千早茜のレビュー一覧

  • 西洋菓子店プティ・フール

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    昔ながらのケーキが並んでいる西洋菓子店「プティ・フール」。店主の孫のパティシエールの亜樹を軸にした6篇の連作短編集です。片思いをテーマに書かれた話の中には、数々のケーキが出てくるのですが、読み終わったのが夜でよかった…これ昼間だったら絶対にすぐ買いに走っただろうなぁと思うほどに、千早さんのケーキの表現が素晴らしい。
    パティシエだけではなく弁護士やネイリストの世界にも触れているので、すごく面白かった。
    久々の千早さんでしたが、やっぱりこの人の文章は好きだなぁと実感しました。

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    2026年01月04日
  • 透明な夜の香り

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    好きだ、好き。調香師の小川朔と彼の居る洋館で働く主人公の一香を中心に話が進んでいく。とにかく、この調香師の小川朔が魅力的。作中でも色素の薄い短髪や紺色の声が印象的に描かれており、そのミステリアスさと深さが堪らない。一香も朔も互いに感情を抱えていて、その感情の名前をつけられないようなもどかしさと奥行きが沁みる。
    恋人の香りが好きで堪らなかったのを思い出した。香りが脳の海馬に直接届いて永遠に記憶されるのなら、私も誰かに記憶されたい。

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    2026年01月02日
  • 神様の暇つぶし

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    やっぱり千早茜さんの描く食べ物の描写がすき。
    美味しいカレーが食べたいなって思った。
    「みんな自分の恋愛だけが綺麗なんだよ」って言葉と
    「どんなに深く愛し合っていても、お互いは自分の物語にいる。それが完璧に重なることはない。」がすごく刺さった。
    やっぱり言葉選びがすごく好き。

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    2025年12月31日
  • 透明な夜の香り

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    元書店員の一香は、古い洋館での家事手伝いのアルバイトを始める。そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城と共に客の望む「香り」を作っていた。
    一香は、人並み外れた嗅覚を持つ朔が、それゆえに深い孤独を抱えていることに気づき……。


    人並み外れた嗅覚を持つ調香師のもとで、家事手伝いとして働くことになった女性を描く小説。
    静謐で繊細で、親愛とも恋愛とも欲望とも依存ともつかない朔と一香の甘く怪しく静かな関係が密やかで美しい。

    変わらないものの大切さと、変わっていくものにも変わらず寄り添い続けてくれることの愛しさを同時に教えてくれる素敵な本です。
    主人公の友達のさつきちゃんの、いつも笑って見守って

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    2025年12月31日
  • マリエ

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    1人の快適さも寂しさもどちらもわかるけれど、私もいつか何でもない日常を共に楽しめて、心から一緒にいたいと思える大切な人と巡り会えたらなと思いました

    歳を重ねて再読したら、読み味が変わる1冊だろうな

    名前のついた関係でも、名前のない関係でも、自分にとって安心できる人、一緒にいたい人といて得られる幸せを摂取して生きていきたい

    あと、マキさんの「あんたが自由で自立しているから相手を尊重できたのよ。それは誇っていいこと。」って言葉、優しさに溢れて好き。
    高校の時の古文の先生の「こうやってね、感じたことを話すのはいいことです。友人でも、家族でも、誰でもいい。そうしたら古いだけの物語にも血が通う。」

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    2025年12月31日
  • 赤い月の香り

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    前作の『透明な夜の香り』を読んで、"香り"という新しいジャンルがすごく興味深かったから作者のことを調べていたら続編であるこの本に辿り着いた

    もうすでに続編が読みたいくらい魅了されている
    早く出ないかな

    実際に香りが漂ってくる訳ではないのに、香りが想像できてしまうのが不思議で、作者の語彙力と伝える力に驚くばかり

    朔さんの掴めない感じがまた良くて。
    気高い一匹の白猫のような人だなと改めて思った
    私も香りに敏感な方ではあると思うけど、一体朔さんから見る世界はどんなものなのだろうと考えてしまう
    生きづらい世界ではないといいな

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    2025年12月30日
  • 透明な夜の香り

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    いろんなテイストの香りがする物語。
    朗読・メディア化するなら、絶対に津田健次郎様を出して下さい!!笑

    洋館に住む、天才的に嗅覚を持つ調香師の家政婦兼事務員として働く女性を中心となる物語。
    登場人物たちは心に何かを抱える人ばかり。
    調香師が作る香りによって、それぞれ選択をしていきます。

    いろんなテイストの香りを感じられる一冊です。
    温かみ、妖しさ、清涼感、危うさ…
    恋愛物なんじゃないの?と敬遠していた自分を叩きたい(笑)
    ミステリーのような、恋愛のような、人間物語のような。
    登場するハーブや植物から想像できる香りから、「危険な匂いがする…」的な香りまで感じられる読書体験が楽しかったです。
    調

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    2025年12月30日
  • マリエ

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    ・離婚、新しい香水、白いシーツ
    ・孤独死、工具箱、ホットワイン
    ・雨の蜜月、ポリープ、桃モッツァレラ
    ・ひとり寝、奇遇、緑のリフト
    ・お揚げ丼、コロナ発症、金木犀

    各話のタイトルが秀逸過ぎて、読む前から期待が高まる。
    読んだあとも期待通りの余韻。好きだなあ。

    「でも今は傷ついている自分に傷つく歳になった気がする。
    初めて知る痛みは減り、いろいろなことがぼんやりした。その淡さに安心している。小さな満足で充分に満たされ、自分自身が呑み込まれそうな欲望からは反射的に身をひく。生活が一番大事で、自分だけの巣を守りたい。だから、いちいち傷ついていられない。
    歳の差ってこういうことか、と思った。」

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    2025年12月30日
  • 透明な夜の香り

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    今年は千早茜さんの文章を気に入って何冊か読んだ
    五感に語りかけるような文章が美しく、読んでいて千早さんの紡ぐ湯船に浸かっているような感覚になる

    “透明な夜の香り”は題名の通り、香りに纏わるお話
    特殊な嗅覚を持つ調香師と、とある記憶に蓋をした気力のない主人公女性
    人の変化を嫌っていた朔さんが、最後は自分の変化を受け入れようと一歩踏み出したのが、いい意味で予想外だった

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    2026年01月01日
  • マリエ

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    作者は対談で「お互いが幸せになるための選択肢として離婚があると私は思う。離婚がひとつのポジティブな選択肢になればいいなと思っています。」と述べています。この作品は作者の実体験がかなり入っているそうだ。離婚して直面する煩わしさの描写はリアル。自分軸で前向きにありたいと思える作品でした。

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    2025年12月30日
  • 透明な夜の香り

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    構成はそんなに複雑じゃないはず。
    とある店舗の(変わった特徴?能力?を持つ)スタッフとそこに来る客+新しく働くことになった主人公

    でも、キャラクター設定と、あと何と言っても「世界観」作りが強い。
    そこに作者らしさが詰まってて、
    「千早さんにしか書けないよね」ってなってる。

    御本人が「本から香りがする」って言ってたけど、ホントにそれくらい香りの描写が詳細

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    2025年12月29日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    「男ともだち」を読み終えすぐに
    「神様の暇つぶし」を読んだ。

    本を開き冒頭を読んだ瞬間
    物語に吸い込まれた。

    時間は記憶を濾過していく。
    思い出とは薄れるものではなく、濾されていくもの。
    やがて、純度の高い記憶だけが網の上でキラキラとした結晶になって残る。
    洗い抜かれたそれは日を追うごとに輝きを増し、
    尖ったかけらは胸に突き刺さる。

    綺麗な男女が紡ぐ物語も素敵だけど、
    本当の恋愛って色んな匂いがして、
    嫉妬とか執着とか生々しいもの。
    この本にはそれがぎゅっと詰まってる。

    全さんは神様から最期のイタズラに
    恋愛を与えられたのかな。

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    2025年12月29日
  • 赤い月の香り

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    透明な夜の香りを読んでいて、続編を読まずにはいられなかった。朔の言動の一つひとつが、ひっそりと人を救っていく。決して見えやすくはない優しさに包まれているなぁと感じた。
    この柔らかな文章がとても好き。

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    2025年12月29日
  • 魚神

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    ネタバレ

    情景描写の日本語が美しくも儚く
    どんどん読んでしまった
    読みながら耽美な甘い香りが届くかの如く
    全ての考察を読者に任せる小説で、
    甘いお伽話だった、、

    白亜とスケキヨという兄妹愛なのか、
    本当は血の繋がらない2人の恋愛物語なのか
    前半は近親相姦めいた描写もある

    蓮沼の理性、頭のキレの良さ、人情、が垣間見える場面がありその度格好良い男だと思った
    ただ蓮沼は近親相姦を受けていたという境遇

    白亜と似た境遇としたのは何故だったのか
    白亜が蓮沼に想いを寄せるきっかけのためだったのか
    白亜の蓮沼への思いは恋心だったと思いたい


    スケキヨは雷魚の、白亜はかつての伝説の娼婦の生まれ変わりであることが随

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    2025年12月27日
  • マリエ

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    離婚って、
    幸せになるための
    選択なんじゃない?

    恋愛がしたいと、夫は言った。
    降って湧いた
    離婚という言葉は
    まりえの日常を、
    大きく
    変えた。

    直木賞作家が紡ぐ、結婚と幸福をめぐる物語
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    千早茜さんの作品は「ひきなみ」がとても好きで、
    (と言ってもそれしか読んだことない)
    他も読みたいと思い書店で手に取るんですが、
    裏のあらすじ読んで、
    恋愛だぁ〜と戻す日々でした。苦笑

    今回は本当にたまたま、
    新刊で手に取って、
    主人公が40歳目前で離婚を経験する

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    2025年12月23日
  • 透明な夜の香り

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    なぜ文字なのに香りを感じることができるのか。
    読み進めるごとに、自分に記憶の中の香りが呼び覚まされる感覚に陥る。
    とにかくすごい、としか言えない笑

    登場人物は何かしら秘密を抱えていて、読み進めるごとに明らかになるので、気になって仕方がない。

    「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶されるから」

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    2025年12月23日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    2人で過ごした同じ時間を、2人の視点で書いてあって、視点や考え方の違い、お互いに対する想いが素敵で一気読みした。
    また読み返したい。

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    2025年12月21日
  • 透明な夜の香り

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    好みの作品だった。主人公の周りの登場人物がそれぞれ魅力的で、香りや色の表現も美しい。朔が纏う繊細で優しく、でもどこか危うい雰囲気に魅了される。
    読み進めるうちに、自分自身が幻想的な雰囲気の中にいるような感覚を味わえた。続編もぜひ読みたい。

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    2025年12月21日
  • 透明な夜の香り

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    恐ろしくタイプな本
    朔さんがタイプすぎる
    繊細で過敏で鋭くて深くて
    たぶん発達障害の人
    結局自分はこういう歪な人間に
    惹かれてしまう人間なんだなあと思った

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    2025年12月21日
  • 女ともだち

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    全話面白かった!
    周りにこういう女の子居たなぁって
    どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!

    特に刺さったのは
    「こっちを向いて」というお話。
    仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。

    でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
    めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
    大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO

    最後の「獣の夜」は、臨場

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    2025年12月18日