千早茜のレビュー一覧

  • 男ともだち

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    よ(良)ぉ、、、、、。

    めちゃくちゃ、わかる。
    そう言うと、人格を疑われそうで怖いけど、めちゃくちゃ、わかる。
    きっと僕も何かが、欠けている。
    でもハセオはその一歩先にいて、おそらく全ての行動は、カンナを大切に思っての自覚的なものなんだろうなと思う。
    どこか野生的で、でも美しい、と思う。

    正しいことが、間違っていないとは、限らない。

    あなたにとっての間違いだって、その人には必要不可欠なものなのかもしれない。

    うん。
    そうだよな、みんな違うもんな。自分自身、そこに自覚的に生きていこうと思ったし、もっと他者のことを慮れるような余裕ある人間になりたいなと思った。

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    2026年10月02日
  • マリエ

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    千早さんは刺さる言葉というよりも身体に流れ込んでくる言葉を書く人だなと改めて思った
    マリエとは性格は似ていないと思うけど、考えの巡らせ方が似ていた
    だからなんとなくずっと感じていたことを言葉にされた感じがしてすぐに読み終えてしまった
    多分この人は側から見たら友達も多くて明るくて充実した人生を送っている側の人間なんだろうな

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    2026年10月01日
  • 透明な夜の香り

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    すごく読みやすくて物語に惹き込まれた。たくさん出てくる色、感情を使った香りの表現に本を読んでいるのにほんのり香りが漂ってくるような。続編も早く読も。

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    2026年09月29日
  • 神様の暇つぶし

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    見返りを求めないスタンスでいたはずで、だからずるいとか悔しいとか寂しいとか思っちゃダメで、でも思っちゃう自分を卑しく感じて…本当に恋をした人の心の行ったり来たりがなんてリアルなんだ。触れたい、抱きたいって言葉が淫靡さを保ったまま切なく使われる感じがたまりません。また写真ってのが憎い。美しいその一瞬を切り取って残し続ける残酷さ!

    30ほども離れた歳の差の傍から見たら歪なひとつの恋愛だけど、本当に恋をしたことがあれば誰もが藤子に共感してしまうような
    恋をする前の自分にはもう戻れない、と言うけどきっとそれは成長のひとつと分類してもいいんじゃないかな。新しい感情を獲得したことを喜んであげたいなと。

    千早さんの言葉の選び方が好き。

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    2026年10月04日
  • 燻る骨の香り

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    香りは記憶の『嘘』と『真実』を見抜く

    シリーズ3作目。『燻る骨の香り』とは。
    10年前に遡る、朔と京都の『瑞雲堂』の真奈。
    暴かれる『嘘』と『真実』。
    すべて香りが纏い、残された人たちの心の隙間にスルリと入る。
    香りを嗅いだその人の記憶をたどり思い起こす。

    朔の言う「嗅覚は呪いのようなもの」「誰かと楽しめるわけなどない」

    喜怒哀楽が潜んだ記憶。
    香りに敏感であればあるほど記憶のフラッシュバックが蘇ること。
    真奈や父、親族からすれば嗅いだ記憶は果たしてどんな香りだったのだろうか。
    その時その時嗅いだ香りを向き合わなければならない時に真奈は妹の丹穂が持つ『嘘』と『真実』が苦いものだったとしても、前に進まないといけないということだったのかもしれない。

    今まで出会ってきた本の中で、本に香りがついてるのかと思うぐらい、ほのかに感じる香りを漂わせる物語で、とてもおもしろかったシリーズでした。

    それが人間の記憶の不思議。五感の一つ、嗅覚が呼び起こすもの。
    自分の人生で香りを感じることは様々な場面であっても、香りが好きと言ってる中でもなぜ好きなのか嫌いなのかまでの判断がつかないけども…。

    記憶が蘇る程の香りに出会った時に、私は前に進められるのだろうか?

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    2026年09月28日
  • あとかた

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    ラスト2ページにやられた!胸をギュッと掴まれた。自分を持って、自分に素直に生きるのは難しくて、そして幸せなことだ。

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    2026年09月28日
  • 正しい女たち

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    だいぶ昔に読んで、面白くもつまんなくもないなーまあでももう読まなくていいなーと思ってたのだけどだいぶ時間が経って、最近千早茜さん掘ってるので再読してみました。そしたら、おもしろすぎた。何も起こらないしいや起こるけど、わかんない人が読んだらほんとになにこれって思うような文章かもだけど(昔の私)ほんとおもしろくて、昔読んだ純文学系また読もうかと思いました

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    2026年09月28日
  • 透明な夜の香り 赤い月の香り

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    ネタバレ

    天才調香師 小川朔、香りシリーズの2作目
    今回は赤い月に囚われた男の子が洋館で働くことになり、様々な悩みや欲望を持った客が朔の元に現れる。今作では加害された人、加害した人、加害していた人達の記憶を象徴する香りが多い。ただ、嗅覚と記憶は密接に関係しているからと言って、同じ香りでも同じ記憶を共有できる訳ではない。そして加害を愛として執着する人間もいるようだ。

    1作目後半で一香は朔の仕事部屋に並ぶ香料瓶になりたいと願望を意識する。ガラス瓶に閉じ込められて朔の目に晒されたいという欲望を。
    2作目で朔さんは一香を想って香料瓶に洋館の庭の香りを詰め、一香の書いたラベルを貼り付け並べて、きっと眺めている。部分的に一香の願いは叶えられていることに気づいた時、彼女はどう動くんだろうか。

    今作も五感を刺激するお話だった。

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    2026年09月27日
  • 透明な夜の香り 赤い月の香り

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    『透明な夜の香り』はあまりの感銘で、感想が書けなかったんだけど、今作は意を決して…

    とは言っても、好きすぎて、全てのシーンが印象的!ってなっちゃうから、感想らしい感想は出てこないんだけど、
    本作も、前作の世界観を壊わさないままなのに、朔も新しいキャラクターも、一香も、なんなら源さんも、内面の変容を遂げて、総じてまた新しい物語になったんだな、としみじみしてしまった。

    次作を読みたいけど、もったいなくて、しばらく読めなさそう

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    2026年09月27日
  • 透明な夜の香り 赤い月の香り

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    今回もさすがの朔さんって感じ!でも私は前作のほうが好きだなあ。前回のほうが美味しいものが想像しやすかった気がするし、登場も多かったなと!

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    2026年09月26日
  • しろとくろの偏愛

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    「わるたべ」シリーズで千早さんのこだわりについて知っておくと、かなり面白い!かわいいイラストと共にさくさく読めました。読むと唾が出てきてしまいます。お餅食べたいな。チョコは洋菓子用語が多いから知りたくなる!

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    2026年09月23日
  • さんかく

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    読み終わるのが惜しいと思えるほど、良い本でした。

    料理名を冠した全18章。各章のタイトルの下には小さなアイコンが添えられていて、それを見ると、3人のうち誰が主人公の章なのかが分かるようになっています。たとえば、鞄のアイコンは正和を示します。
    夕香:30代後半。会社を辞めて独立し、現在は京都の町家でデザイナーとして暮らしている。手際よく出汁を引いて美味しい料理をつくり、きちんとした生活を送っている。
    正和:30歳過ぎ。かつて夕香の職場でアルバイトをしていた。現在は営業職に就いており、夕香とは生活スタイルや食の好みが合うことから、彼女の暮らす京町家で同居することになる。
    華:28歳。正和の恋人。生物の研究一筋の大学院生で、突然入る解剖のため、しょっちゅうデートをキャンセルしている。生活面は少しだらしなく、あまり自分を表に出さない性格。
    夕香と正和には、互いに少しばかり下心があるものの、あくまで同居人という関係です。ところが、2人が同居していることを知った華は、激しく心を乱されていきます……。

    タイトルの『さんかく』は三角関係の事でしょうが、物語中にたびたび登場するおむすびのようでもあります。なにしろ、最初の章のタイトルが「塩むすび」ですからね。
    私はもともと恋愛ものがあまり得意ではありませんし、意識高げな食べ物談義も苦手です。でも、千早さんの手にかかると、なぜか良いのです。理由は良く分かりませんが、なんだか波長が合うのです。

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    2026年09月19日
  • わるい食べもの

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    ネタバレ

    おいしい食べものの話が読めるかと期待してページを開いたら、出てくるのは、我が子を食らうサトゥルヌスばりに雲丹を食らう両親とか、ドア裏にびっしり産みつけられた虫の卵とか、給食の残飯に白い筋を描いて呑み込まれていく牛乳とか。食エッセイとして斬新すぎる。

    好きな食べもの以上に、嫌い/苦手な食べものの描写のほうが冴え渡っている。「好き」が明確にある人は、「嫌い」もよくわかっているんだなーと当たり前のようなことを思った。

    自分も千早さんくらい好き嫌いを明確に持ちたいものだ。普段なんとなく採っている食事のなんと多いことか。

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    2026年09月17日
  • マリエ

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    なんか、ゆるく、刺さった。
    刺さるという言葉と、ゆるくという表現が同居することはなかなかないと思う。

    人間として共に歩むことを一度は決意した相手を失うことって、やっぱり、気にしてないと言いつつも、心のどこかにはひっかかってるんやとおもう。
    自分もそうなんやろうなと自覚せざるをえない。

    そしてたぶんその「ひだ」は、別に打ち消さなくていい。上書きもしなくていい。忌み嫌わなくてもいいし、かと言って大事にしなくてもいい。
    別にそれはそれとして、失敗でもなく、ただの事実。

    大事なのは、その経験と比べることなく、新たな人との出会いを楽しみ、思案し、想いをきちんと伝える努力を怠らないことなんだろうなと思った。

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    2026年09月15日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    夜逃げの途中で山師に拾われた少女ウメの一生のお話

    女だから生きたいようには生きられない
    銀山に生まれた男たちもまた銀掘りという宿命から逃れられない

    それぞれに与えられた役割の中で生きるしかなく
    銀山に生きる人々は力強いんだけど諦めのようなものも見える

    山は富をもたらす一方で
    人の身体を蝕み命を奪い
    それでも人々をそこから離してはくれない

    そんな銀山を象徴するような しろがねの葉

    うつくしく
    おそろしく
    だからこそ抗いがたいほど惹きつけられる

    ずっとずっと同じようにはいられない
    人も山も

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    2026年09月13日
  • しろとくろの偏愛

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    チョコ目的で買ったようなものでしたが
    案外、付箋が貼られたのは餅でした!笑
    千早さんは本当に美味しそうに書いてくれる
    いつか食べたい、美味しい餅、チョコ

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    2026年09月09日
  • ガーデン

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    好きな作品だった。様々な女と、植物が自身の全てのような男。発展途上国で暮らしていた記憶をぽつぽつと語るシーンがあり、どの場面でもこの人にそういうことがあったのかと新鮮味が広がる。
    「さみしくないですか」「さびしくないよ」の会話が記憶によく残った。小説として表記を揃えるのではなく、主人公の一種の我の強さをよく表している。
    終わり方も独特だ。植物と同様に生長していってしまう女性たち、今まで子供のように見えていたのに気付いたら自分の知らないもののような恐ろしさを覚える場面。どの女性も魅力があり、雰囲気からして魅力的に見える。その点、性の薄そうな主人公との対比であったり、かと思えば寝た経験があったりと絶妙なアンバランスを感じる。羽野のガーデンはめちゃくちゃにされることはないかもしれないけど、羽野の手でまた変わることがあるんだろう。美しかったです。

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    2026年09月09日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    江戸時代末期の話ですが
    石見銀山で銀掘として働く男たちや
    こどもを産み育てる女たち
    女郎屋で生きる女たち
    の姿が 動きや匂いをもって
    描かれ、時代にタイムスリップして
    傍観しているような
    気持ちになりました。

    ウメが喜兵衛を思う気持ちは
    名前はなくても
    生涯を通じて 道筋であり光であり
    師範であり続けました。

    父親のように 伴侶のように
    慕う 大きな憧れのような
    喜兵衛という存在

    ウメを思い守りぬくと誓って
    銀掘として生き銀掘として
    逝った 隼人

    どちらもが、 ウメのため、その先の人生のために
    選んだ決意に胸が締め付けられました。
    人を愛するってそういうことなんですよね。


    ウメは 匂いや暗闇、音に 目、耳、鼻が効き
    上橋菜穂子さんの香君のアイシャの様な能力があるなと思いました。

    石見銀山にはこんな歴史があり、悲しみが
    雪のよう溶けたりぬかるんだり凍ったりまた積み重なったりしてきた人たちの
    生きていたた街がある

    ということを知れて良かったです。



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    2026年09月09日
  • しろとくろの偏愛

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    だいすきな千早さん!
    面白かったー!

    餅、好きじゃないのにすごく食べたくなった。
    思わず検索しながら、「ちょっと遠い…、ここなら…、白玉粉買ってみようかな…」と思ってしまった!

    チョコレートもひと粒で十分派なのに色々挑戦してみたくなった。
    ざくざくチョコレート、オランジェ、トリュフ…
    そして調べてみて「う~ん…高い……、でも食べてみたい…」と検索画面とにらめっこ。

    千早さんの食エッセイは本当に美味しそうで、
    かなり具体的に想像できて、
    食に関心がなくても気になってしまう!!!

    今年のバレンタインは自分のために
    買ったことのないようなチョコレートを買おうかな~!

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    2026年09月06日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    昔ながらのケーキ屋さんを舞台にした連作短編。テーマはほろ苦い初恋なんだと思う。

    危うかったり醜かったり病的だったりするものを、うまくスパイスにしてあっと言わせる構造の短編たち。

    私自身、好きな人にうまく好きと言えないとか、駆け引きとか、察してとかとは無縁なので、「えー!なんで?言えば良くない?」とか「いやいやそれは独りよがりすぎでしょ」とか心の中で思いながら読んだんだし、本来はこういう登場人物たちの出てくる作品は痺れを切らして読むのをやめることが多い。けど、千早作品は、その匙加減が絶妙。まさにスパイスや苦味をギリギリまで利かせてるけど美味しくまとめる亜紀の作る西洋菓子みたい。

    そして何より「普通とは何か?」を問うような「枠から外れたもの」の美しさを鮮やかに描いていて、かなり好きな作品だったです!はい!

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    2026年09月05日