千早茜のレビュー一覧
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祐介の言葉「僕はさ、夫婦は他人で作るものだと思う。二人で倒れないように。違う人間でいいのだと思う。」
冷たいとか感情的だと言いたいわけではなくて、違う人間だから同じ事柄にも違う反応ができる。それはとてもいいことなのではないか。
最近よく思う自分の不甲斐なさ、相手のわかってくれなさ、それをまるっと包み込んでくれるような言葉だった。
短編集と思いきや、濃く濃く繋がっている。
スミタカくんはフランスに行くと伝えた時のアキの反応に傷ついたのだろうか。それともアキさんらしいと思ったのだろうか。どっちも正解な気がする。時間をかけながら同じ出来事を別の視点で捉えることができるのが人間の、人生の良さだと思った。
愛おしい作品に出会えて、私も嬉しい。 -
Posted by ブクログ
恋人でも愛人でもない。既存の枠組みには当てはまらない、形容しがたい関係。
主人公・神名とハセオの関係性を表す言葉が「男ともだち」です。
お互いを理解し合い、まるで「魂の欠片を共有している」とさえ思えるような特別な関係を異性と築ける人は、人生の中でどれほどいるのでしょうか。二人は、その絶妙な距離感が一線を越えた先では失われてしまうかもしれないことも理解しているように見えます。
登場人物たちは、作中で本人たちも口にする通り、いわゆる「クズ」と呼ばれるような人間ばかりです。主人公の神名も例外ではなく、過去には誰とでも肉体関係を持ち、同棲中の恋人がいながら愛人を作り、そこに特別な背徳感すら抱いていません。
それでも、彼女たちの抱える歪みや身勝手さを追いかけていると、人間が誰しも心の奥底に隠し持つ仄暗い感情や泥臭さが生々しく響いてきます。そして、「自分の中にも通じるものがあるのではないか」という居心地の悪い共感を覚えてしまうのです。
言葉にしづらい曖昧な関係性と、人間の生々しい感情の機微をここまで鮮やかに描き出せるのは、千早茜さんならではだと思います。心の奥底を覗き込まれるような鋭さと、人間という存在へのまなざしの深さに圧倒される一冊でした。 -
Posted by ブクログ
人におすすめする本ではなかったかな、と思います。
読んだ人はご存知の通り、形容し難い信頼関係(?)の上に立つ2人のお話ですが、
私にとっては、この本は心に留めておきたいとびっきりのラブストーリーです。
登場人物すべて、私の周りにはなかなかいない、欠けた人(いうならばクズ!!)ばかりですが、それもいいアクセント。
「恋愛感情ではない、所有欲も独占欲もない」
「手はひかれなかった。いつだってそうだ、ハセオは手なんかひかない。」
つっけんどうで遊び人ななくせに、ハセオいつも神名を大切にしてくれて、救ってくれて、。
ハセオから向けられる圧倒的な愛情で胸がいっぱいになった。
腕枕にはどきどきした。
ずるい信頼関係にはぐっときた。
私はこの関係をこのうえなく尊いものだと、思ってしまいました。 -
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大輔と福がただひたすらに愛おしい。
千早茜さんの描く男女がすごく好きなことと、尾崎世界観さんの曲が好きなこととで長らく読みたいと思っていた作品なので本当に大満足とさせて頂きたい。
どちらも、特に大輔が言葉足らずで不器用な男過ぎて所々どうしてこんなにも不器用なのかと頭を抱えたくなるけれど、それがまた良い。特に、風邪を引いた福の話に1番男女が色濃く出ていたような気がしてページを捲る手が止まらなかった。お互い思うことがあっても上手く伝えることができなくて、都合よく以心伝心なんて出来ないことが凄く伝わる。
王道胸きゅん恋愛小説!とは程遠くて、恋愛小説と端に括るのも勿体ないような気がする。恋愛関係にある男と女を描いた小説、とまとめるのが1番良いのかな。 -
Posted by ブクログ
美しいタイトルに惹かれて購入。繊細すぎる人の話かと思ったが、実際は心に深い傷を負って、見ないふり、気づかないふり、忘れたふりをして過ごすうち自分の本当の気持ち、感情があるということを消してしまった人たちの話。
でも不思議と重くのしかかることなく、むしろ爽やかに読み進められた。ハーブの香りに癒される場面は、自分が身体がつらかった時にアロマの勉強をしたことと少しつながりを感じた。
自分もあのとき、いっぱいいっぱいだったんだんだと思った。
何かにすがりたい、つらさを受け止め、優しくしてくれる何か。
最終的にふたりは友人になったようだが、続きを覗いてみたいと思う終わり方だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集はサクッと読めて良い!
copy
騙された、僕って言うもんだから
ト・モ・ダ・チ
え、分かる。怖いけど早苗の気持ちが分かる。
親友が欲しくて、孤立してる子に近づく気持ち。
この子だったら親友になってくれるんじゃないか的な下心。
ただ、あることないこと言いふらすのはだめです。
卵の殻
よかったのでは??お母さんはちょっとずれていたけど、遼子はずれてないように思えたし。
水底の星
タイプの違う負けず嫌いたち。怖い。
こっちを向いて。
刺さりまくりで痛い。仕事を辞めると仕事でつながっていた人脈がなくなるのが怖くて仕事辞められない。思えば、これまでの友達は、一緒に担ぐ御神輿があった。同じお神輿がないと、女ともだちって作りにくいのかも。
ブータンの歌
たぶん本筋とは違うけど、介護問題は根深い
ラインのふたり
結局、ふたりは何か共通の敵を作ってなんでもいいから文句言いたかっただけなんじゃないかと思った。ジャミラの方が一流だった。
獣の夜
同い年だ。なんか憧れた。好きな話だった。