千早茜のレビュー一覧
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ネタバレ透明な夜の香りから続く3作目。とても良かったです。
嗅覚という、文字からはとうてい想像できない感覚がモチーフでしたが、視覚のように嗅覚を感じる主人公の描写を追体験して、主人公の見る世界を感じられるようでした。
遡さんと似た嗅覚の鋭さを持つ妹の丹穂と、そんな才能を前に、凡人であることを突きつけられる主人公の関係性がなんだか背徳的でした。このシリーズでは一貫して、執着と愛情の違いがテーマになっている気がします。
自分と違う世界が見えているひとへの、羨望、憧憬、焦燥。凡庸な自分に対する自己否定。だけど、彼らしか見えない世界に、ほんの少し触れてみたくて。ただ、近づくには自分を曝け出さないといけな -
Posted by ブクログ
一気に読み切った作品。
今している恋愛を途中途中思い出しながら読んでいたけど、共感しすぎて苦しかった。特に、途中の全さんの言葉を読んでいて、私も、今の恋人のことは好きなんじゃなくて好きになられたいだけな事に気づいてどうすればいいか分からなくなった。
「誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。それが幸福なことなのか不幸なことなのかはわからない。」最初のこの一文で、『月の立つ林で』での「距離と角度を自然に整えながら、その時その時の関わりを変化させながら」の一文を思い出した。確かに、それがどんな出会いだとしても人は人と会う限り変わっていくんだろうなと感じた。
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ネタバレ✶印象に残った言葉✶
「好きな世界があるということは排除している世界があるということだ。」
「祈ることは嫌いだ。夢を口にしたいとも思わない。祈りはどこか他人本願な気がするし、夢を口にしたら夢を持っているという事実だけで満足してしまいそうだ。夢という響気は現実的ではない。プロになってからは神仏に祈ったこともない。初詣にすら行かない。夢なんて実現しなければ、頭の中にあるだけの絵と同じ。描かねば、ない。」
「時々、ハセオは煙草を吸いにベランダにでた。湿った冷たい空気がさぁっと入ってくると、私も裸足ででて外を眺めた。寒さは感じなかった。むしろ、清々しかった。白い息がハセオの吐く煙に溶けていく。 -
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「透明な夜の香り」
「赤い月の香り」
に続く3冊目
主人公はどんな香りでも作りだせる、天才調香師
小川朔
人並外れた嗅覚を持つ
今作は小川朔の前2冊に至る前段の話だという
香りにまつわるミステリー、とも言えると思う
京都、香原料 薫香の製造販売をしている瑞雲堂の2人姉妹
姉の真奈目線で進んでゆく
妹の丹穂(にお)は、類まれな嗅覚をもつ
丹穂は、最初の1ページ目、伽羅の香りを放つ骨として登場する
もうこの世にはいない
人々の秘密や欲望を、小川朔が解き明かす
日本語の奥深さと、面白さを表現し、
香りの薫る、匂う、嗅う、そして燻る舞台を創造して、存分に楽しませてもらった -
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ネタバレ✶印象に残った言葉✶
「誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。それが幸福なことなのか不幸なことなのかはわからない。」
「ひとりは楽だ。すり減ることも、奪われることもない。」
「好きなんじゃなくて、好きになられたいんだよ。自分をまるごと、百パーセント受け入れてもらいたいの。あいつは承認欲求の塊だ。」
「飽きた。面倒臭くなった。興味を失った。ばっさりと切られてしまうことを恐れるあまり、避けられている理由を深読みしたり、最初からなんの関係もないのだと思い込もうとしたりする。避けられているかどうかすら定かではないのに。」
「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してよ -
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ネタバレ香りシリーズから興味を持っていたけれど、恋愛小説ということでなかなか手が伸びていなかった1冊。
もうこれは恋愛小説なんて一言でまとめられない作品!笑
一夏の思い出、短い期間の記憶であろうことが、千早さんの描写から鮮明に、まるで自分自身が藤子として見てきたかのように思えた。本当に情景や心情を表現する言葉が美しくて魅了される。
自分は変わったのではなく変えられたのだと、それが傷という形でも、その人がいた証になるから。
20歳の藤子は自分のことを捻くれていると思っているが、実際にはあまりにもまっすぐで正直だった、そのギャップもまた若さゆえなのだろう。
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Posted by ブクログ
カテゴリ「恋愛」にしちゃったけど、恋愛じゃないんだよね。男ともだちだから。
別のSNSで同書に対して「登場人物に感情移入できなかった」というのを見かけたが、千早さんの作品で感情移入できたのは『プティフール』のシュークリームが好きな彼氏くらいじゃないかな(ΦωΦ)
千早さんの本は感情移入して読む本じゃないと思うんだけどな。なんかね。
千早さんの作品はまだ4冊だか5冊目だが、登場してくる女性に職人気質なところが好き。異性に甘えたい気持ちもありつつ、根っこはいい作品を作りたい、大切にしたい、天と地を繋ぐ細くて力強い真っ直ぐな糸のような信念を感じる女性が登場するところが好き。
私にはない強さだか -
Posted by ブクログ
ネタバレ文章が好きすぎる。
生々しいリアルな恋愛。性描写が綺麗で美しい。
p.8 誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。
p.31 泣きたくなったら食べればいい。泣きながらでも飲み込めば、食べた分だけ確実に生きる力になる。
p.207 「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してようが、歳の差があろうが、略奪しようが、自分たちの恋愛だけが正しくて、あとは汚くて、気持ちが悪い」
p.287 手に入ってから失うのと、手に入らないまま想い続けるのはどちらが辛いだろうかと考える。
私は圧倒的前者だと思う。その人を手に入れた先の幸せを知ってしまっているから。
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Posted by ブクログ
気に入った服を長く着続けたかったらどうする?
乱暴に扱うかい。
靴だって服だって、自分の身体に馴染むまで
手入れをしながら大切に使うだろう。
人との関係だって同じさ、
丁寧に扱えば長持ちする関係を築ける。
まずは相手をよく見ることだよ
『クローゼット』 / 千早茜
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十八世紀のコルセットやレース、
バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、
約一万点が眠る服飾美術館。
ここの洋服補修士の纏子は、
幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。
一方、デパート店員の芳も、
男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。
デパートでの展示を機に出会った纏子と芳。
でも二人