千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヤンジュさんのレビューを読んで面白そうと思ったので読んでみた。
傷には、軽重はあれ、必ずそれが出来るに至ったストーリーがある。自分の身体にも無数の傷がある。それは無数のストーリーがあるということ。まさにヒストリーだ。そして、傷は身体だけでなく心にも。つけたりつけられたり。それらのストーリーをヒストリーにしていくことが「生きる」ことなのかも知れない。そんなことを考えさせられた。
十の短編から成っているが、個人的に一番良かったのは「慈雨」。自分の不注意で子どもに傷をつけてしまった経験が、親なら誰でもあるのではないかな。それを悔やんでいる人ならきっと心にしみる話だと思う。(傷つけた相手が兄弟や友 -
Posted by ブクログ
紺色の声って言葉、頭の中で浮かぶこの"小川朔"という人物像にいちばん調和する表現だなと思った。
それと登場人物がみんな魅力的だった。
働き者で京番茶が好きな源さん、粗野だけど朔のために自分がやれることは何か常に考え行動してる新城、うわべだけの共感はせず自分の中で物事を受け止める一香、鋭すぎる嗅覚に反しぼんやりとして灰色がかった目と紺色の声を持つ小川朔。
朔と一香の、耽美でしたたか、どこかスパイスのような危うさを帯びた関係性が、友情とも恋愛とも言い切れないからこそこの作品の世界観にとてもよく馴染んでいて好き。
永遠はとても甘美な響きだけど、人は忘れるから生きていけるみた -
Posted by ブクログ
前作を読んだ時点で本作は刊行されていたのだけれど、好きな世界観だったこともありこの世界の続きが手元にない状態だとどこか不安で開けずにいた。けれど、次作の燻る骨が刊行するとの情報を見て開くことに。
この世界に足を踏み入れると、心の奥の奥の方が清涼感に包まれる。清涼感というよりかは冷えているというのか。とにかく、不純物が取り除かれて、余計な熱のないまっさらな状態になるような気がする。
主人公が男性に変わったこともあり、この冷たさを味わうことはできないのかと思っていたところでのこれ!これだこれ!と心の内で叫んだ。
そしてやはり小川朔、愛している。変わらない透明感、儚さ、そして芯。軽率に好きになってし