千早茜のレビュー一覧

  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    1人で食事するのは寂しいし、誰かと食事すると会話に気を遣って味わえないし、と思っていたけど、「自分と同じくらい食事に集中できる人」と食事することがベストなのでは!と、この本を読んで感じた。

    「人は変化していく。友情だって、愛情だって変わるし、相手の気持ちはわからない。人は誰もが自分以外のリアルを知らないのだ。けれど、同じものを食べて、美味しいと言い合うその瞬間だけは信じられる気がする。」

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    2025年11月08日
  • 透明な夜の香り

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    すごく繊細な本だ、と感じた。
    文章や登場人物などに儚いイメージを抱いた。
    特別に繊細な言葉を使っているとか、繊細な人ばかりが登場しているとかではないのに。
    香りをモチーフにした話だからだろうか。

    香りは未来永劫残るものではない。
    けれど、確かに人の記憶の中には残り続ける。良くも悪くも。

    恋愛でもミステリーでもない。
    心温まる話でも感動する話でもない。
    けれど、私の心の中に残る一冊だった。

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    2025年10月21日
  • 神様の暇つぶし

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    牛とまで揶揄された藤子
    父の死と共に現れた友人の全で
    倍近く離れた全に惹かれていく

    藤子が愛おしくなる

    そして良い未来を

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    2025年10月21日
  • 正しい女たち

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    どこかにはあるかもしれない歪な日常って感じだった。
    「幸福な離婚」は結構好きだった。他人になると分かっているからこその距離感が冷たくてあたたかくて切なかった。

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    2025年10月20日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    千早茜『直木賞受賞作品』
    千早茜、初読み。

    戦国末期の石見銀山。
    シルバーラッシュに沸く、石見銀山に家族とともに向かうウメ。途中、父母と生き別れ、山師・喜兵衛に拾われる。

    銀山で銀掘として、間歩に入りたいと願うウメだったが、喜兵衛からは許されなかった。
    銀に魅せられ、銀山に入っていく、男たち。
    そして、男たちのからだは蝕まれていく…

    銀山に生きるひとたち。
    銀山に魅せられ、銀山にしか生きられない男たちと、共に生きる女たちの世界。

    ウメは、喜兵衛に魅せられたからこそ、銀山に魅せられた。自分も喜兵衛のようになりたいと…
    山師になることはできなかったが…
    銀山に入る隼人や龍、息子たちを支え続

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    2025年10月18日
  • ガーデン

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    こういう男の人ってたまに居るよなぁ
    "帰国子女"等、人間は何かのレッテルを貼りたがる生き物なのかもしれない
    それにしても、やっぱ極限まで頑張っちゃうと崩れ落ちてしまうものなんだなぁ

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    2025年10月16日
  • 神様の暇つぶし

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    入りが好きだった
    主人公と同い年ってだけで読み始めた。
    好きになるってこういうことなのかなーとか思いながら読んだ。
    大人でミステリアスな人に惹かれる気持ちわかるなあ
    後半の行為シーンが生々しくておぅ、、となった

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    2025年10月11日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    お菓子の甘い描写と、登場人物の複雑な心理描写の対比が際立つ作品だった。

    最後まで主人公には全く共感はできなかったな

    自分の都合で婚約延期したのに、婚約解消しようと言われたら怒るなんてひどすぎる。
    最後の展開は一気にまとめた感あって少し残念。

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    2025年10月09日
  • 雷と走る

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    幼い頃、乾季と雨季しかない治安の悪い国で大型犬を飼っていた時の回想がずーと続きます。
    主人にだけは忠実だけど野生が出ると何をしでかすかわからないところがあり、本能のままの振舞いが愛おしさもあるが怖さも感じる。

    私も小さい時、犬を飼ってた事があるので随所にみられる犬の習性が古い記憶を呼び覚ましてくれました。
    犬とは主君関係が成り立つように感じますが、猫とは違い対等な関係性を感じたことがないので愛とゆうにはちと傲慢な感じでした。

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    2025年10月09日
  • 神様の暇つぶし

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    時間は記憶を濾過していく。思い出とは薄れるものではなく、濾されてしまうもの。細い金属の糸でみっちりと編まれた網に通され、濁りが抜けおちていく。時間はそれを何度も何度もくり返し、日々したたさの些事はぽたりぽたりと滴り、どこかへ流れ去ってしまう。

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    2025年10月06日
  • 赤い月の香り

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    ずっとこの物語に浸ってたい。
    読んでる途中だけど早くこの続きを、早くこの世界観に入り込んでしまいたくなる。

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    2025年10月05日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    千早茜さん。初めましてです。
    気になる作家さんではありますが、作品を表紙のイラストや写真で感じて選ぶところがあるので、ちょっと難しそうかな〜と、手に取るのを避けていました。
    千早さんの他の作品を知らないので比べようがないのですが、可愛らしいお名前(あくまで私の感想です)に似ずに、飾らないストレートな表現をされるのだな、と感じました。

    作品の舞台は、戦国時代の島根県、石見銀山
    主人公は、ウメ
    ウメは幼い頃に父母と生き別れ、山師の喜兵衛に拾われて銀山の坑道で働き始める。
    そんなウメの生涯が、戦国の時代に銀山で働き・生きる人々の営みと共に描かれていました。
    坑道で働く男たちがどのように生きて命を尽

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    2025年10月05日
  • グリフィスの傷

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    傷にまつわる短編集。
    傷跡になっていても、チクリと残るようなそんな痛みを感じるような少し苦しめの内容が多かった。

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    2025年10月05日
  • 私の身体を生きる

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    どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした

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    2025年10月05日
  • 胃が合うふたり(新潮文庫)

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    笑って読んでいたはずなのに、時折、するどい言葉にハッとさせられました。それも、2人それぞれに。
    大人になっても、いや、大人になったからこそできる友達づきあいがあるのよね。あと、無性に何か食べたくなるなあ。

    直木賞受賞に「おめでとう」とひっきりなしに祝われて「ありがとうございます」と打ち込み続けるうちに、ありがとうのゲシュタルト崩壊を起こしかけていた千早さんの元に、新井さんが「乾杯!」とスタンプを一つだけ送ってくれて反射的に「おうよ!」と返して調子を立て直すエピソードが好き。

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    2025年10月03日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    ネタバレ

    珍しく千早さんの作品で苦手なキャラクターが…!

    亜樹さんの、技術ばかりで人に高圧的な人はどうも…

    技術あればなんでも許されると思ってる?職人系が苦手。人間界で生きてるなら相手のこと考えろと思いますが、まぁ本物の技術って惚れ惚れしますよね。

    でも異業界の専門職と専門職で結婚するのは
    なかなかに難しそうですね!頑張れ!

    亜樹の結婚がどうの〜となるまでは
    お菓子と心情の繊細さが美しく生々しく苦しく
    描かれていて、その描写にずっとうるうるしてました。私の涙腺が壊れてるのかと思うくらい胸にきました。

    最後に、私は洋菓子にそんなに興味が無いことが分かったかもしれない。ここまで洋菓子を芸術的に見れ

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    2025年10月03日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    読ませるなあ、と思った。
    読み進めていくうちにもっと先が気になってくる感じ。
    「得をしない小説を書く」、尾崎さんが言っている通りの小説だった。

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    2025年09月30日
  • 神様の暇つぶし

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    心理描写が秀逸だった。藤子も全さんも、身の上だけ見ると「稀に、よくいる」感じの特別感のない男女で、二人の関係性にも目立った特殊性はないのだが、藤子の独り語りが生々しく身体の奥底から言葉を発しているようで、藤子が全さんにのめり込む様子が、まるで我が事のようにリアルに感じられた。
    それ自体がこの作品における文章表現の妙な温度感と湿度感を生んでいるのかもしれないが、蛇足というか、ちょっと余計に思える言葉が多いなと思った。
    里見君が素敵。

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    2025年09月27日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    9/8〜9/18

    最初は読みにくいな〜と思ったけど、途中から引き込まれた。
    ドラマの「海に眠るダイヤモンド」を思い出した

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    2025年09月18日
  • 私の身体を生きる

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    テーマはとても興味深い。
    面白いかと言われれば分からない。
    人の隠しておく部分を覗き見したような気持ちになった。「隠しておく」部分ではないのである、もっとオープンに話そうよ、自分の身体のことなんだから、がメッセージか?

    年を経ると病気の「身体」のことをしょっちゅう話すようになるのに、この本読んで「隠しておく」部分と感じたのは何故なのだろうか? 社会による刷り込みか?

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    2025年09月18日