千早茜のレビュー一覧
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透明な夜の香りに続く物語。
"赤い月の香り"っというタイトルの伏線回収が基盤にあり
透明な夜の香りと同様様々な理由を持つ依頼者との出逢い。
ただ今回の依頼者はどこか朝倉満の過去と間接的に繋がる部分があり
特に持田くんと橘さんの依頼理由とその後の未来は印象深い。
何より小川朔と朝倉満の繋がりには驚かされた。
透明な夜の香りから赤い月の香りまで
2冊に渡っての長編小説を読み
これが千早茜ワールドなのかと...。
儚くて壊れてしまいそうなのに強くて、美しくて、温かい世界観。
前作の一花ちゃんとは対照的な朝倉満も守ってあげたくなるほど愛着が湧いた。 -
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洋菓子をテーマにした甘いだけの作品かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。
甘美で少しほろ苦く、時々どきっとするほど官能的な大人のための連作短編集です。男女問わず、スイーツ好きな大人の方にぜひおすすめしたい一冊でした。
特に印象深かったのが、作中で語られる「クリームの科学」についての表現です。クリームは、二つ以上の脂肪球がぶつかり、溶け合い、繋がってこそ、ツノが立つような理想的な形になる。けれど、混ぜすぎると崩壊してしまう。
夫婦関係はもちろん、様々な人間関係に当てはまる深い比喩だと感じました。お互いを知ろうとしなければ一緒にはいられない。でも他人だから、完全に一緒にはなれないし、そ -
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ネタバレまたまたまたまた、千早茜さん。
父親が精神を病んでいるため、瀬戸内海の小さな島に住む祖父母に預けられることになった葉。古い慣習や厳しい祖父になじめなかった葉は、毅然として島の人たちになじもうとしない、真以に憧れ、仲良くなる。でも真以は自分に心を開いているように見えない。でもだんだんと距離が近づき、二人だけの秘密も共有するようになる。
せっかく近づけたと思ったのに、ある日、真以は何も言わずに島から逃げ出してしまう。真以を連れて行ったのは大人の男(逃亡犯)で、マスコミの格好の餌食となる。責任を感じ、葉は傷つく。
後半は大人になった葉の物語。大手企業で総合職として働く葉は、傷を抱えたまま一生懸命に -
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人間の業を感じた。石見銀山の史実を元にしながらも女性や山や銀掘の関係を生き生きとそして冷静で深く向き合いながら書いている。
夜目がきくウメと山師の喜兵衛は蛇の寝ござを始めとして生い茂る草木を見分け天気の変わり目の空気を感じ生命の息吹たる山の地脈と対話しながら銀掘を使っている。それが貨幣経済に頭を支配されて銀を富としか見ない権力者が管理するようになったら。途端に間歩はぽっかりと冷たく暗い口を開け銀掘たちはその闇に飲まれて黒い血を吐き胸を病んでしまう。それでも営みを続ける者たち。銀を生み出すこと、女であること、命を生み出すこと、血が繋がらなくても伝え繋がっていく者たち。
後半は隼人が血を吐き苦しん -
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もしかして、千早さんってすごく面白い人なのでは…???
と思ったわるたべ4作目。
今までのわるたべや、新井さんとの『胃が合うふたり』を読んで一方的に抱いていた千早さんのイメージは、繊細、冷静沈着、計画的、夜型、芸術家気質、あと神経質(すみません、でもご本人もそう書かれてるので)。そんなイメージの千早さんが新しいご家族に翻弄され、段々と朝型健康サザエさんみたいになっていくのが本作。元々そういう窓があり、ご家族に開かれていく過程が描かれているのではなかろうか。だってディズニーランド・シーへ姪っ子家族と行って、「茜さんがいちばん楽しんでいた」って言われてるくらいだもの。きっとめちゃくちゃ面白い人な