千早茜のレビュー一覧

  • 神様の暇つぶし

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    帯に「心をザワつかせ、ヒリヒリさせる」とあることからどんな感情にさせられるのかと思いながら読んでいたが物語は常に暗がりの中を進んでいくような感覚があるものの、最後は清々しい気持ちになれた。
    読み終えた今、主人公と共に読者である私自身も全さんと過ごした日々が大切な想い出となったような、そんな気持ちだ。

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    2026年02月15日
  • マリエ

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    幸せかどうかは他人が決めるものではない。
    意見される筋合いもなければ、評価される必要もない。本作は、そんな当たり前でいて難しい事実を、静かに突きつけてきます。

    40歳手前で夫から切り出された離婚を受け入れたまりえ。喪失感より先に訪れたのは、思いがけない解放感でした。誰かに合わせる必要も、気を遣う相手もいない生活。自分のしたいことを、自分のペースで選べる環境が、これほど心地よいものだったのかと気付いていきます。

    そんな中で出会う7歳年下の由井くん。一方で、まりえは結婚相談所にも登録し、「結婚相手」を探し続ける日々を送ります。

    恋人と結婚相手は別なのか。
    そもそも“幸せな形”とは何なのか。

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    2026年02月14日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    生々しい恋愛物語でした
    触れたい、っていう思いは片思いで抱く感情の中でもかなり厄介だと感じた。そして、それが一時叶ってしまえば、もうほぼ執着のような粘っこい感情に司られる。今まで恋愛から遠かった20歳の女の子の、そういう感情の動きが繊細に描かれていて、苦しくもあり、私も幸せなあの夏にいたような気持ちになった。

    ー私は変わったんじゃない。
    変えられたのだと思いたいのだ。傷つけられたのだと。今はもう傷しか残っていないから、何度も何度も自分でかさぶたをはがし、痛みと見えない血が流れるのを感じて、あのひとのつけた傷を確認していたいのだ。ー

    辛い、寂しい思いをずっと持ち続けてしまう現象がこう言語化さ

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    2026年02月14日
  • 透明な夜の香り

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    どこからか匂いが漂ってくるような文章。香水について無知だったが、きっとこんな匂いなんだろうなと想像を膨らませて読むのが新鮮で楽しかった。
    香水に詳しい人はもっと楽しめるのかも?

    ひとつ不満をあげるとするなら、登場人物の過去や心情の深掘りがもう少し欲しかった。同じ登場人物で上下巻あればなぁと思ってしまうのは私だけだろうか。

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    2026年02月13日
  • マリエ

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    千早茜の書く文章が好きすぎる。この人の文章からは香りが漂ってくるし、目の奥には鮮やかな色彩や眩しい白い光が浮かぶ。香水がつける人によって違う感じ方になること、濡れた植物の葉の青いにおいや土の臭い、花の香りや鮮やかさ、料理の湯気と美味しそうなにおい、窓から差し込んでくる朝日で部屋が白く照らされることを主人公まりえと一緒に自分も体験する。文章を読んでるだけなのに色んなことを感じ取れるのが楽しい。前々から言っているが千早茜は食べ物や料理や食事の描写に優れていると思う。

    自分の周りが結婚したり妊娠出産子育てをしたり、恋人と結婚を考えたりマッチングアプリで真剣にパートナーを探したりしており、こういう人

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    2026年02月12日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    一言で言うと読んで良かった。

    千早茜さんの作品が好きで
    直木賞受賞作品は読んでおかねば
    と思ったが、歴史ものは苦手…
    難しい漢字、知らない単語も
    多く調べながら読み進めた。

    この時代の食べる、生き続ける事の厳しさ
    現代では考えられない命の削り方を
    ウメの一生を通して知る事が出来た。

    愛する人が死ぬと分かっていながら
    間歩へ送る事の辛さは計り知れない。

    そして千早さんの描く男性はいつも魅力的。
    喜兵衛も隼人も龍も真っ直ぐで優しく
    そして強い。
    現代の女性にも必要な強さを
    ウメは持っている。



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    2026年02月12日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    早くも「今年の一冊」の候補になりそうな作品でした。登場人物それぞれ魅力があり、山や植物の風景、間歩の描写がリアルで引き込まれました。

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    2026年02月11日
  • 透明な夜の香り

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    雰囲気がいいね。時間がゆっくり流れている感じがする。
    香りと記憶が結びつくみたいな話は心理学でもよく聞く話ではあるけど、「香り」がとりまく「日常」が美しい。

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    2026年02月11日
  • 透明な夜の香り

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    ネタバレ

    この話の趣旨は愛ではなく、救いでもない。時の流れというと短絡的だし、贖罪というには一方的すぎる。
    そういった、何とも言えない感覚を味わうことのできるストーリーだった。

    人間離れした嗅覚を持つ調香師、小川朔に雇われる元書店員、一香。
    一香の過去と朔の作り出す香りはどのように交差するのだろうか。2人の関係は変化していくけれど、それを2人はどのような形で受け入れていくのだろうか。



    友愛、家族愛、慈愛、そして執着。
    すべて愛情という言葉で括ることが出来るけれど、それぞれがいかに人間と深く結びついているのか、また、その愛情ひとつ取ったとしても、どれほど形が違っているのか、と深く考えさせられる話だ

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    2026年02月12日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    ⬛︎ ほんわかだと思ったら、違いました

    千早さんの小説を読みたい。でも重たい話はちょっと避けたい……(わがまま)そんな気分で本屋をうろうろしていて目に留まったのが本書でした。

    甘いお菓子が登場する、ほんわかした物語かな?と思って手に取りましたが、実際はどっしりとした人間ドラマを描いたお仕事小説。いい意味で裏切られました。

    主人公・亜樹は、有名パティシエールを退職し、将来的に店を継ぐことを見据えて祖父の営む洋菓子店に戻ります。

    この祖父がとても魅力的。
    昔ながらの頑固で職人気質な人物ながら、根は深く優しく、しかも人を見る目が鋭い。静かにかっこいいおじいちゃんでした。

    亜樹もまた、幼少期

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    2026年02月11日
  • しつこく わるい食べもの

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    コロナ禍での食について記録されているけど、トイレットペーパー買い占めとかマスクがドラッグストアで売り切れが続いたこともあったなと思い出させてくれた。食事の在り方が変化していったりもあったなと。

    パフェをあまり食べてこなかったけど、食べたくなった。

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    2026年02月11日
  • 透明な夜の香り

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    嗅覚を刺激される文章。美しい世界に入ることができる小説。
    恋愛でも友情でもない2人の関係も美しい。

    香りほど儚いものはないと思ってたけど永遠なんだね

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    2026年02月10日
  • 神様の暇つぶし

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    全さんと主人公の人間としての描写がとてもリアルだった。歳の差と世間の目からすると全くもって受け入れ難い関係性である事は間違いないし、決して羨ましがられるような二人である訳でもない。ただ、少なくとも主人公が全さんのどこに惹かれたか、そして本能的にどうしようもなく堕ちてしまったということは分かった。それが幸せかどうかは分からないが、出会う前の自分にはもう戻れない、そう思える人とこれまで出会ったと確信を持つ人間はこの世界で全体の何パーセントなんだろうとも思う。

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    2026年02月09日
  • 透明な夜の香り

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    p253 さつきちゃんが私の身体を心配するので、ときどき一緒に鍋をした。人と食卓を囲むと朔さん達との日々を思い出し胸が苦しくなったが、笑って食べた。
    ちゃんと食べて眠って健康状態を保ちながら働く。
    洋館での毎日で学んだ事だった。
    p256 ずっと朔さんの香りに守られていた。心地よい香りは緊張を緩め、頭痛やだるさを和らげ、病を退けた。香草やスパイスには抗菌作用があり、免疫力を高めるものが多くあることを、洋館を離れてから知った。自然の香りに包まれた生活の中で私の心身はゆっくりと健康を取り戻していったのだ。
    もう甘やかされる日々はおしまい。

    香りにまつわる丁寧な表現が印象に残った。
    香りだけではな

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    2026年02月09日
  • マリエ

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    生理的に無理な人の体臭が受け付けなくなるの凄く共感できる。千早さんの小説はページをめくる度匂いが変わっていく不思議な読書体験。

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    2026年02月08日
  • 赤い月の香り

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    『透明な夜の香り』の続編。

    前半は、いらない感じがした。絵のないマンガを読んでいるような比喩や表現が多かった。

    後半は、主人公、満にフォーカスされていって、面白く読めた。
    前作同様、傷ついた人を少しずつ癒していく、その世界観作りが、千早 茜さんならではで、素敵です。

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    2026年02月08日
  • マリエ

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    千早茜の本で、先を読み急いだのは初めてかも。今までは共感できない主人公が多くて。これも共感できるまではいかないけど、割と感覚が普通で理解できるというか。

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    2026年02月07日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    ネタバレ

    なんともどろりとした終末を迎えるお話たちでした。
    あとがきにて、子どもの頃に民話や昔話、童話に対してどのように思われていたか、凄く独特な感性でどこか共感できる内容が綴られており、千早さんの頭の中を覗いてみたくなりました。
    童話を現代に置き換えたとして、全く予想しなかった舞台や観点で感動しました…なんて引き出しの多さ…。
    ディズニー仕様ではない、リアルな童話と向き合うと、ここまでどろどろしたものを飲み込まされるんだ…という気持ちです。
    本当に幸せになれたのは…?
    そもそも不幸な人はいるのか…?

    甲乙つけ難いのですが、白雪姫がお気に入りです!

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    2026年02月06日
  • 神様の暇つぶし

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    わたしの中の全さんのルックスが完全に会社にいるおじさんで、その人見るたびに全さんを思い出します。当たり前に別人ですし、作中のような生活はしてないですが。
    さておき、飲み込まれそうな魅力を持つ人って存在するわけで。飲み込まれてしまうのも一興。人生の起点というか、深く心に刻まれた経験こそが今のわたしを織りなすのではと粛々と考えていた次第です。やっぱり、そういう経験って誰しもするもんなのかなぁ。怖いくらい醜い執着と欲望に塗れた主人公が素直で可愛いと思う反面、こいつは何をしとんやと毎度思いました。良い作品何度でも読みたいです。

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    2026年02月06日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    こういう仕事もあるんだなと新しい世界を知れた。
    服飾にはあまり詳しくないけど、文章を通して綺麗な洋服に関われたし、私たちが日常的に着てる服たちも歴史があって今の形になって愛されてるんだなと感慨深かった。
    登場人物たちも、どこからしら自分の傷だったり欠点を隠したりなど現代社会でも同じような人達がたくさんいる中で、この本を読んでいるとその人たちの背中をそっと押してくれる本だと思う。
    やっぱり千早茜さんの表現は他の作家さんには感じられない魅力があって素敵です。

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    2026年02月05日