千早茜のレビュー一覧

  • 男ともだち

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     千早茜さんの書く小説は、人間の醜さと不完全さが生々しく描かれていて、まるで誰かの人生を覗いてるみたいに思える。
     本作「男ともだち」では、神名とハセオの関係性は形容し難く、恋人でもなければ男友達と言うにも距離が近すぎる。だが読み進めるうちに、これは男ともだち以外には言い表せない関係なんだと気付いた。
     最高の1冊だった。

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    2026年02月03日
  • マリエ

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    表現がうつくしい。

    私も離婚した身なので、わかるなあって思うところがちらほら。
    「知ってる関係におきかえなくてもいいのよ。どんな人との関係も初めてのものなんだから」
    この言葉が、可能性に満ち溢れていて、すてきだと思った。

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    2026年02月02日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    洋菓子をテーマにした甘いだけの作品かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。
    甘美で少しほろ苦く、時々どきっとするほど官能的な大人のための連作短編集です。男女問わず、スイーツ好きな大人の方にぜひおすすめしたい一冊でした。

    特に印象深かったのが、作中で語られる「クリームの科学」についての表現です。クリームは、二つ以上の脂肪球がぶつかり、溶け合い、繋がってこそ、ツノが立つような理想的な形になる。けれど、混ぜすぎると崩壊してしまう。
    夫婦関係はもちろん、様々な人間関係に当てはまる深い比喩だと感じました。お互いを知ろうとしなければ一緒にはいられない。でも他人だから、完全に一緒にはなれないし、そ

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    2026年02月02日
  • 透明な夜の香り

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    抑揚のない語り口なのに、なぜか読む手が止まらない。
    読み終わったあと、夜の静けさが残るような一冊。
    主人公に感情移入してちょっと泣いちゃったシーンもあった。
    初めての千早さんの作品だった。他の作品も読みたい。

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    2026年02月02日
  • ひきなみ

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    ネタバレ

    またまたまたまた、千早茜さん。
    父親が精神を病んでいるため、瀬戸内海の小さな島に住む祖父母に預けられることになった葉。古い慣習や厳しい祖父になじめなかった葉は、毅然として島の人たちになじもうとしない、真以に憧れ、仲良くなる。でも真以は自分に心を開いているように見えない。でもだんだんと距離が近づき、二人だけの秘密も共有するようになる。
    せっかく近づけたと思ったのに、ある日、真以は何も言わずに島から逃げ出してしまう。真以を連れて行ったのは大人の男(逃亡犯)で、マスコミの格好の餌食となる。責任を感じ、葉は傷つく。

    後半は大人になった葉の物語。大手企業で総合職として働く葉は、傷を抱えたまま一生懸命に

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    2026年02月01日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    人間の業を感じた。石見銀山の史実を元にしながらも女性や山や銀掘の関係を生き生きとそして冷静で深く向き合いながら書いている。
    夜目がきくウメと山師の喜兵衛は蛇の寝ござを始めとして生い茂る草木を見分け天気の変わり目の空気を感じ生命の息吹たる山の地脈と対話しながら銀掘を使っている。それが貨幣経済に頭を支配されて銀を富としか見ない権力者が管理するようになったら。途端に間歩はぽっかりと冷たく暗い口を開け銀掘たちはその闇に飲まれて黒い血を吐き胸を病んでしまう。それでも営みを続ける者たち。銀を生み出すこと、女であること、命を生み出すこと、血が繋がらなくても伝え繋がっていく者たち。
    後半は隼人が血を吐き苦しん

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    2026年02月01日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    ものすごく濃ゆいウメという石見銀山で生きる女性の一生の物語。
    富、権力、愛を求める人間の業が息苦しいほどに色濃く描かれていた。
    四季折々の山の景色、銀を掘る穴の闇、冷たさ、人の肌の温もり、匂い、音など、五感が圧倒された。
    生きること理、いろんな辛いことがありながらも何故生きるのか?何故生きようとするのか?そう問いかけられ、それでも逞しく生きる姿に胸が締め付けられる思いがした。

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    2026年01月30日
  • 透明な夜の香り

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    まず目次がお洒落。
    そんで圧倒的な朔の能力にワクワクさせられる!それ故に真実がわかってしまう苦しさ、普通の人じゃ気付けない感情の揺らぎの種類の多さ…私達は目も耳もそれなりで全部把握してる気でいるけど、本当はなんにも見えてないんだとハッとさせられる!
    香りが本心を開く鍵となるこの洋館と、素直じゃない主にしっかり魅了されました。

    無条件に読んで良かった、もっと朔さんをみてたいと思える良作です。

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    2026年01月30日
  • なみまの わるい食べもの

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    もしかして、千早さんってすごく面白い人なのでは…???
    と思ったわるたべ4作目。

    今までのわるたべや、新井さんとの『胃が合うふたり』を読んで一方的に抱いていた千早さんのイメージは、繊細、冷静沈着、計画的、夜型、芸術家気質、あと神経質(すみません、でもご本人もそう書かれてるので)。そんなイメージの千早さんが新しいご家族に翻弄され、段々と朝型健康サザエさんみたいになっていくのが本作。元々そういう窓があり、ご家族に開かれていく過程が描かれているのではなかろうか。だってディズニーランド・シーへ姪っ子家族と行って、「茜さんがいちばん楽しんでいた」って言われてるくらいだもの。きっとめちゃくちゃ面白い人な

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    2026年01月29日
  • 男ともだち

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    恋愛経験重ねた人にこそ読んでほしい。

    不完全であることを認めた人間が真っ直ぐ生きている小説。

    どんな状況でも捨てては、前には進まないといけなくて。でもそれを見ることだけしてくれる、男ともだちこそが本当の愛なのかもしれない。

    私にもそんな男ともだちがいること思い出された。

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    2026年01月29日
  • 透明な夜の香り

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    □始まり
     目を閉じて
      静かな夜に 香水の
       蓋を開ければ 
        記憶が溢れ
    □結び
     この香り 
      あなたの心に そっと触れ  
       忘れたはずの 
        光に溢れ
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    1. 登場人物
    • 一香(いちか):
    主人公。元書店員の女性。調香師・朔の住む洋館で家政婦として雇われる。

    • 朔(さく):
    天才的な嗅覚を持つ調香師。依頼主の記憶を再現する香水を作る。あまりに鋭すぎる嗅覚ゆえに、静謐な洋館で浮世離れした生活を送っている。
    -----------
    2.あらすじ
    職を失い、家政婦として雇われた一香(いちか)は、無愛想で謎めいた調香師・朔と出会

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    2026年01月27日
  • 透明な夜の香り

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    神秘的で美しい文章&物語の流れに一気に読み込んでしまった。"香り"が織り成す物語。
    途中、朔の気持ちの変化に気づいて読み進めていたので最後の章では少し涙してしまった。

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    2026年01月26日
  • 透明な夜の香り

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    久しぶりに読んでいて心が落ち着く小説を読んだ
    一つ一つの章は、落ち着かない出来事も起きるけれど
    誰かの優しさや哀しさ苦しさを分かろうとする気づく心の動きは穏やかな気持ちにさせてくれる気がする
    友情なのか愛情なのか最後まで私はわからなかったけど、絆がずっと続きますように!

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    2026年01月25日
  • 透明な夜の香り

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    物語全体がほの暗く、ミステリアスな雰囲気を醸し出しているように感じたのは、『香り』がテーマだったからだろうか?
    まだまだ月に何十冊も小説を読めているわけではないけれど、香りと匂いを扱った小説ってありそうで今まで出会ったことがなくて、凄く新鮮だった!天才的な嗅覚を持つ朔が抱える深い孤独、匂いだけでその人の状況や体調の変化が分かってしまうとは…。朔が抱える苦悩がどれだけ壮絶なものか。生理まで分かっちゃうなんてちょっとびっくり。笑 でも朔の持つ淡々とした不思議なオーラには惹かれるのはわかるかも!
    物語序盤は新城の言動の荒さやがさつな感じに一香と同じで私も嫌悪感を抱いたけど、話が進むにつれて意外とムー

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    2026年01月25日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    ウメの生き方がとても格好良く、沢山傷ついてきているのに堂々と生きていこうとする姿が美しくてとても好き。
    また、銀を長い間掘っていると鉱毒に体を蝕まれてしまい長生きする人がほとんどいないことを全く知らなかったので驚いた。

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    2026年01月23日
  • 男ともだち

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    本作品を読んだ第一印象は「気持ち悪い」だった。

    こんな感覚で生きている人がいるとしたら嫌悪するし、自分のパートナーがカンナやハセオのようなことをしているとしたら絶対に許せないだろうと思った。
    だけど読み進めるにつれて、これは自分に似ているのだ、と感じるようになった。

    確かにこんな男女は滅多にいないだろうと思う。
    ごく稀にはいるかもしれないが、少なくとも普通ではない。
    私自身、異性との間に純粋な友情が持てるとも考えにくいし。
    そもそも、「男ともだち」というものが私のトラウマティックな部分に触れる。私は異性との境界に危険を感じてしまうのだ。だから私は普通に男ともだちと言って親しくする人に対して

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    2026年01月23日
  • 男ともだち

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    イラストレーターの神名と、大学生からの男友達のハセオ、夫の彰人、不倫相手の真司の3人の男性との話。

    恋愛や友情の話というよりは、神名という人物が壊れないために選び続けてきた人間関係の話だと感じた。

    神名は誰と寝ても、強い罪悪感や激情に揺さぶられることがない。それは快楽や逃避というよりも、心の奥に沈んだ感情に触れるための行為のように描かれている。
    そのフラットさは、人として成熟しきっているからなのか、あるいは諦めきっているからなのかは明確には示されない。
    ただ、過去に一度深い傷を負った人間が、その後「安定」を最優先に生きてきた結果なのだろうという想像は自然に浮かぶ。

    神名とハセオの関係は、

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    2026年01月23日
  • 男ともだち

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    男ともだちってずるい響きだよね、という言葉。
    それからたくさんの形のない関係性。セックスしてしまうと、終わってしまうような関係。
    複雑な思いもずっと持ったままに生きるのかもしれない。

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    2026年01月22日
  • 男ともだち

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて購入。
    読み始め数分して、自己投影を全然させてこないタイプの主人公だ!と何故か安心しました。
    それくらい自分と言うものを根底で持っていて、でも不器用で乾きがある貪欲な女性と、負けないくらい自分の軸がぶれなさそうな食えない男性が出てきて、普通に恋愛に進んで…とならないのがまた安心。
    異性のともだちだからこその、ドライな気楽さに少しの湿っぽさが絶妙に描かれてるのがすごく良い。

    最後に残るのが恋人でも愛人でもなくて、自分の描きたかった絵での仕事と男ともだちなのが、清々しさもある。
    神名と美穂の対比は、大切だから触れない/触れたの先で、それぞれ別の強かな女になっていくのが印象に残っ

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    2026年01月22日
  • 神様の暇つぶし

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    私は繊細な描写が大好きです。
    一言で表していいのかわからないけど、自分の知っている中での言葉で表現してしまうと、この恋は「依存」とも捉えられました。私には何が恋で何が依存なのか、その境界線も分かりません。どう足掻いても、「女である。」ことから逃げられないことを諭された気持ちになり、少し心が暗いです。いつでも客観視できるようになりたいと思いました。私はこんな恋はしたくありません。
    心締め付けられるお話でした。

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    2026年01月22日