千早茜のレビュー一覧

  • 正しい女たち
    女性目線の、価値観を覗き見することができる短編集。千草茜さんの著書を初めて読んだけど、文章といい構成といい、話の展開といいすごく文学的でとても好みだった。どの話も、自分よりは年齢が上めな話だったから、そこを通して未来を見た感覚。主にこんな大人になりたくないけど、将来もそう思いながら生きてるんだろうな...続きを読む
  • さんかく
    登場人物の夕香が自分と同じ性格なのか
    常にわかるわかる~~と夕香の言動に首を振っていた。
    でも、彼女もちの男を自分の家に住まわすのは意味が分からん。
    たとえ自分が恋に用事がなくても、それはまじでわからん

    きっと相手を恋愛対象として見てないからこそ
    夕香の素と正和の素と料理の趣味が合ってしまったのは...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール
    本から甘〜い香りがしてきそうな。いや、香ってきます。普段は電車の中しか読書しないですが、これはお菓子食べながら、お茶飲みながら読みたくなって、個人的にカフェと言えば!の清澄白河のカフェに行って読みました(笑)

    全部の話でちょっとずつ登場人物が重なり合ってて、話によって見える側面が違うから楽しい。想...続きを読む
  • ひきなみ
    千早さんは断然長編が面白い
    語彙力が無いので面白いという単語でしか表せない自分が情けない
    短編も好きだが主人公が魅力的でもっと深く知りたく物足りない
    『ひきなみ』最高に魅了された長編作だっ
    少女の気持ちが痛いほど伝わり同じように苦しんだ読書だった
    男尊女卑の社会を語るのが上手いなぁ
  • 人形たちの白昼夢
    もう10年ほどの仲になる、わたしの根幹を開けっぴろげにしてみせているほど、文芸的な意味で信用している友人から、どっさりと荷物が届いた。その殆どは文具であったが、ひときわ異様な妖しさを放っていたのはこの本だった。
    わたしは他人から本を贈られたことがない。本が好きだと公言してはいるが、「もう持っているか...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    香りというのは日常を鮮やかに彩るものである。その世界観を文章にしたような繊細な本であった。
    大きく事が動くストーリーではないので、刺激を求めるには物足りないかもしれないが、ゆっくり優しく包み込んでくれるような心地の良い作品だった。

    しばらく、この作品を超えられるようなものは見つからないかもしれない...続きを読む
  • さんかく
    3人を中心にまわる物語。
    季節の情景とか、ごはんが目の前にあるようにきれいに描かれていてとても良かった。
  • 犬も食わない(新潮文庫)

    いやー、THE日常なんだけど、楽しい読書時間だった

    初めて共著というものを読んだけど、
    確かにMCバトルみは合ったし、最後の対談のやり取りは考えが存分に詰まってて、一生対談し続けてほしいと思ってしまった
  • 胃が合うふたり
    この二人だから、以上にすごい。二人いる上に、状況が変わる。そのたびに嘆息する。なんとなくが最適解という合わせ方とおそらくはいろいろと違うであろう話がいい。榛名レモンの装丁と挿絵もなんともよく合っている。おすすめ。でも相性は強烈にありそう。
  • 紙魚の手帖Vol.12
    書籍のSFアンソロジー「Genesis」が雑誌になったようです。今後は書籍のアンソロジーは出ないのは少し寂しくもあるが、代わりに雑誌を購入するいいきっかけになるのかもしれない。収録作品はどれも面白かった。話が止まっていそうで進んでいる「ローラのオリジナル」(円城塔)、なんとも切ないSFラブストーリー...続きを読む
  • 正しい女たち
     三十路を迎えた4人の女性が登場する短編集。      
     「横にさりげなく置かれたバッグは、恵奈はセリーヌ、遼子はプラダで、派手ではないがどちらも今シーズンのものだった。二人はすごく美人でも人目をひくほど可愛くもないけれど、自分に似合うものを知っていて、その質を年々きちんと上げていく。【桃のプライ...続きを読む
  • 人形たちの白昼夢
    全ての編が全く異なるお話で楽しめた
    どの短編もとても壮大な物語の中のたった一部分のような気がしてこの短編の超長編作品を読みたい
    千早さんはなぜこんな想像もつかない世界を言葉に表せるのだろう
    中でもお気に入りは『ビースト』というもののけ姫を凝縮したようなお話
    何度でも読み返したい
  • 人形たちの白昼夢
    どうしてこの本を手に取ったのかはもう思い出せないのですが(この本が先だったのか、透明な夜の香りが先だったのか)私が「物視点萌え」を拗らせた原因になった本です。

    1話数ページの短編集。こことは違う世界かもしれない、不思議で美しく独特な輪郭の短編集。

    好きなのは「スヴニール」「ビースト」「ワンフォー...続きを読む
  • 神様の暇つぶし
    千早さんの言葉の連なりを、ひとつひとつを噛み締めるように読んだ。
    会ったことのないのに[知っている]と感じる人、毎日同じ空間にいるのに[知っている]とは思えない人。
    もう出会う前の自分には戻れないと感じる人。

    泣きたくなったら食べればいい。
    泣きながらでも飲み込めば、食べた分だけ確実に生きる力にな...続きを読む
  • 魚神
    これが千早茜先生のデビュー作とは驚きです。素晴らしい。
    「しろがねの葉」や「透明な夜の香り」の要素がこのデビュー作から詰まってました。
    遊女屋、暴力、苦しい生活の中で唯一無二の愛だけを頼りに生きる姉弟(実際は不明)のお話
    それほど多くないページ数だが内容が濃く壮大で大満足でした
  • クローゼット(新潮文庫)
    服飾美術館の存在や服の補修士という職業があることを知った。
    男だから、女だから。。その言葉にいつの間にか囚われていることに気付く。
    傷を乗り越えようとするラストが印象的。
  • 夜に啼く鳥は
    始まりは、日本昔ばなしみたいだなぁと思った。
    残酷な話であっても、淡々と進んでいく感じに既視感があった。

    そこから時代は現代へ移り、シラの末裔、御先が主人公へと変わる。
    水が流れるように描かれる世界に、息を呑んだ。
    蟲たちの輝きや、御先の肌の白さ、四が流した血の色…そして真っ赤に咲き誇る躑躅。

    ...続きを読む
  • 男ともだち
    自分とは全く似てないし、私には絶対に真似できない生き方をしている主人公だと思ったのに読み進めるにつれて涙が止まりませんでした。
  • 胃が合うふたり
    読んでポッドキャスト聞いてまた読む。
    ちはやんと新井どんが大好きだ。
    千早先生の優しくもありキリッともしている言葉が刺さり、新井先生の天真爛漫のようで繊細なようなでも筆致はのびのびと。感想なんて偉そうなこと書けないが私はこの2人が大好き。アイドル並みに推していくつもりでいる。
  • あとかた
    とっても好きな作品でした。
    結婚適齢期になって周りが次々と結婚していくなか焦る気持ちや、収入の安定しない形で夢を追う夫婦を「可哀想」に思いながらも羨む、とある女性の気持ち。家庭環境に難がありながらも必死に勉強をして有名国立大学に進学したものの、本当の自分を見られている気がしなくて、少しでも努力を怠れ...続きを読む