千早茜のレビュー一覧
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マリエさんの少し強がりで、寂しさを素直に伝えられないところが私みたいだと思った
由井くんが言ったように、もっと寂しさを出す女の子の方がモテるのだろうな
男尊女卑、女性蔑視という言葉はあるものの、最近は良くないものだという風潮になってきた。
その一方で、それはただ風潮なだけで現実世界では女性として生きることがどれだけ苦しい立場にあるかということをしみじみ感じた
離婚したくなかったけど、離婚を決めた理由が
相手が不幸そうだった
というもの。
確かに一生共に過ごそうという契りを結んだ相手が、自分といることを不幸だと感じているのであれば離婚するかもと共感
これは離婚じゃなくて、恋愛でいう別れも同 -
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「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。
痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを -
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たぶん、千早さんの小説をちゃんと読むのは初めて。
読み始めた瞬間から、文章に呑まれる感覚。文章というか、文章が漂わせる空気に。
夏の烈しい彩度、青空と入道雲の、目を刺すほどのコントラスト。けれども視線は上を向かず、灼熱のアスファルトに張り付いた、黒々とした影に落ちる。途方もない絶望と痛み。
そんな小説だと思った。
ものを食べるシーンが多い。藤子がずっとお腹をすかせていたことを示唆しているように思えた。飢えて、求めていた。
山で桃を食べた時の藤子の欲求は官能的に描写されていて、むきだしの本能を垣間見た気がした。
ふたりとも、生を渇望していたのだと思う。
里見がとても良い存在だと思った -
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この環境でわたしは「男ともだち」に何を求めているのだろうか、彼氏でも、愛人でも、女ともだちとも違う。あいつに求めているのはなんなのか。価値観が似てる、何をしても離れていかない、何をされても離れない、そんな安心感という名の愛なのか束縛なのかを互いにし合っているのか。
ハセオが赤いヒールにふれた時、その人から期待もしていなかったけど、誰かに認められたかった時にあぁやっぱりわたしを認めてくれる、欲しい言葉をくれるのはこいつなんだって思えた時のそれを思い出した。だからといって欲情するわけでもない。特別だから、セックスをしない。特別であるためにセックスをしない。 -
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ネタバレ✶印象に残った言葉↓
「誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう。それが幸福なことなのか不幸なことなのかはわからない。」
「ひとりは楽だ。すり減ることも、奪われることもない。」
「好きなんじゃなくて、好きになられたいんだよ。自分をまるごと、百パーセント受け入れてもらいたいの。あいつは承認欲求の塊だ。」
「飽きた。面倒臭くなった。興味を失った。ばっさりと切られてしまうことを恐れるあまり、避けられている理由を深読みしたり、最初からなんの関係もないのだと思い込もうとしたりする。避けられているかどうかすら定かではないのに。」
「みんな自分の恋愛だけがきれいなんだよ。不倫してよ -
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「わるたべ」シリーズ四作目。
このシリーズは大好きで刊行されたら直ぐ読んでいたのだが、珍しく三作目をまだ読めておらず(涙)
だったが、四作目を先に読んでも楽しめた。
今シリーズでは、作者が直木賞を受賞した際や後の心理状況や、離婚から再婚、新しい家族(猫)との生活、可愛い姪っ子のためにディズニーランドについての猛勉強、旅行話など、内容は盛り沢山。
環境の変化が大きく、目まぐるしい日々だったそうだが、食に関しては相変わらず偏屈で、食へのこだわりと執着の凄さは変わっておらず。
ただ忙しさのあまり冷蔵庫に入れている卵の数を忘れていたりしたことは読者の私にも衝撃的だった。(笑)
〝美味のための -
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ネタバレ戦国末期の石見銀山を舞台に、幼くして父母と生き別れた少女ウメがたくましく生きていく物語。
銀で潤う町の様子とは対照的な、まっ暗闇の坑道「間歩」(まぶ)。
「信じるものがないとその闇は耐えられない」という喜兵衛の言葉から、そこに向かう鉱夫たちがどうやって自分を奮い立たせていたかを考えてしまいます。
当時の鉱夫の平均寿命は30歳ほどだったとのことですが、そこに明るく健やかな女たちの存在は大きかったんだろうな。
間歩の闇に魅せられ、恐れたウメ。
目を覆いたくなるような酷い目にも遭い、胸にズシンとくる辛い場面も多いです。でも自分を見失わず、時にしたたかに立ち回るウメの姿に、どうか闇にのまれないでくれと -
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千早茜さんの作品は五つくらい読んでいる。
彼女の書く繊細で美しい文章が大好きだ。きっと、すごく薄くて美しいガラスみたいな、非現実的な妖精みたいな、そんな女性なのだろうと思っていた。
あら、ちゃんと人間^_^フェアリーじゃなかった笑
それもすごく面白い人間(言い方!)!
食にすごくこだわりのある人だと分かった。
食を大事に大事にしている人。
私は胃腸がとにかく弱く、腹痛に苦しむ人生を送っているせいか、味よりも私の胃腸が機嫌を損ねないかどうかが一番の問題である。量も食べられない。
そのせいなのか反面なのかわからないけど、食にこだわりのある人や食べるのが大好きな人を見るのは結構好きだ。
美味し