千早茜のレビュー一覧

  • 眠れない夜のために

    Posted by ブクログ

    眠れない夜を題材とした短編集。
    これは読まねばと、ある意味使命感にも似た気持ちで1時間程で読み終えてしまった。
    西淑さんの美しい挿絵が静寂さと深みのある夜を連想させて想像がより形となって浮かんだ。
    夜といっても深みのある夜や明けていく夜、物語によって現実の時間帯に合わせて改めて読んでみたいと思った。
    幻想的な物語のように感じるものでもどこか現実味もあり
    あめ、寝息の2つが特に印象深かった。
    寝息の"夜の底の黄金"っという表現がとても美しくて温かくて
    物語自体は静寂な愛と幸福に包まれているように感じた。

    0
    2026年02月07日
  • グリフィスの傷

    Posted by ブクログ

    傷を題材とした短編集。
    傷と言っても様々な傷の形があり、そしてストーリーがあるということを改めて感じた。
    グリフィスの傷、からたちの、慈雨の3つが特に印象深かった。
    その中でも本のタイトルにもなっているグリフィスの傷。
    目に見えない傷のことをグリフィスの傷ということを初めて知った。
    "その見えない傷が、いつの日かよみがえってあなたを壊してしまわないよう、わたしはずっと祈り続けます。"っという一文が
    涙が溢れてしまいそうになるくらい心に触れて、刺さった。

    0
    2026年02月07日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

    洋菓子をテーマにした甘いだけの作品かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。
    甘美で少しほろ苦く、時々どきっとするほど官能的な大人のための連作短編集です。男女問わず、スイーツ好きな大人の方にぜひおすすめしたい一冊でした。

    特に印象深かったのが、作中で語られる「クリームの科学」についての表現です。クリームは、二つ以上の脂肪球がぶつかり、溶け合い、繋がってこそ、ツノが立つような理想的な形になる。けれど、混ぜすぎると崩壊してしまう。
    夫婦関係はもちろん、様々な人間関係に当てはまる深い比喩だと感じました。お互いを知ろうとしなければ一緒にはいられない。でも他人だから、完全に一緒にはなれないし、そ

    0
    2026年02月02日
  • ひきなみ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    またまたまたまた、千早茜さん。
    父親が精神を病んでいるため、瀬戸内海の小さな島に住む祖父母に預けられることになった葉。古い慣習や厳しい祖父になじめなかった葉は、毅然として島の人たちになじもうとしない、真以に憧れ、仲良くなる。でも真以は自分に心を開いているように見えない。でもだんだんと距離が近づき、二人だけの秘密も共有するようになる。
    せっかく近づけたと思ったのに、ある日、真以は何も言わずに島から逃げ出してしまう。真以を連れて行ったのは大人の男(逃亡犯)で、マスコミの格好の餌食となる。責任を感じ、葉は傷つく。

    後半は大人になった葉の物語。大手企業で総合職として働く葉は、傷を抱えたまま一生懸命に

    0
    2026年02月01日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人間の業を感じた。石見銀山の史実を元にしながらも女性や山や銀掘の関係を生き生きとそして冷静で深く向き合いながら書いている。
    夜目がきくウメと山師の喜兵衛は蛇の寝ござを始めとして生い茂る草木を見分け天気の変わり目の空気を感じ生命の息吹たる山の地脈と対話しながら銀掘を使っている。それが貨幣経済に頭を支配されて銀を富としか見ない権力者が管理するようになったら。途端に間歩はぽっかりと冷たく暗い口を開け銀掘たちはその闇に飲まれて黒い血を吐き胸を病んでしまう。それでも営みを続ける者たち。銀を生み出すこと、女であること、命を生み出すこと、血が繋がらなくても伝え繋がっていく者たち。
    後半は隼人が血を吐き苦しん

    0
    2026年02月01日
  • なみまの わるい食べもの

    Posted by ブクログ

    もしかして、千早さんってすごく面白い人なのでは…???
    と思ったわるたべ4作目。

    今までのわるたべや、新井さんとの『胃が合うふたり』を読んで一方的に抱いていた千早さんのイメージは、繊細、冷静沈着、計画的、夜型、芸術家気質、あと神経質(すみません、でもご本人もそう書かれてるので)。そんなイメージの千早さんが新しいご家族に翻弄され、段々と朝型健康サザエさんみたいになっていくのが本作。元々そういう窓があり、ご家族に開かれていく過程が描かれているのではなかろうか。だってディズニーランド・シーへ姪っ子家族と行って、「茜さんがいちばん楽しんでいた」って言われてるくらいだもの。きっとめちゃくちゃ面白い人な

    0
    2026年01月29日
  • グリフィスの傷

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    見えない傷と見える傷がある
    見えない傷は他人からは知られずずっとぐじゅぐじゅに膿んでたりする
    見える傷は関わった大切に思ってくれる人がいつまでも忘れられない原因になる
    案外本人は気にしてないこともあって
    ただその人にも気にしてほしくないから隠す場合もある
    見えない傷を無視されたくなくて見えるようにした
    見える傷ができてやっと傷ついていたことに気づかれた
    傷、をテーマにしてこんなに物語が広がるものなのかって驚いた

    「私が描きたいのは生き延びたあかしだから。死体の傷口というのはひらいたままだ。血が乾き、腐敗し、蛆がわくことはあっても、ふさがることはない。傷痕になることはないんだ。だから、これらは

    0
    2026年01月21日
  • 魚神

    Posted by ブクログ

    唯一無二の世界観、仄暗い雰囲気、紡がれる言葉全てが素晴らしかったです!白亜とスケキヨの関係性が良かった。個人的に蓼原も大好き。装丁も印象的でお気に入り!また再読したい作品

    0
    2026年01月21日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

     千早茜さんの作風の持ち味は、読み手の五感にストレートに訴えるところにあると思う。今回は、洋菓子についての描写がふんだんに盛り込まれていて、目の前にシュークリームやお洒落なケーキが浮かんで、読み手は想像上のおやつを堪能できる。
     じいちゃんと主人公の亜樹はパティシエの師弟関係。じいちゃんが亜樹やその周りの人々に時折かける言葉が金言でそこに作者の熱量を感じた。再読したい作品。

    0
    2026年01月20日
  • 正しい女たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりにスラスラ読んでしまった!!
    めっちゃ面白かった

    短編集なんだけど、
    登場人物がみんなどっかしら繋がってて、
    こういう構成になってる本好きなんです!!
    名前は一緒だけど、あの人から見た姿とこの人から見た姿が全然違う…本当に同じ人??みたいな混乱しながら読むの好きです!

    そして1行目から文章が面白い。
    「最初、わたしたちは四人だった。
    わたしと環と麻美と恵奈の四人。わたしたちは太っても痩せてもなく、目立って愚図でも飛びぬけて優秀でもない普通の女の子で、大学までエスカレーター式の私立の中等部で出会った。(中略)わたしたちはなんでも話した。それぞれの彼氏のセックスの癖からペニスの形状まで

    0
    2026年01月12日
  • 眠れない夜のために

    Posted by ブクログ

    「夜」というテーマ一つで、経験したような夜にも、これからも見ることができない幻想的なファンタジーの世界にも、静かに、気づいたら深く入り込める作品でした。

    間に挟まる挿入の絵も綺麗なものばかりで癒されました。

    夜は、自分の嫌いな自分と対峙してしまう時間でもあるけれど、裏腹に、次への一歩を踏み出す決意ができる時間でもあるんだな。

    0
    2026年01月12日
  • 眠れない夜のために

    Posted by ブクログ

    装丁から挿絵、文章のすべてが良い。
    「眠れない夜」をテーマにしていることもあり、あたたかい物語ばかりではなかったけれど、読み終えて本を閉じて、表紙を眺めて呆然としてしまうほどに良かった。

    著作に『わるたべ』シリーズがあるためか、第二夜『森をさまよう』に出てくるインスタントラーメンの描写があまりに良く、お腹がグルグルと鳴いてしまう。
    第八夜『繡しい夜』の挿絵が特に美しく印象的だった。「知らない」ということは本当に罪なのか?と何度も問うてしまうような物語だった。

    0
    2026年01月12日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

    甘いものが大好きだからずっとわくわくしながら読んだ

    千早茜さんの香りを題材にした本を読んだ後に読み始めたから、甘い香りを想像しながら読むのが楽しかった

    プティ・フールって言葉を知らなかったけど、ちいさなスイーツの集まりだって知って、絶対可愛いに違いないと思って画像を調べてみた
    やっぱり私は、小さくて可愛くて、キラキラしたものが好きなんだなぁ

    甘いスイーツだけではなくて、結婚の話とかも組み込まれていてリアルさがあった

    昔ながらのショートケーキが無性に食べたくなった

    0
    2026年01月11日
  • ガーデン

    Posted by ブクログ

    素っ気ない主人公の周りに何故女性が多いのか
    彼がどうして好かれるのか、読んでいけばなんとなく追いたくなる人だと感じました。
    執着の先がないことで余裕のある人のように見える。
    リアルでもこういった方は異性から好かれる傾向にあるのでは?と感じさせてくれるような作品でした。
    人の感情が複雑に入り交じるのが面白いです。
    植物への偏愛が美しく儚いものに感じられました。

    0
    2026年01月06日
  • さんかく

    Posted by ブクログ

    とても…よかった。
    なんか、自分の未来とか理想の姿を見ているようで読後、妙にイライラした気持ちが落ち着きました。

    特に研究一筋の日々を送る華は、自分と重なる部分があり、ラストシーンで報われた気がしてよかった。

    確かに、男女の「さんかく」関係についての物語だけど、それ以上のものを得た気がします。

    ありがとう^_^

    0
    2026年01月06日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

    昔ながらのケーキが並んでいる西洋菓子店「プティ・フール」。店主の孫のパティシエールの亜樹を軸にした6篇の連作短編集です。片思いをテーマに書かれた話の中には、数々のケーキが出てくるのですが、読み終わったのが夜でよかった…これ昼間だったら絶対にすぐ買いに走っただろうなぁと思うほどに、千早さんのケーキの表現が素晴らしい。
    パティシエだけではなく弁護士やネイリストの世界にも触れているので、すごく面白かった。
    久々の千早さんでしたが、やっぱりこの人の文章は好きだなぁと実感しました。

    0
    2026年01月04日
  • 魚神

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    情景描写の日本語が美しくも儚く
    どんどん読んでしまった
    読みながら耽美な甘い香りが届くかの如く
    全ての考察を読者に任せる小説で、
    甘いお伽話だった、、

    白亜とスケキヨという兄妹愛なのか、
    本当は血の繋がらない2人の恋愛物語なのか
    前半は近親相姦めいた描写もある

    蓮沼の理性、頭のキレの良さ、人情、が垣間見える場面がありその度格好良い男だと思った
    ただ蓮沼は近親相姦を受けていたという境遇

    白亜と似た境遇としたのは何故だったのか
    白亜が蓮沼に想いを寄せるきっかけのためだったのか
    白亜の蓮沼への思いは恋心だったと思いたい


    スケキヨは雷魚の、白亜はかつての伝説の娼婦の生まれ変わりであることが随

    0
    2025年12月27日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2人で過ごした同じ時間を、2人の視点で書いてあって、視点や考え方の違い、お互いに対する想いが素敵で一気読みした。
    また読み返したい。

    0
    2025年12月21日
  • 女ともだち

    Posted by ブクログ

    全話面白かった!
    周りにこういう女の子居たなぁって
    どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!

    特に刺さったのは
    「こっちを向いて」というお話。
    仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。

    でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
    めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
    大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO

    最後の「獣の夜」は、臨場

    0
    2025年12月18日
  • クローゼット(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    面白かった。読むのが楽しくて本を捲る手が止まらなかった。私も時間がかかってもいいから進めるといいな。

    0
    2025年12月15日