千早茜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
イラストレーターの神名と、大学生からの男友達のハセオ、夫の彰人、不倫相手の真司の3人の男性との話。
恋愛や友情の話というよりは、神名という人物が壊れないために選び続けてきた人間関係の話だと感じた。
神名は誰と寝ても、強い罪悪感や激情に揺さぶられることがない。それは快楽や逃避というよりも、心の奥に沈んだ感情に触れるための行為のように描かれている。
そのフラットさは、人として成熟しきっているからなのか、あるいは諦めきっているからなのかは明確には示されない。
ただ、過去に一度深い傷を負った人間が、その後「安定」を最優先に生きてきた結果なのだろうという想像は自然に浮かぶ。
神名とハセオの関係は、 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに惹かれて購入。
読み始め数分して、自己投影を全然させてこないタイプの主人公だ!と何故か安心しました。
それくらい自分と言うものを根底で持っていて、でも不器用で乾きがある貪欲な女性と、負けないくらい自分の軸がぶれなさそうな食えない男性が出てきて、普通に恋愛に進んで…とならないのがまた安心。
異性のともだちだからこその、ドライな気楽さに少しの湿っぽさが絶妙に描かれてるのがすごく良い。
最後に残るのが恋人でも愛人でもなくて、自分の描きたかった絵での仕事と男ともだちなのが、清々しさもある。
神名と美穂の対比は、大切だから触れない/触れたの先で、それぞれ別の強かな女になっていくのが印象に残っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ見えない傷と見える傷がある
見えない傷は他人からは知られずずっとぐじゅぐじゅに膿んでたりする
見える傷は関わった大切に思ってくれる人がいつまでも忘れられない原因になる
案外本人は気にしてないこともあって
ただその人にも気にしてほしくないから隠す場合もある
見えない傷を無視されたくなくて見えるようにした
見える傷ができてやっと傷ついていたことに気づかれた
傷、をテーマにしてこんなに物語が広がるものなのかって驚いた
「私が描きたいのは生き延びたあかしだから。死体の傷口というのはひらいたままだ。血が乾き、腐敗し、蛆がわくことはあっても、ふさがることはない。傷痕になることはないんだ。だから、これらは -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりにスラスラ読んでしまった!!
めっちゃ面白かった
短編集なんだけど、
登場人物がみんなどっかしら繋がってて、
こういう構成になってる本好きなんです!!
名前は一緒だけど、あの人から見た姿とこの人から見た姿が全然違う…本当に同じ人??みたいな混乱しながら読むの好きです!
そして1行目から文章が面白い。
「最初、わたしたちは四人だった。
わたしと環と麻美と恵奈の四人。わたしたちは太っても痩せてもなく、目立って愚図でも飛びぬけて優秀でもない普通の女の子で、大学までエスカレーター式の私立の中等部で出会った。(中略)わたしたちはなんでも話した。それぞれの彼氏のセックスの癖からペニスの形状まで -
Posted by ブクログ
2026/01/07
千早茜さんの小説を久しぶりに読んだ気がして、とても面白かったです。
話はものすごくドロドロしている人間関係が描かれていますが、そんな雰囲気を微塵も感じさせずなぜか爽やかな感じで読み終えることができるのがこの本の不思議なところだと思いました。
主人公のイラストレーターの神名葵は29歳のアラサーで、恋人の彰人と同棲を5年続けているのにその関係は少しずつ冷めてきていてその隙間を埋めるかのように家族持ちの医者である真司と普通に不倫している。
さらにそこに大学のとき非常に仲が良かった先輩のハセオからの電話がかかってくることをきっかけにハセオとも7年ぶりに再会して会う時間を重ねるよう -
Posted by ブクログ
千早さん初でしたが私は良い作品だと思いました。
テーマが大衆ウケするものではないからこそ、理解するのが難しいものの神名とハセオの関係性について深く深く語られていて凄いなと思いました。
神名は一見すると自立していて、自信があって自分のやりたい事、したい事に夢中になっている強い女性のイメージを受けます。
しかしながら実は孤独や不安を上手く消化できず抱え込んでいて、上手く消化できていないからこそ誰かを必要としながらも深く関わる事は慎重で恋愛関係に入る事をどこか避けている印象です。
一方でハセオは神名に対して理解があり、自分の感情をはっきり主張せず、相手に合わせる事で関係を維持するタイプに見受け -
Posted by ブクログ
ネタバレ情景描写の日本語が美しくも儚く
どんどん読んでしまった
読みながら耽美な甘い香りが届くかの如く
全ての考察を読者に任せる小説で、
甘いお伽話だった、、
白亜とスケキヨという兄妹愛なのか、
本当は血の繋がらない2人の恋愛物語なのか
前半は近親相姦めいた描写もある
蓮沼の理性、頭のキレの良さ、人情、が垣間見える場面がありその度格好良い男だと思った
ただ蓮沼は近親相姦を受けていたという境遇
白亜と似た境遇としたのは何故だったのか
白亜が蓮沼に想いを寄せるきっかけのためだったのか
白亜の蓮沼への思いは恋心だったと思いたい
スケキヨは雷魚の、白亜はかつての伝説の娼婦の生まれ変わりであることが随 -
Posted by ブクログ
全話面白かった!
周りにこういう女の子居たなぁって
どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!
特に刺さったのは
「こっちを向いて」というお話。
仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。
でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO
最後の「獣の夜」は、臨場 -