったのか、前日譚を読みたい。

    四もかわいそうな生い立ちっぽくて、御先と出会えて良かったねって思う。

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    2021年02月15日
  • 桜の首飾り

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    何の繋がりも無い短編集かと思いきや、最初の章で出てくる桜が有名な美術館が登場するので、もしかしたら同じ街の出来事なのかもしれない…

    「エリクシール」、死別した奥さんと同じ格好を今の奥さんにさせる描写があって、めちゃくちゃ胸糞悪かった…

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    2021年01月19日
  • 人形たちの白昼夢

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    「青」「人形」がキーワード。あとは「金色」ときどき「赤」。

    帯に書いてある通り、「ここではないどこか」の物語。
    ありえない。けどありえそうな 現実のようなファンタジーでした。

    全ての物語が繋がっているようで繋がっていない。繋がっていないようで繋がっている。

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    2020年11月15日
  • 夜に啼く鳥は

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    なんとなく本屋でタイトルと表紙の雰囲気に惹かれて購入。ジャケ買いの割には非常に当たりでした。

    不老不死を描く物語。
    静かなんだけど激しい感情があって引き込まれた。
    買ってよかったと思えた作品。

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    2020年09月29日
  • 眠りの庭

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    気持ちの悪い物語である。

    この物語で悪者を見つけるのは難しい。

    誰もが加害側であって、誰もが被害側である。

    “洗礼者ヨハネの首を持つサロメ”がモチーフのひとつになっているようだが、主人公は果たしてサロメだったのか、ならばヨハネは誰で、ヘロデは誰だったのか。

    どうやらこの物語では誰もが各々の物語、神話から抜け出せずに、ツタに絡まりようにしてもがきながら生きている。

    その物語、願望を各々が好きなように小波と澪、二人の解離した対象に体良く投影させる。

    そして、小波も澪はただ投影されるだけであるけれど、その分裂した未熟な自我は他者を暗に操作させる。

    第一部はどこか北米のハードボイルド小説

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    2020年08月08日
  • わるい食べもの

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    再読。
    前回感想を書いたところが年月が経ち、結婚し家庭をもって、「胃があう」人との暮らしの楽しさを知った。
    でもたまに1人、ふらりと自由を謳歌する時間も大切に。2人以上の食事があるからこそ、自由な食事の時間はさらに輝く。

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    独身で一人暮らしの社会人。
    これまでの人生の中で、今がもっとも自由だな、と感じる。
    その理由は、なるほど、食の自由を謳歌しているからだとこの本を読んでしみじみと実感した。

    私も生粋の食いしん坊である。
    本の中に、物事がうまく進まない時に暴飲暴食に奔るエピソードがあったが、強く共感した

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    2024年02月29日
  • 森の家

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    さびしい三人の、家族のお話。大学生のまりもくん、佐藤さんの彼女のミリさん、佐藤さん。

    家族観みたいなものがとても近く感じられて、すごく救われた気がした。あとがきのラストの一文で泣き崩れたよ…

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    2020年03月14日
  • 夜に啼く鳥は

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    とても好きなお話でした。
    千早茜さんの幻想小説は久々だと思うのだけどもう…大好き。
    物語の中心となる一族の、不老不死となった初めの人物を描く「シラ」から惹き付けられました。昔話や神話みたいでした。愛した人を探し続ける何百年…そしてラストに泣きそうになりました(職場の休み時間だったので堪えた)
    その次の「はばたき」からは一族の末裔・御先の物語でした。不老不死で、強大な治癒力を持つ、人ではないもの。「肉体は若いままであっても、心は老いる」という言葉通り、人形のような外見ですが老成しています。
    御先と、同じ能力を持つ四のやり取りに笑いました。四のツッコミが。。
    御先も四も、周りが先に消えていく…とい

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    2019年10月08日
  • 女ともだち

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    全体的におもしろいけどまあまあかなあと思いながら読んでいたら、最後の森絵都の「獣の夜」がひたすらによくて、とある一文がぶっ刺さりすぎて気が遠くなるくらいによくて、一気にお気に入りの本になってしまった。 あまり大声で言えないいわゆる性癖みたいなものなのでこっそり隠しておく。 これからも私は私のネイチャーに従って生きていけたらいいな。 ハメはずさない程度に。

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    2021年03月04日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。

    【感想】

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    2017年08月07日
  • 眠りの庭

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    不穏。ただならぬ雰囲気に目が離せない。好きではないジャンルなのに、その世界に留まっていたいと思ってしまった。「好き」という二文字に込められる妖しく切ない想い。きっとこの物語のことは忘れないだろう。
    あらすじ(背表紙より)
    女子校の臨時教員・萩原は美術準備室で見つけた少女の絵に惹かれる。それは彼の恩師の娘・小波がモデルだった。やがて萩原は、小波と父親の秘密を知ってしまう…。(「アカイツタ」)大手家電メーカーに勤める耀は、年上の澪と同棲していた。その言動に不安を抱いた耀が彼女を尾行すると、そこには意外な人物がいた…。(「イヌガン」)過去を背負った女と、囚われる男たち。2つの物語が繋がるとき、隠され

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    2016年07月17日
  • あやかし草子

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    短編6作。
    書き出しからの纏わりつくような妖しい美しさ、戸惑うまでもなくすっと惹き込まれるあやかしの世界。
    切ない描写は身を切るほどに痛々しく、哀しみで満たされてしまう。
    どの作品も読後に鮮烈な色が残る。

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    2015年03月18日
  • からまる

    購入済み

    感覚的な作品

    とても読後感の良い作品でした。絵画をみてるようなそんな気分になれる、読んでいるといろんな風景が想像できます。で読み終わったら好きな人に会いに行きたくなる(笑)そんな気持ちにさせてくれる本です。オススメ!

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    2014年08月09日
  • 透明な夜の香り

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    変わりたくないという気持ちは、誰しも持っている防衛本能だとおもう。自分も変化を恐れるタイプだからこそ、一香の痛みに触れることで自分まで変わってしまうのが怖くて、一歩引いてしまった気がします。あの瞬間に蓋を開けた朔は、実は誰よりも変化を恐れず、一香という存在に対して「誠実」だったんだなと、改めて自分の変化を嫌う弱さを実感できた小説でした。

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    2026年03月22日
  • さんかく

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    おいしい料理がでてきてほっこり。
    しかし、3人のそれぞれの思いは切なくて、人と人との関係は、感情や気持ちもあるのだろうけど
    それだけじゃなく、タイミングもあってほんとちょっとした差で変わってくるんだろうなというのを思った。
    高村さんの私たちは誰かに受け入れられたいっていう気持ちを持て余してたっていう文章が心に刺さった。

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    2026年03月22日
  • 透明な夜の香り

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    香りやお食事の描写がとってもお上手で、想像しやすく地の文がわりと多めに感じましたが、読んでいて苦痛にならなかったです。

    寝る前に読んでいたら
    普段の小説だとのめり込んで眠れなくなることがあるが、こちらの本は気持ちよくうとうとして眠れるような本でした。

    内容に関しては、
    ドラマでよくある、
    依頼人が章ごとに異なり、その依頼に対して調香していくという流れ。
    どれも読み進めやすかったです。

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    2026年03月21日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    ネタバレ

    千早茜さんの小説は五感が刺激されそうなくらい登場人物の言動や感情の描写が丁寧で繊細で面白い!

    聞いたことがないスイーツを沢山調べられたから今後事前リサーチして食べてみたいな。

    おじいちゃんがいなくなったときに受けたショックの原因について「近かったのに知らなかったから」というようなことを祐介が言っていたのが印象に残った。
    身近な存在に対してよく知らなくても知った気分になってしまうのって自然なことかもしれないけれど、その人と別れた時に後悔しそうだから、どんなに身近な存在であっても知る努力をしようと思った。

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    2026年03月21日