千早茜のレビュー一覧
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女性の書き手が綴る、「身体」についてのエッセイたち。
私がこれまでの人生誰にも言わずに、日記にすら書かずに閉じ込めてきた経験や思想や感情に近しいことが書かれていたりして、私だけじゃなかったのか……!という発見がいくつもあった。
私みたいに、自分の中に閉じ込めている人も沢山いるであろう内容をこうして書いてくださったことに感謝したい。
生理や身体の変化のこと、妊娠のこと、性自認のこと、性欲や自慰について、ルッキズム、性癖、尊厳などなど……
女性の体と30年付き合ってきたからこそ、どれも興味深い内容だった。
金原ひとみさんの「パリの砂漠〜(略)」を読んだ時にも思ったのだけど、
金原さんの文章だ -
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ネタバレ背が高く女性らしさへの自己肯定感が低い主人公の初めての一夏の恋のお話。
大好きだった父を亡くし、そんな父の遺品からバイアグラを見つけたり、不倫して出て行った母への恨み…
男の人から愛される事への憧れと、性的な事への嫌悪感の葛藤を抱えていた主人公は父の知り合いの写真家おじさんに惹かれて触れたいと渇望する。
でもそのおじさんは誰よりも永遠の愛を求めているくせに手に入ると離れていく女癖の悪いひとで…
結局、不安は的中しおじさんは突然いなくなってしまう。
その後、末期癌で1人で死んでいったのだ。
いなくなったのは主人公に飽きたのではなく、この先も永遠に一緒に入れない事に苦しくなったからなのだと -
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ネタバレ前作の主人公・一香も登場し、今作の主人公・満は一香と小川朔は付き合っているのではないか?と野暮なことを発言したりと、ちょっと空気が読めない。
歯科医院で女性に対して香水を分けてあげようか?と連絡先交換すること自体も同い歳だからとその時点でタメ口を聞く感じも、あ、なんか変なスイッチ入ったな?と感じるも、やっぱり交わり、小川朔に黙って茉莉花に小川朔ブレンドの香水やボディソープやらを貸してあげる。
最後はなぜ小川朔は満を雇ったのか、急な発言で少しドキッとしたが、結局茉莉花と仲直りする形で〆られ、満をどうにも好きになれなかった。
ただ、これも小川朔には黙っているものの持田と友達になったり、以降も源 -
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あなたは、日本昔話と西洋童話のどちらが好きでしょうか?
いつもながら唐突な質問で恐縮です。どちらもそれぞれに魅力があると思いますが、「桃太郎」や「かぐや姫」、「花咲か爺さん」といった、むかしむかしの日本昔話と、「白雪姫」に「シンデレラ」、「みにくいアヒルの子」のような西洋童話はどこか纏っているものが違うようにも感じます。
日本昔話は自然やコミュニティの大切さを強調し、善悪が曖昧な登場人物が多いのに対して、西洋童話は善悪が明確で、道徳的な教訓が強調され、王子やお姫さまなどの典型的なキャラクターが登場することが多い、大雑把な見方かもしれませんがそんな印象も受けます。特に子どもにとっては西洋童話 -
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「別れたらいいのに」
「何が良いのか分からない」
そんなことを言われると「そうだよね」としか返せないけど、あの時の言い表せない感情がここにある。好きとか嫌いとか、そんな白黒におさまらないグレーな感情が。
男女の共作だからこそ、価値観のぶつかり方がリアルだった。
どうでもいいけど「段ボールの切れ端を巻き付けた白い容器」がずっとピンとこなくて、千早さんのターンでやっと分かったんだけど、わたしだけですか?
これ男性ならすぐにピンとくる表現なのか、それとも大輔独特のものなのか、単にわたしの察しが悪いだけなのか気になる。
追記
恋愛の馴れ初めが好きなのに、この物語では書かれていない。最悪の出会い -
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千早茜さん11作目(小説8冊・エッセイ3冊目)
実は「わるたべ」は順番通りに読んでいなくて、まだ2しか読んでいない(^^;
こちらの本は、目白のカフェクーポラさんにて購入。その際に、千早茜さん監修の「波に揺れるすいかパフェ」をいただいた。ひとつひとつの食材がとても美味しく、世の中にはこんなに美味しい食材と美しくも美味しいパフェがあるんだ!と感動し、千早さんの食の世界を少し追体験することが出来た。こんなに美味しい食べ物を知っていると人生がとても豊かになりそう。私ももっと知って生きていたい、とホワイトウンナンシルバーを飲みながら思った。
本の感想じゃなくなってしまった。笑
わるたべは食を通じて