千早茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
性に関する体験を -
Posted by ブクログ
祖母に預けられ瀬戸内の島で暮らすことになった小学生の女の子、葉と、その島で血を理由に差別されてしまっていた女の子、真以の話。
物語は小学生の頃の2人と、大人になった2人という2つの時系列で語られる。
初めの時系列では、大人に翻弄されながらも子供らしく純粋に生きる時間や人間関係が綺麗な言葉で描写される。
「約束するのは信じていないみたいだから」
「海を見慣れるように、一人でいることにも慣れるんだ」
「戻るという言葉がしっくりくることに気がついた。でも、喜ぶことも悲しむこともできない」
「凪いだ海のような起伏のない時間は、胸を騒がせることもなくゆるゆると過ぎていって、それはそれで楽でもあった」 -
Posted by ブクログ
シンデレラや白雪姫などの童話を現代の人間にしたらどんな残酷で苦しい世界なのか。
かといって無理にグリム童話っぽくするわけではなく、まるで振り返ったらシンデレラみたいねっていう皮肉に落ち着くような甘美だけど残酷な物語。
個人的にはヘンゼルとグレーテル、白雪姫が好きです。
純粋無垢な子供たちが邪悪な大人に騙されて…でも最後にはヘンゼルとグレーテルは悪い魔女を倒して。現代でそれが一体何とされるのか。
白雪姫も、毒林檎を食べてしまう白雪姫は実は黒い笑みを浮かべる恐ろしい女だったかもしれないと思えるようなゾクッと感。
だけどもどこか現代女性のひとつの考え方として腑に落ちるような言葉の使い方がさすが千早茜 -
-
Posted by ブクログ
千早さんの本はいつも読むと安心をくれる。
満月の夜に爽やかな風に吹かれているような気分になる。
登場人物の羽野に自分を重ねた。人との距離感が冷たく、羽野は植物を愛する。私は、人との関係が煩わしく本を愛する。本はいつも静かにしているが、開けばいつでも同じように口をひらいてくれる。
植物と本。ものは違えど、静かにいつもそこにいてくれる彼らを愛することにそこまで差はないのではないかと思う。
羽野が語った昔の使用人と2人だけの夜が居心地が良かったという話に心から共感した。お互い干渉しすぎず、頼りすぎず、でも空間は共有する。そんな居心地の良い関係を望むのは贅沢なのか?
私は交際をしても、冷たいとか