千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ見えない傷と見える傷がある
見えない傷は他人からは知られずずっとぐじゅぐじゅに膿んでたりする
見える傷は関わった大切に思ってくれる人がいつまでも忘れられない原因になる
案外本人は気にしてないこともあって
ただその人にも気にしてほしくないから隠す場合もある
見えない傷を無視されたくなくて見えるようにした
見える傷ができてやっと傷ついていたことに気づかれた
傷、をテーマにしてこんなに物語が広がるものなのかって驚いた
「私が描きたいのは生き延びたあかしだから。死体の傷口というのはひらいたままだ。血が乾き、腐敗し、蛆がわくことはあっても、ふさがることはない。傷痕になることはないんだ。だから、これらは -
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ネタバレ久しぶりにスラスラ読んでしまった!!
めっちゃ面白かった
短編集なんだけど、
登場人物がみんなどっかしら繋がってて、
こういう構成になってる本好きなんです!!
名前は一緒だけど、あの人から見た姿とこの人から見た姿が全然違う…本当に同じ人??みたいな混乱しながら読むの好きです!
そして1行目から文章が面白い。
「最初、わたしたちは四人だった。
わたしと環と麻美と恵奈の四人。わたしたちは太っても痩せてもなく、目立って愚図でも飛びぬけて優秀でもない普通の女の子で、大学までエスカレーター式の私立の中等部で出会った。(中略)わたしたちはなんでも話した。それぞれの彼氏のセックスの癖からペニスの形状まで -
Posted by ブクログ
巻末の対談で語られているように、今までの千早作品とは少し異質な部分があり、自分にはそこだけ浮いているような印象を受けたが、新しい境地の入り口のようで、今後の作品が楽しみになった。
チグハグさを感じたのは、千早作品によく登場する(経済や精神的に)自立した女性がドラマのような恋愛をするパートと、婚活の場でリアルに遭遇するパートが乖離しすぎているところ。
今まではどちらかというと前述の要素が強いイメージで、こちらもその雰囲気を楽しんでいた。しかし、婚活関係の描写は取材をされたと仰っている通り、実際にあるあるなエピソードが多く、読んでいて少し現実に疲れてしまった。
由井くんとの恋愛では、相変わらず -
Posted by ブクログ
ネタバレ天才的な嗅覚を持つ調香師と、そのアシスタント、顧客が織りなす物語
読み終えた後、圧倒的な清々しさを覚えた
この調香師が登場する作品を読んだことがあり、衝撃的だったことを覚えている
前回はある女性アシスタントが主役だったが、今回は調香師と同じ施設で育った男性が主役となる
2人とも、母親に捨てられた経験を持ちながら、異なるタイプの人間に成長する
アシスタントは全力で母親を憎み、常に冷静な調香師はそんな彼を羨ましく感じる
本書ではいろんな傷を持った人が登場する
ただ、調香師を含めた人の繋がりの中で、少しずつ救われていく
完全にハッピーエンドというわけではないのだが、なぜかみんな救われたように感じた
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Posted by ブクログ
2026/01/07
千早茜さんの小説を久しぶりに読んだ気がして、とても面白かったです。
話はものすごくドロドロしている人間関係が描かれていますが、そんな雰囲気を微塵も感じさせずなぜか爽やかな感じで読み終えることができるのがこの本の不思議なところだと思いました。
主人公のイラストレーターの神名葵は29歳のアラサーで、恋人の彰人と同棲を5年続けているのにその関係は少しずつ冷めてきていてその隙間を埋めるかのように家族持ちの医者である真司と普通に不倫している。
さらにそこに大学のとき非常に仲が良かった先輩のハセオからの電話がかかってくることをきっかけにハセオとも7年ぶりに再会して会う時間を重ねるよう -
Posted by ブクログ
千早さん初でしたが私は良い作品だと思いました。
テーマが大衆ウケするものではないからこそ、理解するのが難しいものの神名とハセオの関係性について深く深く語られていて凄いなと思いました。
神名は一見すると自立していて、自信があって自分のやりたい事、したい事に夢中になっている強い女性のイメージを受けます。
しかしながら実は孤独や不安を上手く消化できず抱え込んでいて、上手く消化できていないからこそ誰かを必要としながらも深く関わる事は慎重で恋愛関係に入る事をどこか避けている印象です。
一方でハセオは神名に対して理解があり、自分の感情をはっきり主張せず、相手に合わせる事で関係を維持するタイプに見受け