千早茜のレビュー一覧

  • しつこく わるい食べもの

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    ネタバレ

    わる食べシリーズ第一弾に引き続き、とてもおもしろい。
    千早さんの食へのこだわりは変わらずだが、本作の後半はコロナ禍に綴られたエッセイなので当時の記憶が蘇ってくる。

    大胆で強烈な文章が多いので忘れてしまうけれど、基本的に千早さんは繊細な方なんだろうなと思う。
    ストレスでお腹を下すし、気持ちが揺らぐとお茶で落ち着けようとする。
    そんな千早さんにとって、コロナ禍で世界がぐちゃぐちゃになったあの時期は、気持ちがざわざわすることも多かっただろう。
    そんな様子がよくわかるような内容になっていた。

    とはいえ、千早さんのインパクトある文章は前作同様健在で、笑っちゃう箇所が本当にたくさんあった。
    食に貪欲だ

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    2025年06月30日
  • 透明な夜の香り

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    タイトルが、うまい。まるで、匂い立つような。
    人並外れた嗅覚で、人の隠された真実を嗅ぎ当てる、小川朔。
    ただ、暴かれた真実よりも、フラットな性格の朔をめぐる人間模様や、洋館での生活が、骨太なバックボーンとして存在するから、面白い。

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    2025年12月07日
  • 雷と走る

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    アフリカと思われる国に引っ越しして
    番犬虎と出会う
    番犬として仕事や幸せそして本能で生きていることのなどが臨場感を感じた

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    2025年06月21日
  • 私の身体を生きる

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    ここまで赤裸々に書いちゃうの?と驚くような内容もあり。
    だけど今まで言語化できなかった気持ちが表現されている部分もあって、あの時のあの感情ってこう言葉にするんだと感動もした。
    作家さんは流石だなと改めて感じた一冊。

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    2025年06月21日
  • 透明な夜の香り

    購入済み

    穏やかな気持ち

    世界線が不思議で逃避行した気持ちになりました。ストレスが溜まった人にとてもオススメです。ジブリみたいな世界観で本当に好きな物語でした。

    #癒やされる #感動する #エモい

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    2025年06月20日
  • ひきなみ

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    他の読者さんからのおすすめで、本のタイトルと表紙の写真が美しく手に取った本。

    真以と葉、2人の小学生時代から話は始まる。
    読み始めたら止まらなくなって一気に読んだ。
    読み進めたいけど終わらないでほしいと思いながら読んでいたら、後半は2人が大人になってからの物語で更に止まらない。

    葉と真以の関係性はどこか恋人同士のようで、頼れる両親のいない2人は絆を深める。真以の、どこか掴めなくて不器用ででも優しくて頼もしいところは女性の私でもかっこいいと思った。
    2人の物語の中にフェミニズムの概念が散りばめられている。小さなコミュニティでのいじめや差別、上司からの女性に対する嫌がらせ、そんな中を必死にもが

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    2025年06月13日
  • しつこく わるい食べもの

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    大好きなわるたべシリーズ。
    「パフェはエロい。」が絶品すぎた。パフェに対する愛が…圧倒的。途中からコロナ禍の話となり、話題的に不謹慎ではと、わるたべシリーズを続けるか悩まれたとのこと…続けて下さって良かった!

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    2025年06月12日
  • なみまの わるい食べもの

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    面白かった!!!
    大好きな千早さんのエッセイ続編。
    直木賞を受賞されて更に有名になった気がする。
    忙しすぎて苦しいと書かれていたけど、変わらず好きな食を追求する姿勢にほっとした。

    このエッセイ、いろんな国のいろんな料理が出てくる。
    食レポや見た目も細かくて、どんな食べ物か分からないけどすっごい美味しそう。
    自分で凝った料理もされるみたいで、それもまた魅力的な描写で食べてみたくなる。

    食への執着とも取れる「食の好き」。
    自分でしっかり見極めて求めている姿が、かっこよくてお茶目で楽しい!

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    2025年05月30日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    大切なものをしまい込んで閉じていたクローゼットの扉を、そっと開いて光ある世界を覗いていく。
    その光があたたかくて、ほっこりした気持ちになる。そんな読後感。

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    2025年05月30日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    言葉を紡ぐ人とそれを売る人の食べ物を通した交流がこんなにも心に響くなんて。読んでいると憧れと羨ましさがないまぜになった気持ちが湧き上がる。そう思っていたから単行本を買っていたのに積読していたんだなぁと思い出した。2人のようにはなれないけれど、食いしん坊な面がある私も食べ物への向きが同じタイプの人が周りにいたら良いなぁと思った。
    言葉の使い方や文章の描かれかたが好みすぎて。

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    2025年05月30日
  • 眠れない夜のために

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    タイトルの通り、眠れない夜に自分に読み聞かせるための短いお話10話。様々なテイストの短編集。真夜中にクッキー缶を開ける第一夜はうっかり真似すると大変なことになりそう。だけど真似したくなる。第二夜もしかりで夜明けのラーメンのヤバさ。暖かい余韻の残る第三夜と第四話。怪異な情緒がある不思議な第五夜。しんみりとじんわりと愛を感じる第六夜。お茶目で微笑ましい第七夜。人の世の残酷さ不条理さを美しく刺繍する第八夜。悲しい第九屋。切ない夜明けが印象的な第十夜。短いけれどどれも言葉や文章、イラストが美しくて満足度が高いです。枕元に常備しておきたい素敵な本だと思います。

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    2025年05月19日
  • グリフィスの傷

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    2025.5.7〜2025.5.10
    メンタルが不安定で、とにかく優しい本が読みたいと思った時に、本棚にあった中で1番最初に目に入った本をチョイス。
    内容はあらゆる「傷」がテーマの短編集。登場人物に沢山愛着を持ちたいタイプなので短編集って実は苦手なのですが、最初の作品を読んだ瞬間「この作家さん、めちゃくちゃ好きだ…!」と何と言うわけでもなく感じて、読めば読むほどするすると心と頭に入ってくる感じがしました。タイトルがあえて短編集の中の「グリフィスの傷」を持ってきたのも、意味を知ると本当に素敵だなと思います。
    面白いだけじゃなくて考えさせられる部分や、思わずポロッと涙が出てしまうところもあるとって

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    2025年05月10日
  • 正しい女たち

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    今まで読んできた小説のなかで1番読みやすかった。なんでだろう。
    内容があまりにもリアルすぎるから読んでて苦しくなるかなとか思ってたけどそんなことなかった。
    共感しちゃうというか理解できちゃうことが多くてなんか複雑な気持ちー。
    わたしも大人になったらあんな風になっちゃうのかな。
    個人的に「海辺の先生」が1番好き。ああいう関係いいなあ。好き大好き

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    2025年05月10日
  • からまる

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    ネタバレ

    色々な男女(7人)の人生が複雑に絡み合う話。
    一見関係がなさそうに思えても、そことそこの人間関つむがってたんだー、ってなって面白い。
    あと、ひとつの出来事に対して凄く深く追求するというか、感受性がとても豊かな作家さんだな、と思った。
    「一人でいることに慣れすぎかと、自分以外のことが全て値切になってくる。他人に合わせなくてはいけないことに守立ちさえ覚えるようになる。そこに自己嫌悪があるかないかだろう。」
    「わかるはずがないんだ」。私にちには。自分がどういるかも、自分が何であるかも。」
    「優しくでさるのは何も関心がないから。」
    「人生って計画通りじゃないのよ。思がけないことで決わってしまうの。だか

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    2025年04月30日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2025/4/11- とても疲れていた出張帰りに書店で手に取った。筆者2人が同じ食体験をそれぞれの視点から書く。描写される食べ物は本当に美味しそうで、口がその気分になってくる。ただ、お気楽エッセイではない。読んでいると、コロナ禍、新井さん、千早さんそれぞれの人生の変化が感じられる。食べるということは結構その人の本質を突いている行為かもしれないと思った。個人的にはたまたま知っている場所が何ヵ所かあったので、今度行く機会があろうものなら、この本のような楽しみ方をしたい。

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    2025年04月26日
  • ひきなみ

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    ネタバレ

    『透明な夜の香り』で千早茜さんを知って手に取った一冊。

    自分自身も地方の出身なので、田舎特有のあの感じはとても身近に感じられた。
    葉にとって真以は眩しく、また、真以にとって葉は眩しかったんだろうなと思う。葉が自身の心の内と向き合って、言語化していく様がとても美しかったし、芯のある強さを感じた。

    全体を通して葉の心情はたくさんの言葉と情景でもって描かれているけれど、その他の部分として、真以視点や平蔵さん、葉の両親の感情を千早さんの紡ぐ言葉で感じたいなと思った。

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    2025年04月24日
  • 男ともだち

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    ネタバレ

    2025/4/19- 千早茜さんは、読みたいと思いつつ読めていなかった作家さんだ。先日エッセイを読み始めて、表現や感じ方に自分としっくりくるものを感じ、代表作といわれるこの作品を手に取った。全体的に感情表現や描写が生々しく、リアルに感じられた。舞台の場所を知っていることもあるかもしれないが、シーンが容易に頭のなかで再生されるような読書体験だった。異性との恋愛と友情について考えているところでもあったので、ヒリヒリと突きつけられるように考えさせられる部分もあった。

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    2025年04月24日
  • 人形たちの白昼夢

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    人形と青いリボンが登場する12のストーリー。
    どれも静かで仄暗い雰囲気を纏っていて、ダークファンタジーのようにも感じる。

    以下、印象的だったお話。
    ・「スヴニール」※

    ・「ビースト」
    美しい文体で語られる神秘的な物語。
    立派な家ほどの大きさがある山の獣"マムウ"。"ヌカラ"と呼ばれる山に生きる一族(といっても一人しかいない)だけが、生きるために"マムウ"の命を奪ってもよいとされる。"マムウ"もそのことを承知している。
    「少女は知ります」の一文が持つ意味が重たい。

    ・「ワンフォーミー・ワンフォーユー」※
    ティー

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    2025年04月21日
  • からまる

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    やっぱり、千早茜さんの作品、大好き。
    千早さんの見てる世界って色とか光とかの情景がくっきりハッキリしていて、読んでいて清々しいし、自分が今見てる現実も千早さんの様な感受性で見てみたいと思う。
    そして、今回もキャラクターの一人ひとりが魅力的だった。
    短編集だけど全ての人物がどこかで繋がっていて、それぞれの視点から、同じ時間軸を過ごしているのが分かるから面白い。

    華奈子が特に魅力的で素敵な女性だった。水の中に咲いている花っていう表現がぴったりな人なんて素敵すぎる。
    他人と距離があるって言う表現も兼ねてるみたいだけど、第三者から見て近づき難い高嶺の花のような魅力があるんだろうなと思う。田村との関わ

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    2025年04月20日
  • 魚神

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    千早茜さんのデビュー作『魚神』

    とても綺麗な御伽噺でした。
    遊廓という舞台が個人的に好きなのですが、さらに千早茜さんの美しい文章で読めたので至福の時間でした。

    お互いがお互いを恐れているっていうのが悲しい。
    相手に失望されたくないとか、そういう想いだからだろうか。
    白亜スケキヨも、別れた後お互い苦労してるからこそ、尚更お互いを求めるはずなのに...

    悲しいお話しでした。
    悲しく、美しいお話でした。

    蓮沼個人的に好きですよ...。
    蓼原も、いつ裏切るかと思ってたんですが、ずっと白亜とスケキヨを見守ってくれて良かった...涙

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    2025年04月16日