千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレただ甘いだけなら馬鹿でもできる。
西洋菓子店プティ・フールで働く亜季と、その周りの人の心の成長物語。各ストーリーに出てくる洋菓子はとても美味しそうで、読んでいると甘いものが食べたくなる!そして単行本・文庫本ともに装丁が可愛らしい。
亜季の作るお菓子は濃厚で挑戦的と表現されている。師匠兼シェフであるお爺さんからは「厳しい」と言われていたけれど、まさに亜季の性格そのもの。
恋人の裕介に対し、ただ彼は「甘えたかっただけ」と気付かされるシーンはお爺さん流石のナイスアシスト!
恋人同士、いやそれは夫婦になっても、お互いに甘えられる優しさと懐の余裕を持ちたいと思いました。 -
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Posted by ブクログ
この本を読むとだいたいの女性はなんらかの性被害に合ってる、幼い頃から大人になるまでの期間で。
男性も性被害にあうこともあると思うけど、女性の比ではないだろう。
そういう危険にさらされながら生きるってどういことだろう。
そういう話しばかりじゃないけど「私の身体を生きる」というテーマで書くとなったらそこは避けられないことなんだろう。
特に西加奈子、柴崎友香、金原ひとみ、朝吹真理子、藤野可織、藤原麻里菜のは身につまされた。
千早茜の「私は小さくない」は共感。(そこまで激しく大きく強くなりたいとは思わなかったけど)
鈴木涼美の「汚してみたくて仕方なかった」はぶっとんでた。すごいアカデミックな環境だから -
Posted by ブクログ
千早茜さん、なかなか読む機会がなく、積読されていた中の一冊。
洋食や洋菓子店を舞台にした作品を最近読んでいたので、世界観は楽しませてもらいました。
千早さんはドロドロしているイメージがあったのですか、意外にもスラスラと、共感できる登場人物もいて読みやすかったです。
でもでも6編の短編がさまざまな登場人物の視点になり、あの時、相手はこう思っていたんかい!
みたいな描き方は面白い!その分、主人公亜樹やその恋人祐介への感情移入が前半少なく淡々と進みます。
青山美智子さんのさすが!っていう連作短編技に近藤史恵さんの料理愛と、微妙な人間関係の描写でモヤモヤするのを掛け合わせた読後感。
それでも、シェ