千早茜のレビュー一覧
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瀬戸内海の島で二人の少女、家庭の事情で東京から祖父母のもとへ送られてきた葉ヨウと、別荘の管理人をする祖父とともに島に住む真以マイ、が出会ったところから始まる物語。
第一部、閉鎖的な島での平坦な暮らしに挟まる非日常的な出来事と、その中で描かれる、島で唯一のよすがである真以に対する葉の心情の揺れ、一定のところで心を閉ざす真以の心根のありようがとても面白く、ぐんぐんと惹き込まれた。
大人も子どもも性別で線引きされ、とりわけ女性に対する蔑視抑圧が罷り通る島の風土を下敷きにして進む物語は、それぞれの理由で島の異物とならざるを得なかった二人の心の通じ合いの繊細な描写がとても魅力的。
成人した葉が働く、 -
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ネタバレよかった。淡々としつつ、爽やかで、少し不穏で、ハーブの香りが漂ってくるような
どことなく危なげな一香や朔と対比するように、生命力あふれて人間らしすぎる新城のよさよ
ラストも安易に洋館戻って恋愛みたいにならず、(まずは?)友人として。ってところがまたよい。
友人にしてはもうわりとお互い深すぎるとこまで踏み込んでるけど
でも、対等な人と人同士、新たな関係いいね。
しかし一香の仕事内容、ものすごい家事スキルないと結構無理じゃない?私は無理。
家政婦と事務やってるんでしょ?
特殊な環境でハーブ名と精油の種類やら覚えるのも一苦労じゃね?
おまけに手の込んだ料理の数々…栗の渋皮煮なんて栗の皮煮てうまく剥 -
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薫りシリーズ3巻。京都の瑞雲堂は香原料販売や薫香の製造・販売を300年近く続けてきた会社。真奈と妹の丹穂はそんな家に生まれたが、嗅覚の才は丹穂にだけ。母はどうやら2人がかなり小さいときに亡くなっているらしく、妹も死んで火葬された場面から始まる。妹への引け目、母のいない喪失感など満たされない印象を受ける真奈が語り手となっている。火葬された妹の骨からは、なぜか伽羅の匂いがしていた。妹が天才的に配合していた薫物を納品できなくて困っていたりするタイミングで生前の丹穂と親しくしていた小川朔が現れる。彼は企業を辞めたばかりで新城ともまだ仕事を始めていないような頃。新城は興信所やっており、伽羅の薫りの骨につ
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引きこもりだった主人公・一香が、調香師の小川朔と出会い少しずつ変化していく物語。小川朔は嗅覚の天才で、依頼者の望むどんな香りも作ることができる。しかし、その才能ゆえの苦悩も抱えており、人との関わり方に独特の距離感を持っている。
一香もまた、大切な人の死から目を背け、前に進めずにいた。「香りは脳の海馬に残り、記憶と深く結びついている」という言葉が印象的で、香りを通して過去と向き合い、少しずつ変わっていく一香の姿が丁寧に描かれていた。
館にはさまざまな悩みや願いを抱えた依頼者が訪れ、小川朔は善悪を判断せず、その希望に応えていく。そのエピソードの一つひとつも興味深かった。
読んでいるだけで香り -
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ネタバレ香りは永遠に記憶される。瑞々しい薔薇の香りに触れたとき、わたしはこの本を思い出すような気がする。
一香のいなくなった洋館でひとり、他人の欲望に向き合い続ける朔のことを想った。一香と何度もお茶をした居間や仕事部屋、クリスマスのリースとポマンダー、交わした会話のひとつひとつ。嗅覚が優位にくる朔にとって、香りがなくとも濃く在る一香の存在は他でもない「愛着」であった。紅茶の味が違うと気づいたとき、朔は初めて自身の「寂しい」という気持ちに向き合えたのではないだろうか。愛情を信じるにはあまりにも傷つきすぎていて、それでも他人に寄り添おうとする彼らの幸せを、本を閉じたあとも願わずにはいられない。
最後の一