千早茜のレビュー一覧

  • 魚神

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    千早茜さんのデビュー作『魚神』

    とても綺麗な御伽噺でした。
    遊廓という舞台が個人的に好きなのですが、さらに千早茜さんの美しい文章で読めたので至福の時間でした。

    お互いがお互いを恐れているっていうのが悲しい。
    相手に失望されたくないとか、そういう想いだからだろうか。
    白亜スケキヨも、別れた後お互い苦労してるからこそ、尚更お互いを求めるはずなのに...

    悲しいお話しでした。
    悲しく、美しいお話でした。

    蓮沼個人的に好きですよ...。
    蓼原も、いつ裏切るかと思ってたんですが、ずっと白亜とスケキヨを見守ってくれて良かった...涙

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    2025年04月16日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    めちゃめちゃ面白かった…というか、興味深い!
    それぞれの視点を別の人が描く-そりゃ面白いよ。だって実際別の人間のぶつかり合いなんだもん。
    しかも。偶然にも自分が風邪ひいて寝込んでいる時に読んでしまったもんだから、第三回で感情が一気に乗ってしまった。
    もちろん福側の言い分には首もげそうな程同意してしまうし、大輔の思考パターンには何か新しいものを感じてしまう…。
    このタイミングで手に取ったのは運命だったのかも。

    犬も食わないんだよね。分かってる。
    期待するからこの気持ちになるって事も分かってる。だいぶ手放せてきたつもりだけど、今回寝込んでまた同じ気持ちになったのでまだまだだ。でも、それすらなくな

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    2025年04月13日
  • 正しい女たち

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    /_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
     
    いや〜、面白かったです。

    女から目を引き剥がす、、など、引き込まれる描写や、表現が多く、ほんと、女たちの世界に引き摺り込まれるような感じでした。

    連作短編集ですが、じっくり、読んで、想像力をフルに発揮しないと、繋がりがわからない感じでした。

    欲とか、性とか、そんなものを、とても近くに感じて、ドロっとした、重くて、深いものに触れたような読後感でした。ほんと、なかなかに面白かったです。


    /_/ あらすじ _/_/_/_/_/

    温室の友情で登場する女性たちの人生と、そこに関係する人たちの生き方を描いています。

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    2025年04月09日
  • 桜の首飾り

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    桜を介して揺れ動く心を描いた7つの短編集。

    千早さんの作品は心にすっと染み込んできて、
    心地よく読み進めてるつもりでいながら胸がざわざわする。
    自分と同じ状況の登場人物はほとんどいないのに、今自分が欲しかった言葉を不意に言われ、ドキッとさせられる。
    そんな心地よさと怖さを描ける作家さんだからこそ、雄大さと儚さを併せ持つ桜と相性が良いのだと思う。

    心情とリンクする桜の色んな姿を満喫できたのも、
    千早さんの繊細な季節の描写に没頭できたのもとても良かった。

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    2025年04月06日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうでお腹が空いたし、食事にもっと集中して食を大切にしようと思った。

    私は好きな作家のひとりに千早茜を挙げるが、好きな所のひとつに「食べ物の描写が異様に上手い」というのがある。どの作品でも読むとお腹が空いたり、作中に出てきたものを自分も食べたくなる。きっと美味しいものをたくさんご存知なのだろうと思っていたが、食に対する意識が私と全然違った。目の前にあるものを五感でまるっと体験し、それらをメモすることで経験値として蓄積している。彼女の文章には普段の積み重ねが遺憾無く発揮されているのだろう。

    そんな『ちはやん』の胃の合う相棒『新井どん』こと新井見枝香という人の

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    2025年04月07日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    パティシエである私の為に母が送ってくれた本。
    ちょうどブランクに陥っていて頑張れていない時期に送られてきてなんていうタイミングなんだろうという思い出が。母とは離れていてもなんとなくで娘の気持ちが分かるのだろうか…。

    本の中に登場する想像しただけで美しいデザート達と主人公やその周りのパティシエ達の熱心さに救われたなぁ。

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    2025年04月05日
  • 透明な夜の香り

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    儚くて、危うい美しさをはらんだピュアなラブストーリー。

    不思議な引力に吸い込まれたように、物語に惹き込まれて目が離せなかった。春に差す優しい光のように、儚くて美しいお話。
    心が浄われるような読書体験。できるならもっとずっと、この物語の世界に浸っていたい。
    出会えて良かったと心から思える一冊。

    「永遠」という言葉の美しさと残酷さに思いを馳せてみるけれど、永遠を体験したことのない私は変わらない幸せを求めてしまう。

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    2025年10月19日
  • ひきなみ

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    恥ずかしながら「ひきなみ」という言葉を知らずに読んだのですが、この言葉の綺麗なところは、「引いていった波」ではなくて「船/私が引いた波」だというところだと思った。
    周りの流れに揉まれてもがく少女期は、船の下で唸る激しい波と光しか見えず、大人になるとその果てのまっすぐ現在地につながる軌跡が見える。その物語の構図と波の情景の重なりが見事だった。
    葉と真以の物語は、いい意味でとてもシステマチックというか、千早茜さんの伝えたいこと=骨組みにあまりに綺麗に肉付けされていて、構成としても感嘆させられる。

    千早茜さんの作品において、物語の核となるものを通して描かれていく人生の軌跡、そのさなかの揺らぎ、その

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    2025年03月27日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    ものすごく良かった!!!食べものにまつわるエッセイを、また読み返すだろうなって思えたのは初めてかもしれない。美味しいものを美味しいねって言い合える人に贈りたくなる本。

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    2025年03月24日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    ネタバレ

    西洋童話をベースにして、しっかりとジャパニーズホラー(?)な感じに仕上げられてる…!
    もう、全体的にくらーーーーい感じではあるし、しんどいけど、後引く感じではないかな…と。
    濃紺な世界が広がってます

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    2025年03月22日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    ネタバレ

    うまーーーーいし、こんな感じでご飯食べられる相手がいるってめっちゃいいな!!
    うまい、うまいって言葉だけ交わしてご飯食べられる環境、めっちゃいい!

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    2025年03月20日
  • 雷と走る

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    ネタバレ

    とらぁぁぁあ!大型犬なのかな、あ、いや、なんか犬種書いてあったな最後の方に…。
    心細い生活で自分と家族を守ってくれる無償の愛に近い虎達との関係、いいなと思います。
    というか、表紙の絵が綺麗すぎる!!

    後に、胃が合う二人を読んで、千早さんの幼少期の頃を元にしてるんだと分かってまた好きになった

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    2025年03月20日
  • さんかく

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    ネタバレ

    そのタイトル通り3人の人物の目線でそれぞれ物語が進んでいく。
    章ごとに主人公が代わるので、3人のそれぞれのキャラクターや考えていることがより深く読者に伝わりやすくなっていた。
    例えば伊東くんが主人公の章でも高村さんのその時考えていることが容易に想像出来るような構造だ。
    三角関係の話かと思いきや安易に想像するような三角関係ではなく、この後どうなるのだろうと読み進む手が止まらなかった。
    どこかほっこりとするようなそんな物語だった。
    重ねてこの本を読んでいると食事シーンや繊細な食べ物の描写が多く、酷くお腹が空いてしまった。
    空腹時に読むのは注意な本。

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    2025年03月17日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    装丁も可愛くて読む前から好みな予感はしてたけど予想的中!どんどん引き込まれて何も突っかかってくるものがなかった。もちろん知らないファッション用語が出てきて調べたりはしたけれど、ストーリーも登場人物たちの心理描写もすんなり入ってきた。
    そして舞台のモデルとなったという京都服飾文化研究財団への興味が沸々と。当該財団の筒井さんと千早さんの対談の中での筒井さんの印象的だったセリフ“美しい創作物が人の正気を保つ”。先般六本木の森美術館で行われたルイーズ・ブルジョワ展の中でも“芸術は正気を保証する”というフレーズが出てきたのが重なった。

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    2025年03月16日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    夢のような感じがした。私もクローゼットの中で小さい頃遊んでいた記憶があって、服も好きで刺繍とかレースとか美しくてすき。
    そんな話は置いといて、お話としては幼い頃に受けた事によって男性が苦手な纏子、男性ではあるが女性服を着ることを好む芳。
    お互い辛い過去を持ちつつ、芳はデパートのカフェ店員、纏子は補修士という全く違う職業の関わりのなかった2人がデパートの展示、美術館を通して関わりを持つ。そしてお互いに1歩踏み出せるようになっていく。本当になんか最後の展開が結構急だったけどなんとかなってよかった。
    ちょこちょこあんまり服の専門用語に得意ではなくて調べたりもしたから少し読みずらかったけど、私は結構す

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    2025年03月14日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    同じ出来事や食べたものを、2人の視点から描いた往復エッセイ。

    思った以上に深く濃い内容のエッセイで、とても読み応えがあった。
    出てくる食べ物が美味しそうなのは言わずもがな、それを味わうというか、もはや食らうかのような2人の描写が野生的で本能的で、気持ちいいくらいだった。
    食にここまで真摯に向き合う姿勢にも感服。

    また、食べものの話だけでない、2人の人との付き合い方や人生観みたいなものもたくさん書かれていて、とてもおもしろかった。
    唯一無二の2人の関係がカッコイイ!

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    2025年03月14日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    すぐに怒っちゃう福に共感できるような、言葉足らずの大輔にも共感できるような、それでいて自分の恋愛とも全く違うような、、、。共感と客観の間で2人の恋愛を面白く読むことができました。他弁で死ぬほど笑いました。

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    2025年03月10日
  • 雷と走る

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    大きな愛と、抑えきれない強さで守ってくれる虎と、
    それに応えられず後悔している女の子の話。
    ペットを飼う前に読んで欲しい本かもしれない。

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    2025年03月10日
  • ひきなみ

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    あまりにもよかった。葉が真以に裏切られたと思う気持ちや会社の話が苦しくて苦しくて、体が痛くなった。そして、葉の優しさがあったかくて甘酸っぱくて心がきらめいてしまう。私も真以に助けてほしい、と思ってしまうほど猫のような真以に縋りたくなる気持ちになった。どんどん葉の気持ちにリンクしていく。

    「女」というくくりでの嘲笑や理不尽は憎い。母の実家に行くと女の人たちだけが台所を出入りして料理を準備することはたしかにある。昔はそれでよかったのかもしれない。仕事は男、家事育児は女。そして女の人を支える家族も多かったのでは。核家族化したことで女の人が育児や家事に加えて社会に出ることも求められるようになって、色

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    2025年03月06日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    おもしろい。なんか好き

    文庫化記念ロング対談にあったように、大輔と福のMCバトルって感じだった。特に大きな事件があるわけではないけど、その辺にいそうな2人のそれぞれの言い分と視点を描いていた。

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    2025年02月27日