千早茜のレビュー一覧
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ネタバレまた千早茜さん。これは短篇集です。すべて、心や体に傷を負った人を描いている。高校でクラスメイトから完全に無視されていたけど、ある日ケガをして血を流しながら登校したところ、みんながぎょっとして、さわぎになった…心にいくら傷を負っても誰も気づかず、黙殺され続けていたのに、ちょっと(ちょっとではないんだけど)体に傷を負って少々血が流れているだけで無視されなくなるなんて変なの…という話や、
初めてのセックスで相手の女の子を傷つけてしまったかも…というカップルの話や、
かつて犬にやられて体や顔に傷を負っており、とにかく犬が嫌いな男と、かつて集団レイプされて心に深い傷を負っており、とにかく男が嫌いな女の子 -
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傷ー痛みを伴う。身体に刻まれるものもあれば、魂に刻まれるものもある。傷のない人間なんていない。でも他人から見たら、その傷は分からない。そんなお話を10個集めた短編集。
艶やかで、それでいて澄んでいる。境界線がくっきりと浮かぶ話が多かった。
その中での「この世のすべての」の話は特徴的だった。でも、他者から見たお爺さんの傷と主人公の傷なんて、どっちも分からない。結末には驚かされたけど、理にはかなっている。読んだ後にモヤモヤっとしたけれど、納得はできてしまう。
「林檎のしるし」可愛い話だった。丸くツヤツヤした林檎色が浮かぶ。ちょっと切ないけど、湯たんぽを用意すること、そこに込められた想いが&quo -
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ネタバレまたまた千早茜さんです。切なくて、とても良かった。
千早茜さんらしく、主人公は30歳を少し過ぎて、結婚を考えている恋人もいるんだけど、妊娠・出産に関しては少し慎重になっていて、その気持ちを恋人とうまく共有できていない、という設定。
そのことは、彼女の生い立ち(幼い頃の思い出)と関係している。
主人公は幼い頃、父親の仕事でアフリカにいて、そこは非常に治安が悪く、インターナショナルスクールには車で通い、自宅の広い敷地と、インターナショナルスクールは頑丈な塀で囲われ、そこから外に一歩でも出ると危険、という環境だった。自宅の敷地には、番犬用に大型犬を何匹も飼っていた。現地で生活する外国人は、番犬を飼う -
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タイトルから連想されるのは、三角関係、おむすび、サンドイッチ・・・・
最初に、大好物の「塩むすび」があって、
涎がでそうだった。
京都の町屋のちょっと薄暗い、じめっとした背景に、
東京の生活に疲れた女性と、年下の男性、その恋人の仕事に忙殺されている女性との、微妙な三角関係の描写が何とも言えなかった。
高村は、大人で、料理も上手で、仕事もできて、自分をしっかりと生きている感じだった。
真逆のタイプである華との間で、揺れ動く伊藤君の気持ちもよくわかる。
3人がそれぞれの目線でストーリーが進んでいく手法はよかったと思う。
「ヒトってさ、自分にとって都合が悪いものを変だっていうんだよ」
ともち -
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グリフィスの傷とは…
見えない傷のこと。
p115
ガラスは仕方がないからって言った。
ガラスは本当はとても頑丈だけど、目に見えない傷がたくさんついていって、何か衝撃を受けた時に割れてしまうものだって。あなたが割ったように見えるけど、いままでの傷が積み重なった結果だから気にしなくていいのって。そういう目に見えない傷のことをグリフィスの傷っていうんだって教えてくれた
傷に関するお話。
どれも
身体の傷や心の傷、他人には、自分の痛みは正確には伝わらない。計り知れない痛さを想像できればいいけれど、文中にもあるように、人は他人の痛みには鈍感だ。
竜舌蘭のお話は、印象的。
国語の教科書にのらないか -
Posted by ブクログ
「傷」がテーマの短編集。
短編でも更に短い短編だった。
けれど、それぞれの中に、重くて深い長編が綴られていた。
竜舌蘭の棘だったり、リスカだったり、不慮の事故、犯罪被害などなど、体に付いた様々な傷。
刺青のように、自ら傷をつける人もいる。
見た目は分からなくなった傷跡も、心の中に小さな、あるいは深い傷を残しながらいつまでも引きずるだろう。
一度、傷をつけたら、そのことはなかったことにはならない。
「竜舌蘭」「この世のすべての」「からたちの」
は、胸がチリチリ痛んで、読んでいて辛かった。
「結露」「林檎のしるし」「慈雨」「まぶたの光」
は、読み終えて、何だか温かい気持ちになった。
「指の