千早茜のレビュー一覧

  • さんかく
    何かが始まるのかも、何かが変わるのかも、大きな出来事が起こるのかも
    そんな気持ちで読み進める

    食、ひいては生活を丁寧に描きながら、周りにある心情を描写する

    大きな事件は起きなかった
    起承転結がばちっと決まるような、そんな大事はなかった

    でもたしかに変わったことはあって
    始まったことも終わったこ...続きを読む
  • からまる
    タイトルの通り。誰かと誰かが、社会的にも経済的にも、精神的にも、肉体的にも絡まらないと生きていけない。それをサラサラと粘着質にならずに書いている。最後に綺麗にからまりを解いて去った大原さんと新しいからまりの始まりを予感させて繋がっていく終わり方だったなと感じた。
  • 魚神
    遊郭の島、閉ざされた島で、生きる姉弟、白亜とスケキヨ。互いを存在意義として生きている二人のたどり着く先は?というお話。

    世界観、舞台設定、吉原的、時代設定とか、どこでもないけど、どっかにありそうな既視感、好き。
    表紙とタイトルに惹かれて、衝動買い。

    白亜目線からの語りなので、スケキヨの存在と正体...続きを読む
  • ひきなみ
    装画: 西川真以子
    装丁: 大久保伸子

    瀬戸内のとある島で出会った2人の少女。
    ちょっとした出来事の後に会わなくなったが、数年後、都会で偶然再会する。

    お話は2部に分かれていて、第一部は「海」で第二部は「陸(おか)」

    第一部は2人が初めて出会った頃のお話でゆっくり進んでいく感じ。読んでいて自分...続きを読む
  • さんかく
    丁寧な料理を学びたくなりました。
    京都の町屋で暮らす高村さんの生活と作る料理が、文章から目に浮かぶようです。

    評価の別れる本のようですが、私は噛み締めるように各章を読みました。
    3人の視点で順番に描かれている三角関係。
    最後は高村さんの視点を読みたかったです。

    高村さんはきっと1人で生きることに...続きを読む
  • さんかく
    みんなずるくて「この人好き!」となれないのが残念だった。
    高村さんと正和は同性同士だったら一緒にいられたのかと思うと性別がもどかしい。
    一方で、高村さんも華も没頭できる仕事があって、どちらも譲れない自分の芯を持っていてカッコよかった。
    出てくる料理がどれも美味しそうで、料理を楽しみに読み進めた所があ...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール
    西洋菓子プティ・フール。
    商店街にある洋菓子店。
    主人公?の亜樹が働いている店であり、亜樹の祖父母の店でもある。
    この洋菓子店に関わる人たちの視点から書いた連作小説。
    亜樹、亜樹の後輩男性スミ、客の女性、スミの女友達ミナ、亜樹の婚約者祐介。脇をかためる紅茶専門店の長岡さんもミステリアスで魅力的なキャ...続きを読む
  • さんかく
    関係性を決めることを求められるから迷いが生じ戸惑ってしまうんだろうなぁ。男女というだけでそこに恋愛感情があるとは限らないと思う。私の友達は同性よりも異性の方が話しやすいという理由でぽつんと一人女子が混じっていただけなのに変な噂がたてられてなんだか可哀想だった。
  • あとかた
    各章ごとに主人公は変わるけれど、登場人物が連鎖していく連作短編小説。内容は不倫とか、昼ドラみたいなちょっとドロドロ系っぽいけど、案外スラスラ読み進められた。
  • 男ともだち
    私は今女子校に通っているので、「男ともだち」だけの安心感は本当に共感できる。
    私自身が必要としている存在を、千早さんが彼女の言葉で語ってくれた感覚。うまく拾えず、認識できないまま忘れていた思いにも気付かせてもらえた。
    そしてラスト、ハセオが恋愛としての意味ではなく神名に「愛情を持っている」ことが分か...続きを読む
  • 透明な夜の香り
    人並み外れた嗅覚をもつ天才調香師のもとに、訪れる訳ありな依頼人達。そして主人公 一香 も秘密を抱えて山の手のサロンで働き始めます

    繊細で すぐに壊れてしまいそうな人々と その関係性にハラハラしながら読みました。色っぽく、静かな中に激しさのある大人の読み物だと思います。

    「嘘」これがひとつテーマと...続きを読む
  • 西洋菓子店プティ・フール
    面白かったかな。初めての千早さんの作品でしたが、なかなか読みやすくてよかったですね。軽いタッチでしたが最後の展開は楽しめました。良かったです。
  • 男ともだち
    不健康な恋愛事情を覗きたいときは読むと良いかもしれない。彼氏からは気が気じゃないハセオの存在。主人公もなかなか自由な恋愛感。友達か男女関係かのボーダーをギリギリ超えないので、別れるということも存在しない。縁を切るのが恋人同士よりも大変そう。そういう人が存在しなくても問題なく生きていける恋人を作りたい...続きを読む
  • 神様の暇つぶし
    よくある恋愛の展開、と言えなくもないけれど、それを凌駕するのは著者の繊細な言葉遣いや表現力。それがあまりに美しくて、恋愛を小説で楽しむ喜びを再認識させてもらう。これは文字でなければならない。
  • ひきなみ
    気持ちの波間⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、千早茜の『ひきなみ』⁡
    ⁡⁡
    ⁡ええ、良い。千早さんやっぱりええね
    ⁡⁡
    ⁡真以、葉の2人の波間と言うか、気持ちの置き所やお互いを想う波間。⁡
    ⁡⁡
    ⁡真以が好きじゃなぁ、こういう子大好きじゃね
    ⁡⁡
    ⁡物語の場所もほぼ近しいエリアの設定になってて、方言がどハマり...続きを読む
  • さんかく
    私の生き方。
    誰かに嫉妬しているなんて、おかしい。
    私の選んだ道なのだから。
    そんな言葉が心に刺さった。
  • 神様の暇つぶし
    タイトル通り、これは神様の暇つぶしによる出会いだったのだろう。
    暇つぶしは長くは続かない。
    藤子と全の出会いだけじゃなく、登場する全員の出会いが一瞬で永遠じゃない。
    限られた時間だからこそ、鮮明に強く心に刻まれるのだろうと思った。
  • 男ともだち
    「ハセオ〜」と思わず口にしてしまいそうなくらいハセオが良い奴だった。
    愛ってなんだろう、とふと考えてしまう小説だった。異性はともだちになりえないのかという昔からよく問われるこの答えは確かに人それぞれかもしれないけど、この物語を読むと「異性はともだちになりえる!」と言いたくなる。

    ハセオみたいなとも...続きを読む
  • 女ともだち
    女ともだちをテーマにしたアンソロジー

    どの作品も、女性だからこそわかる女性同士の複雑な関係性と感情を描き出していて面白かった。
    知らなかった作家さんもいたけど、この本で知ることができてよかった!

    特に印象に残っているのは村山由佳さんの『COPY』
    ラストが衝撃すぎて、もう一度読み返さずにはいられ...続きを読む
  • あとかた
    ゆらゆらと掴みどころがなく得体の知れないモテオジリーマンが突然自殺するシーンがあって、ちょっと想像がつかなかったね。社会に疲弊しきって自殺するようなオジサンってもうちょっとこう、かっこよさとはあんまりかけ離れたイメージあるけど、この物語の中の彼はなんかめちゃくちゃモテてましたよ。そういうもんなの?知...続きを読む