千早茜のレビュー一覧
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ネタバレ✶印象に残った言葉✶
「好きな世界があるということは排除している世界があるということだ。」
「祈ることは嫌いだ。夢を口にしたいとも思わない。祈りはどこか他人本願な気がするし、夢を口にしたら夢を持っているという事実だけで満足してしまいそうだ。夢という響気は現実的ではない。プロになってからは神仏に祈ったこともない。初詣にすら行かない。夢なんて実現しなければ、頭の中にあるだけの絵と同じ。描かねば、ない。」
「時々、ハセオは煙草を吸いにベランダにでた。湿った冷たい空気がさぁっと入ってくると、私も裸足ででて外を眺めた。寒さは感じなかった。むしろ、清々しかった。白い息がハセオの吐く煙に溶けていく。 -
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「透明な夜の香り」
「赤い月の香り」
に続く3冊目
主人公はどんな香りでも作りだせる、天才調香師
小川朔
人並外れた嗅覚を持つ
今作は小川朔の全2冊に至る前段の話だという
香りにまつわるミステリー、とも言えると思う
京都、香原料 薫香の製造販売をしている瑞雲堂の2人姉妹
姉の真奈目線で進んでゆく
妹の丹穂(にお)は、類まれな嗅覚をもつ
丹穂は、最初の1ページ目、伽羅の香りを放つ骨として登場する
もうこの世にはいない
人々の秘密や欲望を、小川朔が解き明かす
日本語の奥深さと、面白さを表現し、
香りの薫る、匂う、嗅う、そして燻る舞台を創造して、存分に楽しませてもらった -
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ネタバレ✶印象に残った言葉✶
「誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。それが幸福なことなのか不幸なことなのかはわからない。」
「ひとりは楽だ。すり減ることも、奪われることもない。」
「好きなんじゃなくて、好きになられたいんだよ。自分をまるごと、百パーセント受け入れてもらいたいの。あいつは承認欲求の塊だ。」
「飽きた。面倒臭くなった。興味を失った。ばっさりと切られてしまうことを恐れるあまり、避けられている理由を深読みしたり、最初からなんの関係もないのだと思い込もうとしたりする。避けられているかどうかすら定かではないのに。」
「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してよ -
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ネタバレ香りシリーズから興味を持っていたけれど、恋愛小説ということでなかなか手が伸びていなかった1冊。
もうこれは恋愛小説なんて一言でまとめられない作品!笑
一夏の思い出、短い期間の記憶であろうことが、千早さんの描写から鮮明に、まるで自分自身が藤子として見てきたかのように思えた。本当に情景や心情を表現する言葉が美しくて魅了される。
自分は変わったのではなく変えられたのだと、それが傷という形でも、その人がいた証になるから。
20歳の藤子は自分のことを捻くれていると思っているが、実際にはあまりにもまっすぐで正直だった、そのギャップもまた若さゆえなのだろう。
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カテゴリ「恋愛」にしちゃったけど、恋愛じゃないんだよね。男ともだちだから。
別のSNSで同書に対して「登場人物に感情移入できなかった」というのを見かけたが、千早さんの作品で感情移入できたのは『プティフール』のシュークリームが好きな彼氏くらいじゃないかな(ΦωΦ)
千早さんの本は感情移入して読む本じゃないと思うんだけどな。なんかね。
千早さんの作品はまだ4冊だか5冊目だが、登場してくる女性に職人気質なところが好き。異性に甘えたい気持ちもありつつ、根っこはいい作品を作りたい、大切にしたい、天と地を繋ぐ細くて力強い真っ直ぐな糸のような信念を感じる女性が登場するところが好き。
私にはない強さだか -
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香りの天才小川朔の20代の頃の話。
当時は大手化粧品会社に勤めていた。探偵の新城とはすでに付き合いがある。
京都の香老舗・瑞雲堂。そこにも飛びぬけた香の才能を持つ丹穂がいた。彼女が死んだ時、荼毘に付された骨から、するはずのない伽羅の香りが立ち上った。
残された姉の真奈は香りの才能がなく、経営に苦しんだ。
そこに葬儀から数か月後、真奈の前に「伽羅の骨」を探す男・新城と、生前の丹穂との約束を果たしに来たという調香師・小川朔が現れた・・・。
ミステリアスな展開で、最後まで秘密を抱えながら物語が進む。
キーワードは「嘘」。
これでもう小川朔の物語が読めないかと思うと、残念のような、しかし、もうこれ以 -
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ネタバレ文章が好きすぎる。
生々しいリアルな恋愛。性描写が綺麗で美しい。
p.8 誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。
p.31 泣きたくなったら食べればいい。泣きながらでも飲み込めば、食べた分だけ確実に生きる力になる。
p.207 「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してようが、歳の差があろうが、略奪しようが、自分たちの恋愛だけが正しくて、あとは汚くて、気持ちが悪い」
p.287 手に入ってから失うのと、手に入らないまま想い続けるのはどちらが辛いだろうかと考える。
私は圧倒的前者だと思う。その人を手に入れた先の幸せを知ってしまっているから。
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ネタバレ「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される。
けれど、その永遠には誰も気づかない。その引き出しとなる香りに再び出会うまでは」
普段は忘れていることも、懐かしい香りに出会うと突然思い出すことがあるよね〜
⚫︎作品の魅力
洋館での暮らし、菜園で丁寧に育てられたハーブと花々、香りの描写がとにかく繊細で美しい。本から香りまで漂ってくるような気がした。
大きな出来事が起こるタイプの作品ではないけれど、その静かさが心地良くて、読んでいてしんどくならない。一文ずつゆっくり味わいたくなるような作品。
登場人物も魅力的で、一香と朔はもちろん、読み進めるほどに新城のぶっきらぼうな優しさに安心する。
どんでん