千早茜のレビュー一覧

  • グリフィスの傷

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    ネタバレ

    また千早茜さん。これは短篇集です。すべて、心や体に傷を負った人を描いている。高校でクラスメイトから完全に無視されていたけど、ある日ケガをして血を流しながら登校したところ、みんながぎょっとして、さわぎになった…心にいくら傷を負っても誰も気づかず、黙殺され続けていたのに、ちょっと(ちょっとではないんだけど)体に傷を負って少々血が流れているだけで無視されなくなるなんて変なの…という話や、
    初めてのセックスで相手の女の子を傷つけてしまったかも…というカップルの話や、
    かつて犬にやられて体や顔に傷を負っており、とにかく犬が嫌いな男と、かつて集団レイプされて心に深い傷を負っており、とにかく男が嫌いな女の子

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    2025年10月21日
  • グリフィスの傷

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    傷ー痛みを伴う。身体に刻まれるものもあれば、魂に刻まれるものもある。傷のない人間なんていない。でも他人から見たら、その傷は分からない。そんなお話を10個集めた短編集。

    艶やかで、それでいて澄んでいる。境界線がくっきりと浮かぶ話が多かった。
    その中での「この世のすべての」の話は特徴的だった。でも、他者から見たお爺さんの傷と主人公の傷なんて、どっちも分からない。結末には驚かされたけど、理にはかなっている。読んだ後にモヤモヤっとしたけれど、納得はできてしまう。
    「林檎のしるし」可愛い話だった。丸くツヤツヤした林檎色が浮かぶ。ちょっと切ないけど、湯たんぽを用意すること、そこに込められた想いが&quo

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    2025年10月15日
  • 雷と走る

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    ネタバレ

    またまた千早茜さんです。切なくて、とても良かった。
    千早茜さんらしく、主人公は30歳を少し過ぎて、結婚を考えている恋人もいるんだけど、妊娠・出産に関しては少し慎重になっていて、その気持ちを恋人とうまく共有できていない、という設定。
    そのことは、彼女の生い立ち(幼い頃の思い出)と関係している。
    主人公は幼い頃、父親の仕事でアフリカにいて、そこは非常に治安が悪く、インターナショナルスクールには車で通い、自宅の広い敷地と、インターナショナルスクールは頑丈な塀で囲われ、そこから外に一歩でも出ると危険、という環境だった。自宅の敷地には、番犬用に大型犬を何匹も飼っていた。現地で生活する外国人は、番犬を飼う

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    2025年10月01日
  • しつこく わるい食べもの

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    食には人並みにこだわりがあるのでとても楽しく読めた。「自分の好きなものを、好きなときに、好きなだけ食べる」という終始変わらない作者のスタイルは真似したいと思う。読むと絶対にパフェが食べたくなります。

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    2025年09月30日
  • ひきなみ

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    心地よい。ずっと読んでいたくてゆっくりと読んだ。
    情景や感情が文章だけでこれほど五感に訴えかけてくるなんてね…

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    2025年09月28日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    良いところだけ、弱みだけ、を見せ合うのではなく友情にできるだけエンターテイメント性を求める2人の関係が素敵。
    同じ物事について書いてあるけど文体も視点も違う。その中でも胃はとんでもなく合うお2人。
    するする読めるのに読み終わってしまうのが勿体無くて毎日ちょっとずつ読んだ。しばらく経ってからまた読み返しても、日常を少し楽しんでみようと思えるような気がする、そんな本でした。

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    2025年09月23日
  • さんかく

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    タイトルから連想されるのは、三角関係、おむすび、サンドイッチ・・・・

    最初に、大好物の「塩むすび」があって、
    涎がでそうだった。

    京都の町屋のちょっと薄暗い、じめっとした背景に、
    東京の生活に疲れた女性と、年下の男性、その恋人の仕事に忙殺されている女性との、微妙な三角関係の描写が何とも言えなかった。

    高村は、大人で、料理も上手で、仕事もできて、自分をしっかりと生きている感じだった。
    真逆のタイプである華との間で、揺れ動く伊藤君の気持ちもよくわかる。
    3人がそれぞれの目線でストーリーが進んでいく手法はよかったと思う。

    「ヒトってさ、自分にとって都合が悪いものを変だっていうんだよ」
    ともち

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    2025年09月21日
  • 私の身体を生きる

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    様々な『自分の』性との向き合い方について書かれている。メタ的な性との向き合い方でないのは、女性の作家たちだからだと思う。
    女性も誰かの性を搾取することもあるだろうが、しかし圧倒的に搾取される側であり、自分の生命と性とが紙一重に近い存在だと思い知る。
    アンソロジーの最初の島本理生さんの作品が個人的ににとても響いた。
    なぜ自分の性と向き合うだけで傷ついてしまうのか。男性も同じなのだろうか。傷ついたことを思い出さないで自分の性について語れる人間がいるならば、どんな人生なのか知りたいと思う。

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    2025年09月20日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    誰も入る隙のない2人で完結された空間に感無量。
    変えられない運命を嘆きながらも、やはり間歩から離れずに、男たちを最期まで支えたウメは、銀堀にはなれずとも確かに喜兵衛の手子だったと思う。
    胸が引き裂かれそうな闇の中でも、"おなご"として、母として、ひたむきに強く生き抜いたウメは
    とても美しく輝いていました。

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    2026年06月19日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    一気に読みました。
    おとぎ話の新しい解釈だけれども、話の筋は崩していない。
    キラキラした物語もあれば、
    人間て怖いな、
    ホラー小説の方が怖くないのでは?
    と思う作品もあり、中に引き込まれる感じがした。
    本当はこんなこと無いよね?と思うけれども実際にはどっかであるのでは?
    とも思わせてくれる部分もあり、一気に読んだことを少し後悔しました

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    2025年09月12日
  • グリフィスの傷

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    グリフィスの傷とは…
    見えない傷のこと。

    p115
    ガラスは仕方がないからって言った。
    ガラスは本当はとても頑丈だけど、目に見えない傷がたくさんついていって、何か衝撃を受けた時に割れてしまうものだって。あなたが割ったように見えるけど、いままでの傷が積み重なった結果だから気にしなくていいのって。そういう目に見えない傷のことをグリフィスの傷っていうんだって教えてくれた

    傷に関するお話。
    どれも
    身体の傷や心の傷、他人には、自分の痛みは正確には伝わらない。計り知れない痛さを想像できればいいけれど、文中にもあるように、人は他人の痛みには鈍感だ。

    竜舌蘭のお話は、印象的。
    国語の教科書にのらないか

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    2025年09月09日
  • しつこく わるい食べもの

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    私が感じている世界は、私の体を通したものなのだから、体の状態が変われば変わるものなのだ。

    嗅覚の判断は速い。きっと、頭で考えるよりもずっとずっと早く感情を動かす。

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    2025年09月06日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    大好き。尾崎さんも千早さんも好きなので最高~~と思って買った。出てくる男も女もめんどくさ~~~~いけど、やけにリアルで面白かった。
    尾崎さんの言葉選びが、クリープだなあと思うところが何か所かあって、そのたび好きだなあと思った。

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    2025年09月05日
  • グリフィスの傷

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    「傷」がテーマの短編集。
    短編でも更に短い短編だった。
    けれど、それぞれの中に、重くて深い長編が綴られていた。

    竜舌蘭の棘だったり、リスカだったり、不慮の事故、犯罪被害などなど、体に付いた様々な傷。
    刺青のように、自ら傷をつける人もいる。
    見た目は分からなくなった傷跡も、心の中に小さな、あるいは深い傷を残しながらいつまでも引きずるだろう。
    一度、傷をつけたら、そのことはなかったことにはならない。

    「竜舌蘭」「この世のすべての」「からたちの」
    は、胸がチリチリ痛んで、読んでいて辛かった。

    「結露」「林檎のしるし」「慈雨」「まぶたの光」
    は、読み終えて、何だか温かい気持ちになった。

    「指の

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    2025年09月04日
  • しつこく わるい食べもの

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    千早茜の食にまつわるエッセイ第二弾。
    途中まで楽しく読んでいて、コロナ禍に突入していくところが生々しかった。「しつこく わるい食べもの」を執筆されているときは、2020年4月、あのときだった。
    こうやって書き起こされていると思い出すことがたくさんあるな。記録していくのは大事なことだと思った。

    ところで今回はなんといってもパフェ。
    「パフェが1番エロい。」は最高だった。わたしもパフェとデートしにいこう。

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    2025年08月30日
  • わるい食べもの

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    面白かった〜!
    エッセイ得意じゃないのだが、くどうれいんのエッセイは好きで、もしかして食のエッセイが好きなのかも?と気づいた。

    千早茜、エッセイまで面白いとは本当にお見事。
    とりあえずレモンの蜂蜜漬けをつくりたい。

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    2025年08月30日
  • あとかた

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    恋愛の幸せなところじゃなくて、もっと暗くて難しくて嫌なところをこれでもかっていうくらい突きつけられる。表面上はなんてことない幸せを装ってる人も、みんなこういう気持ちを抱えているのかな。
    人間は難しいし、特に恋愛がやっぱり難しすぎる。

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    2025年08月29日
  • 魚神

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    10年以上前に読んだことがあり、好きな世界観だったことを覚えていた。再読し、その感想は変わらなかった。読後の余韻がなんとも言えないほど素晴らしい。風景や心情の描写が美しい。

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    2025年08月17日
  • しつこく わるい食べもの

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    食のエッセイなのに、何度も感情がこみ上げてきて涙が出そうになった。
    千早さんの小説とはまた違った、食や日常に対するまっすぐな想いに心打たれた。
    何度も読み返したい作品です。「わるい食べもの」シリーズを読むのは初めてだがこの第二弾を最初に読んでしまったので、他シリーズも読むたいです。

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    2025年08月12日
  • なみまの わるい食べもの

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    わるたべ最新巻。
    直木賞受賞、再婚、小さな家族との同居と変化の多い巻。そしてコロナが徐々に開けて旅行の話も増えてくる。人によって拘りや好き嫌いがあるのは当然。この巻も楽しく読みました。
    お桃さま、冷蔵庫の卵、姫と騎士修行(あのカタカナを理解できるの、すごい笑)、初めての、が特に好き。

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    2025年08月11日