千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「私は変わったんじゃない。変えられたのだと思いたいのだ。傷つけられたのだと。今はもう傷しか残っていないから、何度も何度も自分でかさぶたをはがし、痛みと見えない血が流れるのを感じて、あの人のつけた傷を確認していたいのだ。」
私が帯に選ぶならこのフレーズ。
あらすじを見たときは、そんな歳の離れた人を好きになるなんて、、って思ってたけど、読んでみると不思議と藤子の気持ちがイメージできる。確かに全さんにはどうしてかわからないけど、惹かれてしまう。
全体の描写として、生と死とか、若さと老いとか、藤子の食の描写とか、対比として描かれてたんだなと、文章の構成がすごいなと感じる。
手元に置いておきたい -
Posted by ブクログ
千早茜の本はわりと音がしなくて、静謐な感じがする。あと、後書きでも金原さんも言ってたけれど、粉を練って肉まんとか餃子を作るシーンが美味しそう。
第1話 桐原まりえは森崎と離婚届を提出。香水屋さんに寄って香水を選ぶ。マリエと名づけられた薔薇のものを選ぶ。私の幸も不幸も私が決める。
第2話 中学の時の友達ササキユキコちゃんが亡くなったらしい。尊先輩は離婚した。
第3話 新年の朝は快晴だった。お雑煮を自分のためだけに作る。クリスマスには離婚祝いで尊先輩と婚活中の観月台先輩と飲んだ。
第4話 森崎のお母さんから手紙が来た。離婚後3ヶ月。なんとなく放置していたが、地震が来たので読んだ。観月台先輩 -
Posted by ブクログ
こんな歳の差カップル、前まではなんで付き合ってるのか分からない、本当にそこに愛はあるのかって疑問に思ってたけど、この本を通して色んな恋愛の形があるんだなって思った。
主人公は20歳だけど、相手が30歳も年上なため、すごく大人な恋愛をしていた気がする。恋愛の明るくてハッピーな要素はあまり無く、全さんの写真の特徴でもある、影のような暗くてグロテスクな部分が所々垣間見えた。
藤子が全さんとの恋愛にどっぷりのめり込みすぎて友達との世界とか大学の世界にうまく入り込めなくなっていっちゃうところも、藤子のまだ幼い部分をリアルに描写しているなと思った。
恋愛の話ではあったが、すごくずっしりしていて、「当たり前 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ生々しく濃密で、じっとりと重い余韻が残る本。
30歳も歳の離れた男性、しかも全さんみたいな容姿の男性を好きになることは絶対にないから藤子に共感はできない。できないのに、いつのまにか惹かれてやまない様子だったり触れたいって思う瞬間だったり、酔っ払ってクダ巻いてしまったり、捨てられたときの虚無感や絶望感は痛いくらいに刺さってしまって心えぐられた。
全さんのそこはかとない色気や根底にある人間としての温かみ、写真家としての才能。たしかにこういう男性って実際存在しそうだし好きになったら破滅だな…などと思った。
食と性ってよく同一で語られるけど、よりこの作品でそれを感じた。出てくる食べ物が美味しそうで、お