千早茜のレビュー一覧
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仕事と恋と食べること。
三角関係未満の3人の男女の物語。
恋に振り回されず自分のペースで暮らしたい夕香。
そんな夕香のもとへ、以前の勤務先で知り合った正和がルームシェアで同居することに。
食の好みが合う2人は、知らず知らずのうちに距離を縮めていくのだが、正和には研究が第一優先の華という恋人がいて・・・
等身大の揺れ動く3人それぞれの想いが、繊細で丁寧に描かれていて、とても良かった。
千早茜さんは季節や風景の描写に、色彩や湿度を加えるのがとても長けていると思う。今回は、更に様々な食事のメニューが加わるので、どれもこれも美味しそうで堪らない。そして何度もお酒がのみたくなった。
毎回、章ごと -
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ネタバレ「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。歳の差があろうが、略奪しようが、自分たちの恋愛だけが正しくて、あとは汚くて、気持ちが悪い」
父を亡くした20歳の藤子が父よりも年上の全さんに恋をした、ひと夏の話。
読みながら、若いころに読まなくてよかったと何度もおもった。
それこそ、藤子と同じころに読んでたらずっと忘れられない作品になっていたと思うし、下手したら私の恋愛観や人生観にも影響していたかもしれない。フィクションだとはわかっているし、だからこそ、えがける内容なのも理解はしているけれど、それくらいなんというか描写がリアルっぽい質感で、湿度が高くって、危うかった。
わたしは、全さんみたいな大 -
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ネタバレ父親より歳上のおじさんと二十歳そこらの女子大生との恋愛なんて、実際にあったら、よく見られなかったり気持ち悪がれたり批判されるようなものだと思うけれど、相手に惹かれて夢中になって依存して、狂わされるという藤子の感情だけで見たらどこにでも転がっている"恋愛"でしかなくて、リアルで生々しくてあ、この感情を私も知っているなと思って胸が傷んだ。甘え下手で大きくて、食べることが好きで美に無頓着で恋愛経験少なくて、自信がなくて、女になってしまうことに嫌悪感を抱く藤子は少し自分と似ているところもあり、恋愛の仕方というか、恋愛に関して共感できる所があった。無精髭で喫煙者で歯は黄ばんでて、怖く
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Posted by ブクログ
ネタバレものすごく読みやすく、そして面白かったのですぐに読み終わった。三日くらいだったと思う。
最後は自分的には「え⁉︎ さみし……」となったが、それは自分が度の過ぎたハピエン厨だからで、爽やかな終わり方だったと思う。
なんでこんなに読みやすいのか?と考えたが、全く分からない。ただめちゃくちゃ文が上手いことだけ分かる。
特に最終章の現在軸と過去の交錯は見事で、こんなに分かりやすくかつエモーショナルに書けるものなのかと衝撃を受けた。文がうめ〜!
キャラクターでは源さんが1番好きだ。
読むきっかけは勧められたからで、最初はあまり興味がなかったが中盤ではすっかり自分でもハーブを育てておしゃれな生活を -
Posted by ブクログ
一言でいうと不思議な物語でした。文章でここまで香りの説明ができるなんて凄いです。本から香り立つ感覚がしました。何事も敏感すぎるのも大変だなと思いながら、一香と朔さん、新城、源さんの関係が素敵でしたね。
香りで昔の記憶が思い出されることって、事実あることだと思う。それが良い記憶だったら良いけど、悪い記憶だったら辛いだろうな。どんな香りで反応することになるのか、自分でも分からないのは面白い。五感のなかで嗅覚って一番軽く見られがちな気がするけど、朔さんの香りだけで生死や人探しができることを考えると、とても魅力的な力であることは現実的にも間違いない。