千早茜のレビュー一覧

  • 赤い月の香り

    Posted by ブクログ

    前作を読んだ時点で本作は刊行されていたのだけれど、好きな世界観だったこともありこの世界の続きが手元にない状態だとどこか不安で開けずにいた。けれど、次作の燻る骨が刊行するとの情報を見て開くことに。
    この世界に足を踏み入れると、心の奥の奥の方が清涼感に包まれる。清涼感というよりかは冷えているというのか。とにかく、不純物が取り除かれて、余計な熱のないまっさらな状態になるような気がする。
    主人公が男性に変わったこともあり、この冷たさを味わうことはできないのかと思っていたところでのこれ!これだこれ!と心の内で叫んだ。
    そしてやはり小川朔、愛している。変わらない透明感、儚さ、そして芯。軽率に好きになってし

    0
    2026年02月22日
  • 赤い月の香り

    Posted by ブクログ

    千早茜さんの作品は、ストーリー展開を追うためではなく、ただただ文章と表現を楽しむためにある気がする
    何気に、小川朔の指示するレシピや料理、ハーブティーの描写がいちばん好きかも

    前作を再読したくなった

    0
    2026年02月22日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    実写化されるなら喜兵衛は鈴木亮平だなと思う。
    石見銀山に行きたくなる。
    石見銀山の歴史を学びたくなる。
    今まで興味もなかった場所に思い焦がれるような本に出会えてよかった。

    0
    2026年02月22日
  • なみまの わるい食べもの

    Posted by ブクログ

    好きなものを好きなように食べている千早さん。食べ物に貪欲でとにかく自分の好きなものを大事にされている。千早さんのこのわるたべシリーズを読んでいるといかに自分が適当に食事をし、情熱も持たずにながら食いをして無駄なカロリー摂取をしているんだと感じる。いかんいかん。もっと食べ物に貪欲にならねば。

    0
    2026年02月20日
  • 赤い月の香り

    Posted by ブクログ

    透明な夜の香りに続く物語。
    "赤い月の香り"っというタイトルの伏線回収が基盤にあり
    透明な夜の香りと同様様々な理由を持つ依頼者との出逢い。
    ただ今回の依頼者はどこか朝倉満の過去と間接的に繋がる部分があり
    特に持田くんと橘さんの依頼理由とその後の未来は印象深い。
    何より小川朔と朝倉満の繋がりには驚かされた。
    透明な夜の香りから赤い月の香りまで
    2冊に渡っての長編小説を読み
    これが千早茜ワールドなのかと...。
    儚くて壊れてしまいそうなのに強くて、美しくて、温かい世界観。
    前作の一花ちゃんとは対照的な朝倉満も守ってあげたくなるほど愛着が湧いた。

    0
    2026年02月17日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夜目が効く、貧しい百姓の生まれの少女ウメの壮絶な人生を描く。
    千早茜さんの作品を読むのは、「透明な夜の香り」に続き二作目。個人的に抱いている文章の印象は、ほの暗く淡々としているというものだが、話の展開が巧みで、つい先が気になってしまう。
    今作はその静かな文章で描ききられた激動の人生、特に何に縋って生きていくのか、という熱いテーマが深く胸をうった。
    「透明な夜の香り」があんまりささらなかったな〜という人にもぜひ読んでみて欲しい。おすすめである。

    0
    2026年02月16日
  • 赤い月の香り

    Posted by ブクログ

    『透明の香り』に続く香りシリーズ。

    調香師の『小川朔』が、今回の主人公によって、
    過去の顔を知る事になりました。
    タイトルの『赤い…』は血を思い起こす”怒り”をイメージさせる話になっていて、前回の『透明の香り』の作品とは対照的な感情の演出でした。

    主人公の時折動く感情に、終始ハラハラしながら読みました。
    母親の残像の真実が、希望になって、今後は安心して読み進められる登場人物であって欲しいです。

    2026年4月に続く『燻る骨の香り』の出版が楽しみです。

    0
    2026年03月05日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    銀山で生計を立てていく人々の死と隣り合わせの生活を『ウメ』という主人公の女性を通して描かれた人生の物語です。

    幼い頃に、両親と逸れ、遭難の中に出会った銀山の大男が、この少女の命を救います。幼い少女は、両親と落ち合うという希望も失いながら厳しい環境の中、逞しくなっていきます。口に出さない人としての優しさや包容力、また、本来の助け合いについてどんな物か感じさせてくれます。

    ウメの様に切り替える逞しさって、現実的に今の時代必要かもしれませんね。

    0
    2026年02月14日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

    でも、そんななくてもいいものにあたしは今まで生かされてきた。それがあたしを強くしてくれた。あたしにはあただけの世界があって、そのおかげで今こうして立っている。?自分を卑下しても、自分が好きになったものを否定しちゃダメだ。っていうミナのセリフだいすき

    0
    2026年02月11日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    当時の銀山を取り巻く文化や人間模様は、なにか異世界に近い感覚でその世界に引き込まれしまう。その舞台で主人公に起こる数奇な運命は、決して綺麗な絵空事ではない圧倒的な現実感がある。襲いかかる過酷な現実に、立ち向かうというよりただただ持ち堪えている様な危うさが、彼女を含めた当時の人達全てに在って、それが繊細な文章で伝わってくる。命の尊さとかそんな事を考える余裕は今だからできる贅沢なんだと思わされる。

    0
    2026年02月09日
  • 眠れない夜のために

    Posted by ブクログ

    眠れない夜を題材とした短編集。
    これは読まねばと、ある意味使命感にも似た気持ちで1時間程で読み終えてしまった。
    西淑さんの美しい挿絵が静寂さと深みのある夜を連想させて想像がより形となって浮かんだ。
    夜といっても深みのある夜や明けていく夜、物語によって現実の時間帯に合わせて改めて読んでみたいと思った。
    幻想的な物語のように感じるものでもどこか現実味もあり
    あめ、寝息の2つが特に印象深かった。
    寝息の"夜の底の黄金"っという表現がとても美しくて温かくて
    物語自体は静寂な愛と幸福に包まれているように感じた。

    0
    2026年02月07日
  • グリフィスの傷

    Posted by ブクログ

    傷を題材とした短編集。
    傷と言っても様々な傷の形があり、そしてストーリーがあるということを改めて感じた。
    グリフィスの傷、からたちの、慈雨の3つが特に印象深かった。
    その中でも本のタイトルにもなっているグリフィスの傷。
    目に見えない傷のことをグリフィスの傷ということを初めて知った。
    "その見えない傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます。"っという一文が
    涙が溢れてしまいそうになるくらい心に触れて、刺さった。

    0
    2026年02月07日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

     千早茜さんの書く小説は、人間の醜さと不完全さが生々しく描かれていて、まるで誰かの人生を覗いてるみたいに思える。
     本作「男ともだち」では、神名とハセオの関係性は形容し難く、恋人でもなければ男友達と言うにも距離が近すぎる。だが読み進めるうちに、これは男ともだち以外には言い表せない関係なんだと気付いた。
     最高の1冊だった。

    0
    2026年02月03日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

    洋菓子をテーマにした甘いだけの作品かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。
    甘美で少しほろ苦く、時々どきっとするほど官能的な大人のための連作短編集です。男女問わず、スイーツ好きな大人の方にぜひおすすめしたい一冊でした。

    特に印象深かったのが、作中で語られる「クリームの科学」についての表現です。クリームは、二つ以上の脂肪球がぶつかり、溶け合い、繋がってこそ、ツノが立つような理想的な形になる。けれど、混ぜすぎると崩壊してしまう。
    夫婦関係はもちろん、様々な人間関係に当てはまる深い比喩だと感じました。お互いを知ろうとしなければ一緒にはいられない。でも他人だから、完全に一緒にはなれないし、そ

    0
    2026年02月02日
  • ひきなみ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    またまたまたまた、千早茜さん。
    父親が精神を病んでいるため、瀬戸内海の小さな島に住む祖父母に預けられることになった葉。古い慣習や厳しい祖父になじめなかった葉は、毅然として島の人たちになじもうとしない、真以に憧れ、仲良くなる。でも真以は自分に心を開いているように見えない。でもだんだんと距離が近づき、二人だけの秘密も共有するようになる。
    せっかく近づけたと思ったのに、ある日、真以は何も言わずに島から逃げ出してしまう。真以を連れて行ったのは大人の男(逃亡犯)で、マスコミの格好の餌食となる。責任を感じ、葉は傷つく。

    後半は大人になった葉の物語。大手企業で総合職として働く葉は、傷を抱えたまま一生懸命に

    0
    2026年02月01日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人間の業を感じた。石見銀山の史実を元にしながらも女性や山や銀掘の関係を生き生きとそして冷静で深く向き合いながら書いている。
    夜目がきくウメと山師の喜兵衛は蛇の寝ござを始めとして生い茂る草木を見分け天気の変わり目の空気を感じ生命の息吹たる山の地脈と対話しながら銀掘を使っている。それが貨幣経済に頭を支配されて銀を富としか見ない権力者が管理するようになったら。途端に間歩はぽっかりと冷たく暗い口を開け銀掘たちはその闇に飲まれて黒い血を吐き胸を病んでしまう。それでも営みを続ける者たち。銀を生み出すこと、女であること、命を生み出すこと、血が繋がらなくても伝え繋がっていく者たち。
    後半は隼人が血を吐き苦しん

    0
    2026年02月01日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ものすごく濃ゆいウメという石見銀山で生きる女性の一生の物語。
    富、権力、愛を求める人間の業が息苦しいほどに色濃く描かれていた。
    四季折々の山の景色、銀を掘る穴の闇、冷たさ、人の肌の温もり、匂い、音など、五感が圧倒された。
    生きること理、いろんな辛いことがありながらも何故生きるのか?何故生きようとするのか?そう問いかけられ、それでも逞しく生きる姿に胸が締め付けられる思いがした。

    0
    2026年01月30日
  • なみまの わるい食べもの

    Posted by ブクログ

    もしかして、千早さんってすごく面白い人なのでは…???
    と思ったわるたべ4作目。

    今までのわるたべや、新井さんとの『胃が合うふたり』を読んで一方的に抱いていた千早さんのイメージは、繊細、冷静沈着、計画的、夜型、芸術家気質、あと神経質(すみません、でもご本人もそう書かれてるので)。そんなイメージの千早さんが新しいご家族に翻弄され、段々と朝型健康サザエさんみたいになっていくのが本作。元々そういう窓があり、ご家族に開かれていく過程が描かれているのではなかろうか。だってディズニーランド・シーへ姪っ子家族と行って、「茜さんがいちばん楽しんでいた」って言われてるくらいだもの。きっとめちゃくちゃ面白い人な

    0
    2026年01月29日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

    恋愛経験重ねた人にこそ読んでほしい。

    不完全であることを認めた人間が真っ直ぐ生きている小説。

    どんな状況でも捨てては、前には進まないといけなくて。でもそれを見ることだけしてくれる、男ともだちこそが本当の愛なのかもしれない。

    私にもそんな男ともだちがいること思い出された。

    0
    2026年01月29日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

    本作品を読んだ第一印象は「気持ち悪い」だった。

    こんな感覚で生きている人がいるとしたら嫌悪するし、自分のパートナーがカンナやハセオのようなことをしているとしたら絶対に許せないだろうと思った。
    だけど読み進めるにつれて、これは自分に似ているのだ、と感じるようになった。

    確かにこんな男女は滅多にいないだろうと思う。
    ごく稀にはいるかもしれないが、少なくとも普通ではない。
    私自身、異性との間に純粋な友情が持てるとも考えにくいし。
    そもそも、「男ともだち」というものが私のトラウマティックな部分に触れる。私は異性との境界に危険を感じてしまうのだ。だから私は普通に男ともだちと言って親しくする人に対して

    0
    2026年01月23日