千早茜のレビュー一覧

  • マリエ

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    千早茜さんの本、やっぱり好き。
    普通に恋愛結婚してたけど、相手からの求めに応じて離婚するところから話は始まる。

    自分はこのまま生活が続くと思っていたのに、離婚話を進めていたある日、彼の匂いに拒否反応が出て、自分の中では終わった人なのだと気づいたところが、頭でわかるよりも早く、体がわかっていたのだろう。

    千早さんは「匂い」の要素がよく出てくるなと思う。

    好きか嫌いかよくわからないけど、体感として「嫌いじゃない」とか「居心地がいい」とかの印象は大事だなとつくづく感じた。

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    2024年05月12日
  • 男ともだち

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    千早さんの描く人々が、不器用でありながらしたたかで、とても人間らしくて好きだ。どうしようもない登場人物達だけれど、これぞ人間であり、愛おしいな、と思う。
    そんな人たちが育む、男女の友情という1つの愛情の形の物語。理解に苦しむ関係なのかもしれないけれど、やはり愛おしいなと感じた。

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    2024年05月11日
  • 赤い月の香り

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    調香師と香りに取り憑かれた依頼人、そこで働く辛く悲しい過去を背負った世話人の、何とも異空間でいて、癒される。シリーズ化されたらまた読みたい。

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    2024年05月11日
  • こりずに わるい食べもの

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    このシリーズ好き。山形とか関西から縁が薄い土地の話が出てくるのも東京編になったからと思うと、さみしくない

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    2024年05月11日
  • グリフィスの傷

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    どのおはなしも、本当にすてきでした。
    ちくりと痛む傷口からかすかに漏れるやさしい光が、読者を包んでくれます。

    千早さんの作品は2つめですが、読むとこころが落ち着きます。
    わたしの中にある純度の高い部分が、ゆっくりじっくり、広がっていくようです。

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    2024年05月10日
  • 赤い月の香り

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    『透明な夜の香り』の続編。
    一香ちゃんあまり出てこなかったー
    朔さんと一香ちゃんのストーリーが読みたかったけど、そうじゃないとこが良いのかも?
    今回は、カフェでバイトをしていた朝倉満を迎えて。

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    2024年05月10日
  • 赤い月の香り

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    ネタバレ

    『透明な夜の香り』の続編というかスピンオフ。
    スピンオフってたいてい本編に比べると内容が軽めで物足りないものが多いけれど、この『赤い月』は丁寧にひとつの作品になっていた。

    もっと朔と一香にフォーカスしてよ!って思いつつも、いやこのくらいがちょうどいいのかなとか。
    もっと読んでいたい世界でした。

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    2024年05月07日
  • 透明な夜の香り

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    ページを開くたびにハーブや果物、植物などの香りが文字を通して香ってくる気がした。
    文章自体も美しく、儚い気分になるのだけど、ただ美しいってわけでもなく...その中に狂気めいた謎の美しさが残るお話だった。
    この本を読むときは夜に読むべき...

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    2024年05月06日
  • グリフィスの傷

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    この1冊から、「傷」は癒えたのではなく見えにくくなっただけなのだ、と教えてもらった。

    きっかけがあればいつだって、生々しく痛みだす。
    どんなに明るく見える人だって、必ず「傷」を抱えて生きている。

    でも私たちは傷つかずに、傷つけずに生きることなんてできない。
    あの人の「傷」は気遣うべきで、あの人の「傷」はスルーしていい、なんてこともないはずだ。

    必要なのは、そんな不条理を知っておくことだと思う。
    心に留めておくだけで、いつもより少し優しくなれる気がした。




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    2024年05月05日
  • 赤い月の香り

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    透明な夜の香りがすごく良かったので続編を
    今回は男性
    一人一人絡みついた心を修復して、
    送り出してるという感じなのかな
    匂いは記憶を呼び覚ます。
    その光景の書き方が良かった。
    また読みたい。

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    2024年05月03日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    あなたは、何のために『ダイエット』をするのでしょうか?

    コロナ禍で外出機会も減った2022年。体重計で有名なタニタが『ダイエット』に関する意識調査を行っています。それによると、”ダイエットの必要性を感じる機会が増えた”と答えた方が全体の31.6%、10代と30代の女性では4割を超えたという結果が報告されています。外出自体が減り、在宅勤務が進んだコロナ禍。仕方ないこととは言え、当然ながら、私もそのことによる運動不足はとても気になりました。

    そんな『ダイエット』の目的は人それぞれだと思います。スポーツ選手の場合、試合に出るための基準があるでしょうし、漠然と痩せなきゃ…という思いのままに突き進

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    2024年05月01日
  • 透明な夜の香り

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    あらすじを読んで、昔観た映画『香水 ある人殺しの物語』を思い出しました。
    あの話も、主人公はありとあらゆる匂いを嗅ぎ分ける能力を持っていた。そして色々な匂いを組み合わせて、人の感情を意のままにする香りを作るようになる。
    ある日、彼は自分の求めていた匂いに出会います。それは女の子の体臭なのですが、死んでしまうとその匂いも消えてしまうことが分かります。だからその匂いを香水として再現したいと願う話で、最後は結構グロテスクだったような。。。

    この本はそれとはまったく違う、静かでひんやりとした、でも温もりを感じる話でした。

    調香師の小川朔は並外れた嗅覚の持ち主で、古くて立派な洋館に一人で住んでいます

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    2024年05月01日
  • グリフィスの傷

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    「傷」についての10のお話。
    「傷」と言ってもいろんな「傷」がある。
    見える「傷」見えない「傷」

    自分も体に大きな「傷」を負った事がある。
    今はほとんどわからない状態になってる。
    小学生の頃の「傷」
    母親は「その傷のせいでイジメにあったらどうしよう」とか、大きくなって「手術して目立たなくしたい」って言われたら、その時は本人が望む対応をしてあげようって考えていたらしい。
    数年前に聞いた話。

    別に母親が悪いわけじゃない。
    母親がいない時に起こった事故で、近くに大人もいた。

    治療中は辛かったけど、その後は何とも思ってなかった。
    イジメにもあったこともない。
    それなのに母親はあの時からずーっと心

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    2024年05月01日
  • 透明な夜の香り

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    物語が静かに穏やかに淡々と進む
    トラブルとかがないわけではないのに。

    匂いはあるけど、
    あまり音がないからかも。

    読後は、スカッとしたとか
    悲しかった、面白かったとは違って
    あぁ終わっちゃったんだと不思議な感覚

    このあと、どうなったんだろうと
    少し気になるけど、
    ハッキリと知りたくはない。

    まずは余韻を楽しみたい

    読み終わってから、
    「渡辺淳一文学賞受賞作」と
    知りました。

    賞の存在自体は知らなかったけど、
    なるほどなと納得してしまいました。

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    2024年04月30日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    あなたは、『甘い物』が好きでしょうか?

    この世にはさまざまな食べ物があり、私たちは日々それぞれの好みに合わせてそんな食べ物を食べながら日々を送っています。また、食べ物には、”五味”と呼ばれる五つの分類があるようです。辛い、苦い、しょっぱい、酸っぱい、そして甘い、という”五味”のどれに魅力を感じるかはもちろん人それぞれだと思います。

    しかし、そんな中でも『甘い』という感覚は別物だと思います。

     『甘い物はこんなにも簡単に人を幸福にする』。

    そんな言葉に、うんうん、とわけもわからず納得してしまうくらいに『甘い物』という言葉には蠱惑的な響きを感じます。そもそもこんなところでレビューを書いて

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    2024年04月29日
  • グリフィスの傷

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    千早茜さんの本は長編が好きなのだが今回の短編集はどのお話も満足だった

    傷をテーマとした10の物語
    中でも一番好きなのは「この世のすべての」
    同じマンションの住人であるこの世のすべての犬が嫌いなトラブルメーカー男とこの世の全ての男が怖い女子高生の話
    お互いに分かり合えているのかと思いきやラストに驚いた

    傷をテーマにしているからか、どのお話も心が何かしら苦しくなった

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    2024年04月30日
  • あとかた

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    主人公(視点)が変わりつつ、全ての短編の登場人物に繋がりがある連作の短編集でした。私はこのタイプの作品が好きみたい。初めの章に出てくる男性が全編通してのキーパーソンなんだけど、その男性の視点の章が無いのがすごく良い。想像を掻き立てられます。詳しい説明がない分、ミステリアスで結局1番印象的な登場人物なのかも。「ほむら」が1番好きかなー。

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    2024年04月29日
  • 男ともだち

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    お互いの過去も何も、生い立ちを知っているわけでない。周りからは男女というと仲を勘ぐられることもあるけれど、それでも一緒にいることが自然で、まさにともだち。
    やっていること自体肯定できることではないし、実際に言われていたようにクズと言われることだと思う。神名もハセオもやっていることだけ見るとクズだけど、世の中そういうものだと感じる。表面の行動だけみてもその人自身ことは何もわからない。その人の過去を知ってしまえば、行動に対する評価、気持ちが勝手ながらも多少変わってしまう。けれどその表面上の行動で関わる人を傷つけてることもあるわけで、行動とその人の過去や気持ちは切り離して考えないといけない部分もある

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    2024年04月27日
  • 神様の暇つぶし

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    語り手の柏木藤子が、大学生の一夏を30歳以上歳の離れたカメラマン・廣瀬全と過ごした物語。切なくて哀しい、けれど「生きてる」ってこういうことかな、って思った。
    この小説には食事のシーンがたくさん出てきて、そこで藤子の生命力や若さも感じるのだけれど、とても美味しそうな描写ばかりだった。

    全さんとのたった一夏の関係。それは「暇つぶし」のようなものにも見えてしまうのかもしれないけど、当事者は、その瞬間は、本気だし永遠を願いたくなってしまう…

    藤子と程よい距離感で、良き理解者の里見の存在もよかった。千早茜さんの作品は好みのものが多いが、この小説もお気に入りのひとつになった。

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    2024年04月27日
  • 女ともだち

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    女ともだちがテーマというだけあって
    共感も怖さも面白さもあって
    感情が良い意味でぐちゃぐちゃになる。

    短編だからサクッと読めるし
    作家さんによって文体も違うから
    一気読みというよりは作品ごとに間を開けて読んだ。

    最後の獣の夜が近い女ともだちが見事に描かれてて読みながらもドキドキした。

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    2024年04月27日