千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
千早茜さんといえば、五感の言語化が飛び抜けて上手な作家さんのイメージが強く、食べ物に纏わる小説は言うに及ばず、「クローゼット」では服飾の世界を鮮やかに描写されていたことが印象に残っています。
本書は異常ともいえる嗅覚を持つ天才調香師、小川朔が依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す、という「香り」をテーマにした小説。
さすがの千早作品、さまざまな香りが本から溢れ出してくるような描写が秀逸で、まるで自分の嗅覚まで研ぎ澄まされたような感覚になり、読後は街中の色々入り混じった臭いに思わず顔を顰めてしまいました。
ハーブや季節の花の香りが豊かに感じられ、それだけでも満たされる作品ですが、香りは記憶と直結している、というのは誰しも経験があるところだと思いますし、ストーリーそのものも面白かったです。
香りシリーズの第二弾であることを知らずに読み、あとがきの部分で知りました…第一弾も読んでみます。 -
Posted by ブクログ
千早茜さん久しぶり。なんで購入したのかは思い出せないけど、新刊情報で気になって登録して、有隣堂の文庫カバーが在庫限りというのを知り、文庫を買ったんだと思う。
よく調べず本を買うことが多いので、あるあるだけど、シリーズ2作目らしい。
なぞはいろいろあったけど、主人公についてはほぼ解明されたので、特に気にならなかった。
主人公・満は、女性に対してトラウマがあり、また、馬鹿にされることにも弱く(それは誰でもだけど)、キレやすい。
アルバイト先に現れた調香師・朔に誘われ、朔のもとで働くことに。
茉莉花との関係が一番気になった。すんなりだなぁ。と。お互い。
3部作のようで、単行本ですでに3冊目も出版済み。とりあえず、1年後の文庫化を待ちつつ、1作目を読む。 -
Posted by ブクログ
先日、2作目のエッセイ「しつこく わるい食べもの」を読んで、面白かったので、1作目をリクエストして読みました。
なんとなく、千早茜さんの事を知りたくなったかな。1作目の方が、わかりやすい?共感しやすい?気がしました。
千早茜さん、ケーキ屋さんで働いたことも、病院の事務で働いたこともあるのですね。面白い。
もちろん、小学生の頃に、アフリカのザンビアで過ごしている経験は、羨ましいなぁ。確固たる自分を持っているのは、その経験があるからと思います。日本に生まれ育つと、長い物に巻かれる習慣が付いていまうから。私は、巻かれない方らしいですが…。
北海道出身?は、私と同じなので、親近感が湧きます。ただ、千早茜さんのお婆さんが作ってくれた、かぼちゃ団子は、私は食べたことがないのが残念。
小説も読んでみよう。
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Posted by ブクログ
あまり得意ではないタイプの登場人物が出てくる話が多かったけど…
後半の3作は特に好きだった!
・からたちの
➡︎場面がほとんど変わらなくて、MVを見ているような感覚。本当にお洒落な文章だなぁ。
・慈雨
➡︎どうしてこんなにも心がすれ違っていくのか。
人間には言葉があるのに、伝えなかったり伝わりきらないことが無数にある。不器用で繊細な生き物だなと思う。
自分にも心当たりがあって、泣いてしまった。この話を読むことで、自分の傷が癒やされる感覚もあった。
・あおたん
➡︎映画っぽいな〜。
刺青だったり、暴力的な言葉も出てくるのに、どこか優しい雰囲気が出るのは千早茜さんの魅力だなと感じた。『おっちゃん』が主人公の光になるのが良い。 -
Posted by ブクログ
前作よりさらに好きだと思える、素晴らしい一冊だった。
小川朔の持つ神秘性が失われていないことに安心しつつ、今回は主人公が男性で人間味のあるタイプだったことがとても新鮮だった。
同じ世界線なのに新しい風が吹いていて、同時に「好きな世界に帰ってきた」という心地いい安堵感に満たされた。
正直、少女漫画を思わせるキャラクター小説は好みのジャンルではない。
けれど、この作品の持つ独特の静かな雰囲気には惹かれてしまう。
これは絶対に夜、じっくりと読みたい本。
一番心に残ったのは、ラストで朔が「正しい執着とは何か」と問われ、「赦しかな」と答えるシーン。
その言葉に、読んでいる私まで救われ、赦されたような気持ちになった。
罪悪感、傷、怯え、後悔。人はそれを無理に乗り越えなくてもいい。
抱えたままで生きていっていいし、向き合うことを休憩したっていいんだと思わせてくれた。
前作の一香と朔の関係性もすごく好きだったので、次作(完結作)でその関係性がどう変化していくのか、今からとても楽しみ。