千早茜のレビュー一覧
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「人とかかわるとき、まず意識してしまうのが加害であり、どうしても自分の加害性が出てくると思っている。特に顕著なのは恋愛な気がする。イライラして心ない言葉をぶつけたり、束縛したり、嫉妬してしまったり。」、「愛情と加害は結びついてくるもの。」、「愛情という名目が絡むと、暴力すら正当化されてしまうことがある。」本作は加害をふまえながら考えたのが、「正しい執着のかたち」辿り着いた答えは赦し。相手を責めないことなのだろうか?考えがまとまらない。しかし、香りの感じ方は人それぞれであるように、答えは一つではないのだろう。終わりのインタビューを読んで、前作もあわせて読みなおそうと思った。
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Posted by ブクログ
今まで読んだ本の中で、これはすごく余韻が残る作品だった。
どの冒頭の描写も独特な雰囲気から展開される10の傷をテーマにした短編からなる。
その中で特に印象に残ったのが、あおたんと指の記憶で、他の話があるから、特にこの2つの物語が際だっていた話だった。
あおたんは、不幸な生い立ちから容姿を捨てて、亡くなったおっちゃんを心の支えに健気に生きていく主人公の生き様が凄く心に刺さった。
もう一つ、指の記憶は、この話が一番生々しく心理的に嫌な描写があるが、主人公ではないが、嫌われ者の千田さんの生き様が心情的に心に残った作品だった。
ぜひ他の人にも読んでほしいと思った1作です。 -
Posted by ブクログ
二股や不倫は絶対ダメ。そこの部分を勿論除いてだけど、私はハセオみたいな人に惹かれる。
歳を重ねるにつれ減っていく男ともだち。
でもこれを読んで不意に思い出した人が1人いた。ふらっと連絡が来て買い物行ったり鍋パしたり。2人で過ごしても身体の関係だけは決して重ねない。
数年に一度連絡を取るような、この距離感が居心地良い。そんな関係。
その彼を思い出し、無意識に重ねながら物語を読んでいた。
もし彼が、ハセオみたいに無意識の優しさで包み込んでくれる人だったら、私はきっと好きになっていた。
ハセオみたいな男性に惹かれる女性は多い気がする。賛否分かれるかもだけど私には沼でた。 -
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凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
性に関する体験を -
Posted by ブクログ
祖母に預けられ瀬戸内の島で暮らすことになった小学生の女の子、葉と、その島で血を理由に差別されてしまっていた女の子、真以の話。
物語は小学生の頃の2人と、大人になった2人という2つの時系列で語られる。
初めの時系列では、大人に翻弄されながらも子供らしく純粋に生きる時間や人間関係が綺麗な言葉で描写される。
「約束するのは信じていないみたいだから」
「海を見慣れるように、一人でいることにも慣れるんだ」
「戻るという言葉がしっくりくることに気がついた。でも、喜ぶことも悲しむこともできない」
「凪いだ海のような起伏のない時間は、胸を騒がせることもなくゆるゆると過ぎていって、それはそれで楽でもあった」 -
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シンデレラや白雪姫などの童話を現代の人間にしたらどんな残酷で苦しい世界なのか。
かといって無理にグリム童話っぽくするわけではなく、まるで振り返ったらシンデレラみたいねっていう皮肉に落ち着くような甘美だけど残酷な物語。
個人的にはヘンゼルとグレーテル、白雪姫が好きです。
純粋無垢な子供たちが邪悪な大人に騙されて…でも最後にはヘンゼルとグレーテルは悪い魔女を倒して。現代でそれが一体何とされるのか。
白雪姫も、毒林檎を食べてしまう白雪姫は実は黒い笑みを浮かべる恐ろしい女だったかもしれないと思えるようなゾクッと感。
だけどもどこか現代女性のひとつの考え方として腑に落ちるような言葉の使い方がさすが千早茜 -
Posted by ブクログ
千早茜の本はわりと音がしなくて、静謐な感じがする。あと、後書きでも金原さんも言ってたけれど、粉を練って肉まんとか餃子を作るシーンが美味しそう。
第1話 桐原まりえは森崎と離婚届を提出。香水屋さんに寄って香水を選ぶ。マリエと名づけられた薔薇のものを選ぶ。私の幸も不幸も私が決める。
第2話 中学の時の友達ササキユキコちゃんが亡くなったらしい。尊先輩は離婚した。
第3話 新年の朝は快晴だった。お雑煮を自分のためだけに作る。クリスマスには離婚祝いで尊先輩と婚活中の観月台先輩と飲んだ。
第4話 森崎のお母さんから手紙が来た。離婚後3ヶ月。なんとなく放置していたが、地震が来たので読んだ。観月台先輩 -