千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白かった…というか、興味深い!
それぞれの視点を別の人が描く-そりゃ面白いよ。だって実際別の人間のぶつかり合いなんだもん。
しかも。偶然にも自分が風邪ひいて寝込んでいる時に読んでしまったもんだから、第三回で感情が一気に乗ってしまった。
もちろん福側の言い分には首もげそうな程同意してしまうし、大輔の思考パターンには何か新しいものを感じてしまう…。
このタイミングで手に取ったのは運命だったのかも。
犬も食わないんだよね。分かってる。
期待するからこの気持ちになるって事も分かってる。だいぶ手放せてきたつもりだけど、今回寝込んでまた同じ気持ちになったのでまだまだだ。でも、それすらなくな -
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/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
いや〜、面白かったです。
女から目を引き剥がす、、など、引き込まれる描写や、表現が多く、ほんと、女たちの世界に引き摺り込まれるような感じでした。
連作短編集ですが、じっくり、読んで、想像力をフルに発揮しないと、繋がりがわからない感じでした。
欲とか、性とか、そんなものを、とても近くに感じて、ドロっとした、重くて、深いものに触れたような読後感でした。ほんと、なかなかに面白かったです。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/
温室の友情で登場する女性たちの人生と、そこに関係する人たちの生き方を描いています。
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Posted by ブクログ
出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうでお腹が空いたし、食事にもっと集中して食を大切にしようと思った。
私は好きな作家のひとりに千早茜を挙げるが、好きな所のひとつに「食べ物の描写が異様に上手い」というのがある。どの作品でも読むとお腹が空いたり、作中に出てきたものを自分も食べたくなる。きっと美味しいものをたくさんご存知なのだろうと思っていたが、食に対する意識が私と全然違った。目の前にあるものを五感でまるっと体験し、それらをメモすることで経験値として蓄積している。彼女の文章には普段の積み重ねが遺憾無く発揮されているのだろう。
そんな『ちはやん』の胃の合う相棒『新井どん』こと新井見枝香という人の -
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恥ずかしながら「ひきなみ」という言葉を知らずに読んだのですが、この言葉の綺麗なところは、「引いていった波」ではなくて「船/私が引いた波」だというところだと思った。
周りの流れに揉まれてもがく少女期は、船の下で唸る激しい波と光しか見えず、大人になるとその果てのまっすぐ現在地につながる軌跡が見える。その物語の構図と波の情景の重なりが見事だった。
葉と真以の物語は、いい意味でとてもシステマチックというか、千早茜さんの伝えたいこと=骨組みにあまりに綺麗に肉付けされていて、構成としても感嘆させられる。
千早茜さんの作品において、物語の核となるものを通して描かれていく人生の軌跡、そのさなかの揺らぎ、その -
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ネタバレそのタイトル通り3人の人物の目線でそれぞれ物語が進んでいく。
章ごとに主人公が代わるので、3人のそれぞれのキャラクターや考えていることがより深く読者に伝わりやすくなっていた。
例えば伊東くんが主人公の章でも高村さんのその時考えていることが容易に想像出来るような構造だ。
三角関係の話かと思いきや安易に想像するような三角関係ではなく、この後どうなるのだろうと読み進む手が止まらなかった。
どこかほっこりとするようなそんな物語だった。
重ねてこの本を読んでいると食事シーンや繊細な食べ物の描写が多く、酷くお腹が空いてしまった。
空腹時に読むのは注意な本。 -
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夢のような感じがした。私もクローゼットの中で小さい頃遊んでいた記憶があって、服も好きで刺繍とかレースとか美しくてすき。
そんな話は置いといて、お話としては幼い頃に受けた事によって男性が苦手な纏子、男性ではあるが女性服を着ることを好む芳。
お互い辛い過去を持ちつつ、芳はデパートのカフェ店員、纏子は補修士という全く違う職業の関わりのなかった2人がデパートの展示、美術館を通して関わりを持つ。そしてお互いに1歩踏み出せるようになっていく。本当になんか最後の展開が結構急だったけどなんとかなってよかった。
ちょこちょこあんまり服の専門用語に得意ではなくて調べたりもしたから少し読みずらかったけど、私は結構す -
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あまりにもよかった。葉が真以に裏切られたと思う気持ちや会社の話が苦しくて苦しくて、体が痛くなった。そして、葉の優しさがあったかくて甘酸っぱくて心がきらめいてしまう。私も真以に助けてほしい、と思ってしまうほど猫のような真以に縋りたくなる気持ちになった。どんどん葉の気持ちにリンクしていく。
「女」というくくりでの嘲笑や理不尽は憎い。母の実家に行くと女の人たちだけが台所を出入りして料理を準備することはたしかにある。昔はそれでよかったのかもしれない。仕事は男、家事育児は女。そして女の人を支える家族も多かったのでは。核家族化したことで女の人が育児や家事に加えて社会に出ることも求められるようになって、色