千早茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「この人(あの人)が理解できない」と話題に上がるときに、この人は他人が理解できると思ってるのか?と不思議な気持ちになります。
自分自身のことも理解できているとは到底思えないのに、他人のことなんて理解できない。理解できずとも、「そういうこともあるか…」と許容するくらいで良いのではないかと思います。
レッテルを貼るのは簡単だけれど、貼った時点から変化しててもなかなか剥がすことができなくて、どんどん乖離していく。苦しい。
でも、この主人公は極端だし、「傷付きたくない、ぶつかりたくない」や「手の届く範囲はコントロールしていたい」が強すぎる気がしました。
自然だと思ってた世界を「不自然」だと指摘された -
Posted by ブクログ
あなたは彼に『部屋の植物たちが心配なので、僕は滅多に旅行には行かない。出張もなるべく日帰りにする』と言われたらどう思うでしょうか?
私たちは会社で、学校で、そして街中で、日々数多くの人と接しています。親しい関係から、単なる行きすがりの人までその関係性はさまざまです。ただ、一見関係が深いからといってその相手の全てを知っているかと言われればそんなことはないものです。たまたま見えているその人の横顔がその人の全てでもないでしょう。そんな横顔からは決して見えないその人本来の素顔が隠されていることだってあるかもしれません。人を理解するということはそう簡単なことではないはずです。
人の世を生きていく限 -
Posted by ブクログ
うまく言葉にできないけど心の中に漠然とあるものを掴み言葉で表現することができる作者。
「自分のためだけに生きること、足りないものを自分で埋めていくことって時々虚しく思えてくることがある。」
「結婚の目的が存在の肯定なのだとしたら…自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい。でも誰かとペアにならなくてはいけないと思い込むのは強迫観念に近い」
神仏への願い事について、「お願いごとをすることは、自分にとってなにが大切かを考えること。自分を見つめなおす場をつくることがお寺の役割で、願いを叶える叶えないではない」
「あまりに沢山の願いことがあるのと、まったくないのとは、何も願えないという点では似ている」 -
Posted by ブクログ
お姫様になれなかったあなたへ。本当に幸せになれたのは誰か-?西洋童話をモチーフに紡がれた、美しくも恐ろしい七編。
初めての千早茜san。
あとがきの千早sanの言葉のとおり、西洋童話は、あまりにも遠い世界で、どこか他人事で、安心して読めてしまい、”ぬるい”と感じられた。これに、現代に生きる人の感覚や価値観を入れ、既存のモチーフを鏤(ちりば)めて、その中で血や肉を持った登場人物が、しっかりと描かれていました。
花火大会の日、幼い兄弟はわざと母親とはぐれ・・・の「迷子のきまり」から、不倫に悩んで実家に戻った私は、認知症の祖母の過去を知って・・・の「アマリリス」まで。この”わざとはぐれ”で心惹 -
Posted by ブクログ
以前3巻を読んで面白かった筆者の食エッセイ、通称「わる食べ」の1巻目。3巻から読んだから筆者の人間関係とかがよく分かっていなかったけど、1巻では結婚していて3巻では離婚して恋人がいるって感じみたい。筆者が大好きなチョコレート、嗜好品について書かれた章の「(嗜好品は)なくてもいい、けれど、なければ人生の輝きは減る。嗜好品は魂のための食べものなのだ。」の部分が好き。嗜好品は生きていく為に必要ないといえばないものだけどあると幸せになれる物なんだから妥協しちゃ駄目だな!と食に対して熱くなれた。出てきたお店や食べ物はしっかりメモに残したから私も筆者と同じ物食べたい、あと食い倒れの旅行したい!和菓子、滅多