千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
静かで繊細な雰囲気が文章からとても伝わってきた。普段本を読んでいても情景とかが脳内に浮かびにくいから没入できない事があるけど、すごくイメージしやすい文章でとても入り込めた。林とか館のイメージがとても湧いて楽しかった。そのおかげかスラスラあっという間に読めてしまった!
主人公の蓋をしたい記憶を匂いで甦らせるシーンが印象的だった。それまで忘れていても匂いを感じた瞬間思い出す事があるから人間って不思議だと思った。
なんか海馬って言葉すごく好きでエモくかんじる!☺︎
無理に恋愛ってしない所が良かった。恋愛系好きだったのにそう思えるようになったなんて、大人になった自分
朔さん、短髪ってキャラだったけど自分のイメージでどうしても長髪猫毛イケメンしか思い浮かべられなかったからそこだけ脳内で書き換えて読んだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ透明な夜の香り、ってどんな香りなんだろう?と思って手にとった作品
トップノートから始まり、香りの名前で章が繋がるのも素敵
情景や香りや色や、たくさんの情報が本からふわっと浮かび上がってくるような独特の世界観
朔さんも一香も重たい過去を隠し持っているのに、物語は軽やかに進んでいく
情景の描写が美しい
料理の場面はどれも美味しそう
バラのジャム食べてみたいな
香りで記憶が蘇るのは凄くわかる。
実家に帰ったときの懐かしい香りとか
毎日住んでいたときはわからなかった香り
調香師という職業、知ってはいたけれど大変なんでしょうね
昔、絶対音感を持つ友人がいて、全ての音が音階で聴こえる人だったの
電話のベル、救急車のサイレン、風の音、木の葉のかさつき、猫の鳴き声…
あれはソのシャープ、あれはド、と全て音階で教えてくれたとき
大変だねえ、と言ったら、当たり前すぎるからいつも考えてるわけじゃないよ、と笑っていた。
朔さんも常に膨大な香りに包まれているんでしょうね。そこはしんどそう…
物語の朔さんはとても素敵な人だけれど、私から出る香りがどんなものかわからないので、本当にこんな人がいたら怖くてというか、申し訳なさすぎて、側に近寄れないかも… だから孤独をかかえているんですよね
大家さんや源さんやさつきちゃん、相棒の新城。脇役たちが明るくて良い。ここのバランスが好き。
あなたがいなくなってから紅茶の味が違う
香りは変わらないのに
このラストに痺れました! -
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人並外れた臭覚を持つ調香師と古い洋館で家事手伝いとしてアルバイトをする一香。香りにまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。
色々な香りの立ち込める、なんだか透明感のある物語り。香りは人の脳に届いて、その時の出来事といっしょに保存される。その香りを嗅ぐとその時の記憶と結びつくのだ。「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶さらるから」とある。
わたしには、この物語に出てくるような、ドラマティックな香りは知らないのかもしれない。一方で毎日の積み重ねの中の香りは沢山知っている。例えば、降り出しそうな雨の匂いや、秋になると匂う金木犀の花の匂い。真夏の庭で採れる真っ赤なトマトの青臭い匂い。葉っぱを叩くとふわっとただよう山椒の匂いだ。
人は、香りと共に生きているんだなぁと思った。これからも、日々の暮らしの中にある香りを大切にしていきたい。 -
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ネタバレ【あらすじ】
「何も入らない満腹時でも餅を見ると手が伸びるし、
チョコが食べられなくなったら私という存在は死ぬ」
こと好物においてこだわりが強く発揮される作家の口福に満ちたオールカラーエッセイ誕生!
「もちもちの向こう」と「あまくて、にがい、ばくばく」の餅とチョコレートの2部からなる本書は、保育園のアルバムの好物欄にも「いも、もち」と書くくらい筋金入り餅好きの小説家、千早茜によるもの。理想の安倍川餅に出会えた後のうっとり具合は、「それはどこの餅か」とタクシー運転手に尋ねられるほど。また食べたい時に食べないと固くなるから、電車で団子や餅を食べることも厭わない。
大人になっても「泥に沈んでいく子豚」のようにチョコ沼に溺れたくなるし、ハレの存在である「ショコラ」を初めて知った瞬間を忘れられない。平たい一面しかないように見える板チョコのあらゆる可能性に唸り続け、チョコレートに合う最良の飲み物のために岩手まで行ったりもする。
ページをめくるたび、もうたまらない!!
今すぐ食べたくなる、餅とチョコの33編
人気イラストレーター西淑による豪華イラストも満載
【個人的な感想】
元々千早茜さんの小説は好きだが、以前に読もうとした千早さんの他のエッセイが読みきれず苦手意識があった。
今回のこの作品は面白く最後までサクサク読めた。
イラストも可愛い! -
Posted by ブクログ
ネタバレ取り繕っているだけ。もしくは流している。おそらく、あなたの中にはいま気力がない。人の言葉や出来事を受け止めて、呑み込んだり弾き返したりするのが難しい状態にある。だから、感情を抑制してやり過ごす。それは嘘とは違うよ。欺いてもいない。
心の中には森があるんですよ。奥深くに隠すうちに自分も道に迷ってしまうんです。
嘘で損なわれた朔さんの前では、嘘のない人間でいたい。
逃げてはいけない、なんて道理を聞かなくてもいいよ。そんなのは、人を殺す正義だ。
言葉に強いメッセージ性を持つというより、文の連なりで印象を与える物語だった。ひとつひとつに洗練された香りを感じる。
加えて、執着と愛の違いが簡潔で面白かった。
永遠に遺る変化を拒否する朔さんが愛おしい。
嘘、執着、愛、変化。 -
Posted by ブクログ
登場人物は皆、どこか「屑」である。しかし、それは人として何かが欠けているということであり、彼らはその欠落を自覚しながらも、自分なりに生きている。
恋愛は誰もが自分の経験や価値観をもとに「普通」を測りがちだ。浮気や不倫を悪いことだと糾弾するのは簡単だが、それだけで人間を理解したことにはならない。
人には誰しも長けた部分と欠けた部分がある。大切なのは、その欠落を否定することではなく、どう向き合い、共生していくかだと思う。
ハセオは自分の欠落を認めながらも、自分自身を見失わずに生きていた。その揺るがない芯の強さに魅力を感じた。
この作品を通じて、自分の「普通」を他人に押し付けず、先入観を捨てて人と向き合うことの大切さを改めて実感した。
そして何より、欠けていることと、自分らしく生きることは矛盾しないのだと感じた。