千早茜のレビュー一覧

  • 桜の首飾り

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    千早さんテイスト満載な一冊でした。
    艶めかしくダークで、とても純粋で正直な登場人物がたくさん。

    ”危ないって思うまでは目を奪われることを恐れなくていい。『異形のものに神宿る』と申しますでしょう。何が良くて何が正しいかなんて一概に言えません。昔の人は今よりずっと大らかでしたよ。”

    ”露悪的に見えても遠回りしているように見えても、それは完成するために欠かせない工程なのです”

    ”無理して自分を納得させなくていい。生涯、自分の幽霊を見るような生き方はしなくていい”

    私は桜が好きだろうか??
    桜の思い出はいくつかある。
    でも、その桜の光景ではなく、思い出すのは誰と一緒だったかだけだったりする。

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    2024年02月29日
  • こりずに わるい食べもの

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    面白い。共感できる箇所がいっぱい。
    「焼いてから」野菜は焼くと、今までの概念が変わるくらい、味が濃くなって、別物。
    パフェも食べたくなるけど、今は冬。寒い。

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    2024年02月24日
  • こりずに わるい食べもの

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    ネタバレ

    千早さんの5感表現は、耳触りの良さも分かりやすさもハッとする感じも全部ある。子供心は同じ景色を2倍豊かにするなあと、しみじみ。

    ・ささやかな個人の幸せやこだわりを理解し、共有できるかどうか。円満な恋愛も日常もそれなくしては成り立たない。

    ・食べさせてくれる。食べものを与えてくれる。それはきっと、ここで生きていていいんだよという、根源的な許しなのだと思う。

    ・「だって、朝ごはんって特別な食事だよ。恋人とか一緒に住んでいる人じゃないと食べないじゃない」

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    2024年02月13日
  • 人形たちの白昼夢

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     美しさを究極にまで言語化すると、この小説みたいな感じになるんだろうなと思う。美しさと絶望は、少し似ている。
     また作中には、美しいものを愛する者たちが多く登場する。「美しさを愛する」と言えば聞こえは良いけれど、それは、そうではない世界が受け入れられない潔癖さをも意味する。決して生き物として強いとはいえない。生きづらいだろうな、と思う。
     けれど、確固とした世界観や美意識を持つ者は、図太さはなくとも、したたかだ。したたかで、どうしようもなく魅力的だ。
     
     

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    2024年01月06日
  • あとかた

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    2013年に島清恋愛文学賞を受賞した作品です。
    この賞は芥川賞や直木賞に比べると、あまりメジャーではないですが恋愛小説から選ばれる賞で、有名な方々が受賞されてます。
    六つの短編集ですが、連作形式なので前作に登場した人物が次の話の担い手になってます。
    好きな人になかなか本心をさらけ出せない、自身をみせてしまうと嫌われてしまうかも、という気持ちはわかるなぁと思いながら、色んな形の恋愛を表現できる千早さんの文章は素敵だなと思いました。

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    2023年12月30日
  • からまる

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    絡まり合っている人間関係も、それぞれが悩みや葛藤を抱えつつも良い感じにするっと解けておさまるところに落ち着くので最後に、良かったねと言いたくなるお話でした。千早さんの本は毎回引き込まれます。

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    2023年12月09日
  • からまる

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    ネタバレ

    人間の心の底にある諦め、脆さ、
    言い出せない想い、

    わたしもこんな風に感じる‥
    こんな風に想うのは自分だけじゃ無い、私だって分かり合えるかも
    だからこそ、君は1人じゃ無い!

    気づいて!
    そう、気づいてくれる人はいる
    からまった糸のように、人々の関係がありました

    ☆まいまい
    一人暮らしの男の家に猫のようにふらっと現れて、横にいる女性 カタツムリ

    この男性の姉の子供は金魚を殺してしまう
    ☆ゆらゆらと クラゲ
    この男性武夫と一夜を共にした田村
    田村の友人の華奈子は女性が好き

    孤独はあたしの背骨を掴んでがくがくと揺らす。お前は独りだよ。誰にも必要とされず、何も残せず、たった一人で朽

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    2023年11月06日
  • 魚神

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    ネタバレ

    千早茜さん、5冊目でした
    没入感あり、美しくて儚い遊郭の世界。
    夢を見ない島の人々。
    悲哀感、暴力もありながらも、わたしはこの浮遊感に浸りました。
    スケキヨ,白亜、好き
    深い愛、嫌われるくらいなら、、そうか
    好みの一冊でした!

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    2023年11月06日
  • わるい食べもの

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    初めて千早茜さんの本を手に取りました。
    タイトルとカバーの絵に惹かれたということと、息子の名前と同じ漢字だったから気になってしまった(笑)
    結果、めちゃくちゃよかった。
    とても好きな感じで読んでいて嬉しくなりました。
    ちょっと共感できる部分とか、普段気づかない無意識の部分を言葉にしてもらえたところが沢山ありました。
    美味しくなったり、気持ち悪くなったり、人は食べ物に振り回されているなーと楽しく可笑しく読ませていただきました。
    続編のわるい食べものと小説も早く読みたい。
    千早茜さんにハマる予感。

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    2023年11月02日
  • 人形たちの白昼夢

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    美しいものはなぜ哀しいのか
    全ての話が美しく刹那的でほんのりと哀しい顔を持っていた。
    静かで優しい夜のようなお話。寝る前に優しい灯りの中で読むのがぴったり

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    2023年10月30日
  • 人形たちの白昼夢

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    全ての編が全く異なるお話で楽しめた
    どの短編もとても壮大な物語の中のたった一部分のような気がしてこの短編の超長編作品を読みたい
    千早さんはなぜこんな想像もつかない世界を言葉に表せるのだろう
    中でもお気に入りは『ビースト』というもののけ姫を凝縮したようなお話
    何度でも読み返したい

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    2023年09月25日
  • 人形たちの白昼夢

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    どうしてこの本を手に取ったのかはもう思い出せないのですが(この本が先だったのか、透明な夜の香りが先だったのか)私が「物視点萌え」を拗らせた原因になった本です。

    1話数ページの短編集。こことは違う世界かもしれない、不思議で美しく独特な輪郭の短編集。

    好きなのは「スヴニール」「ビースト」「ワンフォーミー・ワンフォーユー」、中でも一番刺さったのは「ワンフォーミー・ワンフォーユー」。
    冒頭に書いたように、この話は物視点、ティーポットが持ち主の少女と出会ってからのお話です。愛する日常、過ぎていく時間の先にある別れ。恋でもしているような(実際に持ち主を愛しているのでしょうが)ティーポットの焦がれるよう

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    2023年09月24日
  • 魚神

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    これが千早茜先生のデビュー作とは驚きです。素晴らしい。
    「しろがねの葉」や「透明な夜の香り」の要素がこのデビュー作から詰まってました。
    遊女屋、暴力、苦しい生活の中で唯一無二の愛だけを頼りに生きる姉弟(実際は不明)のお話
    それほど多くないページ数だが内容が濃く壮大で大満足でした

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    2023年08月24日
  • 夜に啼く鳥は

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    始まりは、日本昔ばなしみたいだなぁと思った。
    残酷な話であっても、淡々と進んでいく感じに既視感があった。

    そこから時代は現代へ移り、シラの末裔、御先が主人公へと変わる。
    水が流れるように描かれる世界に、息を呑んだ。
    蟲たちの輝きや、御先の肌の白さ、四が流した血の色…そして真っ赤に咲き誇る躑躅。

    冷静で淡白で、涼やかに生きているように見える御先。でも、本当はその皮膚の下に静かに燃える想いを持っていたのではないだろうか。

    私は雅親の真っ直ぐさ、盲目さ、愚かさが愛おしい。それは限りある命を持つ人間だからこその愚かさだと思うから…

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    2023年07月28日
  • わるい食べもの

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    わるい食べ物と題して、食を通しながら
    わるい◯◯◯な話を、笑い、涙ありで共感する話もあれば、真面目な、大きく頷く、良い◯◯◯の話もたくさん散りばめられている。
    ある章では、すべらない話の小籔千豊の話を彷彿させ、真面目な語り口から始まったと思えば、それがフリとなって落とされ爆笑し、思わず、松本人志のように腹を抱えながら笑い「わっるいなー」と突っ込んでいた。
    千早茜さんの嗅覚の表現に魅力され、本書を手に取ったが、「小川 朔」のルーツが感じとれて面白かった。

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    2023年06月13日
  • 魚神

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    魚の目を覗いてはいけないよ。人間とは心の作りが違うのだから。デンキは無い。夢は見られない。あるのはただ、水の臭いと、遊女屋の灯火-。

    『ひきなみ』に続いての千早茜san。本作で3作品となったので、ひさしぶりにカテゴリー追加となりました。

    「この島の人間は皆、夢を見ない。」から始まる物語。生ぬるい水に囲まれた孤島。一大遊郭。捨て子の姉弟、白亜とスケキヨ。現在の白亜と伝説の遊女白亜との交差。特に、白亜とスケキヨの距離感が絶妙でした。惹かれあってるのに避けあって、一歩も踏み出せない二人。終盤の蓮沼の言葉が的確でした。また、新笠の娘ハナへ「覚悟」を諭すシーンは残酷でしたが、側にいた白亜の微動だにし

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    2023年05月30日
  • からまる

    匿名

    購入済み

    深い余韻を残す

    登場人物が少しずつオーバーラップしつつも語り手が変わっていくタイプの連作短編集。そういう本はいくつか読んだことがあるけれど、その中でも作者はこの形式をうまく扱っていると思った。各主人公が置かれているシチュエーションの幅広さも手伝ってか、読み進めていくごとに作品全体の奥行きが深まっていくようだった。

    序盤はいまいちハマれなかったが、途中から好きな雰囲気の作品が出てきて印象が変わった。登場人物にもその関係性にも好感を持った。

    美しい動植物が暗喩に使われている小説は世の中にたくさんあるけれど、この短編集は若干グロい生き物がその役割を果たしているのが斬新で、なおかつ雰囲気に合っていてよかった。

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    2023年05月28日
  • からまる

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    ゆるく、時に濃厚にからまった連作短編集。

    光や水、生き物の表現がとても好き。
    登場人物も静かな人たちが多くて、なんか好き。
    静かで少し投げやりだけど、
    たまに熱くなったり、人とつながったり。

    『ほしつぶ』と『ひかりを』が特に心に残っていて、
    その両方に出てくるとある登場人物が良かった。

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    2023年04月26日
  • 桜の首飾り

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    念願通り、桜を眺めながら読みました。
    どのお話もひらひらと美しかった。

    ひとつ選ぶとしたら、春の狐憑きが好きかなー。

    以前、ある桜好きの人が、
    桜はあんまり縁起の良いものでは無いと思う
    と言っていたけれど
    私は桜には不思議な良い力があると思ってる。

    花荒れ、でも描かれていたけれど
    何度でも、幸福な夢のような日々が咲くことを期待させてくれる
    そんな力を持っていると思う。

    春の物思いのお供に。星5⭐️

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    2023年04月03日
  • 女ともだち

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    「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー

    既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。

    なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
    女性あるあるです。
    そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。

    坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。

    千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
    「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。

    子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎

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    2023年02月11日