千早茜のレビュー一覧

  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夜逃げの途中で山師に拾われた少女ウメの一生のお話

    女だから生きたいようには生きられない
    銀山に生まれた男たちもまた銀掘りという宿命から逃れられない

    それぞれに与えられた役割の中で生きるしかなく
    銀山に生きる人々は力強いんだけど諦めのようなものも見える

    山は富をもたらす一方で
    人の身体を蝕み命を奪い
    それでも人々をそこから離してはくれない

    そんな銀山を象徴するような しろがねの葉

    うつくしく
    おそろしく
    だからこそ抗いがたいほど惹きつけられる

    ずっとずっと同じようにはいられない
    人も山も

    0
    2026年09月13日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    男ともだち「ハセオ」の魅力に、もう、まいってしまった。爛れた空気を纏わせながらも、子供のように無邪気で遠慮がなく、よく笑う。そして、神名が弱っているときには寄り添い見守ってくれる。そんな存在、羨ましすぎる。二人は大学の先輩後輩で、ハセオの部屋に入り浸っていたが、男女の関係になったことは一度もないという。優しい恋人とも、所有欲の強い愛人とも、うまくやっているようだった神名が、うまくいかなくなって傷ついた時に助けてくれたのもハセオだった。迷いがあった仕事にも自分の気持ちに正直になり、信念を持って進む神名の強くしなやかな姿が素敵だ。

    0
    2026年09月13日
  • 透明な夜の香り

    Posted by ブクログ

    天才調香師、朔の話。以前、既読の「香水」(作者は失念)と似ているかな?と思ったが、肌ざわりは全く異なる。朔の抱える闇と、一香の交錯が揺蕩う。次作「赤い月〜」も楽しみ。

    0
    2026年09月13日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

    自分は欠落している人間なので
    かなり神名に共感してしまった
    こういう本を求めていたので、出逢えて嬉しい
    「白衣の下の縮れ毛はひどく淫靡だ」
    これ5回音読しました

    0
    2026年09月12日
  • 透明な夜の香り

    Posted by ブクログ

    「香り」シリーズ第一弾。

    単行本で読んだものを、文庫版で再読。

    視覚で入れた文字情報が、自分の記憶と相まって香りとなって感じられる1冊。
    この作品は、きっとこれから何度も読み返すことになるだろう。

    小川洋子さんの解説がまた良い!
    「文字の奥から香りが立ち上ってくる」の一文からグッと惹きつけられる。
    千早茜さんや小川さんのように美しく言葉を使えるようになりたいものです。

    0
    2026年09月12日
  • 燻る骨の香り

    Posted by ブクログ

    ┏━━━ 感想 ━━━┓

    相変わらずの世界観がとても不思議な感じで、とても面白いです。

    嘘が臭いでわかってしまう小川朔。
    そんな人間は生きていくのが辛いと思いますが、その辛い感じがとても伝わってくるのも、この作品のすごいところ…

    ほんと、この作品を読むと、香りというか、匂いに意識が向かうことを感じます。

    今作では竜涎香(りゅうぜんこう)という香りが登場しますが、とても興味を惹かれて、無印で竜涎香ミストを予約しました。どんな匂いなんだろうか…楽しみです。


    ┏━━━ あらすじ ━━━┓

    終始、主人公の真奈を中心として、物語は進んでいきます。なぜめいたものをフワフワと漂わ

    0
    2026年09月11日
  • 燻る骨の香り

    Posted by ブクログ

    香りシリーズ第三弾にして最終巻!!

    若き日の小川朔もすごかった、、、
    亡くなりし丹穂の骨が最高級伽羅の香り。
    亡くなり妹や消沈の父の代わりに頑張る真奈。
    京香老舗にまとわる嘘や秘密。
    真奈と丹穂の亡き母の秘密。

    シリーズ第三弾も良かったです!

    0
    2026年09月10日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

    千早さんの作品を初めて読んだのは、
    「透明な夜の香り」でした。
    そこから少しずつ千早さんの作品を読んでいますが、今回の作品の登場人物は本当に清々しいほど屑やろうばかり。
    なのになんか嫌いになれない。
    それはこんな屑だと思ってしまう人達の中に
    自分に重なるところが1ミクロンもない…わけではないからかなと思う。
    きっと自分を構成する中に数%神名がいたり、ハセオがいたり…。
    正直作品の内容に爽やか感はゼロなのに、なんか少しすっきりした気分になるのは、ラストでハセオが本当に神名のことを大切にしているんだろうな…と感じられたからなのかな。
    映画化もされるそうなので、映画ではこの屑っぷりをどんな風に表現さ

    0
    2026年09月09日
  • しろとくろの偏愛

    Posted by ブクログ

    チョコ目的で買ったようなものでしたが
    案外、付箋が貼られたのは餅でした!笑
    千早さんは本当に美味しそうに書いてくれる
    いつか食べたい、美味しい餅、チョコ

    0
    2026年09月09日
  • ガーデン

    Posted by ブクログ

    好きな作品だった。様々な女と、植物が自身の全てのような男。発展途上国で暮らしていた記憶をぽつぽつと語るシーンがあり、どの場面でもこの人にそういうことがあったのかと新鮮味が広がる。
    「さみしくないですか」「さびしくないよ」の会話が記憶によく残った。小説として表記を揃えるのではなく、主人公の一種の我の強さをよく表している。
    終わり方も独特だ。植物と同様に生長していってしまう女性たち、今まで子供のように見えていたのに気付いたら自分の知らないもののような恐ろしさを覚える場面。どの女性も魅力があり、雰囲気からして魅力的に見える。その点、性の薄そうな主人公との対比であったり、かと思えば寝た経験があったりと

    0
    2026年09月09日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    江戸時代末期の話ですが
    石見銀山で銀掘として働く男たちや
    こどもを産み育てる女たち
    女郎屋で生きる女たち
    の姿が 動きや匂いをもって
    描かれ、時代にタイムスリップして
    傍観しているような
    気持ちになりました。

    ウメが喜兵衛を思う気持ちは
    名前はなくても
    生涯を通じて 道筋であり光であり
    師範であり続けました。

    父親のように 伴侶のように
    慕う 大きな憧れのような
    喜兵衛という存在

    ウメを思い守りぬくと誓って
    銀掘として生き銀掘として
    逝った 隼人

    どちらもが、 ウメのため、その先の人生のために
    選んだ決意に胸が締め付けられました。
    人を愛するってそういうことなんですよね。


    ウメは

    0
    2026年09月09日
  • 透明な夜の香り

    Posted by ブクログ

    読書好きな人が口を揃えて面白いと絶賛していた恋愛小説で前々から気になっていたのをやっと読むことができた。
    魅力的な舞台設定で物語の世界観に引き込むのがすごく上手いなと思った。町外れに佇む「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家みたいな洋館、不思議な雰囲気を纏う天才調香師とその幼馴染の探偵のコンビ、秘密を抱え香りを求める客人たち。今から一体何が始まるんだ…!というお菓子の箱を開けるようなワクワク感を物語の序盤で味わうことができる。その後ももちろんページを捲る手は止まらない。1日だけで一冊の小説を読み切ったのは久しぶりだった。
    一香と朔、2人の関係性のゆく先をもっと眺めていたかった、と少し後ろ髪を引か

    0
    2026年09月09日
  • 燻る骨の香り

    Posted by ブクログ

    「時々、思う。記憶に名前がつけられないから人は匂いで覚えるのかもしれないと。」

    感覚というものは、誰かと共有することはできない。分かりあうって、なんだろう。わたしが誰かに向けるこの愛情が執着ではないと言えるのだろうか。

    「嘘でも、離れてほしくなかったってことだろ」
    こう言える新城さんの強さと潔さに救われる。

    0
    2026年09月08日
  • 男ともだち

    Posted by ブクログ

    千早茜さんは『しろがねの葉』で衝撃を受けて以来、何作品か読んでいるけれど、これは未読だった。

    帯の「冷めた恋人より、身勝手な愛人より、大事なひとは男ともだち。」「恋愛よりも大切な関係がある」という言葉に、ものすごく共感した。

    主人公・葵と大学の先輩・ハセオの関係が、とにかく絶妙。恋愛とも友情とも簡単には言い切れない。でも、確かにそこには他の誰とも違う特別なつながりがある。その曖昧さを、曖昧なままここまでリアルに描ける千早茜さんはすごい。

    0
    2026年09月07日
  • しろとくろの偏愛

    Posted by ブクログ

    だいすきな千早さん!
    面白かったー!

    餅、好きじゃないのにすごく食べたくなった。
    思わず検索しながら、「ちょっと遠い…、ここなら…、白玉粉買ってみようかな…」と思ってしまった!

    チョコレートもひと粒で十分派なのに色々挑戦してみたくなった。
    ざくざくチョコレート、オランジェ、トリュフ…
    そして調べてみて「う~ん…高い……、でも食べてみたい…」と検索画面とにらめっこ。

    千早さんの食エッセイは本当に美味しそうで、
    かなり具体的に想像できて、
    食に関心がなくても気になってしまう!!!

    今年のバレンタインは自分のために
    買ったことのないようなチョコレートを買おうかな~!

    0
    2026年09月06日
  • 神様の暇つぶし

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    他人の感覚を鵜呑みにしない。それがどれほど難しくて重要なのか、そしてそれを藤子に教えてくれたのは紛れもなく全さんだったんだろうな。藤子が"普通は"というとき全さんは藤子自身の意見を聞いていた。確かにこの日本において普通の感覚は大切なものだと思う。しかし、だといって自分の価値観を曲げる必要などない。全さんの自由奔放さと経験値から教わるものってものすごく大きい。そして、些細な言動、行動全て人を惹きつける魅力がものすごくある人だった。でも全さんを客観的に見ると登場人物の誰よりも承認欲求が高い人だと思った。だからこそカメラマンとして有名になったんだろうな。全さんが見たかった人間の奥

    0
    2026年09月06日
  • 神様の暇つぶし

    Posted by ブクログ

    面白かった、なんて淡白な言葉で済ませるのが惜しいほど素敵な作品、胸が痛くなった
    「あの頃、私にとっては全さんが神様だった。世界の全てだった。」私は藤子と同年代だけど こんな風に思える恋愛を20代のうちに味わいたいなと思った
    文章がとっても綺麗で何回も何回も読み直したい、、
    後は作中にご飯の描写が多くてお腹が空くシーンが沢山ありました^ ^笑 
    千早茜さん、最高です。

    0
    2026年09月05日
  • 西洋菓子店プティ・フール

    Posted by ブクログ

    昔ながらのケーキ屋さんを舞台にした連作短編。テーマはほろ苦い初恋なんだと思う。

    危うかったり醜かったり病的だったりするものを、うまくスパイスにしてあっと言わせる構造の短編たち。

    私自身、好きな人にうまく好きと言えないとか、駆け引きとか、察してとかとは無縁なので、「えー!なんで?言えば良くない?」とか「いやいやそれは独りよがりすぎでしょ」とか心の中で思いながら読んだんだし、本来はこういう登場人物たちの出てくる作品は痺れを切らして読むのをやめることが多い。けど、千早作品は、その匙加減が絶妙。まさにスパイスや苦味をギリギリまで利かせてるけど美味しくまとめる亜紀の作る西洋菓子みたい。

    そして何よ

    0
    2026年09月05日
  • 透明な夜の香り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    話が面白く、サクサクと読めた作品!
    朔が一香に対して心を開いていけたかと思ったら突き放してしまい…えぇ?ってなりましたが、最後はまた会えてよかったって思いました!
    朔と一香の今後のストーリーも読みたい!

    0
    2026年09月05日
  • 透明な夜の香り 赤い月の香り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読んでいると、図らずとも独特の世界観に引き込まれてしまうような本だった。
    前作では登場しなかった人物が出てきたことで、静かな雰囲気の中に新しいアクセントが加わっていて良かった。
    前作では語られることのなかった登場人物の過去や、人間関係などが新しく描かれていて、よりそれぞれの人物の深淵に触れることができた。
    一香と朔の関係がどう変化していくのかも気になるので、続編も読みたいと思った。

    0
    2026年09月05日