千早茜のレビュー一覧

  • グリフィスの傷

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    ネタバレ

    色んな傷があって、もちろん外傷的なものも、心理的なものもあって、その傷に対する思いも人それぞれにあって、考えさせられるものがありました。でも、題材は重い感じがするのに千早さんが書くとなんでか洗練された美しい言葉になって、ストンと落ちる感じがして、読むのがキツくなったり、気持ちが落ちたりするようなこともなく、ただ綺麗な話しを読んだ感じになりました。
    物語の中で「傷つけられた本人は忘れている。傷つけた方は覚えていて、見る度にその体に残る傷跡を探してしまう。どんなに薄くなっても、後悔の味はそのたびに蘇ってくるのだろう。」っていう文章があって、私がよく目にしたり聞くのは逆で、だいたい傷つけた方が忘れて

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    2026年03月26日
  • さんかく

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    おいしい料理がでてきてほっこり。
    しかし、3人のそれぞれの思いは切なくて、人と人との関係は、感情や気持ちもあるのだろうけど
    それだけじゃなく、タイミングもあってほんとちょっとした差で変わってくるんだろうなというのを思った。
    高村さんの私たちは誰かに受け入れられたいっていう気持ちを持て余してたっていう文章が心に刺さった。

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    2026年03月22日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    ネタバレ

    千早茜さんの小説は五感が刺激されそうなくらい登場人物の言動や感情の描写が丁寧で繊細で面白い!

    聞いたことがないスイーツを沢山調べられたから今後事前リサーチして食べてみたいな。

    おじいちゃんがいなくなったときに受けたショックの原因について「近かったのに知らなかったから」というようなことを祐介が言っていたのが印象に残った。
    身近な存在に対してよく知らなくても知った気分になってしまうのって自然なことかもしれないけれど、その人と別れた時に後悔しそうだから、どんなに身近な存在であっても知る努力をしようと思った。

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    2026年03月21日
  • 正しい女たち

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    正しい、って何が正しいんだろう?私の正しいと、あなたの正しいは同じかしら。

    短編集だと思って読んでいたら、最後の解説を読んで「連作短編集」だと気付いた。びっくり。最初に出てくる4人の女友達の話と、環の話がつながっているのは気付いたけれど、他の話もほんのりとつながりがあった。このほんのり感、すごいな。
    6作品の中では、海辺の先生と幸福な離婚が好みかな。

    千早作品特有の、男女の歪んだ愛、歪な愛がよく描かれていていいね。

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    2026年03月18日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    著者の作品を読むのは2作目。直木賞ということは知らず表紙の美しさと時代に興味があって手に取った。前回は現代の調香師、今回は歴史物。リアルなもののけ姫というか、人が本当に生きている、そして死んでいく、という感じが感じられて一気に読んでしまった。喜兵衛を始めとした主人公を通り過ぎていく登場人物たちの描写も、映画になったらとつい考えてしまう。薦める相手は選んでしまうけれど面白かった。

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    2026年03月17日
  • 魚神

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    不思議な感情を覚える物語だ。
    異性愛とも家族愛とも違う、2人だけが互いに抱く独特な感情が文字を通して伝わってくるようだった。

    結末をハッピーエンドと捉えるか、バッドエンドと捉えるかが極端に別れると思う。
    私は、これからの2人が2人だけの世界で幸せになってくれたらいいなと願う形で読み終えた。


    千早茜さんの作品は【香り】が強い印象だったが、今回はそれだけではない別の【何か】を感じられて、とても印象に残る1作品だった。

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    2026年03月12日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    読みやすい。男女それぞれの視点で書かれている。
    言葉にするのは難しいし、好きだとか、そういうことを言うのは野暮で恥ずかしいかも。言えないよねわかるよ〜!ってなりました。

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    2026年03月11日
  • 眠れない夜のために

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    全10話の、眠れない夜の過ごし方のお話。
    色々な眠れない理由があって、色々な過ごし方があって。
    どのお話も穏やかで優しいお話でした。
    まずは、一通り楽しんで、眠れない夜に読みたいお話を摘まみたい、そんな本でした。

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    2026年03月08日
  • なみまの わるい食べもの

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    賞を取った後ってそんなに目まぐるしいんや。
    冷蔵庫は精神状態のバロメーター。
    食べ物へのこだわりが強くて友達にはしたくないタイプやけど、たまに妙にわかる!!!ってなる食べ物への気持ちがある

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    2026年03月07日
  • こりずに わるい食べもの

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    作者にとって食は自由。あくまでも自分自身の欲求に忠実な姿勢は清々しい。

    作者の発想と言葉の選択は今回も面白い。水餃子作りを「兵馬俑」と喩えたり、めんつゆはデニムと言い切ったり。

    作者の手にかかるとアスパラガス1本が主役になりご馳走になる。読んでいて好きな物を好きなように食べまくりたくなった。誰かとの瞬間の光を宿した食事をしに出かけよう。

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    2026年03月07日
  • 眠れない夜のために

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    10人の眠れない夜の話。クッキー缶を食べたり、夜の散歩で思いがけない出会いがあったり、犬が自由に夜の街を走り回ったり…幻想的なお話や優しい話が多く、静かに心に染み込む感覚。空洞/水のいきもの/あめ/木守柿/夜の王が特に好き。西淑さんのイラストが本当に綺麗です。装丁が素敵でずっと気になっていたので、読めて嬉しいです。

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    2026年03月01日
  • ガーデン

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    植物大好き男のため、共感とともに危機感を覚える話だった。

    有難いことに今は同棲している彼女がいるが、ふとした時に自分の庭に籠りたい衝動に駆られることがある。。。

    元来一人好きというのもあるが、今の人を手放すともう一人でいいやとなるのは目に見えているため、できる限り今の彼女を大切にしようと思う。

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    2026年02月23日
  • ひきなみ

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    本作のトピックは「女」であることに対する嫌悪感なのだろうと思う。著者は何度も向き合い、絶望してきたのだろう。男性には書くことのできない女性であることのやるせなさの表現が経験してないとかけないほどの解像度であった。初めて生理が来たときの恐怖、生理を止める方法はなく近所の店に買いに行くこともできない絶望感。
    急いでティッシュで対処する生々しい表現。
    体の変化だけではなく、幼少期から感じ続ける男性と女性の違いの歪み。
    島という狭い世界だけではなく、東京に出てきても感じなければならないその差別に大逆転劇を持ち込むのではなく「逃げるってことは自分じゃない人間の見方を拒絶しているようで受け入れてしまってい

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    2026年02月21日
  • しつこく わるい食べもの

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    わるたべ再び。
    千早さんの食への姿勢が今回も面白く読ませてもらった。
    コロナ禍に入ってからは飲食店に全然行けなかった当時を思い出し、ふらっと行きたいお店に行けることって幸せなことだなと思った。

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    2026年02月21日
  • 女ともだち

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    面白かった!
    それぞれの短編の掲載順?編纂順?並び?がとてもいい。最初の2話でズドンと落として中盤でジワジワ癒されて、最後は駆け抜けた。
    読み始めは女ともだちって何でこうなんだ……と落ち込んだけれど、読み終わる頃には女ともだちってなんかイイなと思える。
    「COPY」「水底の星」「ブータンの歌」が特に印象に残った。

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    2026年02月19日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    過去に囚われる二人のお話。千早茜さんらしい本でした。情景やその空間の詳細をいろんな言葉を使って表現するから必然的に文が長くなるが、スっと頭に入り想像が簡単にできる。この本の世界に入れる。もう一度あの本の世界に入りたいと思える作品。

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    2026年02月18日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    ひとつの物語を2人の作家さんが順番に書き進めていって徐々に物語を作っていく感じの構成でした。
    カップルの出会いから付き合ってを描いているのですが、このカップルがずーっと喧嘩してる。笑
    しかもその喧嘩のテンポが良くてどんどん読んでしまう、なんかクセになる1冊です( ^∀^)

    彼女視点から描かれる彼氏は頼りなくてアホで気が利かない、めちゃくちゃイライラするどうしようもない奴やけど、
    彼氏視点から描かれると、彼はただの言葉足らずなだけで不器用ながらも本当はめちゃくちゃ彼女のためにって考えて行動してて、でも全く伝わってなくて、なんだか憎めない奴。

    「そんな男何がいいの?時間の無駄やから別れた方がい

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    2026年02月17日
  • 人形たちの白昼夢

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    久しぶりの千早茜さん。
    もう千早茜ワールドだった。

    人形と青いリボンをテーマにした12の短編集。
    それぞれのお話はどこか静かで...
    千早さんらしいとても美しい世界観
    それでいて残酷。
    なんだろ、残酷さがより際立っていた。

     
    各編のタイトルもおしゃれ

    コットンパール
    プッタネスカ
    ビースト
    ロゼット

    このあたりが好きでした。

    挿入絵も素敵。

    千早茜さんにはずれなしです。
    独特な世界観好きさんいませんか??

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    2026年02月17日
  • あとかた

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    1番最初の話がいきなり浮気からはじまり、とっつきにくく、飲み込みにくさを感じた。わたしにはこの本は向いてないのかもしれないと思ったけど、読み進めていくうちに物語の中にストンとはまりこんでいた。
    自分とは似ても似つかない考えや行動の登場人物たちに、気がつけば惹きつけられて、気持ちが寄せられていた。

    物語の中で揺らぐ情動が根ざすのは、だれもが抱えている普遍的な孤独や悲しみや苦しみだ。正しいかどうかでは測れない。感情が導き出す道は不合理で複雑で、幸せなんて一口に語れる出口はない。
    読み終わった後も物語の余韻が悲しく残っている。人生がもっと単純で明快だったら良かったのに。

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    2026年02月16日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    最初ピンとこない感じだったのに、途中からめっちゃ引き込まれて一気に読んでしまった。

    あれこれ理由をこじつけて、自分を納得させようと頑張って、それでもうまくコントロールできない現実から逃げたくなる。
    そんな人達が主人公の連作短編集。

    ふんわり甘くて心地いいお菓子で、一瞬見たくない現実から逃れられても、容赦のない現実から目を背け続けることはできない。
    嗜好品をはけ口として消費するのではなく、ちゃんと楽しめるように、この主人公たちのように、向き合いたくない現実に立ち向かいたいと思った。

    特に、ネイリストの主人公が発したセリフがお気に入り。
    「自分を卑下しても、自分が好きになったものを否定しちゃ

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    2026年02月15日