千早茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
千早茜の本はわりと音がしなくて、静謐な感じがする。あと、後書きでも金原さんも言ってたけれど、粉を練って肉まんとか餃子を作るシーンが美味しそう。
第1話 桐原まりえは森崎と離婚届を提出。香水屋さんに寄って香水を選ぶ。マリエと名づけられた薔薇のものを選ぶ。私の幸も不幸も私が決める。
第2話 中学の時の友達ササキユキコちゃんが亡くなったらしい。尊先輩は離婚した。
第3話 新年の朝は快晴だった。お雑煮を自分のためだけに作る。クリスマスには離婚祝いで尊先輩と婚活中の観月台先輩と飲んだ。
第4話 森崎のお母さんから手紙が来た。離婚後3ヶ月。なんとなく放置していたが、地震が来たので読んだ。観月台先輩 -
-
Posted by ブクログ
千早さんの本はいつも読むと安心をくれる。
満月の夜に爽やかな風に吹かれているような気分になる。
登場人物の羽野に自分を重ねた。人との距離感が冷たく、羽野は植物を愛する。私は、人との関係が煩わしく本を愛する。本はいつも静かにしているが、開けばいつでも同じように口をひらいてくれる。
植物と本。ものは違えど、静かにいつもそこにいてくれる彼らを愛することにそこまで差はないのではないかと思う。
羽野が語った昔の使用人と2人だけの夜が居心地が良かったという話に心から共感した。お互い干渉しすぎず、頼りすぎず、でも空間は共有する。そんな居心地の良い関係を望むのは贅沢なのか?
私は交際をしても、冷たいとか -
Posted by ブクログ
第1部 葉は祖父母の住む島に預けられた。7月までの間という。父の具合が悪いそうだからだが、葉には父の機嫌が悪いだけにしか見えない。お母さんはお父さんだけが大事で、私を見てくれないと葉は思っている。
島で真衣と仲良くなった。といっても、真衣はふとどこかに行ってしまう。真衣の家も父母がいない。真衣は別荘の管理人の祖父を手伝っている。けど自分のことは語らない。
夏休みになっても母は迎えに来ない。初潮を迎えた日、葉は真衣と本土に渡る。
クリスマスに母は来たけど帰っていき、中学は島にはなかったので高速船で通うことになった。
第2部 父は若い女に走り、母と葉は捨てられた。祖父母の姓になっている。広 -
Posted by ブクログ
ヤンジュさんのレビューを読んで面白そうと思ったので読んでみた。
傷には、軽重はあれ、必ずそれが出来るに至ったストーリーがある。自分の身体にも無数の傷がある。それは無数のストーリーがあるということ。まさにヒストリーだ。そして、傷は身体だけでなく心にも。つけたりつけられたり。それらのストーリーをヒストリーにしていくことが「生きる」ことなのかも知れない。そんなことを考えさせられた。
十の短編から成っているが、個人的に一番良かったのは「慈雨」。自分の不注意で子どもに傷をつけてしまった経験が、親なら誰でもあるのではないかな。それを悔やんでいる人ならきっと心にしみる話だと思う。(傷つけた相手が兄弟や友