千早茜のレビュー一覧

  • しろがねの葉
    読んでいるとウメの生涯はつらいことの連続の様に感じてしまう
    それでも生き続けることで光るものを無数に見つけてこられたと、龍との会話で思い至るところが素敵だった
    石見銀山の人々の様子が生き生きと、時には苦しくなるほどに伝わる
    歴史を知っていればより深く物語に入り込めると思うので、予備知識があればなおい...続きを読む
  • 男ともだち
    まさにハセオの様に、どんなに要求されても切りたくない男友達がいる。その友達にこの本を勧められた。共感する言葉の羅列だった。

    このアプリ小数点までは付けられないのか。自分は4.5の評価を烏滸がましくも付けさせてもらいます。

    恋愛感情とは違う大事な人。友達という枠をゆうに超える人。それがたまたま異性...続きを読む
  • しろがねの葉
    間歩の冷たさ、暗さや臭いまで感じる本だった。
    歴史小説に慣れていないので、心配だったけれど、読みやすかった。繊細で重厚な描写にどんどん惹きつけられていった。
    力強く、逞しく生きていくウメに何度も心揺さぶられた。
    喜兵衛、隼人、龍…生きていて欲しかった。
    切なくとも、力強い小説だった。
  • 神様の暇つぶし
    千早茜さんの作品に初めて触れたきっかけとなった一冊。湿度の高い空気感でストーリーが進んでいく感じがとてもリアル。歪んだ愛の迎える結末に涙した。里見のアナザーストーリーが欲しい。里見のことをもっと知りたくなる。
  • さんかく
    食べ物の出てくる物語が好きです。幸い昨今そんな物語に出会うチャンスは沢山あるのですが、、
    この本に出てくる料理の描写が外食も手作りも素晴らしくて。

    カウンターで天ぷらいいな、とかお寿司食べたいな、誰かと手巻き寿司をお腹がはち切れそうになるまで食べたいなとか
    淡白なものを好む登場人物がいるせいか食欲...続きを読む
  • 赤い月の香り
    香りも感情も目には見えないけれど、千早茜の文章を通すと、確かに実感としてそれらを感じ取れるように思える。作品を通して様々な花やハーブを利用した生活を覗いているだけで、香りの無いところに香りが立ち、読んでいるこちらの昔の記憶すら引っ張られてくる気さえするのだ。

    森の奥の洋館で客にオーダーメイドの香り...続きを読む
  • 赤い月の香り
    「透明な夜の香り」の続編ということで手にしました。
    「かくれた次元」という半世紀以上前に出版された本の中に、(過密空間の)ストレスで嫌な匂いを放つ動物たち(おそらく人間も)のことが書かれていて、自分もいろんなストレス臭を撒き散らしていないか気になっていたところ、まっことタイムリーなお話でした。

    ...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    暗い過去に蓋をしても香りは忘れさせてくれない。救いも破滅ももたらす香りに人生を翻弄される人たち。この本を読んでいると香るはずのない匂いを嗅ごうとしている自分に気づく。嘘の匂いとは一体どんなものなのか。
  • 透明な夜の香り
    人より才能があることは、その分刺激が多くて辛いこともあるのだなあ〜と。
    "香り"についての繊細な表現が美しい本でした✨
  • 男ともだち
    読み終わってすぐ「神名めちゃくちゃ勝手な奴やん……」って思ったけどそれで長谷雄がいいなら、2人がいいならそれでもいいかと思いました。
    普通に物語として面白かったけど、なんか神名が好きになれないし、シンプルに羨ましいし……という読後感
  • ひきなみ
    脆くて、痛くて、どうしようもなかった。
    悔しかった。
    この本に揺さぶられることが。

    実態のない、掴めない苦しさがずっとある。
    認めずにいたが、ずっとある。

    抗ってみようか。諦めずに。
    さらに苦しい道のりだとしても。
  • 赤い月の香り
    匂いが持つ記憶力に共感した。
    自分が作ってもらうとしたらどんな香りにしようかな、2つあるな

    香りって目に見えないのに、ありありと表現されていて、簡単に香りの想像ができた。嗅いだことないのにね。
  • しつこく わるい食べもの
    高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』に期待した、(これはタイトルと装丁から私が勝手に想像した本のイメージであって、お話に感じたこととは別物。)「こういう内容を求めていた!」という感情を消化すべく読みました。消化できた!
    読み進めていくうちにお腹がなり、何度もスマホでクックパッドを検索した。...続きを読む
  • こりずに わるい食べもの
    初めてエッセイ本を読んだ
    丁寧で繊細な文章を書く人そのまま、丁寧な暮らしをしている人なのだと思った
    紹介された食べ物たちを食べたくなりました
  • 透明な夜の香り
    朔という名前がまず良い。

    匂い、香りに焦点を当てた小説で珍しいテーマだ。
    匂いは、生きていく上で密接に関わっていて、とても大事なものだと思う。
    匂い一つで人の気持ちも変えてしまうものだと思う。
    ある匂いを嗅いだだけで、思い出が甦ったりすることあるよなー。とこの小説を読んで思い出したし、匂いって人が...続きを読む
  • ガーデン
    自分を隠すことでしか自分を守れないのだろうか。
    他人の心に踏み込まないことでしか他人を傷つけず生きられないのだろうか。

    自分が傷つかないこと、他人を傷つけないことに
    腐心をしてひどく大人びた子供のような主人公だった(主人公は30代くらいの男性だけど)

    主人公は極端なように描かれているが、
    自分を...続きを読む
  • しつこく わるい食べもの
    小説は私の作品で、私ではない。彼女のアクセサリーも彼女の作品で、彼女本体ではないし、彼女が繊細だろうが豪快だろうが、購入したアクセサリーはなにも変わらない。

    言語化していなかっただけで、料理は小さな肯定感や達成感をくれる。生活の中で習慣になっている行為には、自分を保つ要素が隠れていることに気づく。...続きを読む
  • からまる
    すごく繊細な話し。
    子供の頃数年ですが、人が触った物に触るのが気持ち悪いと、思う事がありました。
    それを思い出しました。自然と治ったと感じてたけれど、人との出会いで自分が変われたのかもと、この本を読んで思いました。
  • 神様の暇つぶし
    普通の恋愛小説、、ではなく歪な恋愛小説。
    それは恋なのか愛なのかそれとも執着なのか依存なのか、あるいは呪いなのか。
    人の愛を、人の心を、求めてしまう感情はきっと誰にでもあって。承認欲求も性的欲求も全て自分以外の人間からしか満たして貰えない。なんて醜い生き物だろう。なんて傲慢な生き物を神様は作ったのだ...続きを読む
  • ひきなみ
    女性であること、についての話し。
    子供時代に過ごした閉鎖的な島での暮らし。そこで出会った女友達が関わった事件。大人になって上司から受けたハラスメント。