千早茜のレビュー一覧
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イラストレーターの神名と、大学時代の先輩のハセオのソウルメイトとも言える友人関係。二人とも社会的にはどうかと思うモラルの持ち主なのだけど、あまりにケロッとしているので不思議と嫌悪感が湧かない。
何があってもそこにいて、見守ってくれるように、友達としてはもう最高な人材のハセオだけど、彼の過去や気持ちが描かれることがないので、いったいどんな人生を送ってきたんだろうと想像してしまう。神様の暇つぶしの全もそうだけど、千早さんの描く「怖そうで若干影があるような男」が好き。
桜の散る卒業式のシーンが、映像で観たかのように記憶に残る。文字であんなに美しい情景を描けるなんて。
千早茜さんは、無駄のない丁 -
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ネタバレ前作の内容はあんまり覚えていないが、とても好きな雰囲気だったのはわかっているので、続編も迷うことなく購入。
やっぱり文章の美しさにほれぼれする。夜に読むにはぴったりな本。
香りの表現が素晴らしく、読んでいるだけで想像できる。ハーブ、花、自然、焼き立てのパン、雨、エトセトラ。あと食事シーンも好き。聞いたことのないおしゃれな食事ばかりでうっとりする。
しかし主人公には全く共感できなかった。なにせ身勝手すぎる。途中読んでいてイラついたけど、もっともむかついたのは香りを纏わせて抱くシーン。そこまでして女を抱きたいのか。過去のトラウマを知らない相手にぶつけるなよ……。自分勝手な様子も反吐が出たし、ラス -
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不器用な「ダメ男」大輔の視点を尾崎世界観さんが、神経質気味な女性福の視点を千早茜さんが描いた、共作小説。
同じ日常を共有している二人の、まったく違う人生。
わたしは福に「分かる!」と頷きながら読んだが、大輔の不器用さを理解するにつれて「男って‥」と、謎の涙が出た。
主語が大きくなってしまうけど、この独特の不器用さって、多くの男性が持っているものだと思う。それをうまく表現することができる人もいれば、ものすごく苦手な人もいて、わたしはこれまでそのものすごく苦手な人に出会うことが多かった気がする。決して何も考えていないわけじゃなくて、ちゃんと考えているのに、思いやっているのに、それを表せない。 -
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部屋のなかの空気がいつもと違って感じられ
ページをめくる度に静謐な香りを追いかけたくなるような錯覚に囚われました
千早茜さんの紡ぐ世界観が大好きです♡
千早さんの言葉に触れるたび
私の五感はひっそりと研ぎ澄まされ
言葉から溢れ出す特別な「香り」に
いつも一瞬で溺れそうになります
千早さんの描く香りは
決して目に見える美しいものだけではなく…
白檀や沈香が静かに燻るお香の香りや
人の情念が朽ちていくような生々しいものや
そして誰かが遺していった
消えない「生」の痕跡など…
物語を追っているはずなのに
いつの間にか私の記憶に残る特別な香りを
思い出したくなるほどでした…
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朔と一香を表現する、「凛とした孤独な香り」から、人の佇まいとは何なのかを考えさせられた。
例えば、柑橘系の香水を使えばさわやかな印象になるし、フローラル系だとやわらかい雰囲気になったりする。
でもそれらを纏っていたとしても、どうしたって自然に零れ落ちる、その人が元来もつ意思の強さ・繊細さ・弱さ・覚悟があると思う。
そういった、嗅覚に訴えずに、人だけが感覚で嗅ぎ当てることのできる「無味無臭の香り」こそが佇まいなんじゃないかな。
香りだけでなく、温度の表現も好きだった。
朔と満が夜にジャスミンの花を摘むところの、「昼間の熱を残した地面は柔らかく、真夏の夜はぬるいのに、指先は冷たいままだった」。