千早茜のレビュー一覧

  • マリエ
    わるたべシリーズから千早茜さんを知った私からしたら、食べ物の描写が素敵でたまらなかったです。すぐにでも小麦粉を手に入れたい気持ちになったけれど、作るとなると難しいんだろうな。観月台先輩やマキさんのような存在が私も欲しい。
  • グリフィスの傷
    『傷』をめぐる短編集。
    目に見える傷、目には見えない心の傷について、どのエピソードも短いながらも重みのある内容でした。
    個人的に印象に残ったのは『この世のすべての』で、主人公と顔のひきつれた男が、傷を負わされた対象に向かう恐怖心が逃避だったり怒りだったり、共通した思いを持っているかと思いきや…ラスト...続きを読む
  • マリエ
    千早茜さんの本、やっぱり好き。
    普通に恋愛結婚してたけど、相手からの求めに応じて離婚するところから話は始まる。

    自分はこのまま生活が続くと思っていたのに、離婚話を進めていたある日、彼の匂いに拒否反応が出て、自分の中では終わった人なのだと気づいたところが、頭でわかるよりも早く、体がわかっていたのだろ...続きを読む
  • 男ともだち
    千早さんの描く人々が、不器用でありながらしたたかで、とても人間らしくて好きだ。どうしようもない登場人物達だけれど、これぞ人間であり、愛おしいな、と思う。
    そんな人たちが育む、男女の友情という1つの愛情の形の物語。理解に苦しむ関係なのかもしれないけれど、やはり愛おしいなと感じた。
  • 赤い月の香り
    調香師と香りに取り憑かれた依頼人、そこで働く辛く悲しい過去を背負った世話人の、何とも異空間でいて、癒される。シリーズ化されたらまた読みたい。
  • こりずに わるい食べもの
    このシリーズ好き。山形とか関西から縁が薄い土地の話が出てくるのも東京編になったからと思うと、さみしくない
  • グリフィスの傷
    どのおはなしも、本当にすてきでした。
    ちくりと痛む傷口からかすかに漏れるやさしい光が、読者を包んでくれます。

    千早さんの作品は2つめですが、読むとこころが落ち着きます。
    わたしの中にある純度の高い部分が、ゆっくりじっくり、広がっていくようです。
  • 赤い月の香り
    『透明な夜の香り』の続編。
    一香ちゃんあまり出てこなかったー
    朔さんと一香ちゃんのストーリーが読みたかったけど、そうじゃないとこが良いのかも?
    今回は、カフェでバイトをしていた朝倉満を迎えて。
  • 赤い月の香り
    『透明な夜の香り』の続編というかスピンオフ。
    スピンオフってたいてい本編に比べると内容が軽めで物足りないものが多いけれど、この『赤い月』は丁寧にひとつの作品になっていた。

    もっと朔と一香にフォーカスしてよ!って思いつつも、いやこのくらいがちょうどいいのかなとか。
    もっと読んでいたい世界でした。
  • 透明な夜の香り
    ページを開くたびにハーブや果物、植物などの香りが文字を通して香ってくる気がした。
    文章自体も美しく、儚い気分になるのだけど、ただ美しいってわけでもなく...その中に狂気めいた謎の美しさが残るお話だった。
    この本を読むときは夜に読むべき...
  • グリフィスの傷
    この1冊から、「傷」は癒えたのではなく見えにくくなっただけなのだ、と教えてもらった。

    きっかけがあればいつだって、生々しく痛みだす。
    どんなに明るく見える人だって、必ず「傷」を抱えて生きている。

    でも私たちは傷つかずに、傷つけずに生きることなんてできない。
    あの人の「傷」は気遣うべきで、あの人の...続きを読む
  • 赤い月の香り
    透明な夜の香りがすごく良かったので続編を
    今回は男性
    一人一人絡みついた心を修復して、
    送り出してるという感じなのかな
    匂いは記憶を呼び覚ます。
    その光景の書き方が良かった。
    また読みたい。
  • クローゼット(新潮文庫)
    あなたは、何のために『ダイエット』をするのでしょうか?

    コロナ禍で外出機会も減った2022年。体重計で有名なタニタが『ダイエット』に関する意識調査を行っています。それによると、”ダイエットの必要性を感じる機会が増えた”と答えた方が全体の31.6%、10代と30代の女性では4割を超えたという結果が...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    あらすじを読んで、昔観た映画『香水 ある人殺しの物語』を思い出しました。
    あの話も、主人公はありとあらゆる匂いを嗅ぎ分ける能力を持っていた。そして色々な匂いを組み合わせて、人の感情を意のままにする香りを作るようになる。
    ある日、彼は自分の求めていた匂いに出会います。それは女の子の体臭なのですが、死ん...続きを読む
  • グリフィスの傷
    「傷」についての10のお話。
    「傷」と言ってもいろんな「傷」がある。
    見える「傷」見えない「傷」

    自分も体に大きな「傷」を負った事がある。
    今はほとんどわからない状態になってる。
    小学生の頃の「傷」
    母親は「その傷のせいでイジメにあったらどうしよう」とか、大きくなって「手術して目立たなくしたい」っ...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    物語が静かに穏やかに淡々と進む
    トラブルとかがないわけではないのに。

    匂いはあるけど、
    あまり音がないからかも。

    読後は、スカッとしたとか
    悲しかった、面白かったとは違って
    あぁ終わっちゃったんだと不思議な感覚

    このあと、どうなったんだろうと
    少し気になるけど、
    ハッキリと知りたくはない。

    ...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール
    あなたは、『甘い物』が好きでしょうか?

    この世にはさまざまな食べ物があり、私たちは日々それぞれの好みに合わせてそんな食べ物を食べながら日々を送っています。また、食べ物には、”五味”と呼ばれる五つの分類があるようです。辛い、苦い、しょっぱい、酸っぱい、そして甘い、という”五味”のどれに魅力を感じる...続きを読む
  • グリフィスの傷
    千早茜さんの本は長編が好きなのだが今回の短編集はどのお話も満足だった

    傷をテーマとした10の物語
    中でも一番好きなのは「この世のすべての」
    同じマンションの住人であるこの世のすべての犬が嫌いなトラブルメーカー男とこの世の全ての男が怖い女子高生の話
    お互いに分かり合えているのかと思いきやラストに驚い...続きを読む
  • あとかた
    主人公(視点)が変わりつつ、全ての短編の登場人物に繋がりがある連作の短編集でした。私はこのタイプの作品が好きみたい。初めの章に出てくる男性が全編通してのキーパーソンなんだけど、その男性の視点の章が無いのがすごく良い。想像を掻き立てられます。詳しい説明がない分、ミステリアスで結局1番印象的な登場人物な...続きを読む
  • グリフィスの傷

    本人にしかわからない傷、その傷にまつわる苦しく辛い過去。傷の深さは、他人の尺度では計り知れず、本人が打ち明けなければ傷の歴史を知ることはできない。しかし誰にも知られないことでかえって深まる傷もある。

    登場人物は個性的、というか影のあるひとが多かったように思った。サイコパス的な気質のある登場人物も...続きを読む