千早茜のレビュー一覧

  • クローゼット(新潮文庫)

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    ネタバレ

    服飾美術館に勤める補修士の纏子と、そこにアルバイト(ボランティア)に来るようになった芳の話。二人に接点はないように見えたが、幼いころに芳は纏子に助けてもらったことがあり……という内容。
    纏子の男性恐怖症のトラウマが芳とのやりとりで少しずつほぐれていくのはよかったなと思う。そこに服が絡まってくるのもよかった。ただ、最後に倉庫に閉じ込められるのと、そこから自分を加害した男が判明するところの流れが性急なようにも感じた。
    既読している千早茜の二作の方が面白かったかな。

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    2025年09月15日
  • さんかく

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    さんかくは色々だけど男女のさんかく関係も。
    けどどろどろとした恋愛のお話じゃなくて美味しそうなご飯も出てくるから両方楽しめる。
    どうして彼女が居るのに他の女性とルームシェアをしてしまうんだ???それ甘い甘すぎるぞ!となりました。
    登場人物事に話が展開される章になっているので読みやすかった。

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    2025年09月15日
  • 犬も食わない(新潮文庫)

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    ネタバレ

    犬も食わないどころか全力で逃げだすと思います。もっと言えばこれは恋愛小説ではなく、バトル小説。自分がこの状況だったら号泣しながら不戦敗を選びます。

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    2025年09月14日
  • 正しい女たち

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    読みやすかったし面白かった
    短編集で、1話あたり30ページくらいなのでちょうど良い。
    老いとか見栄とかプライドとか、恋よりも生活に近い、リアルなお話。欲望とか。
    不気味。全体的に、湿度がたかーい

    女性を枯れていく花のようだと思う人が、かわいそう、男女ともに。女は花じゃないし、女だけが枯れると思ったら大間違い。

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    2025年09月11日
  • 私の身体を生きる

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    高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
    同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
    「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
    痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
    もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
    それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
    またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく

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    2025年09月09日
  • 雷と走る

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    この本を正確に理解しようとすると難しいのかもしれない。
    幼い頃愛を注いでた犬の本能に目を背け、異国の地に置いて来た事を後悔する自分と、その後悔故に今の恋人への愛に自信を持てない自分が交錯する。
    何か結論があるわけではなく、淡々とした語り口。
    停滞した自分を停滞したままに描く。短いので読みやすい。

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    2025年09月08日
  • ひきなみ

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    離島の閉鎖社会や、戦前から現代まで根強く残る性産業差別が物語の根底にある
    なので、つい『女性であることとは…』とばかり考えながら読み進めがちだった
    でもラスト付近の『理不尽な暴力や無理解には、人として生き続けることで対抗する』という、闘いとも逃亡とも違う選択には深く納得した
    性別関係なく、あらゆる暴力と対峙するための、しなやかで誇り高い在り方だと感じた
    その様を白い航行跡『ひきなみ』に見立てるセンス、さすが…!

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    2025年09月08日
  • なみまの わるい食べもの

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    大好きなシリーズ。
    相変わらず千早さんのこだわり目白押し。

    どんなに周りの環境が変わっても食べることは毎日の中にあって、だからこそ大事にしたい。

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    2025年09月07日
  • 人形たちの白昼夢

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    毎日寝る前に一つずつ御伽話を開くような気持ちで読んだ。挿絵もすごく素敵。
    モンデンキントだけ少し毛色が違っていたけれど、思春期のほろ苦い思い出の一欠片が童話のような物語と並べて収められてる構図がなんだか良い。
    ポットの視点で語られる「あなた」がとても素敵で、ワンフォーミー・ワンフォーユーがすごく好きだった。

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    2025年09月05日
  • しろがねの葉(新潮文庫)

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    うーん。あんまり面白くは無かったな。つまらなくはなかったけど、読みにくかった。

    人間は欲深いなと思った。

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    2025年09月05日
  • ひきなみ

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    女の子なのに。子供なのに。
    あいつの子供だから。これだから女は。

    勝手に偏見を持たれて、勝手にいなげな子(変な子)と噂され仲間外れにされる。

    みんなとは違うから。みんなと違うってなんだろう。
    違うってことが当たり前であるはずなのに、人は自分の常識とちょっとズレた人を見れば「変な人」と距離を置く。

    他人は分かり合えるはずがないと子供ながらに理解し、
    船が通った跡、「ひきなみ」のように自分たちで自分の生きる道を作って進んでいかなければならない境遇にある
    真以と葉はとても強い子だし、私にはカッコよくさえ見えた

    「なんで」という言葉についてすごい考えさせられた。
    なんでって口にしてる時点でそれ

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    2025年08月30日
  • 私の身体を生きる

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    こんなにも赤裸々に皆書いて良いのか!?と最初動揺したが、それぞれ考えさせられるものが多く、有意義な時間が過ごせた。

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    2025年08月29日
  • なみまの わるい食べもの

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    直木賞作家の食エッセイ。自分の食欲にあくまで正直なところが羨ましい。
    オーストリア、トランジットで夜中に到着して、朝には出国してしまったけど、いつか再訪したいと思っていたことを思い出した。

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    2025年08月28日
  • さんかく

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    ネタバレ

    三角関係未満の女、男、女のお話。高村さん、伊東くん、華の話が順番に書かれて繰り返されている!
    伊東くんの彼女さん(なんだよね?)のお話は最初何だか難しいしちょっとグロい気がして半分適当に読んでしまったけど:( ;´꒳`;)汗

    各章のタイトルにもあるように食べ物のお話がたくさん詰まった1冊でした。どのご飯も美味しそうだなぁ、私も食べてみたい(*ˊ˘ˋ*)

    食の好みが合うって大事だと思う今日この頃。
    とはいえ、彼女がいるのに別の人と同居を始める伊東くんは意味が分からないけど。まあ高村さんも確認はしてないんだが…。お互いに責任がない関係だから楽ってのはあったんだろうけど、、。あと伊東くんあんなに

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    2025年08月28日
  • 男ともだち

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    普通に面白いっちゃ面白いが、あんま刺さらなかった

    こういう関係性あるあるよなあ、で終わる
    特に新しい気づきや視点は得られなかった

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    2025年08月27日
  • さんかく

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    ネタバレ

    高村さん、伊東君、華ちゃんの3人の視点で進んでいく話。
    華ちゃんという恋人がいるにも関わらず、食の趣味が合って居心地のいい高村さんとルームシェアし始めてしまう伊東君…。それはよくないなぁ。
    割り切れない思いをそれぞれが抱えて物語は進んでいく。
    最後は高村さんが心機一転引っ越しと転職をすることで伊東君との関係は終わるけれど、伊東君のはっきりしなさがモヤモヤ。あまりスッキリしない終わり方だったけれど、とにかく出てくるお料理がどれもリアルに思い浮かんで美味しそうでした!

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    2025年08月25日
  • なみまの わるい食べもの

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    食へのこだわりがすごい。当方、食に関しては「美味い」か「好みでない」しか語彙を持ち合わせていない。妻によくネタにされている。
    こういったエッセイは時折読むといい。心がふわりと軽くなる、というか。
    「まずいものにも味がある」、前書きである「「わるい」懊悩」に書かれた一文だが、これが目からウロコ。そうか、自分が苦手だとする食べ物も個性としての「味」があって、誰かの好みなのか。苦手なみょうがや、箸の伸びない梅干しをもう少し食べてみる事にしよう、と思った。

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    2025年08月22日
  • なみまの わるい食べもの

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    食にまつわるエッセイ。

    私がお金持ちだったらこれ食べたい。みたいなのがあって今の食に満足してると思ってたけど、違うのかも知れないと思ったり、自分の嗜好を認識させられた。

    エッセイを読むと作家さんの感性の鋭さなのか文字稼ぎなのかはわからないけど、着眼点が面白いと思ったり、そうかも知れないと思ったり面白い。

    桃とモッツァレラチーズ。ってか、フルーツとチーズの組み合わせ毎日食べたい。

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    2025年08月21日
  • グリフィスの傷

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    傷をテーマとした短編集

    生々しい傷というより、けがの傷が多い。
    痛みがあり治そうとするものなのにどこかに傷ができたことで、自分を保つようなお話が多い印象。
    千早さんの空気感や温度感に浸された作品で読んでいて心地よかった。
    竜舌蘭、結露が好きだった

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    2025年08月18日
  • アンソロジー 料理をつくる人

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    『食』がテーマの小説やエッセイもいいけど、なんならレシピの文章を読み上げるほうが好きだし、夢中になれるという妙な癖がある
    それはつまり私の中では、食べることではなく、作ることに、より重きを置いているんだな…と、このアンソロジーを読んで再確認した

    どの作品も面白かったけれど、『作り、供すること』が命に肉薄する千早茜、織守きょうや氏の2作が特に心に残った

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    2025年08月17日