千早茜のレビュー一覧

  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    ネタバレ

    銀山に生きたウメと、彼女を取り巻く男たちの物語。
    山師のもとで男でも女でもないような存在から、女となり妻となり母となり、世の中の奔流に踠きながら必死で生きたウメの一生の物語ではあったのだが、何よりそのとりまく男たちが魅力的な小説だった。ウメの全てだった喜兵衛、喜兵衛の影を宿すウメを包んだ隼人、その隼人の影を宿すウメを包んだ龍。すべてが銀山に飲み込まれ、そして全てが無に帰っていく無情を、美しく描き切った名作であった。

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    2025年09月08日
  • しつこく わるい食べもの

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    私が感じている世界は、私の体を通したものなのだから、体の状態が変われば変わるものなのだ。

    嗅覚の判断は速い。きっと、頭で考えるよりもずっとずっと早く感情を動かす。

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    2025年09月06日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    大好き。尾崎さんも千早さんも好きなので最高~~と思って買った。出てくる男も女もめんどくさ~~~~いけど、やけにリアルで面白かった。
    尾崎さんの言葉選びが、クリープだなあと思うところが何か所かあって、そのたび好きだなあと思った。

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    2025年09月05日
  • グリフィスの傷

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    「傷」がテーマの短編集。
    短編でも更に短い短編だった。
    けれど、それぞれの中に、重くて深い長編が綴られていた。

    竜舌蘭の棘だったり、リスカだったり、不慮の事故、犯罪被害などなど、体に付いた様々な傷。
    刺青のように、自ら傷をつける人もいる。
    見た目は分からなくなった傷跡も、心の中に小さな、あるいは深い傷を残しながらいつまでも引きずるだろう。
    一度、傷をつけたら、そのことはなかったことにはならない。

    「竜舌蘭」「この世のすべての」「からたちの」
    は、胸がチリチリ痛んで、読んでいて辛かった。

    「結露」「林檎のしるし」「慈雨」「まぶたの光」
    は、読み終えて、何だか温かい気持ちになった。

    「指の

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    2025年09月04日
  • グリフィスの傷

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    目を背けたくなるような傷。誰かの傷だったり、私自身の傷だったり。無垢で傷のない人間なんていない。もちろんそれは身体に付く見える傷だけではなく、心無い言葉なんかで心が傷ついてしまうこともある。

    忘れて前に進むことだけが"治癒"じゃない。
    いつかは消えて無くなって忘れてしまうこともあれば、どこまでも(もしかすると一生)この傷と付き合うかもしれない。
    傷と向き合い、折り合いをつけることはその傷の持ち主だけが決めることができる。
    本人だけが癒すことができて、付き合う覚悟を持つことができる。

    ただ、誰もが持っている傷、その癒し方を指南するわけではなく、官能チックで艶やか。
    傷があ

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    2025年09月03日
  • しつこく わるい食べもの

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    千早茜の食にまつわるエッセイ第二弾。
    途中まで楽しく読んでいて、コロナ禍に突入していくところが生々しかった。「しつこく わるい食べもの」を執筆されているときは、2020年4月、あのときだった。
    こうやって書き起こされていると思い出すことがたくさんあるな。記録していくのは大事なことだと思った。

    ところで今回はなんといってもパフェ。
    「パフェが1番エロい。」は最高だった。わたしもパフェとデートしにいこう。

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    2025年08月30日
  • わるい食べもの

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    面白かった〜!
    エッセイ得意じゃないのだが、くどうれいんのエッセイは好きで、もしかして食のエッセイが好きなのかも?と気づいた。

    千早茜、エッセイまで面白いとは本当にお見事。
    とりあえずレモンの蜂蜜漬けをつくりたい。

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    2025年08月30日
  • あとかた

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    恋愛の幸せなところじゃなくて、もっと暗くて難しくて嫌なところをこれでもかっていうくらい突きつけられる。表面上はなんてことない幸せを装ってる人も、みんなこういう気持ちを抱えているのかな。
    人間は難しいし、特に恋愛がやっぱり難しすぎる。

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    2025年08月29日
  • 赤い月の香り

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    「透明な…」続きが有るなら絶対読みたいと思っていました。期待通りの内容に次ぎも書いて欲しいと思います。

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    2025年08月27日
  • 男ともだち

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    ネタバレ

    ハセオが最後まで友達だったことに少し残念と思う反面、安心する気持ちになった。こんな乱れた生活を送ったことがないのに共感できる所があり、没頭して読み進めることができた。

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    2025年08月26日
  • 赤い月の香り

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    「透明な夜の香り」が大好きで、続編も読んでみました。やっぱり、世界観が素敵だなと思いました。
    「俺のことを過敏と言った人は、俺よりもはるかに孤独な世界を生きている人だった」この言葉にとても考えさせられました。

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    2025年08月26日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    クローゼットをきっかけに繋がるお話。
    透明感があって、静けさを感じた。
    繊細に綴られてゆく物語の中で、華やかで煌びやかな服がとても美しかった。
    服にはそれぞれ過去があって、物語がある。着ていた人の人生が服に染み付いていることが心に残った。
    自分の好きな服を追求すると、自信がつくのだと感じた。

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    2025年08月19日
  • 魚神

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    10年以上前に読んだことがあり、好きな世界観だったことを覚えていた。再読し、その感想は変わらなかった。読後の余韻がなんとも言えないほど素晴らしい。風景や心情の描写が美しい。

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    2025年08月17日
  • しつこく わるい食べもの

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    食のエッセイなのに、何度も感情がこみ上げてきて涙が出そうになった。
    千早さんの小説とはまた違った、食や日常に対するまっすぐな想いに心打たれた。
    何度も読み返したい作品です。「わるい食べもの」シリーズを読むのは初めてだがこの第二弾を最初に読んでしまったので、他シリーズも読むたいです。

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    2025年08月12日
  • なみまの わるい食べもの

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    わるたべ最新巻。
    直木賞受賞、再婚、小さな家族との同居と変化の多い巻。そしてコロナが徐々に開けて旅行の話も増えてくる。人によって拘りや好き嫌いがあるのは当然。この巻も楽しく読みました。
    お桃さま、冷蔵庫の卵、姫と騎士修行(あのカタカナを理解できるの、すごい笑)、初めての、が特に好き。

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    2025年08月11日
  • 私の身体を生きる

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    女性作家、芸術家たちの生と性、身体をテーマにしたエッセイ集
    自分も漠然と感じてた「女性であること」への違和感、敵対心、恐怖、いろんな言い尽くせない気持ちをそれぞれの人が言語化してくれるよう
    現代日本で高らかに女性讃歌を謳うのは難しいことを痛感する
    それでも次代はと願いたい

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    2025年08月10日
  • 赤い月の香り

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    ネタバレ

    めっ
    ちゃ
    よかったです。

    絶対にハードカバーで綺麗な状態の本を本屋で購入したくて
    何件もまわってやっと購入することが出来ました。

    源さんってこんなに可愛いんですね!
    朔さんも男相手だから?前作よりちょっと強くなってていい感じでした笑

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    2025年08月04日
  • ガーデン

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    植物の様子が頭に浮かぶ描写。やっぱり千早さんの作品は引き込まれる。

    羽野は周囲から一線を引いて、気付かされる。

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    2025年08月04日
  • あとかた

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    ネタバレ

    作者読み3作品めだけどやっぱり、言葉選びが本当に良い、素敵。あと、キャラクターも。
    物語の中で関連しあった人達の作品集だったけど、最後まで黒崎が謎だったなあ。詳しく語らない方が美しいんだろうけど、過去や考え方、その時思ってたこと、知りたかったなあ全部の物語は違う人達の話だったけど、人がなにか遺したい、と思う気持ちっていうのがメインにあったのかな?子供だって、妻だって所詮他人って考え方、薄情でもあるし気楽な考え方だなと思った。
    「ゆびわ」の話、最後は本当のさようならってことなのかな、明美が泣きじゃくってた描写すごく切なくて良かった

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    2025年08月03日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    ネタバレ

    千早茜さんの「西洋菓子プティ・フール」読んだ
    やっぱ言葉の表現が素敵〜千早さんのお菓子の味とか見た目の表現が素晴らしすぎて、読む度に今すぐにでも近くのケーキ屋さんにケーキを買いに行こうとしてた。お菓子の話の他にも恋愛も絡んできてて、スミ、祐介、ミナの一方通行なな恋心、愛が切ない部分もあった。(あと過食嘔吐の人もか、、)面白かったー、ナミとすみたかくんは結ばれるのだろーか。すみたかくんはパリへ行って、すっぱり亜樹を諦められるだろーか。色々気になる所はあるけどそれぞれ、前に進んで歩いててかっこよかった。でもお菓子の表現は最高だったけど書かれたのが2014年って言うのもあって、服とかネイルのセンスみ

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    2025年08月03日