千早茜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
千早茜さん、なかなか読む機会がなく、積読されていた中の一冊。
洋食や洋菓子店を舞台にした作品を最近読んでいたので、世界観は楽しませてもらいました。
千早さんはドロドロしているイメージがあったのですか、意外にもスラスラと、共感できる登場人物もいて読みやすかったです。
でもでも6編の短編がさまざまな登場人物の視点になり、あの時、相手はこう思っていたんかい!
みたいな描き方は面白い!その分、主人公亜樹やその恋人祐介への感情移入が前半少なく淡々と進みます。
青山美智子さんのさすが!っていう連作短編技に近藤史恵さんの料理愛と、微妙な人間関係の描写でモヤモヤするのを掛け合わせた読後感。
それでも、シェ -
Posted by ブクログ
十八世紀のコルセットやレース
バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点が眠る服飾美術館。
ここの洋服補修士の纏子(まきこ)は、幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。
一方、デパート店員の芳も、男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。
デパートでの展示を機に会った纏子と芳。
でも2人を繋ぐ糸は遠い記憶の中にあって…….。
洋服と、心の痛みに寄り添う物語。
☆☆裏表紙より☆☆
千早茜の世界。
幻想的でちょっとだけ秘密の閉じられた場所。
そんな魅惑的な世界に、どっぷり浸れる小説。
「透明な夜の香り」の世界観も魅力的だった。
千早茜ファンには、たまらない一冊。 -
Posted by ブクログ
前半、あまり好みでない作品が続きましたが、後半すごく良かったです!
おもしろかった3作品
「こっちを向いて。」
分かるー‼︎って話でした。大人になってから友達作るのって難しい。こちらと向こうに友達を作ろうという願望が、まさに同じタイミングで存在しないと成立しない。
自分が今までに経験した感情が言語化されてる感じで気持ちよくて、そして切なかったです。
「ラインのふたり」
いたずらして笑ってはいけないのに全身で笑い出したくなる感じ。笑いすぎてお腹痛くて涙出る、みたいな。そういう時の女子同士の連帯感を思い出しました。
終わり方も良かった。
「獣の夜」
一番好きです。ジビエ、全然興味なかったけ -
Posted by ブクログ
美術家を惹きつけるファム・ファタル小説は、時として女性本人の人格や意思が抜け落ちたまま描写されたり、欲望の鏡扱いされがちだけれども(最近も、そちらに振り切った作品を読んだなと思い出した)、女性性を持つ人の痛々しいほどの葛藤にもフォーカスして描いていたのが、さすが千早茜さんとなった。
すっきり解決、と言えるものはひとつも無く、情念、欲望、本質的な孤独に傷付ききった登場人物たちが、暗い夜の庭に取り残されるばかりの物語。
そう書くと、どうにも救いが無いように思えるけれども(実際そうだけれども)、その暗がりの芳醇さに、ついつい惹き込まれてしまった