千早茜のレビュー一覧
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服オタクとしては、洋服の歴史を深掘りするテーマそのものはとても面白かった。
シャネルがコルセットから女性を解放し、女性の社会進出にも寄与したという話は知っていたが、それ以前の歴史については断片的な知識しかなかった。そのため、コルセットには「男性が女性を支配していた時代の象徴」という悪いイメージの方が強かった。
一方で、そうした時代背景があったからこそ生まれた、美しい衣服や文化が数多くあるのだと知ることができた。現代の価値観だけでは測れない歴史の積み重ねを感じさせられる。
その反面、物語としてはやや淡々としていて、千早さんの他の作品と比べると盛り上がりに欠ける印象もあった。主人公たちの過去へ -
Posted by ブクログ
様々な生き物が、それぞれ違う場所で眠れない夜を過ごすショートストーリー。千早さんの文章は、色や匂いがものすごく鮮明に伝わる。今回の話は夜の静寂が伝わって、読んでいる方が少し眠たくなった。(つまらないとかそういう意味じゃなくて)
今、生まれて間もない赤ちゃんと夜を一緒に過ごしているが、夜通し寝ることがない。泣き声で起こされて、泣いている赤ちゃんを抱いている夜は孤独を感じる。でも、この孤独もいつか愛おしくなる日がくるんだと信じて、毎日の夜を超える。これも私の眠れない夜の話。街の明かり、静寂の中、それぞれ眠らない人のストーリーがあるのかな、と思ったりした。 -
Posted by ブクログ
小川朔の香りシリーズ第3弾。完結編とのことだが、時系列的には前2作の前日譚、あの洋館に至る前の物語である。
今作の舞台は、ハーブに囲まれた洋館ではなく、京都の香老舗である瑞雲堂。ここでの仕事は調香ではなく調合だ。香の世界で扱われるのは海外から輸入される香木(木とは限らないが)加熱して作られる香りは強く残りやすい。
匂いが見えてしまう調合師丹穂とその姉真奈。亡くなった丹穂の依頼を受けた朔が京を訪れる。ハーブより強くて濃い香りに包まれた瑞雲堂。香の老舗は薄暗く澱み、深く沈んでいる。
嗅覚に関して同様の能力を有する丹穂と朔。誰とも共有できなかったはずの匂いの感覚を持つ他者の存在に、喜びのような