千早茜のレビュー一覧
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全体的に物静かで綺麗なお話でした。千早茜さんの作品はセンスがいいというか、言葉選びとか雰囲気が垢抜けていてかつ色っぽくて好きです。
一気に読ませるような勢いはないのですが、徐々に不思議な世界観に引き込まれていきました。
映像作品になったらぜひ見てみたいです。
蜷川実花さんが監督されたさくらんがイメージに近いかと思ったのですが、そこまで極彩色ではなくて、もっと透明感のあるキラキラしたイメージを受けました。
遊郭が出てきたり、人間のドロドロした部分も描かれているのに現実味がないというか、不思議な世界観の作品です。
主人公の白亜の感情が希薄だからかもしれませんね。
白亜とスケキヨは雷魚と伝説の遊 -
Posted by ブクログ
本好きにはたまらない、本好きのための本!
本の中で本を読んでる人たちの話。
最後の新刊小説が撲滅されるやつとか、、、読んでて、
いやだ!いやだ!いやだ!そんなのは嫌だ!
昔の小説も全て読破したいと、野望があるけど、それでも、、、新刊小説が出ないなんて!!!!
なんか、悔しくて涙がでそうでした、、、、
ホント、、、、
わたしはこれだけ本が好きなんだから、もっともっともっと応援していかなくちゃならないよな!!!!と、思った。。。
さすがに月30冊は買えないので、せめて数冊でも新刊買ってく!!!!!!!!!!
全力で本屋さん支えて行きたい。。そんなふうに思う一冊でした。
千早茜さんの -
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このシリーズやっぱり良いな。今回も楽しかった。食に纏わる千早さんの考えが特に好ましい。
(たまに頑固すぎやしまいか…と思うこともあるが笑)
甘いもの好きだったら生クリームも好きでしょ?等の決めつけは、食の世界だけでなく、いろんな世界で横行している。デニムを持っていない人だっているし、コーヒーが嫌いな人もいる。人に何かを進めるときは気をつけよう。自分が良いと思っていても、人にとっては微妙もしくは苦手なことは結構あるのだから。
そして、意外に千早さんが好き嫌いが多いことに安心した。食べることが好きなら、幅広く色んな食材を食べ、味を知っていなければならないと自分で勝手に決めつけてしまっていた。
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Posted by ブクログ
「レースを見つめていると、一面に霜柱がたった寒い冬の朝を思いだす。庭に咲きほこる花々が時を止め、世界の欠片が白く凍りついたよう。」
「透明な夜の香り」の一香が一人称の文章を読んだときも感じたけれど、欲望という言葉が不似合いで、繊細でささやかな主人公を通して見る世界は、どうしてこんなに美しいのかと思う。
過去のトラウマから、男性に触れられることに強い恐怖心をもつ纏子が、芳の唇や拳が震える様子をみて、「手を握りたいなと思った。人はこんな気持ちで人に触れたいと思うのだと知」る場面が涙がでるほど印象的。身体とか、男女とか、美しさとかについて、考えるきっかけになりそうな一冊。 -
Posted by ブクログ
エッセイ。
著者はとにかくよく食べる。しかも1日の大半、食べて過ごしている。羨ましき生活だ。ただ、暴食をする日がたまにあるとのことで、その日は気持ちが悪くなるまでパンを食べたりしており、健康にはよろしくないと思う。
しゃらくせえ!という著者の声が聞こえる気がする。誰に何と言われようとも好きなものを食べるのが彼女の愉しみなのだから。
スナック菓子を食べ続けていると口が切れるなんて初耳で驚いた。
今は健康志向が強まり、スローフードやらファスティングやらよく分からない横文字のものが賛美されるようになった。
私は夕飯だけ食べる生活(仕事に行く日のみ)を2年以上続けているが、食に興味がない訳ではないし -
Posted by ブクログ
人は誰かとつながってしか生きられない。もがき迷いながら”いま”を生きる7人の男女たちが一筋の光を求めて歩き出す-。
『魚神』に続いての千早茜san。
第一話「まいまい」から、第7話「ひかりを」まで。相関図を見ずに読みました。次の話に進み、誰が軸で、どこで”からまる”のか、ドキドキしながら読み進めました。
一話:武生の”女”への想い(蝸牛)、二話:田村と華奈子の関係(クラゲの血)、三話:係長の家庭(イソメ)、四話:恵の過去(子ムカデ)、五話:蒼真の悩み(星の砂)、六話:華奈子の生い立ち(ヒドラ)、七話:葛月の生きる意味(ナマコ)など。
美しくて、妖艶な連作集。登場人物それぞれが抱える苦悩