千早茜のレビュー一覧

  • わるい食べもの
    わるい食べ物と題して、食を通しながら
    わるい◯◯◯な話を、笑い、涙ありで共感する話もあれば、真面目な、大きく頷く、良い◯◯◯の話もたくさん散りばめられている。
    ある章では、すべらない話の小籔千豊の話を彷彿させ、真面目な語り口から始まったと思えば、それがフリとなって落とされ爆笑し、思わず、松本人志のよ...続きを読む
  • わるい食べもの
    あたり!
    食エッセイは好きだから良く読むが、期待値が高いせいか、読んだそばから忘れてしまう。
    これは、知らない作家さんだからということもあり、期待値低めで読み始めたせいもあるけど、
    ズバズバはまった。
    食のことを率直に買いているし、食そのものの話にとどまらず、
    ストーリーやメッセージがちゃんと伝わっ...続きを読む
  • 魚神
    魚の目を覗いてはいけないよ。人間とは心の作りが違うのだから。デンキは無い。夢は見られない。あるのはただ、水の臭いと、遊女屋の灯火-。

    『ひきなみ』に続いての千早茜san。本作で3作品となったので、ひさしぶりにカテゴリー追加となりました。

    「この島の人間は皆、夢を見ない。」から始まる物語。生ぬるい...続きを読む
  • からまる

    深い余韻を残す

    登場人物が少しずつオーバーラップしつつも語り手が変わっていくタイプの連作短編集。そういう本はいくつか読んだことがあるけれど、その中でも作者はこの形式をうまく扱っていると思った。各主人公が置かれているシチュエーションの幅広さも手伝ってか、読み進めていくごとに作品全体の奥行きが深まっていくようだった。
    ...続きを読む
  • 魚神
    今まで読んだ小説の中で一番好きな一冊。
    中毒性のある一冊。
    白亜とスケキヨに会いたくて、何度も読んでしまう。
  • 魚神
    「しろがねの葉」がすばらしく良かったので、千早さんの作品をもっと読みたいと思い、魚神を手に取った。
    とてもふしぎなファンタジーのような、文学作品のような、独特の千早茜の世界にどっぷりとひたることができた。
    言葉遣いが卓絶。描写がとてもていねいに描かれており、最近流行りのキャラ重視小説とはまったく違う...続きを読む
  • からまる
    ゆるく、時に濃厚にからまった連作短編集。

    光や水、生き物の表現がとても好き。
    登場人物も静かな人たちが多くて、なんか好き。
    静かで少し投げやりだけど、
    たまに熱くなったり、人とつながったり。

    『ほしつぶ』と『ひかりを』が特に心に残っていて、
    その両方に出てくるとある登場人物が良かった。
  • 胃が合うふたり
    同じ場所を訪れて同じときを過ごした話を二度も聞かされているのに書き手によってまったく違う心情や視点で描かれていて飽きず楽しい。
    大切な友達だからといってお互いを美化し過ぎず、お互いを知り尽くしているような顔を決してしない両人は信用できるなと思った。
    楽しい気持ちになれるエッセイは数あれど充足感でいっ...続きを読む
  • 桜の首飾り
    念願通り、桜を眺めながら読みました。
    どのお話もひらひらと美しかった。

    ひとつ選ぶとしたら、春の狐憑きが好きかなー。

    以前、ある桜好きの人が、
    桜はあんまり縁起の良いものでは無いと思う
    と言っていたけれど
    私は桜には不思議な良い力があると思ってる。

    花荒れ、でも描かれていたけれど
    何度でも、幸...続きを読む
  • 犬も食わない(新潮文庫)
    尾崎世界観さんと千早茜さんの恋愛小説の文庫版。時間が掛かってしまったのは、なかなか読む時間が取れなかっただけで、内容はすごく読みやすく面白かった。
    最後の対談にもあったが、あるよね。恋愛ってこういうこと。きれいな事ばかりじゃなくて安心する。などの感想があったというが、その通り。
    そして、最後の対談読...続きを読む
  • わるい食べもの
    初めての千早さん作品、初めての食エッセイ。
    食に対しての感性にところどころ共感できて楽しく読めた。
    ケーキは2個でも苦しい私からすると1日10個以上食べられるという作者にびっくり!
    T嬢やO部長など素敵な方たちとの関係性を大切にされてるのもいいなと思った。
  • 魚神
    白亜とスケキヨはどんな汚い環境でも美しく特別な存在感
    二人が最後に会った時から二人の時間は止まったままだったように見える
    妖艶で幻想的で切なくて読んだ後も余韻に浸りたくなる作品でした
  • 女ともだち
    「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー

    既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。

    なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
    女性あるあるです。
    そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。

    ...続きを読む
  • わるい食べもの
    食べ物に関するエッセイ
    美食家ではなく、ただ好きなものを
    1番美味しい方法で食べたいという
    千早さんの食へのこだわりが伝わる。
    低糖質とかグルテンフリーとか
    健康的な食事が好まれる現代だけど、
    たまには好きなものを思いっきり食べるのも
    いいよねって思わせてくれる作品。
  • あとかた
    美しく繊細な文章で描かれる、遺せないもの、がテーマの恋愛連作短編集。

    丁寧な心情描写と、人のどうしようもない部分を共感性を持たせながら描いていくところが良かった。寂しさ、ままならない心、痕跡と、消えてしまうもの、それぞれの愛の形。仄暗く哀しい中にも、優しい煌めきを感じる物語で、恋愛の関係性において...続きを読む
  • しつこく わるい食べもの
    食に対して真剣な姿勢を持つ千早さんの文章が大好きだと思う。
    コロナ禍になり、迷いながらも書き綴られた様子はあるが、前作から変わらず真摯に食を愛していて、愛しているからこそ食に対して偏屈で不器用な部分もありつつ、でもそんな所も愛おしいと感じさせてしまう魅力がある。
    一生続いてくれと願わずには居られない...続きを読む
  • あとかた
    最後の小池真理子の解説も含めて、最高だった。
    何度でも読み返したい作品。
    千早茜の表現がとにかく好き。
  • あとかた
    短編集であり、すべてのお話が絡み合っている。
    そして、そこが非常に面白い。

    星影って、そういえば深く考えたことがありませんでした。
    影じゃないじゃん。。。
    奥が深いです。
    小説って、このようなところを深堀するところに醍醐味があるのかもしれません。
    しかし、みんな影?陰?を持っているかも、です。
    ...続きを読む
  • ガーデン
    植物の、みずみずしい色と香りが
    むわっと漂って染み渡るようなお話でした。

    どうしたって理解できないもの、
    他人と自分の境界、
    これまで沢山ぶつかってきて
    なお戸惑っているこうしたこととは、
    そのまま向き合っていればいいのかなと
    思えました。

    植物園に行きたいな
    シンガポールにも行きたいな
  • こりずに わるい食べもの
    千早さんのエッセイを読むと、「食べたい」欲が湧きます。
    食べ物の描写、味の描写、匂いの描写…
    すべてが丁寧でリアルなので、該当のものを食べたくて仕方なくなります!

    Twitterで恋人と出てきたので、殿は?と思っていたら。
    それでも変わらない千早さんのエッセイ。
    楽しめました。