千早茜のレビュー一覧

  • マリエ
    好きな世界観、セリフ、登場人物
    だけど、マリエが婚活する意味が分からなかった。
    由井くんに全身で恋愛をしているはずなのに本音を曝け出せないから?結婚をどこかで求めている気持ちがあるからか。

    香りはどれほど時を経てもその時の記憶を思い出させますね
    ラストで電話をかけた相手は…?
    由井くんとは同士に思...続きを読む
  • しろがねの葉
    おもしろかったです

    丸っこい、甘い香り、赤、蜜、柔らかい そういうものをまとった性は、無力なのだと、幼い頃から「女」でありたくなかったウメだが、その強い気性もひとつの魅力になるのだろう、時代に翻弄されながらも、あるがままを愛され、貫いていく。
    戦国末期の時代小説なに、昭和の初期を思わせる映像が浮...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    文庫の解説に小川洋子さん!痺れた!この作品を教えてくれた人に、代わりに勧めようと読中に思い浮かべていたのが小川洋子著作だった。声が色であり、香りが人であり、安心感が料理やハーブと菜園。秘め事を持つ人が持つ匂いと記憶が闇と光を創る作風に、風や空気の温度、湿度が感じられる。評価星5以上。また読む。その時...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    穏やかな非日常がすごく心地よく、主人公と同じ速度で洋館での生活を好きになっていました。
    一香が、自分は大嘘つきだったと感じた部分だけ、何に対して感じた感情が正解たのか気になります。
  • グリフィスの傷
    静かで優しくて冷たい傷の短編集。
    痛い傷もあれば、生きるために必要な傷もある
    見える傷、見えない傷、見せるための傷
    読みやすくジンと染み入って来るお話ばかりだった
    千早さん、やはり好き
  • グリフィスの傷
    この作品を読んではじめて、今までの作品をどうして好きになったのかが深くしっかり腑に落ち、この作品は千早さんの真骨頂だと思った
    傷と向き合って生きていく、ということをこんなにも真摯に様々な形で書き続けられる人がいる、それに勇気づけられて生きている
  • 神様の暇つぶし
    「人に沼る」ということを丁寧に描いている物語。
    今まであまり写真には興味がなかったが、世に知れているカメラマンの写真集を見てみたいと思ったし、自分も写真を撮ってみたいと思った。
    千早茜さんの他の作品も読みたいと思った。
  • マリエ
    一気に読んでしまった
    描かれている日常がかなり日常に近い現実味のあるお話で友人たちの会話を聞いているような感覚だった

    コロナ禍.40歳を目前に離婚した桐原まりえは新たな生き方を模索し始める
    離婚って失敗なの?
    恋愛と結婚は別なの?
    女性が感じる男性との不公平感や見下される感覚、好きだった人の嫌いな...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    この世界観に私も閉じ込められたい、と思ってしまうほど非現実的で、少し怖くて、美しかったです。

    誰にも理解されない次元で、孤独に生きていた朔さんの前に現れたのは感情の起伏を失った一香。
    確かに彼女は、例えるならば透明がイメージに近い人でした。

    そんな一香を手元に置いておきたい、けれども変化してしま...続きを読む
  • しろがねの葉
    石見銀山での、ウメの一生を描いた作品。

    今となっては石見銀山は世界遺産として観光地となっているが、この地で銀が採掘されていた江戸時代、今とは比べ物にならない労働環境がそこにはあった。

    石見で生まれた男たちは、必然的に幼少の頃から山に入り、間歩と言われる山に穿たれた穴に潜って銀を採掘する。

    石見...続きを読む
  • マリエ
     森崎から切り出された離婚に応じたマリエの気持ちを想像しながら読む。新しい住居を構え、自分の時間を満喫する様子には余裕が感じられ、引きずったりしないものなのだなと思った。しかし、マリエが由井君と過ごしたり婚活したりする中で、自らの恋愛や結婚について改めて考える心の内には、揺れを感じた。それは、寂しい...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール
    甘く白いクリームの中にほろ苦いカラメルが混じっていて、甘いだけのお菓子が苦手な私も、美味しくいただけました。
    千早茜さんの小説は初めてです。ほんタメのあかりんさんが激推しで、一冊手にとってみたところ、登場人物が自然で読みやすく、様々な情景が目の前に広がり、なんといっても美しい。(そして美味しそう。)...続きを読む
  • クローゼット(新潮文庫)
    千早茜さんの作品は『しろがねの葉』『西洋菓子店プティ・フール』、あとアンソロジーの一編を読んで以来、それだけで好きな作家さんになっていたが、これを読んでより好きになった。
    変に恋愛描写を挟まず、トラウマの記憶にフォーカスしすぎず、ただ服と人とを描いているのが心地よい。文体も繊細かつやや静謐で写実的な...続きを読む
  • しつこく わるい食べもの
    エッセイが好きです。
    特に食べものに関わるエッセイは、作者の嗜好に触れ、そうそう、わかる!とか、へぇ、そんな感じ方するんだぁ!とか思うことが楽しいです。

    千早茜さんがコロナ渦で迷いながらも赤裸々に書いてくださったこのエッセイ。
    とてもおもしろかったです。

    「他人の和えたもの」がダメ。
    蓋が開かな...続きを読む
  • 眠りの庭
     強さと弱さ、野生と抑制、絶望と生命力。正反対の性質が共存する者は、生々しくも美しい。
     支配欲に満ちた父親に育てられた小波は、意志を持たない。自我を持たない人間は、何も求めてこない。また側にいる者の欲求を、自分のものだと錯覚している。だからなのか、小波と関わった男性は、彼女に強く惹かれ、取り込まれ...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール

    菓子の魅力ってのは背徳感だからな。こんな綺麗なものを食べていいのかって思わせなきゃなあ。

    物語に出てくるお菓子を食べながら読みたくなる。
    ちょっとドキドキする大人なキャラメルや酸味の強いベリーみたいな王道ではない恋模様にドキドキしました。

  • マリエ
    現代の女性の生き方は多様化していて、結婚して子どもを育てるのだけがあたりまえではない。好きなように生きていいと寄り添ってくれているように感じた。恋愛なんて興味がないように振る舞うマリエも結局、恋愛がやめられない。気づいたらハマってて夢中になってしまっている。彼のいる生活に慣れてしまって、連絡がないこ...続きを読む
  • 赤い月の香り
    「透明な夜の香り」続編。
    朝倉満は調理場でバイトしている。そこへ尋常ならざる嗅覚を持つ小川朔と新城が居合わせ、朝倉に仕事を持ちかける。
    「君から強い怒りの残り香がした」
    女性が苦手な朝倉だが、朔の香り、朔と同じ香りを纏う若宮一香に興味を持つ。
    そして朝倉は赤と月と暴力に神経過敏になる。
    過去、暴力に...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール
    ”自分で得てきた知識や経験はちゃんと使え。それがいつかお前の味になる。”

    ”この人と具体的にどうしたいのか考えたこともないのだから、何も進まなくて当然だ。”

    ”腕を磨こう。好きな人のとっておきの甘い笑顔を見るために。たとえ、明日になれば消える一瞬の歓びだとしても”

    ”じいちゃんは作業中にメモを...続きを読む
  • 赤い月の香り
    健康診断には何故嗅覚の検査が無いのか?疑問だった。嗅覚が最も主観が入る感覚だからだ。
    「雨が降り始めた時のアスファルトの匂い」で、同じ匂いにたどり着くことは恐らく無理なんだろう。

    絶対音感という言葉を初めて聞いた時に、なんて生きにくい人生なのかと思ったが、小川朔の人生も同じくらい生きづらいだろう。