千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ去年の夏、新刊案内で気になった『雷と走る』(千早茜)。
狼のような表紙とタイトルで惹かれて読んだその本は、
主人公が抱える犬に対する罪の意識が色濃く、出産・育児にまで及ぶ話だった。
この本を読んで思ったのは、子どもの頃に経験した事は大人になっても響き続ける事、
そして、それが暗いものだった場合、親は現実逃避のための外出で紛らわすのではなく問題そのものに向き合う行動に出るべきだという事。
子どもなんて親以上に何やったらいいかわかんないし、中には「自分がやった事のせいで、又はこんな体に生まれたせいで親に苦労をかける」と罪悪感を持つ事なんて稀じゃない。
無知ゆえに無鉄砲な行動を起こしが -
Posted by ブクログ
解説を読むまで全員屑な人間だと感じずに読んでしまっていた自分は同類なんだろうな。
女友達に話す事でもないし、夫に愚痴ることでもない話を聞いて欲しいって言う時に性的関係のない男の知り合いが便利だと感じることもあるし、そんな考えを持ってしまってるのが主人公の神名と同じなんだろうなと後からグサグサきてしまいました。
異性の友達の定義みたいな感じで性関係を持たないという話がよく出たけど、そんなものは一瞬で崩れるし今にも壊れそうな橋を渡ってるに過ぎない危うさと、それでもその居場所を求めてしまう弱さがずっとうつろいでいてなかなか感想を出すには難しい話でした。
ハセオは確かにとんでもない屑であるけど絶対に神 -
Posted by ブクログ
1.読んだ理由/きっかけ
料理や食べ物の小説が好きで気になっていたけど、ずっと「読みたい」に入りっぱなしだった本。
2.あらすじ(※ネタバレを避けて簡潔に)
有名なパティスリーをやめ、おじいちゃんの昔ながらの洋菓子店を手伝う亜樹。おじいちゃんの腕は本物で、色々と教わりながら自分の納得いくメニューを作ろうと模索している。亜樹の視点から始まり、亜樹に恋心を抱く元同僚、洋菓子店の常連である拒食症気味の主婦、元同僚に恋するネイリスト、亜樹の婚約者と色々な人の視点が描かれ、最後にまた亜樹に戻る。
3.感想
お菓子の描写が暴力的なくらいおいしそう。ダイエット中の人は読んでは行けないかも。昔ながらの洋菓 -
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Posted by ブクログ
ネタバレただ甘いだけなら馬鹿でもできる。
西洋菓子店プティ・フールで働く亜季と、その周りの人の心の成長物語。各ストーリーに出てくる洋菓子はとても美味しそうで、読んでいると甘いものが食べたくなる!そして単行本・文庫本ともに装丁が可愛らしい。
亜季の作るお菓子は濃厚で挑戦的と表現されている。師匠兼シェフであるお爺さんからは「厳しい」と言われていたけれど、まさに亜季の性格そのもの。
恋人の裕介に対し、ただ彼は「甘えたかっただけ」と気付かされるシーンはお爺さん流石のナイスアシスト!
恋人同士、いやそれは夫婦になっても、お互いに甘えられる優しさと懐の余裕を持ちたいと思いました。