千早茜のレビュー一覧

  • 透明な夜の香り

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    ネタバレ

    日常感のある小説は好き。主人公は目に見えない声などを色として表現する部分が多かったが、朔さんとが関わっていく中で匂いの描写がだんだんと増えていくのがよかった。本の表紙が深い紺色にガラス瓶、ラベンダーなどがあるのもエモくて好き。最後主人公が館を出て朔さんと会わなくなってから少し寂しさを感じたが、そのままもう会わないようなストーリーを期待していたので、途中で朔さんと会えてしまったのが嬉しかった反面、残念に感じた。主人公はそのまま館での経験を忘れていくが、匂いは永遠に覚えているのでまたどこかで思い出すかもね、という方が良かったです。朔さんは沼男ですね。ミステリアスな人に惹かれてしまう主人公の気持ちが

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    2025年12月14日
  • あとかた

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    現代の男女の心のぽっかりあいた穴をこれほど切なく、痛々しく、綺麗な言葉に書かれているなんて。
    結婚って何なんだろう、何が遺るんだろう、ああ、夫婦が同じ形に収まろうとすれば無理が生じる。でも何かを求めてしまって。その矛盾したような感情を男の目線、女の目線で描かれていてヒシヒシと皮膚を刺しました。
    だからみんな他で穴埋めをしようとするのか、とか。
    人って結局何を抱えてるかなんて他人には分からないし、もし結婚前にこれを読んでいたら踏みとどまったかもしれないです。

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    2025年12月13日
  • マリエ

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    ネタバレ

    【2025年150冊目】
    「恋愛がしたい」というで夫から別れを切り出され、離婚届を出して独り身になったマリエ。結婚相談所に登録してみたり、料理のレパートリーが増えたり、年下の少し気になる子ができたり――結婚、恋愛、幸せって何?離婚から見えてきたマリエの人生のあり方とは。

    千早茜さんの文章が大大大好きなのですが、静謐な文章を一文一文味わいながら読みました。なんだかとってもリアルだったのですが、年下の恋人がいながらも婚活?と読んでる間は少し疑問に思ったりしていました。ただ、読み終わった今は、マリエなりに彼女の人生のあり方を探していて、結婚はしていたけれど、その理想の形がわからないままだったのかな

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    2025年12月12日
  • さんかく

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    登場する二人の女性、どちらの気持ちにも強く共感した。

    年下の男性からの関心で、どこか満たされない部分を埋めようとする30代後半の”自営業”デザイナー。彼が求めているものは理解しているのに、そのために自分を変えることはできない20代後半の大学院生。

    恋愛しているときの感情って、複雑で、モヤモヤしていて、ある意味いちばん人間らしいと思う。だからこそ、私は恋愛を少し怖いと感じてしまうのかもしれない。

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    2025年12月13日
  • 眠れない夜のために

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    夜にぴったりの物語。

    真っ暗な寒い夜、あたたかい飲み物を片手にゆっくり読みました。

    第九夜が一番のお気に入りです。
    こんなふうにそばにいてくれる人がいたらいいな、と涙がほろりとこぼれました。

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    2025年12月11日
  • 正しい女たち

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    基盤となる【温室の友情】から細い糸で
    繋がれた短編集だった。

    それぞれの作品がとても違う読み応えで
    面白いが、繋がりが見えた後には
    また少し様子が違って読めそう。
    一度再読したら違う視点が発見出来そう。

    個人的には【幸福な離婚】が好きだった。
    死を目の前にした人には大抵の人は
    優しく仏のように接する。
    ここで描かれる離婚は生の消滅と
    近しい感覚なのだろう。

    離婚という決定的な終わりを目の前に
    したから過ごせた時間なのだろう。

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    2025年12月11日
  • 透明な夜の香り

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    読み進めていると文字から匂いが感じれる気がしてくる。嗅覚が良い犬はこんなにも情報量が多い世界を生きてるのかと思った。
    重い香りも出てくるけど爽やかな洋館や一香の作る料理の描写が中和してくれていた

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    2025年12月10日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    恋人へ素直になれない2人の物語。
    大輔のもやもやした感情のところが言語化されているのを見ると,中学時代に親に反抗していた時の自分を思い出した。
    もうぶっきらぼうになったら歯止めが効かないみたいな。どうしようもなく続いてしまう、ふてぶてしさとか不器用さを、あの頃は言語化できなかった。ただただ、世界と自分を憎んでいた日。
    恋愛の話ではあるけど、登場人物の心情を細かく、丁寧に捉えた見応えある文章でした。
    ストーリーというよりかは、言葉に注目して読むべき。

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    2025年12月10日
  • さんかく

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    表紙から想像していた内容と違って、良い意味で裏切られた!
    美味しい食べ物はたくさん出てくるけど、悲しい優しい話ではなく、変で複雑な関係の話だった。
    伊東くん、ひどい男だと思う。年上の一人暮らしのちょっと神経質な女性に近づいて、他意なくご飯食べたいとか言って、家に転がり込んで…。せめて彼女がいることは説明しろよ。彼女にも女性と同居するって言えよ。
    しかも同居してる間も、食べてばかりでほとんど貢献してない。思わせぶりな、わけわからん男。
    もういっそ、高村さんと華さんが付き合えばいいのにとすら思った。

    バインセオ食べに行きたい!

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    2025年12月08日
  • 神様の暇つぶし

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    溺れるような恋をすると、すべてが特別なことのように思えて、狂おしすぎて苦しくなるんだよなぁ。過去を思い出して読んでる間は、ずっとヒリヒリしてしまった(たぶんそういう人が多いはず)。
    全さんのような年上男性に惹かれるのはすごくわかる。気持ち悪いとか、グルーミングじゃない?って言われても止められない。

    神様はだれ?というのも、タイトルの意味もラストでなんとなくわかるようになっていて、よかったです。
    あとはとにかく藤子の食べっぷりがよくて、質量の重い恋愛の話を読んでるのに、お腹が空いちゃう。

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    2025年12月07日
  • わるい食べもの

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    読んでるだけでおなかいっぱい!笑
    『わるたべ』最新刊から読んでしまったが、そこで『大人になった』と書かれていたようにこの当時の千早さんの食いしん坊さがすさまじい。
    おもしろいなぁ。夢中になって読んでしまい、そして無性に甘いものが欲しくなった午前1時。

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    2025年12月07日
  • 神様の暇つぶし

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    両者の命と命が烈しくぶつかりあう刹那に、奇跡的に見える生々しくてぎらついた景色!
    私の知っているどの恋愛とも全く似ていない苛烈さ、恋愛小説と銘打たれたものを読んでこんなに胸がひりついたことはない。
    痛々しいほどの烈しさ、藤子の命が強く輝く様が神々しく美しい。どんなに人生を諦めていたとしても彼女を前にすると、どうしても生への執着、憧憬が生まれてしまう。
    音や匂い、質感まで分かるみたいな小説だった。

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    2025年12月07日
  • 雷と走る

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    好きだ。
    この本、好きだ。
    犬が好きだからか…読みやすい文読書だからか、感情が入り込みやすくて、私は異国にいたよ

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    2025年12月06日
  • マリエ

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    これから自分もアラフォーですが、こんなアラフォーになれたらいいなーと感じます。
    色んな女性が出てくるのも面白いです!

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    2025年12月06日
  • 男ともだち

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    私もハセオ欲しいぃぃいぃ\( ˆoˆ )/
    ほんの少しのアクシデントで男女の仲になりそうな2人、どうなっちゃうのーーって気になりながらドギマギしながらあっという間読み終わった。
    恋人になってしまったらいつか終わりがくるけど、友達なら終わりを考えることなくずっとその絆が続く。なによりも大事な存在ってお互いに思いあってる2人の絆羨ましい。

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    2025年12月04日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    神様の暇つぶし

    時間は思い出を濾していく
    残った記憶の粒で
    思い出は美しく彩られていく。
    だから私は醜く汚い記憶も
    ちゃんと覚えておきたい。

    大切な時間にこそ思うこの気持ち。
    私も忘れたくないあの時間にあった
    いい事嫌なこと、全部記憶に残そうとするのは、それを分かってるからなんだということを知った!
    千早さんは私のなんとなくの感覚を素敵な言葉で形づけてくれる。

    男女の愛はどこにでも生まれるものなんだなー。この愛が綺麗かとか本物かとかは分からないけど、フジを変えたことは大きいし、フジの人生はこの体験と思い出で構築されていくと思うと、やっぱり全さんは悪いと思う。きっと人生ってそんなもん。

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    2025年12月04日
  • 赤い月の香り

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    透明な夜の香りの続編ということで期待して読みました!が……
    個人的には今回の主人公?の朝倉くんがあまり好きになれなかった……。
    話の内容はすごく面白かったし、一香ちゃんが出て来てくれたことも嬉しかったんだけど、朝倉くんが……。
    辛い過去があるのも分かるんだけど、わたし怖い男の人が苦手で…それでかな…。
    母親がテーマなところもあったからそこも重たかった…。

    そして今回も前回と同様、朔さんと一香ちゃん、早くくっつけ〜と念じながら読んでましたが、あの2人はあの距離感がいいんですね…( ᵕ ᵕ̩̩ )

    朝倉くんが苦手というだけで本自体はとても良かったです。

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    2025年12月02日
  • 男ともだち

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    ネタバレ

    神名は新進のイラストレーター。
    仕事も増え、彼氏とも同棲し、愛人だっている。
    昔から男と寝るのは厭わない。
    そんな神名を見守る男ともだちハセオ。
    このハセオがいい。
    風俗好きだし、女はやるもんだと思っているが、神名だけには手を出さない。
    そんなハセオと、危なっかしいが好きな仕事に邁進する神名の成長の物語。

    「やっと思いだした。好きなことを好きにできるようになるために生きているのだ。うまくいかない時でもそのイメージを失ってはいけなかった。私の武器は、私だけだ。」

    私の武器は、私だけだ。
    そうだ、その通り。
    私も数年後には還暦だが、まだまだやれる。

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    2025年12月01日
  • 眠れない夜のために

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    誰にとっても平等にやってくる夜が苦しみなのか、前を向くために必要な時間なのかは人それぞれだな〜と

    一夜のクッキー缶、君の声が聴きたい四夜のあめ、涙が出てくる程美しい九夜の寝息が好きです

    私は眠れない夜は、私に寄り添ってくれる本を読む!

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    2025年11月30日
  • 赤い月の香り

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    おすすめポイント
    ・前作「透明な夜の香り」の続編が読みたい人
    ・透明感のある、上質かつ読みやすい文章に浸りたい人
    ・源さんの過去とか、朔の過去を知りたい人

    残念ポイント
    ・朔は短髪ブロンドなのが私は受け入れられないんだな〜!無機質で儚げ、涼やかで透明な雰囲気を保つ人だったら、線の細い長髪がテンプレじゃないのかなー。
    ・前作みたいな朔の強さが見たい人には物足りないかも!今作は朔ではなく満が主役なので、朔推しの人には、「うーん」かも。
    ・バイの姉さんの登場シーンが寒い。突如深夜アニメのテンションになる、切り替えが突然すぎて寒い。静謐な雰囲気を一貫して欲しかったな。不意打ちでオタク臭を醸し出す行為

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    2025年11月29日