千早茜のレビュー一覧

  • ガーデン

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    「この人(あの人)が理解できない」と話題に上がるときに、この人は他人が理解できると思ってるのか?と不思議な気持ちになります。
    自分自身のことも理解できているとは到底思えないのに、他人のことなんて理解できない。理解できずとも、「そういうこともあるか…」と許容するくらいで良いのではないかと思います。
    レッテルを貼るのは簡単だけれど、貼った時点から変化しててもなかなか剥がすことができなくて、どんどん乖離していく。苦しい。

    でも、この主人公は極端だし、「傷付きたくない、ぶつかりたくない」や「手の届く範囲はコントロールしていたい」が強すぎる気がしました。
    自然だと思ってた世界を「不自然」だと指摘された

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    2023年06月07日
  • あとかた

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    連作というのか、短編集だけど、登場人物がつながっている。
    短編集は気軽に読めて好きだが、読み足りないと思うことも多いので、前に出てきた登場人物のその後が知れるのはすごく嬉しい。

    基本的には不倫などの一般的に賛同しかねる関係の人たちの話ではあるが、沼る前に相手から別れを告げられたり、色々な分かれ方をする。
    配偶者に知られた、というような描写がないのも良い。
    羨ましい、と思うような描写もなくだから一歩引いて読めて良かったのかもしれない。

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    2023年06月07日
  • ガーデン

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    あなたは彼に『部屋の植物たちが心配なので、僕は滅多に旅行には行かない。出張もなるべく日帰りにする』と言われたらどう思うでしょうか?
    
    私たちは会社で、学校で、そして街中で、日々数多くの人と接しています。親しい関係から、単なる行きすがりの人までその関係性はさまざまです。ただ、一見関係が深いからといってその相手の全てを知っているかと言われればそんなことはないものです。たまたま見えているその人の横顔がその人の全てでもないでしょう。そんな横顔からは決して見えないその人本来の素顔が隠されていることだってあるかもしれません。人を理解するということはそう簡単なことではないはずです。

    人の世を生きていく限

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    2023年06月05日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    本来残酷だと言われている西洋童話を現代に置き換えることで、より残酷かつ風刺的に感じた。文章が美しかった。
    7編のうち「シンデレラ」だけがわかりやすいハッピーエンドで、1番好きだった。
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    「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」……誰もが知っている西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡ぎだした、耽美で鮮烈な現代のおとぎ話7編を収録した短編集。

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    2023年06月01日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    男女それぞれの目線や、それぞれの感情が描かれていて面白い。ケンカした時の男女の感情の違いとか、リアリティあって笑っちゃう。

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    2023年05月29日
  • しつこく わるい食べもの

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    美味しそうに、たくさんの、色んなものを食される様子を見るのが気持ちいい。
    自分の中の食への欲みたいなものを刺激されるのがとても好きです

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    2023年05月28日
  • ガーデン

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    うまく言葉にできないけど心の中に漠然とあるものを掴み言葉で表現することができる作者。

    「自分のためだけに生きること、足りないものを自分で埋めていくことって時々虚しく思えてくることがある。」
    「結婚の目的が存在の肯定なのだとしたら…自分が丸ごと肯定される居場所は欲しい。でも誰かとペアにならなくてはいけないと思い込むのは強迫観念に近い」


    神仏への願い事について、「お願いごとをすることは、自分にとってなにが大切かを考えること。自分を見つめなおす場をつくることがお寺の役割で、願いを叶える叶えないではない」
    「あまりに沢山の願いことがあるのと、まったくないのとは、何も願えないという点では似ている」

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    2023年05月18日
  • 眠りの庭

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    アカイツタとイヌガン
    別々のお話のようで深く絡みついている一冊

    理解できないような闇や薄暗さがある
    深い闇に興味をそそられ
    のめり込んでしまう感じ
    久しぶりに味わった
    嫌いじゃないんだなこの感覚

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    2023年05月15日
  • 魚神

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    おとぎ話のような小説。遊郭という淀んだ世界なのに、美しく幻想的な話だった。他のレビューにもある通り、良い匂いや嫌な臭いなど、嗅覚を刺激する描写が上手いと感じた。

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    2023年05月11日
  • からまる

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    からまりは、つながりでもある。

    「相手を想って避けたはずのことが、単に面倒事を避けるための沈黙や我慢になっている」
    「肝心な人に感情を向けなくては駄目だ。怒りで誤魔化すのじゃなくて、ちゃんと寂しいってことを伝えなきゃ駄目だ」

    うっかり1人で勝手にからまって身動きを取れなくなることもあるけど、どうせなら大切な人とからまりたい。

    「傷ついたということは、わずかでも期待していたということだ。先を望んでたということ。それが、恥ずかしかった」
    ここ、自分の経験を思い出して気持ちを拾ってもらえた気がした。

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    2023年05月07日
  • からまる

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    ネタバレ

    「自分はこうあるべきって決めつけない方がいいわ。長い目で見ないと分からないこともあるから。」


    大好きな千早茜さんの作品、7つの短編でサクサクと読めた。それぞれのストーリーが繋がっていて面白いです。

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    2023年05月07日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    お姫様になれなかったあなたへ。本当に幸せになれたのは誰か-?西洋童話をモチーフに紡がれた、美しくも恐ろしい七編。

    初めての千早茜san。

    あとがきの千早sanの言葉のとおり、西洋童話は、あまりにも遠い世界で、どこか他人事で、安心して読めてしまい、”ぬるい”と感じられた。これに、現代に生きる人の感覚や価値観を入れ、既存のモチーフを鏤(ちりば)めて、その中で血や肉を持った登場人物が、しっかりと描かれていました。

    花火大会の日、幼い兄弟はわざと母親とはぐれ・・・の「迷子のきまり」から、不倫に悩んで実家に戻った私は、認知症の祖母の過去を知って・・・の「アマリリス」まで。この”わざとはぐれ”で心惹

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    2023年05月05日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    晶とまきこはそれまで二人だけの閉じた世界で生きていたが、芳と出会い沢山の刺激を受け、広く周りを受け入れられるように変化する様子が瑞々しい。芳も幼少の頃の体験で深く傷つき、周囲に溶け込みはするがどこか他人には壁をつくる所があるからこそ、晶やまきこと波長があったのだろう。
    芳のように自分の気に入った良質な服をきちんと手入れして大切に着るということを自分は全くできていないなーと反省。もう一度自分のクローゼットを見直して大切に扱っていこうと気持ちを改めた。

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    2023年04月27日
  • こりずに わるい食べもの

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    私はあんまり食にこだわりが無いので「そうなんだぁ」と、他ジャンルの話を聞くオタクみたいな感想しか出てこないのが申し訳ない。
    食へのこだわりを真似はできないけど、身体を作る物に貪欲なのっていいなぁと思った。

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    2023年04月01日
  • 眠りの庭

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    難しかったとか複雑だったとか、そういう言葉では表せられないような神秘的な作品だった。
    アカイツタとイヌガンの2部が折り重なってひとつの物語となることがすごく印象的だった。ただ、わからなかった、、、

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    2023年03月30日
  • からまる

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    あとがきどおり、湿度のある作品だった。短編集の中で登場人物が少しずつ重なりながら物語が進んでいく。私は水族館の水槽を、角度を変えながら覗いてる気分だなと思った。

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    2023年03月25日
  • わるい食べもの

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    以前3巻を読んで面白かった筆者の食エッセイ、通称「わる食べ」の1巻目。3巻から読んだから筆者の人間関係とかがよく分かっていなかったけど、1巻では結婚していて3巻では離婚して恋人がいるって感じみたい。筆者が大好きなチョコレート、嗜好品について書かれた章の「(嗜好品は)なくてもいい、けれど、なければ人生の輝きは減る。嗜好品は魂のための食べものなのだ。」の部分が好き。嗜好品は生きていく為に必要ないといえばないものだけどあると幸せになれる物なんだから妥協しちゃ駄目だな!と食に対して熱くなれた。出てきたお店や食べ物はしっかりメモに残したから私も筆者と同じ物食べたい、あと食い倒れの旅行したい!和菓子、滅多

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    2023年03月21日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    シンプルで緻密なストーリー構成が、登場人物の心情を際立たせており、素敵な作品だった。ストーリーも良かったが、服飾の専門的な内容と表現が上手だなと思った。

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    2023年03月13日
  • からまる

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    読み手の読解レベルが試される作品だと思います。
    全編を通して各登場人物が繋がりのあることは理解できたのですが、この作品のテーマというものが薄ぼんやりしているかなと感じました。
    たぶん「愛」がテーマだとは思うのですが、その愛が意味するものを理解するには少し難しかったです。
    一度読むだけでは読み解けないと思ったので時間を置いてもう一度読みたいと思いました。

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    2023年03月10日
  • 胃が合うふたり

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    胃が合うって確かにすごい事だ。
    曰く「餌場が同じ野良猫」とのこと。
    私自身は食べるのが好きだけれど年々食べられる量が減ってきて、好きな物を好きなだけ食べられる体ではなくなってしまった。
    それだけに、コース料理も余す所なく堪能できる2人が実に羨ましい。
    そして2人の関係も、胃が合う2人は気が合う2人。
    距離感が丁度良い人に出会えるってすごい事だ。
    その日、その時の気分で動く新井どんとは私はやって行けないかも(笑)
    千早さんは長女ということもあり、人のお世話を自然にしてしまう人。
    私もこういう人に甘えて生きて行きたい。
    食べる話っていい。

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    2023年03月08日