千早茜のレビュー一覧
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私の中でブームの千早さん!千早さんの書く文章は、文字を読んでいるだけなのに匂いや色を感じることができるのが不思議。今回の始まりも、息が白くなるほど寒い冬の晴れた朝。真っ青で澄み渡っているこの日に離婚届を出しに行く2人。この情景がなんだか素敵だと思った。きっとスッキリした気持ちでスタートが切れる、そんな予感のする日。新しい香水、新しいシーツ、離婚してる状況なのになんかいいな、と思ってしまった。笑
新たなスタートをきったマリエは、様々な人と出会い、新たに恋をする。焦りや辛さも全て飲み込んでしまうマリエが、本当に恋をした相手に対してどんな行動をとるのか…共感の嵐。私が好きだったのは「その人の幸も不幸 -
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深い夜にそっと開きたくなる短編集。
千早茜らしい、静かでやわらかな言葉が夜の闇に溶け込み、眠れない時間を少しだけ特別なものにしてくれる。物語ごとに添えられた美しい挿絵も印象的で、文章の余韻をさらに深めていた。
とりわけ心に残ったのは第三夜「水のいきもの」と第四夜「あめ」の話。どちらも日常と幻想の境界をたゆたいながら、人の孤独や願いをすくい上げるような優しさがあった。水や雨というモチーフが持つ透明な寂しさと潤いが、夜に読むからこそより鮮やかに胸に染みる。
眠れない夜のための物語らしく、読後には心が静まり、少しだけ安らかな気持ちになれる一冊。 -
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性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわ -
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父親を亡くし、孤独の中で20歳を迎えた藤子。そこで出会った、父よりも年上の写真家の男。彼の最後の写真集という節目を前に、あのうだるような一夏の記憶が鮮やかに蘇る。
物語は、恋愛を知らずに成人した彼女が、初めて一人の男性の存在に世界を塗りつぶされていく過程を濃密に描いています。彼以外の存在が視界から消え、彼がいない世界には色さえ失われていく。悦び、怒り、焦燥、そして諦め。抗えない感情の奔流に藤子が溺れていく様は、痛々しくも目が離せません。
「誰かと関わると、出会う前の自分には戻れなくなる」
作中で提示されるこの言葉は、非常に本質的です。恋愛という特別な関係性に限らず、私たちは常に他者と -
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この本を読んでいて、初恋、失恋、恋の芽生えとかよりは、破壊と再生を想起して読みました。
父を失って無気力な藤子と、余命半年で自分が壊してしまった実家を訪れた全との恋。夏の間燃え上がるような恋をした2人とその後の結末は?
私はこれは恋ではないと思いました。藤子に対しては特に。ある日突然亡くなった父性への思慕、ぼんやりとした恋愛に対する憧れ、それから自分では手に入れることのなかった男に対しての好奇心、こういうのが全部まとめて恋として括って、依存してたのかなぁ、と。一方で全に対してはよくわかりませんでした。桃を食べる藤子、画としてとてもよいのはわかりますが恋になるのかな?
終わりがけに訪れた -
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大好きな香りシリーズ最終章。
前作は、、、記憶にございません笑
でも、たまらなくこの空気感が好きなんです。
相変わらず千早先生の文章は品があって綺麗。
この作品を読み始めて、居ても立っても居られなくなって、今、京都に来てしまいました。(台風来てるのにー)
身体ごと染み込ませたいくらい芳しく、魅惑的な作品でしたねー。全ての匂いは想像なのだけれども、伽羅の薫り?沈香?お香屋さんに入ってはクンクンして、4D体験をしながらの読書旅となりました。匂いは記憶に残るので、この京都旅行は忘れませんね。きっと笑
PS:作品・シリーズ違うけど、阿闍梨餅と長五郎餅も買いましたわよ。ムフフ。 -
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久しぶりの千早さん
ちょっと暗めの本をぽけーと読みたい時、
仄暗さと、人の欲と、寂しさと、
少しずつ出てくる人が繋がっていく短編集
でもいつの間にその世界にのめり込みながら読み終わった。
「うろこ」の松本と松本の友達啓介がよかったな。
少しずつ欲を抑える人
どこかでそれを晴らす人
抑えて悲しみを抱える人
自分に正直に欲求を満たして生きることなど現実にはなかなかできないから時々千早さんの本を読んで、脳をシャッフルさせたくなるのだろうか。
人が求めるものとはなんなのだろう
肉体的なつながりなのか、気持ちなのか、カタチある何かなのか、
残るとは何か
あとかた 「あったというしるし」 -
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千早茜さんの香りシリーズ2作目。
正しい執着のかたちとは何なのか
それぞれの登場人物が過去に囚われているなという印象を受け、朔さんのつくる香りを求めているのは今作も変わらず。
物語も含めて千早さんのつくる世界観が好きだなと思いながら読んだ。
「彼女があなたの匂いを忘れることはありません。
嗅覚の記憶は永遠ですから。」
嗅覚によって蘇る人間の感情と記憶。
感覚をこの一冊に閉じ込めた、
そして浸ってしまうから終わってほしくないと思った一冊だった。
単行本創刊記念インタビューの
千早茜さんの言葉
『わかってもらうことや伝えることを諦めきれないから小説を書いているのだと思う』
これが印象