千早茜のレビュー一覧
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出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうでお腹が空いたし、食事にもっと集中して食を大切にしようと思った。
私は好きな作家のひとりに千早茜を挙げるが、好きな所のひとつに「食べ物の描写が異様に上手い」というのがある。どの作品でも読むとお腹が空いたり、作中に出てきたものを自分も食べたくなる。きっと美味しいものをたくさんご存知なのだろうと思っていたが、食に対する意識が私と全然違った。目の前にあるものを五感でまるっと体験し、それらをメモすることで経験値として蓄積している。彼女の文章には普段の積み重ねが遺憾無く発揮されているのだろう。
そんな『ちはやん』の胃の合う相棒『新井どん』こと新井見枝香という人のことを私はこの本で初めて知ったのだが、なかなかその辺にはいないユニークな方だと思う。文章も結構アクロバティックというか、「見事な着地」と思わず拍手したくなるような意外な発想は面白くて思わず笑ってしまう所が多々あった。
食に対して似た意識を持つ二人が一緒に食べながら全然違うことを考えているのが判明したり、二人の関係性が楽しい。こんな関係性の友人が私もほしいと少し羨ましくもある。挿絵はおふたりそれぞれのハイライト部分を一つの絵にうまく落とし込んでいてまた笑ってしまう。
これを読んでどうしても気になって初めて湯圓を食べたのは良い思い出。次は家で中国茶を楽しもうと思っている。 -
Posted by ブクログ
夢のような感じがした。私もクローゼットの中で小さい頃遊んでいた記憶があって、服も好きで刺繍とかレースとか美しくてすき。
そんな話は置いといて、お話としては幼い頃に受けた事によって男性が苦手な纏子、男性ではあるが女性服を着ることを好む芳。
お互い辛い過去を持ちつつ、芳はデパートのカフェ店員、纏子は補修士という全く違う職業の関わりのなかった2人がデパートの展示、美術館を通して関わりを持つ。そしてお互いに1歩踏み出せるようになっていく。本当になんか最後の展開が結構急だったけどなんとかなってよかった。
ちょこちょこあんまり服の専門用語に得意ではなくて調べたりもしたから少し読みずらかったけど、私は結構すき。想像するだけで楽しくなる。長い歴史を経て補修してまた美しく見せるのもすごい。服に対する関心欲は深まった。
千早茜さんの世界観は魔法にかけられた感じの感覚がする。 -
Posted by ブクログ
千早茜さんの食にまつわるエッセイ。
1つ、1つのエピソードに喜怒哀楽があり
かつ千早さんの暴食具合に「すごい…」と驚かされる
読んでいてページを捲るのが久しぶり楽しかった
作品。
個人的に好きなエピソードを挙げると
・白い悪魔:千早さんは牛乳が苦手らしい。
ご飯と牛乳を一緒に食べ飲みするのが合わないとのこと。
私も海近くに生まれたのにひじきが大大大嫌いだからすごくこの内容にとても共感した。
・食いだおれ金沢
えがらまんじゅうやハントンライス。
知らない金沢の食べ物が知れてワクワクしたし。
著者の食い意地と胃袋が無限の可能性を秘めてて
羨ましい。
・怒りの入院食:お粥って絶対味付けないと確かに
米よりおいしくないよね。
自分も退院後のマクドナルドのハンバーガー
貪るように食べてたわーと色々思い出した。
「食は瞬間だ。戻らないと知っているからこそ輝く。」
と千早さんは語る。
食べるという行為は死ぬまで続くから、自分にとっては、楽しんで色々な食べ物を食べていきたいなと
感じた。そして同じ食の価値観を持つ人と一緒に
食事が楽しめたらより最高だろうな。
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ネタバレ・そんなことを思っていたら、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター博士に出会った。もう彼においては「観た」ではない。独房の中で微笑みを浮かべながら立つその姿を目にした瞬間に「出会った」と思った。
・私は私生活で真面目ではないし、家事を完璧にこなそうと思ったことがない。家のことは仕事の息抜きとして、わりと楽しくやっている。それでも、なにか不慮の事故が続いて、ふだんならできることがすっかり嫌になってしまうことはある。欠かすことのできない食事だけに、考えたり準備したりするのが「やんなった」ということは多々起こり得る。そんなときに「ピザでもとろうぜ!いえーい!」みたいか空気を変える提案をするのが、一緒に暮らす家族というものの役割なんじゃないかなと大人になった今は思う。
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【駅弁】
東京から: 今半の牛肉弁当、刷毛じょうゆ 海苔弁山登りの海
京都から: とり松のばらすし、ニ傳の季節のちらし寿司
【紅茶】
・Fortnum & Masonのアールグレイクラシック
・MARIAGE FRERESのマルコポーロ
・PIERRE HERME PARISのジャルダンドピエール
【お茶菓子】
・ASSEMBLAGES KAKIMOTOのサブレ ショコラノワール
・JEAN-PAUL HEVINのイースター用ショコラ
・鍵善良房の菊寿糖
・虎屋の小型羊羹全種類
・村上開新堂のロシアケーキ
・Patisserie.Sのコンフィチュール -
Posted by ブクログ
読むのを楽しみにしてた。好きな書き手の人が私が好きな料理をつくることをテーマにアンソロジーって…!
いやー、どれもおもしろかった。ほんとに。さすがでございます…
西條奈加さんの『向日葵の少女』は舞台設定で上品が雰囲気が漂いながらもミステリーっぽい話の進み具合で、大きなテーマを複数かけあわせてまとまったひとつの話にできるのすごすぎるし結末には心があたたかくなった
千早茜さんの『白い食卓』は主人公がいけ好かないやつすぎるのだけど話が進んでいくごとに料理の恐ろしさというか、食事を他者に委ねることってそういうことだよなあ…生きるための手段のひとつを他者へ委ねるというのは尊いとされたり愛情の証左とされたりもするけれど、それは反転させるとどういうことなんだろうね?と冷たいナイフみたいな展開だった。世にも奇妙な物語で見たい
深緑野分さんのはNetflixとかで短編ドラマにしてほしい感じ。ちょっとファンタジーな設定と描写が海外ドラマぽかったしデイジーなすごいかわいくて胸がきゅんとした。その後とかないんですか?続きを読みたいんですが…?
秋永真琴さんの『冷蔵庫で待ってる』は北海道の大学生の女の子の話なんだけど、大学生のときの恋愛ってこういうところがあるよなあ、拙くてでも熱量だけはすごくあって、相手に求められたいということは実は何より相手を求めていて、恋愛感情と承認欲求もごちゃごちゃになりがちで…。自分の楽しみのために料理をするというのは自分が食べたいもの、シグナルをちゃんとキャッチしなければいけないわけである種の自己分析とも通じるところもあって、主人公が自己理解を深めてささやかながらも主体的な選択をしたところがすごいよかったし、ビールと料理の描写がよすぎて出てきたビール会社は何かしら広報のお礼をする必要があるんでは?ぐらいだったな。ちなみにこの話を読んだあとチヂミを作りました
織守きょうやさんのこの曇天っぽい空気が満ちた小説ってほんといいよな…。マジで…。話が進むにつれてある秘密が明らかになるのだけど、ほんとに誰にも苦しさを言えないときってああいう選択肢になっちゃうし、料理を作ることに愛情を込めたとしても伝わらないとかやるせないことになったりもして
どうにもならない苦しみをとりあえず持ち帰ってどうにかしていこうというささやかな希望もあるのが最終的にやさしくていいなと思った
越谷オサムさんの『夏のキッチン』越谷さんの文章ってほんとにリズミカルで登場人物が愛くるしくていい。とあることをきっかけに不登校になった来年中学生になる男の子の振る舞いを書くのがうますぎるし、出不精な自分はコンビニに行くか悩むところでめちゃめちゃ共感した。越谷オサムさん『ひだまりの彼女』もそうだけどあったかくて笑えて一匙の切なさと寂しさを加えた話が抜群にうまい…ほんとすごい…
うう、どのお話もすっごいおもしろかったし同一テーマでこれだけ全然違う話が集まるんだから作家ってのはすごい…
自分だったら料理をテーマに何を書くかなあと思ったけど、コンビニや外食で店員さんとちょっとした会話すらしたくない消極的料理の話になるかな…