千早茜のレビュー一覧
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第1部 葉は祖父母の住む島に預けられた。7月までの間という。父の具合が悪いそうだからだが、葉には父の機嫌が悪いだけにしか見えない。お母さんはお父さんだけが大事で、私を見てくれないと葉は思っている。
島で真衣と仲良くなった。といっても、真衣はふとどこかに行ってしまう。真衣の家も父母がいない。真衣は別荘の管理人の祖父を手伝っている。けど自分のことは語らない。
夏休みになっても母は迎えに来ない。初潮を迎えた日、葉は真衣と本土に渡る。
クリスマスに母は来たけど帰っていき、中学は島にはなかったので高速船で通うことになった。
第2部 父は若い女に走り、母と葉は捨てられた。祖父母の姓になっている。広 -
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ヤンジュさんのレビューを読んで面白そうと思ったので読んでみた。
傷には、軽重はあれ、必ずそれが出来るに至ったストーリーがある。自分の身体にも無数の傷がある。それは無数のストーリーがあるということ。まさにヒストリーだ。そして、傷は身体だけでなく心にも。つけたりつけられたり。それらのストーリーをヒストリーにしていくことが「生きる」ことなのかも知れない。そんなことを考えさせられた。
十の短編から成っているが、個人的に一番良かったのは「慈雨」。自分の不注意で子どもに傷をつけてしまった経験が、親なら誰でもあるのではないかな。それを悔やんでいる人ならきっと心にしみる話だと思う。(傷つけた相手が兄弟や友 -
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洋菓子をテーマにした甘いだけの作品かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。
甘美で少しほろ苦く、時々どきっとするほど官能的な大人のための連作短編集です。男女問わず、スイーツ好きな大人の方にぜひおすすめしたい一冊でした。
特に印象深かったのが、作中で語られる「クリームの科学」についての表現です。クリームは、二つ以上の脂肪球がぶつかり、溶け合い、繋がってこそ、ツノが立つような理想的な形になる。けれど、混ぜすぎると崩壊してしまう。
夫婦関係はもちろん、様々な人間関係に当てはまる深い比喩だと感じました。お互いを知ろうとしなければ一緒にはいられない。でも他人だから、完全に一緒にはなれないし、そ -
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ネタバレまたまたまたまた、千早茜さん。
父親が精神を病んでいるため、瀬戸内海の小さな島に住む祖父母に預けられることになった葉。古い慣習や厳しい祖父になじめなかった葉は、毅然として島の人たちになじもうとしない、真以に憧れ、仲良くなる。でも真以は自分に心を開いているように見えない。でもだんだんと距離が近づき、二人だけの秘密も共有するようになる。
せっかく近づけたと思ったのに、ある日、真以は何も言わずに島から逃げ出してしまう。真以を連れて行ったのは大人の男(逃亡犯)で、マスコミの格好の餌食となる。責任を感じ、葉は傷つく。
後半は大人になった葉の物語。大手企業で総合職として働く葉は、傷を抱えたまま一生懸命に -
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もしかして、千早さんってすごく面白い人なのでは…???
と思ったわるたべ4作目。
今までのわるたべや、新井さんとの『胃が合うふたり』を読んで一方的に抱いていた千早さんのイメージは、繊細、冷静沈着、計画的、夜型、芸術家気質、あと神経質(すみません、でもご本人もそう書かれてるので)。そんなイメージの千早さんが新しいご家族に翻弄され、段々と朝型健康サザエさんみたいになっていくのが本作。元々そういう窓があり、ご家族に開かれていく過程が描かれているのではなかろうか。だってディズニーランド・シーへ姪っ子家族と行って、「茜さんがいちばん楽しんでいた」って言われてるくらいだもの。きっとめちゃくちゃ面白い人な -
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ネタバレ見えない傷と見える傷がある
見えない傷は他人からは知られずずっとぐじゅぐじゅに膿んでたりする
見える傷は関わった大切に思ってくれる人がいつまでも忘れられない原因になる
案外本人は気にしてないこともあって
ただその人にも気にしてほしくないから隠す場合もある
見えない傷を無視されたくなくて見えるようにした
見える傷ができてやっと傷ついていたことに気づかれた
傷、をテーマにしてこんなに物語が広がるものなのかって驚いた
「私が描きたいのは生き延びたあかしだから。死体の傷口というのはひらいたままだ。血が乾き、腐敗し、蛆がわくことはあっても、ふさがることはない。傷痕になることはないんだ。だから、これらは -
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ネタバレ久しぶりにスラスラ読んでしまった!!
めっちゃ面白かった
短編集なんだけど、
登場人物がみんなどっかしら繋がってて、
こういう構成になってる本好きなんです!!
名前は一緒だけど、あの人から見た姿とこの人から見た姿が全然違う…本当に同じ人??みたいな混乱しながら読むの好きです!
そして1行目から文章が面白い。
「最初、わたしたちは四人だった。
わたしと環と麻美と恵奈の四人。わたしたちは太っても痩せてもなく、目立って愚図でも飛びぬけて優秀でもない普通の女の子で、大学までエスカレーター式の私立の中等部で出会った。(中略)わたしたちはなんでも話した。それぞれの彼氏のセックスの癖からペニスの形状まで