千早茜のレビュー一覧
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ネタバレ「ねえ、ハセオにとっての愛情ってなに?」
「あ?」とふり返る。黒い瞳と目が合う。
「そうやな」 「見ててやることかな」
肉体関係がないけど誰よりも近い男女のはなし
他の作家の作品でも交際相手より仲がいい男女はいたけど、神名とハセオの2人は彼らよりなんか会話や雰囲気、行動が付き合っていてもおかしくない、、けど実際には一切ないという絶妙な距離感がすごいと思った。
最後までどっかでこの関係は変わるかな、もし変わったらどこにでもいるただ距離が近い、付き合う直前のカップルみたいで陳腐だなあと思っていたので、最終的に全く変わらなかったのも嬉しかった。
作中では基本的に弱った神名をハセオが慰めたり -
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こちらも私が好きなシリーズである、「香り」シリーズの最新作ということで手に取りました。最終巻ということは頭に入っていたのですが前日譚ということを知らずに読み進めており、本作の最後で知りました。確かに朔さんの考え方に若々しさがあったり、過去に触れる時に違和感を感じてたので、振り返ると納得でした。
今回の作品は「お香」の家元に、ふとした経緯から朔さんが訪ねることからストーリーが始まります。お香について天才的なセンスのあった妹の死と、その家に伝わる伝説の香りという、ミステリー感溢れる設定は個人的には好みでした。過去作と比べると、朔さんは香りの再現の役割に徹することが多く、朔さんのオリジナル香水から -
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父の突然の事故死からほどなく、その父と親交のある有名カメラマンの全さんと出会い、徐々に惹かれていく女子大生の藤子とのお話です。
藤子はガタイの良さにコンプレックスを持っていて、常に女の子っぽくない振る舞いをあえてすることで心の平穏を保っていたようにみえます。そんな藤子に近づき、そういうところまで仕方ないヤツだなと全てを受け入れるような振る舞いをしていた全さんはとても罪深く思えました。
その結果、藤子は全さんに恋をし、全さんもそれを受け入れ、濃密な夏を過ごします。
そして全さんは「死期が近づいたら味覚が変わるとか、世界が違って見えるとか、言うけどさ、それって死にたくないくらい大切なものがある奴だ -
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植物の息づかいを、読者がリアルに感じとることができる文章表現は、さすが千早茜さんというところ。
登場人物のセリフや思考も、いちいち読者を立ち止まらせ、考えさせる。
千早さんの頭のなかはどうなっているのだろう。
人はそれぞれ自分自身の庭を持っていて、常に鍵が掛けられていたり、常にオープンだったり、隙間があったり、きまぐれに誰かを招き入れたり、訪問したりと、全ての庭の形態は異なっている。
そして、外部の刺激により簡単に崩壊してしまう脆さもある。
登場人物のなかでタナハシという、主人公・羽野の同期の女性が印象的だった。
彼女には、本来自分らしい庭があったはず。死にかけていた苔玉がまた息吹を取り戻 -
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ネタバレ過去を回想する形で始まるお話。全さんはもうこの世にはいないのだと、そこで分かる。
籐子と全さん、二人の関係はどのようなものだったのか。籐子とは、全さんとはどんな人だったのか。
そんなことが読み進めていくうちに明かされていく。
個人的には、友人だった里見くんまで亡くなっていたことが非常にショッキングだった。その事実が数行でさらりと書かれていたこともだが、籐子がひとりぼっちになってしまった、ということに胸が痛んだ。
タイトルの神様の暇つぶしとは、一体なんなのだろう。
籐子にとっての神様は全さんで、全さんにとっての神様は籐子。終盤で、全さんにとっての神様のことが描かれているので、タイトルの神様も