千早茜のレビュー一覧

  • クローゼット(新潮文庫)

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    ジェンダーレスが多く語られる現代において色んな視点を持たせてくれる作品。それぞれに辛い過去や傷を持つ芳と纏子。章ごとに一人称が入れ替わる構成はまるで縦糸と横糸のように長い時間をかけて繊細に折り重なり合い、晶という人物の存在によって最後に見事な一枚のピースになる。傷を治すことや痛みを克服することばかりに囚われるのではなく、それらと上手く丁寧に向き合いながら生きて行く大切さを学んだ。
    洋服の歴史やトレンド、補修士の仕事など膨大であったであろうリサーチに裏付けされた情報はアパレル業界に長くいた自分にとって読んでいて楽しかったし、知らない人にとっても面白く学べる内容となってる。
    心情や色やカタチをピタリと寸分の狂いもなく言い表す千早さんの言葉はただただ美しかった。

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    2026年07月23日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    生きるためには「食」が必須だけれど、お菓子の優先順位は低いように感じる。
    ただ摂取するためだけの「食」ではなく、人に「うまい」と感じさせるお菓子があるということは、それは人生を豊かにするという意味なのではないかと思う。

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    2026年07月22日
  • さんかく

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    「おいしいね」を分け合えるそんな人に、出会ってしまった。   …結局そういう感性が人との関係性には1番重要な気がする。また登場人物の全てにどこかは共感出来るものがあった。舞台の京町家の雰囲気も落ち着く、素敵な物語だった。

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    2026年07月17日
  • しつこく わるい食べもの

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    ネタバレ

    前作同様、千早茜さんのエッセイは面白すぎる!
    読み終えるのがもったいないと思いつつも、もう少し読みたいが止まらずほぼ一気に読んでしまった。

    後半コロナ禍の話を読んでる最中に、自分も感染して味覚と嗅覚がなくなった時に食への欲望がかなり落ちたことを思い出した。あれは鼻で食うだったんだなぁ。

    千早茜さんのわるたべエッセイを読んでると、自分の過去の食を思い返すきっかけにもなってこれがまた面白い!

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    2026年07月10日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    出てくるケーキは本当にキラキラとしていて美味しそうで、果物の食感が苦手で私には食べられないケーキが多いのだけれど、食べたような気持ちになった。亜樹のケーキのような刺激的なケーキが好きだけど、じいちゃんのシュークリームが美味しそうで美味しそうで、今すぐにでもシュークリームが食べたい。たっぷりのクリームを吸うようなシュークリームが

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    2026年07月06日
  • ガーデン

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    淡々と物語が進み、草木のようにこの小説の世界観に覆い尽くされていくようでした。

    植物は静かに、気が付かないうちに成長して育っていく。何気なく日常にあるものが、フォーカスされて主人公の人生の中心となっている設定がとても感慨深いものでした。

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    2026年07月04日
  • なみまの わるい食べもの

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    大好きな千早茜さんのわるたべシリーズ。今回も美味しそうな食べ物にまつわるエッセイを堪能させてもらった。

    わたしが千早茜さんを好きなのは、品があって想像力を掻き立てられる控えめ且つ力強い文章や、美味しそうな食べ物の描写など、作家としての筆力ももちろんなのだけど、彼女と自分の類似点があまりに多くて、気持ちがわかるなーと思う部分が多いからだ。

    繊細で(神経質とも言える)、こだわりが強くて、いつもうっすら体調が悪くて、人と関わることが苦手で内向的で‥。エッセイを読んでいると「わたし以外にもこういう人いたんだ!」と嬉しくなるくらい。

    ひとつ大きく違うのは、わたしは食べることが好きだけど、千早さんのように食べ物を美味しくいただくための努力をするのが苦手なところ。だから千早さんのエッセイを読んでいると、わたしもこんなご飯作りたい!とか、こういう生活したい!と思わせてくれる。

    デパ地下で買う有名なお店の美味しいもの、初めて食べる国の料理、自分に合わないけど好きになりたい食べ物。千早さんの食べ物フィルターを通して見た世界は、本当に魅力的なのだ。

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    2026年07月03日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    千早茜にどハマりしたきっかけの作品。
    女という概念を人にするとウメになるというぐらい、自らの選択で人生を切り開いていくウメがカッコよくてまさにロールモデル、理想の女性像だった。
    しばらく余韻に浸かってて、いつもなら余韻がある時はまた二週目読むけど、二週目読んでしまってこの物語が全部理解できてしまったら勿体無いと思うぐらい面白かった。
    本の内容を忘れた頃にまた読みたい!!!

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    2026年07月03日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    1日で読破
    女と男はいつまでもこうだね、、、、、、
    仕方ないものは仕方ない
    めまぐるしいほどのエネルギーのぶつかりと冷たいほどの自然の理

    最近読んだ本で1番面白かったいっきよみ

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    2026年07月02日
  • 眠れない夜のために

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    ネタバレ

    毎晩、一日一話読み進めました。
    どの作品もいとおしかったです。
    あなたを知りたいって言葉はすごく素敵な愛の言葉だと感じました。

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    2026年06月23日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    まるで私のために書かれたのかというくらい、私には刺さる内容だった。

    私はお洋服が大好きだ。でもそれに気がついたのは、今のアパレル系の会社に入社してから。
    それでも思い返してみると、幼少期からお洋服好きの片鱗は表れていて、確かに今もファッション系の展示には積極的に足を運んでいる。

    本作にはたくさんの有名デザイナーの服や、服装の変遷、素材や修理方法が登場する。私自身も学芸員の資格をもっていることから、展示の方法や収蔵庫の様子がありありと想像できたことと、今まで見てきた展示や図録などの知識が全て繋がった快感のようなものが、この本のページをめくる手を加速させた。

    この本には挿絵も、勿論生地見本も、何もないが、その分出てくる生地やスタイルをリアルに想像できると、読んでいてより楽しくなった。
    参考までに私が繋がった!と思った展示と本もメモしておく。

    ・「きらめく時代のドレスたち―西洋服飾コレクションより―」(共立女子大学博物館)
    ・「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」(三菱一号館美術館)
    ・「受け継がれし明治のドレス」(明治神宮ミュージアム)
    ・『歴史を拓いた明治のドレス』(ジー・ビー)
    ・『写真でたどる 美しいドレス図鑑』(河出書房新社)
    ・『名画のプリンセス 拡大でみる60の衣生活事典』(創元社)
    ・『名画のドレス 拡大でみる60の服飾小辞典』(創元社)

    本筋に関しては、お洋服を補修するように、目立たないけど確実に、過去に向き合い傷を治そうとする芳、纏子、晶の3人の描写が丁寧で良かった。
    あとは亀の入れ墨の男の正体に驚かされたし、未だに少しモヤモヤしている。

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    2026年06月26日
  • 雷と走る

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    犬という生きものは、いったいなんなのだろう。
    絶対に裏切らない愛情をくれて、深い信頼関係を築ける存在。
    それでいてあくまでも獣であり野生を宿す生きもの。

    虎と名付けられた大型犬と暮らした主人公まどかは「あれが、あれこそが愛だったと確信している。虎は、私が所有した唯一の愛だった」「大人になったいまでも、虎以上に信じられた存在はいない」と、語る。

    千早茜さんの文章は、自分がその場にいるかのような体験をくれる。
    その文章で描く犬たちの姿が、鮮烈なアフリカの情景の中で生き生きと躍動する。
    犬好きの私にとってはたまらなく魅力的だった。

    物語は子どもの頃のアフリカでの日々と、32歳の現在の日々が交互に描かれる。
    子どもの頃の虎との日々と苦しい別れが、今の恋人との関係性を形づくっていることが生々しく伝わった。

    何かドラマチックな展開があるわけではないけれど、犬のこと、愛のこと、信頼、幸せ、罪、そして罰……読み終えたあとも考え続けてしまう作品だった。

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    2026年06月16日
  • グリフィスの傷

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    傷をテーマにした10篇の短編集。どうして傷はこんなにも私たちを惹きつけるの?完璧じゃないものに愛しさや親和性、美しさを感じるのか不思議。その傷に思いを馳せるから?傷の原因や傷ついた時の気持ちや痛みなどの奥まったものを想像したり、知りたいと思うからなのかしら?
    どの話も好きで、ハッとする文章がたくさん出てきてどうしてこんなにも鮮明なんだろうと思っている。好き、好き大好き。
    「この世のすべての」は特に好きなお話。傷つけられたものが弱いだなんて誰かの勝手な思い込みだよね、いつだって世界は生きやすい方が良いんだから。

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    2026年06月14日
  • こりずに わるい食べもの

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    わるたべシリーズ3作目。今回も面白かった~♬
    何故か4作目を先に読んでしまったため、
    あれ、殿は?、東京で一人暮らし始めたの?と疑問に思っていたことが、今回の3作目を読んで納得できた。

    相変わらず食に対しての執着心が凄くて(笑)
    こんなにも手間暇かけて美味しく好きな物を食せることが羨ましかった。(私は面倒くさいが勝ってしまう…笑)

    個人的には雨の日のココアとビスケットの話がお気に入り。私も雨の日の楽しみにココアを作ろうかな〜?と思ったり。笑



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    2026年06月10日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    服飾美術館を舞台にしたお話。
    私が10代の頃ロリータファッションにハマっていたこともあり、楽しく読むことができた。破れた洋服を一針ずつ縫うように、纏子の心の傷が少しずつ癒えていくように感じた。好きな服を丁寧に扱うように、この作品もずっと大切にしたいと思う。

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    2026年06月08日
  • クローゼット(新潮文庫)

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    気に入った服を長く着続けたかったらどうする?
    乱暴に扱うかい。

    靴だって服だって、自分の身体に馴染むまで
    手入れをしながら大切に使うだろう。

    人との関係だって同じさ、
    丁寧に扱えば長持ちする関係を築ける。
    まずは相手をよく見ることだよ

    『クローゼット』 / 千早茜

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    十八世紀のコルセットやレース、
    バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、
    約一万点が眠る服飾美術館。

    ここの洋服補修士の纏子は、
    幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。

    一方、デパート店員の芳も、
    男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。

    デパートでの展示を機に出会った纏子と芳。
    でも二人を繋ぐ糸は遠い記憶の中にもあって.......

    洋服と、心の傷みに寄り添う物語。

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    職人気質な登場人物たちがとってもかっこいい
    美術館を通して、洋服で人と人がつながっていくのも素敵

    洋服も安さや流行りではなくて、
    この先ずっと手入れしてきていきたいかどうか考えて、
    ちゃんと見極めて手に入れたいな、と思えた。

    #千早茜 さん #クローゼット #新潮文庫
    #読書感想文 #読書記録

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    2026年06月03日
  • 眠れない夜のために

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    ネタバレ

    絶対好きな作家さんってわかってるから、読んでしまうのがもったいなくて香りシリーズを積読してる千早茜さん。

    眠れない夜は、から始まる10の短編と綺麗な挿絵、ひとつの芸術品のようでこれは購入して手元に置いておきたい。

    「水のいきもの」「夜の王」「寝息」が特に好きだった!
    人間が寝てる間の犬、脱走はしてほしくないけどこうだったらかわいいな!

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    2026年06月03日
  • 人形たちの白昼夢

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    儚くて幻想的で、でもどこか暗いところもあってだからこそ純粋な心がより透き通って見えるようなお話たちでした。
    特に『プッタネスカ』『スヴニール』『ビースト』『アイズ』『ワンフォーミー・ワンフォーユー』の5つの話が好きです。
    ワンフォーミーワンフォーユーの「あなたのその手で、その指で、わたしを粉々に砕いて欲しかった。」がすごく印象的でした。茶器にも心があって、持ち主を愛したために持ち主の死と一緒になりたいと願う言葉が千早茜さんらしいと個人的には感じました。

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    2026年05月30日
  • こりずに わるい食べもの

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    20代の読書沼の主…推し作家は間違いなく千早茜さん✨

    このエッセイを読んでやっぱり私の推し♡と思ってしまった(⑉• •⑉)❤︎

    食に対する情熱
    食に対する言葉選び
    食に対する価値観

    私の五感をびしびし刺激してくれるし、共感できる点が多いんですよねぇ~♡

    この作品もエッセイごとのタイトルが秀逸✨
    『祖先返り』『ぬぐい菓子』
    むっちゃ好きです

    『西洋菓子店プティ・フール』もまた読もうっと♡

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    2026年05月28日
  • あとかた

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    留めておきたい衝動について。名前や枠組みではなく、心に踏み込むための、印、あとかた。
    失いたくないに正直であること。

    うまく言葉にできないけど、人といることは単純ではない。

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    2026年05月23日