千早茜のレビュー一覧
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よ(良)ぉ、、、、、。
めちゃくちゃ、わかる。
そう言うと、人格を疑われそうで怖いけど、めちゃくちゃ、わかる。
きっと僕も何かが、欠けている。
でもハセオはその一歩先にいて、おそらく全ての行動は、カンナを大切に思っての自覚的なものなんだろうなと思う。
どこか野生的で、でも美しい、と思う。
正しいことが、間違っていないとは、限らない。
あなたにとっての間違いだって、その人には必要不可欠なものなのかもしれない。
うん。
そうだよな、みんな違うもんな。自分自身、そこに自覚的に生きていこうと思ったし、もっと他者のことを慮れるような余裕ある人間になりたいなと思った。 -
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見返りを求めないスタンスでいたはずで、だからずるいとか悔しいとか寂しいとか思っちゃダメで、でも思っちゃう自分を卑しく感じて…本当に恋をした人の心の行ったり来たりがなんてリアルなんだ。触れたい、抱きたいって言葉が淫靡さを保ったまま切なく使われる感じがたまりません。また写真ってのが憎い。美しいその一瞬を切り取って残し続ける残酷さ!
30ほども離れた歳の差の傍から見たら歪なひとつの恋愛だけど、本当に恋をしたことがあれば誰もが藤子に共感してしまうような
恋をする前の自分にはもう戻れない、と言うけどきっとそれは成長のひとつと分類してもいいんじゃないかな。新しい感情を獲得したことを喜んであげたいなと。
千早さんの言葉の選び方が好き。
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香りは記憶の『嘘』と『真実』を見抜く
シリーズ3作目。『燻る骨の香り』とは。
10年前に遡る、朔と京都の『瑞雲堂』の真奈。
暴かれる『嘘』と『真実』。
すべて香りが纏い、残された人たちの心の隙間にスルリと入る。
香りを嗅いだその人の記憶をたどり思い起こす。
朔の言う「嗅覚は呪いのようなもの」「誰かと楽しめるわけなどない」
喜怒哀楽が潜んだ記憶。
香りに敏感であればあるほど記憶のフラッシュバックが蘇ること。
真奈や父、親族からすれば嗅いだ記憶は果たしてどんな香りだったのだろうか。
その時その時嗅いだ香りを向き合わなければならない時に真奈は妹の丹穂が持つ『嘘』と『真実』が苦いものだったとしても、前に進まないといけないということだったのかもしれない。
今まで出会ってきた本の中で、本に香りがついてるのかと思うぐらい、ほのかに感じる香りを漂わせる物語で、とてもおもしろかったシリーズでした。
それが人間の記憶の不思議。五感の一つ、嗅覚が呼び起こすもの。
自分の人生で香りを感じることは様々な場面であっても、香りが好きと言ってる中でもなぜ好きなのか嫌いなのかまでの判断がつかないけども…。
記憶が蘇る程の香りに出会った時に、私は前に進められるのだろうか? -
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ネタバレ天才調香師 小川朔、香りシリーズの2作目
今回は赤い月に囚われた男の子が洋館で働くことになり、様々な悩みや欲望を持った客が朔の元に現れる。今作では加害された人、加害した人、加害していた人達の記憶を象徴する香りが多い。ただ、嗅覚と記憶は密接に関係しているからと言って、同じ香りでも同じ記憶を共有できる訳ではない。そして加害を愛として執着する人間もいるようだ。
1作目後半で一香は朔の仕事部屋に並ぶ香料瓶になりたいと願望を意識する。ガラス瓶に閉じ込められて朔の目に晒されたいという欲望を。
2作目で朔さんは一香を想って香料瓶に洋館の庭の香りを詰め、一香の書いたラベルを貼り付け並べて、きっと眺めている。部分的に一香の願いは叶えられていることに気づいた時、彼女はどう動くんだろうか。
今作も五感を刺激するお話だった。 -
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読み終わるのが惜しいと思えるほど、良い本でした。
料理名を冠した全18章。各章のタイトルの下には小さなアイコンが添えられていて、それを見ると、3人のうち誰が主人公の章なのかが分かるようになっています。たとえば、鞄のアイコンは正和を示します。
夕香:30代後半。会社を辞めて独立し、現在は京都の町家でデザイナーとして暮らしている。手際よく出汁を引いて美味しい料理をつくり、きちんとした生活を送っている。
正和:30歳過ぎ。かつて夕香の職場でアルバイトをしていた。現在は営業職に就いており、夕香とは生活スタイルや食の好みが合うことから、彼女の暮らす京町家で同居することになる。
華:28歳。正和の恋人。生物の研究一筋の大学院生で、突然入る解剖のため、しょっちゅうデートをキャンセルしている。生活面は少しだらしなく、あまり自分を表に出さない性格。
夕香と正和には、互いに少しばかり下心があるものの、あくまで同居人という関係です。ところが、2人が同居していることを知った華は、激しく心を乱されていきます……。
タイトルの『さんかく』は三角関係の事でしょうが、物語中にたびたび登場するおむすびのようでもあります。なにしろ、最初の章のタイトルが「塩むすび」ですからね。
私はもともと恋愛ものがあまり得意ではありませんし、意識高げな食べ物談義も苦手です。でも、千早さんの手にかかると、なぜか良いのです。理由は良く分かりませんが、なんだか波長が合うのです。 -
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なんか、ゆるく、刺さった。
刺さるという言葉と、ゆるくという表現が同居することはなかなかないと思う。
人間として共に歩むことを一度は決意した相手を失うことって、やっぱり、気にしてないと言いつつも、心のどこかにはひっかかってるんやとおもう。
自分もそうなんやろうなと自覚せざるをえない。
そしてたぶんその「ひだ」は、別に打ち消さなくていい。上書きもしなくていい。忌み嫌わなくてもいいし、かと言って大事にしなくてもいい。
別にそれはそれとして、失敗でもなく、ただの事実。
大事なのは、その経験と比べることなく、新たな人との出会いを楽しみ、思案し、想いをきちんと伝える努力を怠らないことなんだろうなと思った。 -
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好きな作品だった。様々な女と、植物が自身の全てのような男。発展途上国で暮らしていた記憶をぽつぽつと語るシーンがあり、どの場面でもこの人にそういうことがあったのかと新鮮味が広がる。
「さみしくないですか」「さびしくないよ」の会話が記憶によく残った。小説として表記を揃えるのではなく、主人公の一種の我の強さをよく表している。
終わり方も独特だ。植物と同様に生長していってしまう女性たち、今まで子供のように見えていたのに気付いたら自分の知らないもののような恐ろしさを覚える場面。どの女性も魅力があり、雰囲気からして魅力的に見える。その点、性の薄そうな主人公との対比であったり、かと思えば寝た経験があったりと絶妙なアンバランスを感じる。羽野のガーデンはめちゃくちゃにされることはないかもしれないけど、羽野の手でまた変わることがあるんだろう。美しかったです。 -
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江戸時代末期の話ですが
石見銀山で銀掘として働く男たちや
こどもを産み育てる女たち
女郎屋で生きる女たち
の姿が 動きや匂いをもって
描かれ、時代にタイムスリップして
傍観しているような
気持ちになりました。
ウメが喜兵衛を思う気持ちは
名前はなくても
生涯を通じて 道筋であり光であり
師範であり続けました。
父親のように 伴侶のように
慕う 大きな憧れのような
喜兵衛という存在
ウメを思い守りぬくと誓って
銀掘として生き銀掘として
逝った 隼人
どちらもが、 ウメのため、その先の人生のために
選んだ決意に胸が締め付けられました。
人を愛するってそういうことなんですよね。
ウメは 匂いや暗闇、音に 目、耳、鼻が効き
上橋菜穂子さんの香君のアイシャの様な能力があるなと思いました。
石見銀山にはこんな歴史があり、悲しみが
雪のよう溶けたりぬかるんだり凍ったりまた積み重なったりしてきた人たちの
生きていたた街がある
ということを知れて良かったです。
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だいすきな千早さん!
面白かったー!
餅、好きじゃないのにすごく食べたくなった。
思わず検索しながら、「ちょっと遠い…、ここなら…、白玉粉買ってみようかな…」と思ってしまった!
チョコレートもひと粒で十分派なのに色々挑戦してみたくなった。
ざくざくチョコレート、オランジェ、トリュフ…
そして調べてみて「う~ん…高い……、でも食べてみたい…」と検索画面とにらめっこ。
千早さんの食エッセイは本当に美味しそうで、
かなり具体的に想像できて、
食に関心がなくても気になってしまう!!!
今年のバレンタインは自分のために
買ったことのないようなチョコレートを買おうかな~! -
Posted by ブクログ
昔ながらのケーキ屋さんを舞台にした連作短編。テーマはほろ苦い初恋なんだと思う。
危うかったり醜かったり病的だったりするものを、うまくスパイスにしてあっと言わせる構造の短編たち。
私自身、好きな人にうまく好きと言えないとか、駆け引きとか、察してとかとは無縁なので、「えー!なんで?言えば良くない?」とか「いやいやそれは独りよがりすぎでしょ」とか心の中で思いながら読んだんだし、本来はこういう登場人物たちの出てくる作品は痺れを切らして読むのをやめることが多い。けど、千早作品は、その匙加減が絶妙。まさにスパイスや苦味をギリギリまで利かせてるけど美味しくまとめる亜紀の作る西洋菓子みたい。
そして何より「普通とは何か?」を問うような「枠から外れたもの」の美しさを鮮やかに描いていて、かなり好きな作品だったです!はい!