千早茜のレビュー一覧

  • 神様の暇つぶし

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    ブックカルテで選書してもらった1冊目。自分では選ばない類のものだった。

    ぬるくて生臭い、なのにエンタメ小説だった。
    純小説が嫌いで。それは蹴りたい背中みたいなのを若いうちから読んでしまったからだと思う。いったいどこであんなの買ったんだか。純小説の定義は、生あたたかいくて湿っぽい、汚くて痛い、そんなところ。純小説とエンタメ小説の二通りとも限らない。人生図書とも言えるだろう瀬尾まい子さんの小説『卵の緒』は、エンタメ小説ながら、その水面下には美しい純文学の気配が流れている。又吉直樹の同じく小説『火花』も、塩梅は違えど純文学とエンタメ小説の間を行き来するような作品であったと記憶している。
    さて、本書『神様の暇つぶし』に移る。この手の話を私が読み切ったのは実に8年やそこらぶりだろう。暗い気持ちになるのはまっぴらだった。しかし1行も読み飛ばさず読めたのは、これが選んでもらった本であったこと、飽きさせない情景描写力に要因があると思う。いままではなんとなく小説家になろうとしてたし、なれると思っていたけど、力量とか物語を一歩ずつ進めるための力が足りていないと痛感させられた。この痛感は寧ろ苦痛ではなく、ぼんやりとしか見えなかった未来の霧の一旦を晴らしてくれるような爽快さがあった。
    読後感は好きではなかったが、読んでいると感じられる久しぶりの文章であった。
    ☆☆☆

    ひと月経って思い出すと、食事のシーンが印象深い。自分のことが分からなくなる時のものの味わい方が綺麗だった。過去の私のような性描写の苦手な高校生以下にはおすすめできない。

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    2026年10月29日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    もし10代や20代前半に出会ったら多分好きになる本。主人公の藤子は、全さんという50代後半の男性と、本当に恋しか考えてなかった。人間はみんな幸せのために恋に落ちるもんだけじゃなかった。欲望をそのまま沿って行く、刺激のため、自分が誰の目の中に、一瞬でもいいから、見られたい、受け入れられたいから恋に落ちるのは、多数の大人かもしれない。その意味で、たしかに、健全の恋を求める意味が無くなる。
    ただし、既婚者、30歳以上の歳の差、どうしても藤子の気持ち共感出来なかった。まるで、すべての自分を全部捨ててしまい、誰かに完全に支配され、依存され、従服される気持ち。ある意味、恋は宗教みたいなものかもしれない。
    タイトルの『神様の暇つぶし』は気になる。一体神様は、全さんなのか、藤子なのか、それともこの眩しく、非日常な恋自体か、分からなくなる。
    無論、藤子にとって、全さんは神様みたいな存在だと思う。でも、逆として、全さんにとって、もしかしたら藤子も神様かもしれない。50代からみると、20代の愛は純粋で、眩しくて、生き生きの存在だと思う。
    でも、ひとつがわかる。この恋は、決して悪いものではなかった。

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    2026年10月28日
  • 神様の暇つぶし

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    二人の関係は最高
    最後の写真集、決して現物なんて見たことがないけれど、とても鮮明に目の前に描くことができた

    女性の本質美が鮮烈に描写されている一文だと思った。

    もっとこの二人の関係に第三者が介入してもっと世界を汚くして欲しかったかもしれない。

    フジが言っていた恋に憧れる女の子はみんな自信がないって言葉が刺さってしまった。
    見透かされたなって思った

    面白い本だった。ただもう少しえぐみとか気持ち悪さが欲しかった

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    2026年10月28日
  • 神様の暇つぶし

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    あらすじを読み、文学的な感じがし、楽しみにしてましたが期待外れでした
    主要登場人物、どちらも魅力を感じず、惹かれ合った理由がわからない
    特に、善さん
    文面から、汚らしくてタバコ臭くて、身だしなみもだらしない 汚い中年男しか想像できず

    実写化するとしたら、佐藤二朗さんかな〜と

    自分には合いませんでした
    映像で見たら、ちょっと違うのかなと思った

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    2026年10月27日
  • 透明な夜の香り

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    本の装丁とタイトルが好きで手に取った1冊。うーんなんとも。可もなく不可もなくという感じ、読んだのだいぶ前で今更感想書いてるから正直物語の詳細は覚えてない(最低)また読み直したら感想追加する。

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    2026年10月27日
  • しろとくろの偏愛

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    私自身もお餅とチョコレートが大好きなので、この本を読みながら、何度食べたい食べたい今すぐ買いに行きたいと思ったことかっ!
    私自身も京都の老舗のお餅屋さんは本当に大好き。有名なお寺やスポットには大抵美味しいお餅屋さんが並んでいるため、すぐに幸せな気分に浸れる。
    しかし、花びら餅はいまだに口にしたことがなく、今度買ってみようと思う。

    47都道府県様々なお餅があり、それぞれのルーツを辿りながら食べるのは、勉強にもなり、なにより味がより記憶に残りやすい。
    私は特に福井の羽二重餅が好きで、一年に一度近くのスーパーで福井フェアが開催される時には手に取ることが多い。
    この感想文を書いてる間も、豆大福を食べたくて食べたくてしょうがない(汗)寝る前なのに!!

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    2026年10月25日
  • 燻る骨の香り

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    匂いを文章から想像するのは面白い。匂いがどんなものかはわからなくてもきっとこんな感じなのだろうと思える。お香や香水に興味がじんわり湧くお話。

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    2026年10月24日
  • 神様の暇つぶし

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    なかなか感想が書きづらいかも。

    最後、全さんは藤子を「生」として見ていて生きることにすがりつくように抱いていたと感じた。
    死に際に若々しくて生き生きとした藤子に対して魅力的に感じるのは恋愛そのものだけでなく、生きるということへの羨ましさもあったのかなぁと感じました。

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    2026年10月24日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    一文一文に情景が詰まっていて、一行ずつ丁寧に読む必要があるので、頭の中での物語の進みは遅く感じた。

    「こういう内容の本だったんだー」というのが正直な感想。

    続きが気になるから興味を持って読めたけど、共感はできないし、結末に至るまでの関係性もちょっと受け入れがたかった。

    自分が物語に没入するというよりは、第三者の人生を客観的に見ている感覚。

    全さんの歯が黄ばんでるとか、首のシワとかをリアルに描いていて少なからず読者はかっこいいと思えない状態なのに、藤子が夜の行為に溺れていくのが意図したギャップであり、ハマらなかった部分。

    里見はいいやつ

    文章は好きなので、次は香りシリーズを読んでみる。

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    2026年10月23日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    生(セイ、なま)って感じの本。
    久しぶりにしっかり1人称の本を読んだ気がする。
    恋愛の不安や執着、承認欲求と。逆に、人といることによる満たされた気持ち。
    胃もたれするような表現が多かった。
    たまには恋愛全開の本を読むのもいいね。

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    2026年10月22日
  • おとぎのかけら 新釈西洋童話集

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    西洋童話を題材にした短編集。一見馴染みやすいようでいて気高く薄暗さを感じる千早ワールドが展開されていた。(それは西洋童話をモチーフにしているからかもしれないが)「鵺の森」と「金の指輪」が特に好みだった。本来の童話の残酷さと千早先生の描写力、発想がマリアージュされていた。動物や鳥を登場人物とする典拠とは裏腹に、現代を舞台にして人間世界を描き出す。
    グロテスクだがどこか美しい物語だった。

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    2026年10月21日
  • 神様の暇つぶし

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    本作の軸となるのは、カメラの被写体となった藤子と、30歳年上のカメラマンとの儚い恋愛です。
    それは、どこか憧れる恋愛でもあり、同時に避けたい恋愛でもあります。

    生きる中での「鮮やかな記憶」と「こぼれ落ちる記憶」という作中の表現が、写真の現像という比喩を通して、クローズアップされたり遠ざかったりする情景の揺らぎとなって美しく現れます。

    人間の様々な欲望のシーンが細やかな言葉で紡がれ、リアルな映像が脳裏に浮かぶよう。
    特に美味しそうな食べ物の描写は、目の前で湯気が立っているかのような瑞々しい臨場感に満ちています。

    特別、目を見張るような大事件が起きるわけではありません。それなのに、なぜこれほどまでに深く引き込まれてしまうのだろう。読み手を捉えて離さないこの不思議な引力は、作者の天性の感性なのかもしれません。

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    2026年10月20日
  • 男ともだち

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    ネタバレ

    同棲している恋人をないがしろにして、医者と不倫していて、昔からの男ともだちがいるイラストレーターの話。
    前半は、男癖の悪い女の話で、自分の住んでいる世界と違いすぎてつまらないと思った。
    同棲している恋人に振られたところは少し面白くなりそうと思った。

    男ともだちは、絶対に体の関係にはなりたくないし、頼りすぎたくないけど、お互い、恋人や愛人よりも一番大切な人っていう関係性が不思議だと思った。熟年夫婦や兄妹のような絆があるけど、夫婦や兄妹よりもトキメキがあるような感じがする。
    私にはそういう男ともだちがいないのでよくわからなかった。男の友達でここまでの距離感で仲良くなれたことってないなぁと…。

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    2026年10月20日
  • 透明な夜の香り 赤い月の香り

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    ネタバレ

    透明な夜の香りに続いて。
    今回は、一香ではなく満目線でのお話。
    前作同様、一つ一つのシーンが丁寧に描かれており、
    文章が繊細で美しく、評価が高い作品なのは納得だが、やはり自分の好みとは違うなと感じた。
    なぜか朔のことがあまり好きになれない…。匂いで全てがわかる設定があまりにも都合良すぎると感じることも理由。もはや超能力、SFのよう。その他の登場人物も、なんだか感情移入しにくい。家庭環境を理由に心に闇を抱えているケースが多いが、その先の展開がパッとせず。まあ、そこにフォーカスしたい作品ではないことは理解しているので、ただの好みの問題。

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    2026年10月19日
  • 神様の暇つぶし

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    ネタバレ

    親を亡くして、好きな人を亡くして、友達を亡くして。あまりにも辛すぎる、、、。

    親と同じくらいの年齢の人に恋するのも全然共感は出来なかったし、写真として残されるのも嫌だし、物語としてももう少し救いがあるような話にしてほしかった、、と思ってしまった

    失恋ですら辛いのに、死別なんてずっと忘れられなくて苦しいだろうな、親も死んで友達も死ぬなんて切ない、

    『神様の暇つぶし』の意味を考えたけど、難しい。

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    2026年10月18日
  • 神様の暇つぶし

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    最初はどういうことだろうと読み進めていたけど最後にかけてどんどん面白かった本。
    好きな人しか見えない時ってあるよね、とそんな思いを思い出させてくれた本

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    2026年10月17日
  • 西洋菓子店プティ・フール

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    ネタバレ

    聞いたことのないフランス菓子の名前や、パティシエが描いているのかと思うほど繊細で細かな製菓の描写が興味深かった。読んでいる間ずっとスイーツが食べたくなる一冊。

    スイーツは生きるために必ずしも必要ではないけれど、食べることで幸せになれたり、感動したり、心が救われたりする。なくても困らないものだからこそ得られる、心の栄養があるのだと思った。
    美奈の「自分を卑下しても、自分が好きになったものを否定しちゃダメだ」という言葉が特に心に残った。好きなものを大切にして、罪悪感ではなく、おいしさをちゃんと味わって楽しみたい。

    亜樹と祐介のすれ違いからは、まず自分自身と向き合うことの大切さを感じた。自分の気持ちに気づき、距離を置きながらも、亜樹が困ったときには駆けつける祐介の姿に深い愛を感じた。

    「違う人間だから同じ事柄にも違う反応ができる」
    「夫婦は他人で作るもの。2人で倒れないように違うでいいと思う」

    相手を自分と同じだと思い込まず、違う人間として理解し合うこと。そして、クリームは混ざり合うことで理想的な形になるけれど、混ぜすぎると崩壊してしまうという描写も印象的だった。人間関係も、近づきすぎず、お互いの違いを大切にすることが必要なのかもしれない。

    スイーツの甘さだけでなく、ほろ苦さや酸味もある複雑な味わいが、甘いだけではない恋愛や人間の感情と重なり合っていた。

    自分の好きなものを否定しないこと。自分と向き合うこと。そして、違う人間同士だからこそ、互いを理解しようとすること。

    お菓子の奥深さと、人の心や愛情について考えさせられた一冊だった。

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    2026年10月16日
  • 透明な夜の香り

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     香りの記憶は人にとって永遠に残るもの。私もふとした時に嗅いだ香りに、昔の光景が蘇ってきたことが何度もある。

     調香師の朔の暮らしは清らかで丁寧なものだけど、繊細過ぎて少々息苦しさを感じた。
     しかし、朔の元で働くことにより身体も心も救われた一香の姿には救われた。
     個人的には新城さんや木場刑事との方が気楽に付き合えそう。
     香りだけでなく、色にも焦点をおいて描かれているところが印象的だった。

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    2026年10月14日
  • 男ともだち

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    映画化されるということで、予習として読んだ。
    ハセオという男がクズではあるが妙にかっこいい。こんな存在になれるものならなってみたいが、誰のハセオにもなれない。自分のパーソナルスペースに入れる異性に何もなく終われるのは家族以外あり得ないだろう。
    セックスをしないのは、いつか終わってしまうのを避けるため。短い言葉だが、とても意味が深い。そう感じた。
    映画でもう一度、この内容をもう一度なぞり、腑に落とそうと思う。

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    2026年10月14日
  • しろとくろの偏愛

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    餅とチョコレートをこよなく愛する著者によるフードエッセイ。読み進めるうちに、無性に「モチモチ」と「なめらか」を欲してしまう。そんな魅惑的な1冊。

    ずっと触り続けたくなる装丁に、思わずほっこりする挿絵。可愛さをひたすら享受し続けた最後の最後に、千早茜は嗜好品の大切さを説いてくる。

    そうだ。贅沢を享受できる社会こそ1番健全なんだ。

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    2026年10月14日