千早茜のレビュー一覧

  • 正しい女たち
    海辺の先生が好き。自分のことはあまり語らないけど、静かに見守って導いてくれる大人がいてくれるって素敵なこと。
  • 人形たちの白昼夢

    千早茜さんがインタビューで言っていた。
    エッセイでは本当の自分を全て書けない
    小説の方が(もちろん、全て本当の自分ばかりではないけど)本音の部分を描き入れる事ができる、と言うようなお話しでした。

    千早茜さんの作り出す、透明感のある世界は
    幻想的であり 清々しい。
    深い心の奥底の方に溜まっているも...続きを読む
  • クローゼット(新潮文庫)
    クローゼットの中で幼い頃過ごしていた、まきこは男性恐怖症を抱えていたが、天職とも言える洋服補修士の仕事を通じて、芳出会う。私はまきこを必死で守ろうとする晶が痛々しく感じた。
  • クローゼット(新潮文庫)
    100年以上前の洋服たちが1万点以上保存されている服飾美術館。
    その場所に魅了された人達の、心の傷み。
    芳、纏子、晶の3人が、少しずつ寄り添いながら前に進む姿に心を打たれました。
    ファッションには疎いけど、こんな美術館があったら行ってみたいなぁ。
  • 男ともだち
    あらすじを読んで同世代が主人公ということもあって、共感の嵐です。

    闇な恋愛物です。

    20代前半までに数多くの光の恋愛作品を読みました。
    中でも村山由佳さんの「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズ作品をひたすら読んでいました。
    その村山由佳さんが「男ともだち」の解説として巻末で紹介していてなんだ...続きを読む
  • 神様の暇つぶし
    生々しくて濃密な恋愛の話。
    どうしようもなく惹かれてしまう気持ちに共感。
    食と性の描写がリアルで、「生」を強く感じた。
  • さんかく
    人間ドラマ物が見たいなと思って買いましたが大正解でした。
    料理のうまい高村さんに心惹かれる男、研究職の女性。

    「普通じゃない」と言い放った男にまさかハピエンが訪れるとは思っていなく
    女の子から惨めに捨てられてしまえばいいのにとすら思っていました(笑)
    この男のどこが良かったんだろう?w

    料理も美...続きを読む
  • さんかく
    料理の一品一品が目に浮かび、味まで想像出来てしまう描写力。どれも本当に美味しそうだった。
    お店の高級料理と手間暇かけた家庭料理が、それぞれの人間関係を象徴的に表していて面白いなと思った。
    高村さんの暮らしぶりや作る料理が好きで、無意識に応援していたので、ラストは期待していたものとは違っていたかな。
    ...続きを読む
  • 犬も食わない(新潮文庫)
    決して綺麗ではない、私たちの日常に近い恋愛。

    好きだけど、何か違う、何かが不満
    長い間付き合っているとお互いの事を知っているように思えるがそこにはたくさんの思い違いがある。

    付き合う事に意味があるのか?考えさせられました。
  • クローゼット(新潮文庫)
    作品のなかで扱われるような豪奢な被服が結構好きなので、コルセットやバッスル、ドレスの描写がワクワクしました。

    服に対しての考え方を始め、社会の変化や歴史まで繋がって色々と考えさせられる事もあるけれどこの小説は全く説教ぽくなく、素直に考えられました。自分や、今の社会の当たり前もやがて歴史となっていく...続きを読む
  • さんかく
    いつも小説読みながら、登場人物や印象に残った言葉をメモしたりしている。今回メモしたのは、とうもろこしご飯や塩昆布キャベツ等をメモしていた(笑)
    とにかく、料理の描写が美味しそうで。そりゃ、伊東くんも流されちゃうわなー。食の好みが合うって良いよね~❗私も高村さんと暮らしたい❗って思った。
    高村さん大人...続きを読む
  • 魚神
    【2023年150冊目】
    鮮烈なデビュー作ですねぇ…。ありそうだけれど、実際にはない架空の世界。そこで紡ぎ出される白亜を中心とした物語。

    登場時から、おっ、て思ってましたが、やはり蓮沼、好きになるキャラクターでした。こういう役どころはずるい。かっこよすぎる。後半になるにつれ、一言一言がぐさぐさ刺さ...続きを読む
  • あとかた
    【かたち】にとらわれた登場人物が葛藤していく連作短編集。
    それぞれが思う生き方や考え方の【かたち】があって、その【かたち】にはまることの安心感や、はまらないことでの虚無感が痛々しく描かれていました。人間の内面を上手に描く千早さん、さすがです!
  • 男ともだち
    “登場人物全員、ものの見事に屑ばかりだ。”

    村山由佳さんの解説冒頭の一文である。読んで思わずふいてしまった。次いで違いない、と思う。ただしそこに嫌悪はない。小説とは不思議なもので、事象が文字に一度置き換えられて届くためか、不倫や殺人といった嫌悪を感じるものをソフトに受け止められる。
    だからといって...続きを読む
  • さんかく
    ふと香る出汁のような、噛んだ瞬間ジュワッと熱いものが溢れてくるような、そんな小説。美味しいものを美味しいねと言いながら一緒に食べてくれる人がいる幸せよ。胃が合う人との会話や食事は、何ものにも変えがたい。
    出張や旅行に行く時に、どこに何を食べに行こうかな…とウキウキする食いしん坊の私は、高村さんや伊東...続きを読む
  • さんかく
    なるほど、三角関係のさんかくかあ。そんなにぱっとしないけれどそれなりに整っているので微妙にモテル感じの男と、色々疲れてしまってフリーランスになった清潔感のあるアラフォーナチュラル美人同居人。色恋よりも解剖学に邁進するマイウェイで美人の彼女。
    忙しくてあまり連絡も取れない彼女に黙って、アラフォー美人と...続きを読む
  • クローゼット(新潮文庫)
    日本に服飾の美術館があることを初めて知ったし、そこを舞台に描かれる人々の生き様、仕事ぶりは興味深かった。
    千早さんの五感を捉える繊細で的確な描写が想像力を掻き立て、静かに美しい世界観が脳裏に広がるのが楽しかった。
    ジェンダーフリーが叫ばれる昨今、まだまだ性による差別、偏見が深く根付いている社会にそっ...続きを読む
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集
    モチーフとなった童話のエッセンスを匂わせ、うまく描き出している。全体的に、最後は読者をうまく着地させてくれる。毒々しいが、あとに引きずることがない印象。

    ただ、ぐっと引き込まれた作品が、ひとつ。読後に何かが、残るなぁ。良い感触だ。
  • 神様の暇つぶし
    藤子に神様を見出した全さんもまた、藤子にとっての神様であった。
    たったひと夏しか過ごしていないのに、その時間に溺れてしまう感情がありありと伝わってくる。
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集
    土台にモチーフとなった童話の要素が敷き詰められている。教訓めいた内容や、残酷性が、現代版にブラッシュアップされているため、とても読みやすかったです。シンデレラの物語がとくにお気に入りです。