あらすじ
幸せも不幸せも、ぜんぶ私が決める
離婚って、幸せになるための選択なんじゃない?
40歳を目前に夫から離婚を切り出されたまりえ。しかし、戸惑いながら始めたひとり暮らしは思いのほか快適で、自らを慈しむ日々は確実に彼女を変えていく。
そんなときに出会った年下の男性・由井くん。
そして、コロナ禍という非常事態の発生。想像もしなかった未来がまりえにもたらすものとは――。
直木賞作家が紡ぐ
結婚と幸福をめぐる物語
巻末に金原ひとみさんとの対談「私たちの離婚」も収録。
単行本 2023年8月 文藝春秋刊
文庫版 2025年12月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
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離婚って、
幸せになるための
選択なんじゃない?
恋愛がしたいと、夫は言った。
降って湧いた
離婚という言葉は
まりえの日常を、
大きく
変えた。
直木賞作家が紡ぐ、結婚と幸福をめぐる物語
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千早茜さんの作品は「ひきなみ」がとても好きで、
(と言ってもそれしか読んだことない)
他も読みたいと思い書店で手に取るんですが、
裏のあらすじ読んで、
恋愛だぁ〜と戻す日々でした。苦笑
今回は本当にたまたま、
新刊で手に取って、
主人公が40歳目前で離婚を経験する、
といったあらすじを読み、
めちゃくちゃ甘いとか三角関係とかではなく、
喪失から始まるのか、
私の実年齢と近い主人公だと思い、購入しました。
結果…とても良かったです。
やはり好きだ、千早茜さん。
主人公のまりえは、私と違って仕事ができるし、
ちゃんと地に足つけて生きてる人で、
だから物語の中でも、
ぐっと言葉を飲み込んだり、
表出させずにやり過ごしたようなこともあり。
そんなまりえが、
年下の由井くんとの出会って変わっていく姿が、
読んでいて、とても良かったです。
程よく苦味もあって、甘いだけじゃない。
最近、手に取る本が全部良くて。
読書して幸せな時間が増えています。
Posted by ブクログ
これは、自分だけの、自分の人生の幸せとはなにかを考えさせれる一冊だった。まりえの一途さやさっぱりしたところがすごく好き。由井くんには最初、疑いの目を持っていたけれどまりえと幸せになって欲しいし、感覚が似ている2人だなと感じた。桃モッツァレラが食べたくなったし、「マリエ」という香水を嗅ぎたくなった。私が生きている時に読めてよかった一冊でした。
Posted by ブクログ
千早茜さんの最新作を読みました。
大好きな作家さんということもあり、主人公マリエが離婚後に出会う年下の恋人との関係が気になって、数時間で一気に読み終えてしまいました。
マリエの性格が自分と少し重なり、自然と親近感を覚えました。
「人は役割に流されて、欲しいものや本当の気持ちを忘れていく」
「確かなのは、嫌悪や別離に至るまでもない小さな幻滅や諦めは生活のあちこちに散らばっていて、こうして離れるまで私はそれに目をつぶっていたということだ」
これらの言葉を読みながら、
これを言ったら相手にどう思われるだろう。
私は相手にとっていいパートナーでいられているだろうか。
自分の気持ちを我慢してまで「いい人」でいなければならないのだろうか。
相手を制限したら束縛だと思われる? 嫌われる?
そんな余計なことばかり考える性格が、人と付き合ううちにいつの間にか身についていたことに気づきました。
もう目をつぶるのはやめよう。素直になろう。
どう思うかは相手の問題で、自分の気持ちはきちんと伝えよう。
そう思って、読後すぐに実際に言葉にすることができました。
これまでは言ったあとに後悔することも多かったけれど、「それで関係が壊れるなら、何でも言おう」という気持ちで向き合えたことで、気持ちはすっきりしています。
「相手が自分の隣にいて不幸せそうだったから離婚を選んだ」というマリエの気持ちにも強く共感しました。
「私は誰かといて不幸になりたくなかったし、
一緒にいる人に不幸だと思われたくなかったんです」
周りを見ていると、楽しそうに見えない夫婦やカップルを見かけることがあります。
お互いに満たされていないのかもしれない、と思ってしまうし、自分のパートナーが周囲から見て楽しそうでないのは嫌だなとも感じます。
そのためには、お互いの努力が必要なのだと思います。
最近結婚した自分にとって、離婚というテーマは少し重いかなとも思いましたが、それ以上に自分自身が気づかされることが多く、登場人物たちの結婚や結婚後の将来に対する思いが理解できて、とても面白い一冊でした。
Posted by ブクログ
マリエさんの少し強がりで、寂しさを素直に伝えられないところが私みたいだと思った
由井くんが言ったように、もっと寂しさを出す女の子の方がモテるのだろうな
男尊女卑、女性蔑視という言葉はあるものの、最近は良くないものだという風潮になってきた。
その一方で、それはただ風潮なだけで現実世界では女性として生きることがどれだけ苦しい立場にあるかということをしみじみ感じた
離婚したくなかったけど、離婚を決めた理由が
相手が不幸そうだった
というもの。
確かに一生共に過ごそうという契りを結んだ相手が、自分といることを不幸だと感じているのであれば離婚するかもと共感
これは離婚じゃなくて、恋愛でいう別れも同じではないだろうか
Posted by ブクログ
結婚も離婚も、時代や人によって全然見方が違っているんだなということを当たり前だけれど感じた。それでいて、そこに正しいも間違いもない。登場人物それぞれの考え方はそれぞれ理解できるものだった。共感できるものでなくとも、そういう見方があるのかと気付かされた。
小説家お二人の対談、とても面白かったですし、学ぶことが多かったです。離婚にはいろいろな形があるんだな、と。人生は、自分が幸せになるための選択の繰り返しであってほしいし、その選択ができる世界であってほしい。
Posted by ブクログ
微かな香りをとらえるように、離婚してから
自分に少しずつ向き直ってみる様子がとても繊細。
結婚して分かることもたくさんあるが、変わっていく自分には鈍感になっていたり。40を手前にもう一度、“私”を知る。
Posted by ブクログ
千早さんの作品には香りの話がほぼ含まれているので、どんな香りか想像してしまう。
由井くんとのその後の関係も気になる。
文庫本の醍醐味は解説だと思っているが、今回は金原さんとの対談を入れているところも気になり購入。各章の題名も個性が出ていて、やっぱり推しの作家さん。
Posted by ブクログ
バッドエンドじゃないけど、やっぱりハッピーであって欲しかったな。由井くんの気持ちも、もうひと深掘り欲しい。アラフォーの苦しさ、縛られたくないけど、安心したい形。気持ちわかるけど、もっと年上の私からすると、もっと甘えていいし、もっと楽しんで。
Posted by ブクログ
【2025年150冊目】
「恋愛がしたい」というで夫から別れを切り出され、離婚届を出して独り身になったマリエ。結婚相談所に登録してみたり、料理のレパートリーが増えたり、年下の少し気になる子ができたり――結婚、恋愛、幸せって何?離婚から見えてきたマリエの人生のあり方とは。
千早茜さんの文章が大大大好きなのですが、静謐な文章を一文一文味わいながら読みました。なんだかとってもリアルだったのですが、年下の恋人がいながらも婚活?と読んでる間は少し疑問に思ったりしていました。ただ、読み終わった今は、マリエなりに彼女の人生のあり方を探していて、結婚はしていたけれど、その理想の形がわからないままだったのかなぁなんて感じました。
理想や正解の形なんてわからないんですけど(人によるでしょうし)、一人になったことで、自分のペースで前に進もうとしている姿に共感しながら読んでいました。最後はどうなるかわからない終わり方でしたが、決して絶望的ではないのかな?と。大体のエラーはコミュニケーション不足だと思ってるんですけど、由井くんはコミュニケーションを諦めたくなるような相手ではないんじゃないかなと。
巻末に金原ひとみさんとの対談もあって、二人とも離婚経験者で、でも小説の書き方は違って、みたいなところも知れて良かったです。
なにを読んでも表現の美しさに感嘆してしまう千早茜さん、次作も楽しみです。
Posted by ブクログ
一気には読んだ。読んだけれど、理解も納得もできないし、消耗した。理不尽な離婚。というのが適切な言葉かどうかわからないけれど、そう感じた。なんで結婚したんですか。なんでそそのかされるままお見合いするんですか。そんなに男っていないとダメですか。自分のために、自分の時間を使う。それだけじゃだめですか。一人はそんなに怖いことですか。
Posted by ブクログ
40歳を目前に離婚したまりえ。香りや料理の描写が瑞々しく、リアルに感じました。結婚だけに限らず自分がどうしたいか、相手に何を求めるか。色々と考えさせられる作品でした。マキさんはじめ友人達の価値観もそれぞれで面白かった。