千早茜のレビュー一覧

  • マリエ

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    マリエさんの少し強がりで、寂しさを素直に伝えられないところが私みたいだと思った
    由井くんが言ったように、もっと寂しさを出す女の子の方がモテるのだろうな

    男尊女卑、女性蔑視という言葉はあるものの、最近は良くないものだという風潮になってきた。
    その一方で、それはただ風潮なだけで現実世界では女性として生きることがどれだけ苦しい立場にあるかということをしみじみ感じた

    離婚したくなかったけど、離婚を決めた理由が
    相手が不幸そうだった
    というもの。
    確かに一生共に過ごそうという契りを結んだ相手が、自分といることを不幸だと感じているのであれば離婚するかもと共感

    これは離婚じゃなくて、恋愛でいう別れも同

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    2025年12月07日
  • 私の身体を生きる

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    女性として生きて来た中での、著名&人気作家さんたちが悩みを赤裸々に綴られた連載が一冊に。

    自分が女性でいることを肯定するために背中を押してくれるような内容だった。

    無神経な数多の男性達に加害されてきた傷への癒し 自分だけではなかった、という、女友達と行ってきた、経験を分かち合って貰えることへのありがたみ

    女性の身体の不安 妊娠や性行為、体調不良、弱さ
    見た目への若い頃の過剰な拘り、ジャッジされることへの抵抗感と迎合

    まるっと。

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    2025年12月07日
  • マリエ

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    ネタバレ

    結婚も離婚も、時代や人によって全然見方が違っているんだなということを当たり前だけれど感じた。それでいて、そこに正しいも間違いもない。登場人物それぞれの考え方はそれぞれ理解できるものだった。共感できるものでなくとも、そういう見方があるのかと気付かされた。
    小説家お二人の対談、とても面白かったですし、学ぶことが多かったです。離婚にはいろいろな形があるんだな、と。人生は、自分が幸せになるための選択の繰り返しであってほしいし、その選択ができる世界であってほしい。

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    2025年12月05日
  • 魚神

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    互いの関係や世界観が独特だけどくせになった
    途中までやめようかと思っていたけど、最後まで読んでいた。後半がよかった

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    2025年12月05日
  • 透明な夜の香り

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    著者の作品は2作目。『しろがねの葉』から数年ぶりに。
    ほんとうに筆力のある人だから…あらゆる箇所で本から顔を上げてふぅ…とひと息つかせる、そういう描写にあふれている。
    美しさに、人の残酷さに、想像せざるを得ない香りに。

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    2025年12月05日
  • 私の身体を生きる

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    「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
    各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。

    痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを

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    2025年12月04日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    石見銀山に魅入られた少女の一生。
    予想以上の質量のある長編でした。さすが直木賞。こういう小説を読めると嬉しくて震える。

    同じ女性として、主人公ウメの内側から溢れ出る強烈な生命力や強さに圧倒される。憧れる。
    男たちの短い一生の中で、女や子のために生きて、命を燃やし尽くすさまも心に残りました。
    絶望から何度も立ち上がって、愛した男たちと真正面から向き合って、こんなふうに生きたい。

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    2025年12月04日
  • 眠りの庭

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    ネタバレ

    非常に面白かったです。2つのお話で構成されていて、2章に行った時、あんまり1章と関連性は、ないのかなと思ったけど、ラストが近くなるごとに、色々な考察や、想像が出来てとても楽しむことが出来ました。終わり方が、ハッピーエンドしか読んだことの無い私からすると、ハッピーなのかな?という感じでした。言葉ずかいがとても好みで、語彙力上がりそうだなと思いました。

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    2025年12月01日
  • 神様の暇つぶし

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    たぶん、千早さんの小説をちゃんと読むのは初めて。

    読み始めた瞬間から、文章に呑まれる感覚。文章というか、文章が漂わせる空気に。

    夏の烈しい彩度、青空と入道雲の、目を刺すほどのコントラスト。けれども視線は上を向かず、灼熱のアスファルトに張り付いた、黒々とした影に落ちる。途方もない絶望と痛み。
    そんな小説だと思った。

    ものを食べるシーンが多い。藤子がずっとお腹をすかせていたことを示唆しているように思えた。飢えて、求めていた。
    山で桃を食べた時の藤子の欲求は官能的に描写されていて、むきだしの本能を垣間見た気がした。

    ふたりとも、生を渇望していたのだと思う。


    里見がとても良い存在だと思った

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    2025年11月26日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    独占欲、嫉妬、男女のすれ違い、不安や焦燥感、憧れや一途な恋心、隠し味の秘密を詰めた宝石箱みたいな菓子作りの話

    色や香りで心情を描くことに長けた千早さんが、味でもそれを成し遂げてる
    皆スイーツに救いを求めてるよね

    甘い物が食べたくなる

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    2025年12月01日
  • 赤い月の香り

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    文字から香りのする「透明な夜の香り」に続き、静謐な色と香りの描写が美しい

    新月から満月への月の満ち欠けと並行して少しずつ追い詰められていく主人公に感情移入し、怒りや執着、自分と向き合い赦すことについて考えた

    小瓶に永遠に保存したい隠れ家のような本

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    2025年11月24日
  • 男ともだち

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    この環境でわたしは「男ともだち」に何を求めているのだろうか、彼氏でも、愛人でも、女ともだちとも違う。あいつに求めているのはなんなのか。価値観が似てる、何をしても離れていかない、何をされても離れない、そんな安心感という名の愛なのか束縛なのかを互いにし合っているのか。
    ハセオが赤いヒールにふれた時、その人から期待もしていなかったけど、誰かに認められたかった時にあぁやっぱりわたしを認めてくれる、欲しい言葉をくれるのはこいつなんだって思えた時のそれを思い出した。だからといって欲情するわけでもない。特別だから、セックスをしない。特別であるためにセックスをしない。

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    2025年11月22日
  • 透明な夜の香り

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    久しぶりに再読。

    本から香り立つような、深い森の中にいるような、静謐で濃厚で新芽を触った時のようなしっとりした世界観が好き。

    私自身、香りに弱いので香水が強い人と一緒にいると酔って気持ち悪くなってしまうけれど、朔さんの調香してくれた色んな香りを嗅いでみたいなぁと読む度思います。

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    2025年11月19日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    ✶印象に残った言葉↓
    「誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。それが幸福なことなのか不幸なことなのかはわからない。」

    「ひとりは楽だ。すり減ることも、奪われることもない。」

    「好きなんじゃなくて、好きになられたいんだよ。自分をまるごと、百パーセント受け入れてもらいたいの。あいつは承認欲求の塊だ。」

    「飽きた。面倒臭くなった。興味を失った。ばっさりと切られてしまうことを恐れるあまり、避けられている理由を深読みしたり、最初からなんの関係もないのだと思い込もうとしたりする。避けられているかどうかすら定かではないのに。」

    「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してよ

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    2025年11月19日
  • 眠りの庭

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    男性の庇護欲を掻き立てたり、
    自分の弱さの開示の仕方だったり。
    弱いようで本当は計算高い人なのかな。

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    2025年11月19日
  • なみまの わるい食べもの

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    「わるたべ」シリーズ四作目。

    このシリーズは大好きで刊行されたら直ぐ読んでいたのだが、珍しく三作目をまだ読めておらず(涙)
    だったが、四作目を先に読んでも楽しめた。

    今シリーズでは、作者が直木賞を受賞した際や後の心理状況や、離婚から再婚、新しい家族(猫)との生活、可愛い姪っ子のためにディズニーランドについての猛勉強、旅行話など、内容は盛り沢山。

    環境の変化が大きく、目まぐるしい日々だったそうだが、食に関しては相変わらず偏屈で、食へのこだわりと執着の凄さは変わっておらず。
    ただ忙しさのあまり冷蔵庫に入れている卵の数を忘れていたりしたことは読者の私にも衝撃的だった。(笑)

    〝美味のための

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    2025年11月14日
  • 透明な夜の香り

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    ネタバレ

    いつか、今自分が大切にしている時間を忘れてしまったとしても奥深くにきちんとしまわれているらしいので߹-߹
    美味しそうなご飯が沢山出てきてお腹空いた〜〜

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    2025年11月10日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    ネタバレ

    戦国末期の石見銀山を舞台に、幼くして父母と生き別れた少女ウメがたくましく生きていく物語。
    銀で潤う町の様子とは対照的な、まっ暗闇の坑道「間歩」(まぶ)。
    「信じるものがないとその闇は耐えられない」という喜兵衛の言葉から、そこに向かう鉱夫たちがどうやって自分を奮い立たせていたかを考えてしまいます。
    当時の鉱夫の平均寿命は30歳ほどだったとのことですが、そこに明るく健やかな女たちの存在は大きかったんだろうな。
    間歩の闇に魅せられ、恐れたウメ。
    目を覆いたくなるような酷い目にも遭い、胸にズシンとくる辛い場面も多いです。でも自分を見失わず、時にしたたかに立ち回るウメの姿に、どうか闇にのまれないでくれと

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    2025年11月10日
  • なみまの わるい食べもの

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    千早茜さんの作品は五つくらい読んでいる。
    彼女の書く繊細で美しい文章が大好きだ。きっと、すごく薄くて美しいガラスみたいな、非現実的な妖精みたいな、そんな女性なのだろうと思っていた。
    あら、ちゃんと人間^_^フェアリーじゃなかった笑
    それもすごく面白い人間(言い方!)!

    食にすごくこだわりのある人だと分かった。
    食を大事に大事にしている人。

    私は胃腸がとにかく弱く、腹痛に苦しむ人生を送っているせいか、味よりも私の胃腸が機嫌を損ねないかどうかが一番の問題である。量も食べられない。

    そのせいなのか反面なのかわからないけど、食にこだわりのある人や食べるのが大好きな人を見るのは結構好きだ。
    美味し

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    2025年11月10日
  • 透明な夜の香り

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    ネタバレ

    秋に読書を初めて最初に手に取った作品です。

    香りのないはずの「透明」や「夜」をも朔は深く深く手に取るように感じ取るんでしょうね。
    朔を現したような題名で素直に綺麗な言葉。。

    千と千尋の神隠しの銭婆のセリフ
    「一度あったことは忘れないものさ
    思い出せないだけで」
    終始このセリフが頭にあったなあ。

    朔の今まで閉じ込められた瓶の蓋が微かに緩められた、そんなラストに感じました。どんな隙間にも入る、一香は煙のような存在なのかなとも。

    透明の香りのする素敵な本でした。

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    2025年11月08日